つまらない小説を無理矢理褒めちぎるスレ3

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444イラストに騙された名無しさん
イット 著:児玉ヒロキ ジグザグノベルズ

ネット投票で出版が決まるジグザグノベルズの意欲作である。
一見”ワナビ御用達”とも取られかねないこのレーベルであるが、
プロットの段階で編集の手を経ない事で実に独創的な作品に昇華する例がある。
中でも群を抜いているのがこの作品、イットである。

ストーリーの骨子は中世風の異世界に飛ばされた主人公が
軍師として活躍するというオーソドックスな物。
だが当作品イットが異彩を放つのは、主人公の過度な虚弱ぶりである。

魔法でパワーアップなどしない。
馬に乗れば股ずれを起こす。
戦闘に巻き込まれればアバラを折る。
筋トレをすれば疲労骨折を起こす。

現実世界の我々よりも更に虚弱な少年、イットが知恵を絞って活躍する
当作品には既存の作品に無い爽快感があるのだ。

王子や貴族達が主人公の知性に一目置く中、ヒロインがあまりに虚弱な
主人公に業を煮やし、筋トレを強制するシーンには暖かな苦笑が漏れる。
445イラストに騙された名無しさん:2006/07/25(火) 15:16:42 ID:59D15k49
筋トレによる疲労骨折が元で主人公の両足が切断されるまでは。

何の工夫もない食料の買い占めで一朝一夕に帝国が飢餓状態に陥ったり、
中世風の世界が実は未来の世界で商人ギルドの長が送って来た
ターミネーターと戦ったりそんな超展開の裏で主人公はただ手術を受けて
リハビリをするだけである。
まさか自分の強要した筋トレが元で両足切断なんて思いもよらなかった
ヒロインは主人公に人生を捧げる事を選ぶ。

こんなプロットを有名出版社に持ち込めばまず出版にはこぎつけられまい。
ネット小説への投票という形式が産んだ現代の奇跡として、評者は
当レーベルの将来性から今後も目が離せない。