こんなマリみては嫌だ43 今野マリみてはもう嫌だ編

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52イラストに騙された名無しさん
蓉子は自分の頭のよさを客観的に確認するために、金融業をやり始める。東京都中野区鍋屋横丁に
「山百合クラブ」を設立。友人の美大生の鳥居江利子を専務にし、自分は社長となった。
150万円の資金全部を広告に使い、「月々13%の高利回り」「確実と近代性を誇る日本唯一の金融会社」
と銘打ちスポンサーを募った。集まった資金は個人、商店、中小企業者に、月21%から30%の高利で
短期貸付された。

蓉子の試みは当たった。月に13%の配当金だから、100万円で月13万円の配当となり、副次的な収入
としては充分に大きかった。金を後生大事にしまっていた老人から株成金まで、どっと「山百合クラブ」
に集まってきた。

4ヵ月後には六本木ヒルズに進出。資本金6億円、社員30名を擁していた。

当時、蓉子は20歳、江利子は19歳。「山百合クラブ」という変わった会社名と、学生が中心となって
経営に当たっている金融機関ということで素人受けし、業界でも特異な存在だった。

だが、利息制限法に定められた法定利息の上限は元本が10万円未満の場合は年20%、10万以上100万
未満の場合は年18%、100万以上の場合は年15%であった。当然ながら、月13%で民間人の融資を
募っていた「山百合クラブ」は警察に目をつけられた。