>>290だが言いっぱなしもなんなので自分で褒めちぎってみる。
エロゲ界において『秋桜の空に』『お姉ちゃんの3乗(きゅ〜ぶ)』のヒット作を飛ばした竹井10日が
満を持してライトノベルデビューを果たした。それがこの『ポケロリ』(角川スニーカー文庫)である。
タイトルの「ポケロリ」とは、普段はパペットとしてポケットに収まる美少女型異星人たちのこと。
そんな彼女たちを数多く操る天才ポケロリマスター、山風忍がかつての相棒を探す旅先で謎のポケロリと
バトルを繰り広げる、というのが1巻『りぼんの章』のあらすじである。タイトルとあわせてなんとなく世界的に
有名な何かを連想せずにはいられないが、要はそれほど単純明快な話ということ。解りやすさとは大切だ。
この作品の最大の特徴は、エロゲライターが書いたものにふさわしく、様々な属性や格好の少女たちが
出てくるところに尽きる。スクール水着、天使、お姫様、メイド、死神、弓道着、セーラー、ブルマ、
裸エプロンetcetc……と、枚挙に暇が無い。
普通ならこれだけ多くの属性のキャラを出そうとすれば、間違いなく物語が破綻する。だがそれを
「人間で駄目なら、最初からそういう種族の生命体として出せば良い!」と力ずくで解決。
いや、これこそ正にコロンブスの卵的発想と言えよう。
こんな設定を6年も前に思いつき、さらに執筆までずっと練りつづけた筆者は天才と呼ぶにふさわしい。
フォーメーション名「夕暮れの教室でいきなり情熱キッス!」などにその片鱗が見られるだろう。