桂さんは祐巳の中に生まれた上位人格なんだよ。
主に祐巳がなにかの壁に突き当たったときに、その人格は現れる。
桂さんの人格から見て祐巳は下位人格なので上位人格である桂さんが現れたとき
同時に祐巳の意識もそこにあることになる。
祐巳はその上位人格と意識を通わせることで、
本当に自分のクラスメイトに桂という生徒がいると錯覚していたんだな。
しかし、祐巳は祥子というお姉さまを得る。
祥子さまという精神の支柱ができ、心が安定しだした祐巳は、
桂という上位人格に助けてもらわなくてもよくなってしまった。
だからシリーズが進むにつれ桂さんの名前は出てこなくなっていった。
桂さんの存在がいらなくなったわけだが、クラスに全然いないというのは非常にまずい。
なにせ今まで桂さんは祐巳の人格ではクラスメイトであったわけだからだ。いないことにしてしまうわけにもいかない。
しかし、祐巳の精神は良い方法を思いついた。それは桂さんが違うクラスにいることにしてしまえばいいということだ。
こうして二年に進級したとき、祐巳は桂という人物を自分とは違うクラスにすることでその矛盾を解決したのだ。
ところが最近祐巳の精神の安定を脅かす問題が発生した。そう、祐巳の妹問題である。
再び桂さんの人格が必要になりつつあるのだ。志摩子の口から出た桂という名前、おそらくこれは志摩子は
全然違う名前を言ったのであろうが祐巳の意識はそれを桂さんという名前に置き換えたものと思われる。
作中での桂さん復活は時間の問題といえよう。