>>419別解。ごめんなさいもうしません許して。
アニメ流れ客をがっちりと掴んで離さない、突き抜けるようなハッピー
エンドを要求されて困惑する作家。長考一番、彼は若かりし頃の追憶
をもとにプロットを置いた。かつての彼ならば前途に悲劇を置くこと
など考えもしなかっただろう姿、それをモティーフにすることでハッ
ピーエンドは確保され、急ピッチの執筆が始まった。
しかし、筆が進むにつれ、かつて作家の中にあったものが鮮明に蘇り
始めた。気付いたとき、彼はもうそれを止める術を知らず、ほとばし
る甘やかな感情にただその身を委ねた。
こんなことになるとは誰にも予想できなかった。しかし、〆切が迫っ
ていた。いまさら全てを白紙に戻すことはできなかった。編集者は苦
悩しつつも、力の限りの助言を行なう。「もう時代が違うんですよ」
「今の若い子達はそんな古いこと知らないですよ」
プロットのコードネームそのままの仮題を載せた新刊予告に背を煽ら
れながらも、作家は、かつての自分が憧れた姿かたちを、文章の中に
ただひたすらにえぐり込んでゆく…
もう遠い少年時代、作家は南野洋子のファンだったのだ。
# このレスはフィクションであり、実在する作家、編集者、刊行予定
# の小説とは無関係です。