【臓物】グロシーンのあるライトノベル【脳漿】

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28イラストに騙された名無しさん
「次は、君にしよう」
 ほがらかとも、言える口調でシュタールは、また別のひとりを指さした。指名されたのは、アンジェラだった。
彼女は、喉の奥で引きつったような悲鳴を上げ、膝を震わせる。足下には、湯気の立つ水たまりができていた。
あまりの恐怖に、失禁したのだ。
(中略)
だが、シュタールは艶然と微笑んで、アンジェラの頬に優しく触れる。そこには、幾筋もの涙が筋を作っていた。
「さあ、お逃げ」
 甘美な響きのその声が耳朶にすべり込んだ刹那、彼女はくるりと身をひるがえすと、壁になるように囲んでいる
信者たちに向かって突っ込んでいった。大きく開いた口からは絶叫を放ち、一散に駆け出し始める。
(中略)
 逃走していたアンジェラが、絶望の悲鳴をほとばしらせた。
 逃げる彼女の四方を、床から突如として現れた透明の壁が覆ったのだ。彼女は拳で壁を叩きつけるが、
それはびくともしない。そして一瞬の後、同じく床から跳ねるように現れた、鋭い槍の穂先のようなものが、
彼女の股間を刺し貫いた。びくん、と彼女の身体が跳ね、その脳天から切っ先が顔を出す。
その時点で死んでいてもおかしくないが、彼女は震える腕を持ち上げ、虚しく透明の壁を叩いた。
 タスケテ、と唇が動く。
 リロイはふたつになったシュタールを無視して、彼女のもとに疾駆した。だが、彼女の身体を貫いた槍は、
突然無数の鋭い針を生み出し、内側からその肉体を貫く。噴き出した血潮が、べっとりと透明の壁に張りつき、流れ落ちた。
 リロイはそれでも足を止めずに駆け寄り、握った剣を透明の壁に叩きつける。
 同時に、凄まじい速度で、針を生やした槍が回転していた。その勢いに耐えきれず、アンジェラの身体は、
一瞬にしてミンチにされる。透明の壁の中で、彼女の肉体は原形すらとどめずにかき回された。
 リロイが透明の壁を粉砕すると、そこから彼女だった物が飛び出し、周囲に散らばる。
肉体を構成するあらゆる要素が一緒くたにされたどろりとした液体は、じっと傍観する信者たちにも降りかかった。