【臓物】グロシーンのあるライトノベル【脳漿】

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12イラストに騙された名無しさん
 なにもないはずの空中から、フックつきのワイヤーが凄まじい速度で射出されたのは、ほぼ同時だった。
その数は、優に五十を超えている。
(中略)
ワイヤーのフックがニコールの全身に食らいつく。鋭く曲がった鈎先が五体すべてに食い込み、
眼球、鼻孔、耳朶、唇にも突き刺さった。霧のように血が飛び散り、彼女は激痛のあまり絶叫する。
(中略)
 ワイヤーは現れたときと同じように、なにもない空間に凄まじい勢いで戻っていく。
しかし今度は、鈎先に異物がある。だが、戻る勢いを殺ぐことはできなかった。
(中略)
 全身に食らいついたフックが引き戻されることにより、捕らえられたニコールの全身が、
無惨にも引き裂かれた。顔は、ほとんどバラバラになって引き裂かれ、血煙とともに眼球が飛び出した。
肋骨に引っかかっていたフックは、乳房をえぐりつつ彼女の胸部をぱっくりと開き、赤い臓腑を丸出しにする。
それすらも、深く食い込んでいたフックによってえぐり出され、体液を噴き出した。
全身の肉と筋肉が引き千切れ、骨が砕け、五体が吹き飛ぶその光景は、まさに悪夢というしかない。
血と肉片と内臓を派手にまき散らし、彼女は一瞬の内に絶命していた。
一番近くにいたリロイに、それらが降りかかってくる。ごとり、と足下に落ちてきたのは、顔をずたずたに引き裂かれ、
頭蓋すら砕かれた頭部だった。死の瞬間、どんな表情をしていたのか、血だまりと化したそこからはなにも読み取れない。
 そしてなによりも恐ろしいのは、十字架に残された彼女の身体だった。背中と手足の一部だけが、その中身を晒しながら、
張りつけにされているのだ。十字架は赤く染まり、内臓と血の温かみに湯気を立てている。しかもその凄惨さの中に、
計算されたような一抹の美しささえ漂わせているのが、あまりにも不気味だった。