佐藤大輔がもしギャラクシーエンジェルを書いたら

このエントリーをはてなブックマークに追加
124昔どっかでみたネタ
「ある日突然、あんたに12人もの妹姫ができたらどうするのかな?
それも、すこぶる見目麗しく
櫛梳くエルフの髪のごとく素直で
芽吹いた白の木の苗のように愛らしく
じゃがおのが脚で立ったばかりの子馬のように淋しがり屋じゃ。
かててくわえてその妹姫たちはみんながみんな、途方もなく
あんたのことが大好きなんじゃよ。

「じゃが胸痛むことにあんたと妹姫は今は離れ離れに暮らしておる。
実際に会うことができるのは、
ふた月に一度と決められた『お兄ちゃんの日』だけなのじゃ。
大好きなあんたと自由に会えない妹姫はさみしくて、
夜につけ昼につけあんたのことばかりを考えておるのよ。
『どうか、早くお兄ちゃんに会えますように。
冬長きこの国の春の陽射しにも勝るわたしの大切なお兄ちゃん、
会えないでいると、わたしの心は冷たき風に揺らぐ灯火のようです』
125イラストに騙された名無しさん:04/04/22 02:55 ID:XRCjD0Zt
「そしてそれゆえ、ようやくふた月に一度の『お兄ちゃんの日』が
めぐり来たり、二人がついにまみえたときには
妹姫は天が下の幸福をすべて己がものにしたかのごとく、
この上ない幸せな気持ちになるじゃろう。
むろん二人は兄妹じゃ。じゃが気分はまるで逢瀬といってよい。
そして妹姫は、あんたのそばにぴったりくっついて
心配そうにあんたの顔をのぞきこみ、こういうじゃろう。
『お兄ちゃんはわたしのこと、好き?』
「なぜとなれば、妹姫たちは幼少の砌からこの日に至るまで
ただ純粋にあんたのことだけを愛しておるからじゃ。
心優しく、高貴で丈高く、この世にただひとり、
あんたが自分だけの大切なお兄ちゃんだからじゃよ。
かくてこそ、いつもいつもあんたとともにありたいと思い、
あんたの目を自分に向けてほしいと思っておるのじゃ。

わしが伝えるのはそんな清らかな乙女たちのことじゃ。
見た目もその性質もまったく違う12人の妹姫たちじゃが、
その心だけはほとんど差異が見られぬほどみな等しくあろうぞ。
そう『お兄ちゃん、大好き!』とな!」

瀬田貞二氏 訳