マリアさまがみてる奇妙な冒険 第二部

このエントリーをはてなブックマークに追加
265白薔薇の理
「あなたが・・・・白薔薇さまだったのですね」

低い、落ち着いた声だった。
一本の桜である。
一面の銀杏の只中である。
・・・・

その桜の霞の中にひと際白き影がある。
生きているマリア像。それは・・・・色白の女
対峙するのは桜色に染まった市松人形である
・・・・

「私はもう隠しません。隠しては乃梨子が立ち行かぬ。
こうなった以上はリリアンで己の居場所を探します。
負けません。負けてなるものですか。
お姉さまよりも祥子さまよりも、強く生きて見せましょう。
仏教の寺の娘として、私は悲しくとも辛くとも祈っていなければ
ならぬのでしょう。それが・・・」

女は、静かに、毅然として云った。

「それが・・・・ロサ・ギガンティアの理ですもの」