ライトノベル〜僕・私のやって欲しくない事BEST3〜
おつかれ!
wktkしつつ見て来る
wiki編集しようとしたら、混み合っております orz
カナシス
860 :
まとめ人:2006/09/06(水) 18:24:45 ID:iWH44bSB
きっとみんなしてwikiに走ったんでしょう。たぶん。
編集の皆様いつもありがとうございます。
まとめ人は都合により11月まで作業できない(予定)ですが、
前述の通りうpまでの要素はできるだけすべて入れていきますので
(例:鐘パパ、元鷺)
書き手さんも読み手さんも安心してSSをお楽しみください。
お子様もそろったところで、
個人的には学校イベントが読みたいなーと言ってみるテスト。
861 :
まとめ人:2006/09/08(金) 08:35:16 ID:Bxj+3Bp4
ちょっと質問。
前述の通り、うpまでに出た要素はできるだけ取り込む方針なのだけれど、
うpまでにどうしても時間がかかってしまうため、たとえばオブや空は
790までのまとめだけど、萌絵は855までのまとめになる。
多分今後、さらに差が広がっていくんじゃないかと思うのだが
うpした後のは書き足ししてないんで、どこかで区切ったほうがいいだろうか?
今回のまとめは790までとか855までとか。
次のまとめ人さんが、混乱するんじゃないかとちょっと心配になったんだ。
まあ、避難所ができたんで、「追加」って形をとるのもありだと思う。
けりがついたところで読み手がメモしておくとか、ね。
蛇足:眠りそこねたので三流さんうp。
鐘スレ読み返したいんだがどこ見てもないんだよな。
863 :
まとめ人:2006/09/10(日) 21:25:33 ID:NBkHEQ5E
>862
おおう、ありがとうございます!
html化まで待機覚悟だったので、非常にうれしいです。
まとめた範囲……どこまでだっただろう<オイ
もうちょっと意見を聞きたいな、と思いつつ沈んできます……
864 :
イラストに騙された名無しさん:2006/09/19(火) 18:59:36 ID:FKIsSQYp
一体何なの??? このスレ
ageとくよ…
あげちゃダメダァ
ここはヒッソリト落ちていきそうだけど、落ちないスレなんだぁ
>>865 ひとまず862のファイルと、このスレ全体を読むんだ。
久々にまとめ更新。でも脇中の脇。
あと、まとめ人の状況がだいぶ長帳場になりそうなんで、
一応860まで(2006年9月6日現在まで)のまとめということにします。
それ以前のものは番号を書くか、付記という形になると思います。
皆様、もうしばらくお待ちください。
おつ乙
たのしみにしてるよー
しかし、時間が無い……
むがぁぁぁ
870 :
1/5:2006/10/09(月) 21:49:36 ID:E8jJDlD2
新学期に入り最初の日
「で、間に合った?歴史」
「ああ、ぎりぎり。昨日は徹夜だったよ」
始業式、ホームルームと終わり、鐘は名門君に帰り支度をしながら話しかける。
「今日はどっか遊びに行かないか? 本屋も寄りたいし」
鐘は鞄を持ち名門君に提案する。
「んー。今日は長耳さんとこに行かないといけないからパス」
「あー。またメイドロボのことか?」
鐘はいつかの騒動を思い出しながら尋ねる。
「いや違う。情報に関する勉強なんだ。情報を制するものは世界を制すってね。
長耳さんに言われた情報収集の課題をやってたんだ」
なるほどと、鐘は感心したように聞く。
「長耳さんって腕利きの情報屋だもんな。で、どんな課題だったんだ?」
「『萌絵、オブシディア、空が一学期中に告白された回数を調べよ』」
「ぶほっ!」
思わず鐘は吹いてしまう。名門君はひょいとよけつつ
「鐘、汚いぞ」
顔をしかめて言う。
「ごめん。でもやっぱり長耳さんは長耳さんだったね」
「? よくわからないが、ともかく中々大変な課題だった。
本人達に気づかれたらどんな妨害があるかわからないからね。
結果も結構興味深い物だったよ」
それだけを言い不意に名門君は黙る。ついでに鐘も黙る。
871 :
2/5:2006/10/09(月) 21:51:57 ID:E8jJDlD2
「…………」
「気になるか?」
「かなり」
鐘は即答。なんだかんだ言ってやはり男の子である。
「正直だな。……よし、クラスメイトもほとんど帰ったしここで見せよう」
二人は向かい合う形で椅子に座りなおし、名門君はレポートを取り出し説明を始める。
「まずは萌絵からだ」
「……ああ」
「一学期中に10人、夏休み中に5人。しかもほとんどが上級生からだ」
「…………多いなぁ」
「なんだ心配か? だが安心しろ、全員あっさりごめんなさい、だ。
ちなみに後日振られた奴らに理由を聞いた所、かわいい、保護欲が刺激された等々、ということだ」
「それは良く分かるな」
うんうんと鐘は深く頷き、絶対に守ろうと決意した少女の姿を思い浮かべる。
名門君はそんな鐘を見つつ言葉を繋げる。
「ついでに告白した奴は全員その日に角材持った謎の男に襲撃されたそうだ」
「ぶほっ! それって」
「なお、危害が加わる前に謎のメイド服を着た女性によって回収されたため、実害はなかった」
「それってやっぱり萌絵の」
「鐘」
なぜか笑顔全開で名門君は鐘の名前を呼んだ。
「なんだ?」
「世の中には、たとえ真実であっても公にしないほうが良いことがある。これ長耳さんからの受け売り」
「……そうだね」
とりあえず鐘は納得し、それ以上考えることを止めた。
872 :
3/5:2006/10/09(月) 21:53:41 ID:E8jJDlD2
さて、と一呼吸置き、名門君は話を続ける。
「次はオブシディア。こっちは意外なことに0人だ」
確かに意外だなと思いつつ、鐘は疑問を向ける。
「それは確かに意外だ。オブシディアなら結構告られそうなのに」
「不思議に思って実際に告白しようとして結局しなかった奴の一人に聞いてみた」
「それでどうだった?」
「その結果がこうだ」
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『おれはオブシディアさんに告白しようと
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 思ったらSOS団に入団していた』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも何をされたのかわからなかった…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r ー---ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ 催眠術だとか洗脳だとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
「そういえば、オブシディアに悪い虫がつかないようにするって黒服さん言ってたな」
「黒服の人も大変だよな」
873 :
4/5:2006/10/09(月) 22:00:08 ID:E8jJDlD2
「それはともかく、最後は王道空だ。告白された人数は1人」
「一人か。思ったより少ないな。むしろ王道財閥の一人娘に告白なんて勇気あると見るべきか」
「その王道にお兄ちゃんとか呼ばれてるのはどこの誰だ」
「いや、実際なんで俺がそう呼ばれるか理由が分からないんだよな」
本気で悩み始めそうになる鐘の様子に名門君は苦笑し、先を続ける。
「そっちの事情は置いといて。実はその一回目の告白時に事件が起こってね」
「事件?」
「王道に対し最初に告白した奴が禁句を言った」
『王道空。僕と付き合って欲しい。ああ、君の笑顔、小さな体、大平原のような小さな胸、まさに僕の理想なんだ!!』
「要約するとこんな感じに。で、一秒でふった」
「それはふるな。空の悩みに直撃してるぞ」
鐘の言葉に、名門君は苦笑。そのまま少し声のトーンと落して続ける。
「それだけなら良かったんだが、その男は金だけはある成金の息子だったんだ。
プライドを傷つけられたらしくてな。夕方に5人の用心棒を連れて王道を脅そうとした。
よほど頭にきたんだな。王道財閥に喧嘩を売ってることになる事すら忘れていたらしい」
鐘は脅しの結果を想像しため息を一つ。
仮にも空は王道財閥のお嬢様。ボディーガードぐらいついているだろうに。
「無謀だ。普通王道財閥の一人娘なんかを脅したらどうなるか分かるだろうに」
名門君も同じように苦笑し言う。
「想像通り、王道は相手を徹底的にボコボコにした」
あれ? と鐘は想像に修正を加えながら話す。
「そこまでか? 空のボディーガードにでも排除されているかと思ったんだが」
「はぁ。また王道に対して甘い評価を持ってるな。鐘の前では『お兄ちゃん』とか言って猫被ってるからか?
王道は周りが止めるまでぼこし、直後に親に家に謝りに行った。要は、あの場だけで収めるため、空にも非があるようにした。
しかし、まるでフランス人形のような容姿と見掛けと異なる姉御肌な性格。
怒るとまさに野生肉食動物。始めは誰でもギャップに驚かされる。
とにかく、そんな訳で噂が噂を呼び、以降告白されたことはなし。
男性でその容姿に騙される奴はなくなり、女性陣には逆に人気が出てしまったな」
目をつぶり若干過熱気味に名門君は言う。
鐘はふと視線を名門君の後ろにずらしあるものを見つける。
874 :
5/5:2006/10/09(月) 22:01:47 ID:E8jJDlD2
「なるほど。ところで――」
「そんなこんなでついたあだ名が"手乗りタイガー"。本当にインパクトが強すぎたな」
「それは分かった。ところでな――」
「ま、王道を見かけで判断するやつは馬鹿だよな。あんな気の強くて可愛げのないやつはめったにいな――」
「ところでだ」
「なんだ? さっきから」
「後ろ」
名門君が振り向くとドアの前で無表情に腕を組んで立っている王道空がいた。
空の周りで烈火のようなオーラが出てるような錯覚に陥る。背後には虎の幻影が見えるようである。
「…………イツカラ ソコニイマシタカ?」
名門君はカクカクとロボットのように言う。
「えーとね。私はお兄ちゃんの前で猫被ってるつもりはまったくないわ」
「ソウデスカ。ソコカラデスカ」
空はガクガクブルブルし始めた名門君から鐘に視線を移し、にっこり微笑みながら一言
「ちょっと名門君借りるわね。お兄ちゃん」
「いや、まぁ、ほどほどに」
あーもう無理かー。と思いつつ、鐘はとりあえず適当に答える。
「うん分かってる。大丈夫、ちょっと説教するだけだから」
顔には微笑みのまま変わらず。しかし目はいっさい笑っておらず、声はひたすら平坦だった。
「デキレバ イイワケヲサセテ ホシイノデスガ」
「却下」
ついでに名門君の最後の抵抗を一言で蹴散らした。
鐘にぺこりとお辞儀して、空は移動を開始する。恐らく目的地は校舎裏だろう。
そんな空と首根っこを捕まれて退場していく名門君を眺めながら、
「手乗りタイガーか。言われてみればたしかにぴったりだな」
鐘は一言呟いた。
がおー!
ちょwポルナレフきたw
一人称が俺になってるのと、全体的ににぶさがなくなったのが変化かな。
歳月を重ねたら男らしくなるのが自然かもしれないが、どうなんだろう。
萌絵に対して積極的行動に出る確率が高まった事は確かだが
某武官弁護士のようなにぶさと紳士的態度が好きだったんだがなあ。
元殺が目標だからしかたないのか?
まあ、これはこれで好きだ。
そしていっちーにニヤニヤしてしまった男ツンデレ愛で。
容量が後、30K程か
次スレ移るには、まだ大丈夫だが
SSが乗ると一瞬にして消える
どうしよっかね?
次スレのテンプレでも決めるかね?
伏線の整理でもするかい?
・萌絵をねらう黄金郷(神の代わりに、元殺および旦那を苦しませるため等)
・ロボ子を作ったマスターは?
・メイデン・プロジェクトとメイド襲撃の関係
・メイド姉はなぜマリーの下を出て行った?
・力に目覚めつつある萌絵
・神話は繰り返されるのか?
・モトカの「元」はいつどうしてついたのだろう?
・旦那の犯した「罪」とは?
・統帥が『組織』を作った目的
・『教会』が萌絵と鐘を見張っている理由
・シスターが『教会』に登録されていない理由
・元殺が『組織』を抜けた諸事情およびその後の動乱
・鐘の力はなぜあるのか?
思い出せる限りではこんな感じ。
お待たせしました。
みんな大好き長耳のまとめ完了です。
……でもなーぜか、あのキャラの濃さを再現できていないような気がする。
なんでだろう。
乙ー
しかし改めてみると、出た当初はえらいハードボイルドだったんだよなあ>長耳
どこでああなっちまったんだか…いや、今のほうが面白いんだけどね。
どうでもいいけど、
萌絵の拾われたのは1月3日で
鐘の拾われたのは2月11日なんだよね。
……
「僕は萌絵のいない世界をしらない」(鼬外)
シスター更新。
今の長耳があるのはある意味この人のおかげなんだよなあ。
そして、SSをちょっと書きたいのだが、
容量食いそうで不安。
てかそれ以前にレポート上げれ自分。
シスターがらみで、長耳の基本が決まったからな
まぁ、エルフだと判明したときのアクションも関係あると思うがw
残容量、32kb?
SSはどうだろう?
いけそうだけど、無理そうでもある
なやむね
よし、アク禁解けた!
というわけで遅まきながら885へ。
SSまだ書いてないんだけど、ちょっと長くなりそうなんだよね。
3団体の立場を整理して、萌絵争奪戦を誘発したいなー、と思ってるから。
具体的には『教団』、ここを動かしたい。
887 :
小ネタ。:2006/11/13(月) 17:01:06 ID:KKRHnAh+
「ちょっと待ってくれないか」
>>874で名門君が連れて行かれた先は、校舎裏ではなく調理室だった。
「これは一体、いかなる必然があっての仕打ちかな」
「調理実習の成果を見せてあげようと思って」
荒縄をぐるぐると巻いて彼を椅子に縛りつけながら、空は脈絡を無視した言葉を告げた。
「もしかして……」
名門君は慄きの表情を浮かべる。
「これが王道家のテーブル・マナー? それとも王道にそんな特殊な趣味があるどぐあっ」
「阿呆かっ! そういうところまで長耳に似るんじゃないっ!」
「空、のどを狙うのはさすがにどうかと思うのですけれど」
奥の部屋から顔を出したオブシディアが、木刀を振りかざす空をたしなめる。
ちなみに名門君は頭を振って、なんとか致命的打撃はかわしていた。
「やっぱりこうでもしないと逃げるわよね、うん」
言いながら妙な手際の良さで空は縄を結び上げる。
一方、奥の部屋から出てきたオブシディアを……というかその両手に抱えられたものを見て、名門君の表情に亀裂が入った。
「……オブシディア」
「なんです、我が友よ?」
「それは、どうして皿にのっているのかな?」
「食べ物だから」
オブシディアの答えはひどく簡単だ。
「そうか……食べ物なのか」
「そう……食べ物なのです」
「食べ物というからには食べる人間がいるんだよな?」
「そうですね」
重い沈黙の中、名門君の頬を一筋の汗が滑り落ちる。
「……さあ!」
禁断の人体実験に挑む調味魔導士の様な口調で、オブシディアは異様な色彩の塊を名門君の口元に近づける。
それをじっと見つめ、ふと、車に轢かれ、路肩で内臓を絞り出して潰れているカエルを連想し……おおよそ、皿の上の物体はその様な印象のものが積み重なってできていた……名門君は己の思考に戦慄した。
食べる? これらを? 口の中に入れる?
これを!
「ああ……おいたわしや一流様」
空がハンカチを取り出して目元に当てている。だが肩の震えを見れば笑いをこらえているのは一目瞭然だ。
「あの、長耳さんと約「これより作品第1号の試食を開始します」
厳かなオブシディアの宣言を名門君は絶望的な思いで聞く。
今日は長い放課後になりそうだった。
げ、改行ミスった。
流しておくれ。
お、おぶしでぃあ……
料理が弱点なのかw
なんかほのぼのとしてていいなぁ。GJ!
……主に名門君が色々危険な気もするけどw
892 :
1/3:2006/11/15(水) 02:37:30 ID:6c+5f83Y
「二人だけで帰るのって、なんだか久し振り」
「そういえば、最近は空とか名門もいたからね」
季節はもう秋も暮れに近付いていた。学園の庭園に植わっている木々も枯葉を
はらはら落としているし、街路樹は赤黄とりまぜて鮮やかに色づいている。
連れ立って歩く僕と萌絵の首にも、厚めのマフラーが巻かれている。
「二人がいない時はオブシディアが一緒だったりもしたし。みんな今日は用事が
あるみたいだ、珍しい日だな」
「……うん」
「あ、萌絵の作ってくれたお弁当、ほんと美味しかったよ。でもいいの?ほとんど
毎日作ってもらって。せめて弁当箱ぐらい洗って返そうかと思うのに」
「いいの。作るの楽しいし……回復調味魔導、練習中なの。わたし、鐘が食べて
くれるだけで嬉しい」
萌絵はそう言って口を噤んだ。それきり少しの間沈黙が流れる。
道の真ん中に揺れ落ちる木の葉を見たからなのか、
「ねえ、昔。小さかったころ、鐘と紅葉狩りに行ったよね」と萌絵が切り出した。
「ああ。何歳ぐらいだったかな」
「えーと、まだ歩けるようになったばっかりの頃だよ。紅葉が綺麗で……鐘が短歌
よんでるの見てたら、わたし寝ちゃったんだ」
「ああ、そうだった……よく知ってるね。おじさんに話聞いたの?」
「鐘も覚えてるじゃない」
「僕は父さんと母さんが話をしてたからだよ」
893 :
2/3:2006/11/15(水) 02:39:05 ID:6c+5f83Y
三日前の朝、引き出しから発見した昔のアルバムをめくりながら、顔をゆるめた父母
とバーの皆がはしゃいでいたのを思い出す。学校があるからと一人抜けてきたが、
あの様子ではお客さんもほったらかし、開店休業状態だったんじゃないだろうか。
宙に視線を向け考え込んだ僕を見て、萌絵がふいに笑った。
「覚えてるよ。全部」
萌絵はどこか楽しげに、指で掴まえた木の葉をくるくる回す。
「なんでかな。鐘と初めて逢ったときのことも、一緒に遊んだことも。
どんな小さな時のことでも覚えてるの。きっと、忘れたくないからなんだと思う。
鐘と一緒に居た思い出が、わたしにとってとても大切だから」
ほんの赤ん坊だった自分の隣には、今と変わらず萌絵が居て。
写真の無邪気な笑顔とは違う、ふわりと柔らかな微笑みを浮かべている。
彼女の淡い茶の髪が夕焼けに透けて朱く染まる。僕は半ば呆然と彼女に見とれて
いる。通い慣れた道のはずなのに、今は別の空間になってしまったみたいだった。
僕は物心つく前の事をあまり思い出せないけど、紅葉狩りの時に自分がどんな
気分だったのかはなんとなく分かった気がした。
894 :
3/3:2006/11/15(水) 02:43:12 ID:6c+5f83Y
楽しいのに、嬉しいのに、どこかふわふわ浮ついたような気持。
顔が熱い。萌絵の隣に居たあの頃の自分と同じように……恐らくそれよりもっと
紅くなってしまっているのだろう。
「……ってわたし、何言ってるんだろね。ねえ鐘っ。秋の日はつるべ落としって
いうし、急いで帰ろっ!」
「え、あ、萌絵?いきなりどうし……」
急に走り出した萌絵を慌てて追いかける。確かに空の端はもう藍に変わっていた。
前を行く萌絵はマフラーを外している。
顔が紅いのに気づかれなくて良かったけど……寒くないのかな?
砂糖の分量を間違えた。しかし後悔はしていない。
容量やばいかな?
いやん、甘甘<好物
そして萌絵の髪色、茶色だと空とかぶるのでは? と思ったが、向こうは濃い褐色だと脳内補完すればいいか。
だいたいSS1レスにつき1Kって感じだね。
小ネタ程度ならもう少しできそうだけど、早めに次スレ立てておきたいかなって気もする。
というのも、来たのが割と最近なので、リレー小説祭をやってみたいんだ。
ちょうどクリスマスってものもあることだし、もし皆様が許してくださるなら書き出しは始められる。
いいんでない?
最近まったりしてたし、容量オーバーになったら
次スレ立てれば良いし
立てれなかったら、wikiか外部に立ててくれって言えばいいし
確かにまったり。
でも過去ログを読む限り、住人は冬にやってくると私は信じる!
……ただ、その前にテスト受けてくるだよ。
受けてきたー。
月曜分を詰め込む以外はまだ余裕。
なので後で投下しに来る。
ごめん、投下する余裕なくなった……
できるだけがんばるが。
「オブシディア様、こちらですか?」
調理室のガラッと扉が開き、ミッキーが顔を出す。
「いるけど。ちょっと待ってて。いま面白いとこだから」
そう答えた空の視線を追うと、謎の物体を箸でつまんでいるオブシディアと必死に首を振る名門。
ついには空間に描かれた魔法陣から黒い顎が現れ、名門の顔をがっちり固定する始末。
その様子に顔をしかめるミッキーを見て、空が続ける。
「そんな顔するけどね、料理ぐらい自分でできるようにならなきゃ。大体ミッキーさんや黒服さん
オブシディアのこと甘やかしすぎ。自分でできることは自分でやる、これ基本」
そんな空の言葉にすぐには答えず、少し考えた後ミッキーは右手のバッグから金属の筒―水筒―を
取り出すと、コポコポとコップに注ぐ。それから半分ほど注いだそれを空に差し出した。
「ん、何? 飲めってこと? ふーん、じゃ、いただくね…………ブホォ!!」
一口飲んで盛大に吐き出す。そんな空を躾がなっていませんねと嫌そうな顔で見るミッキー。
「な、何これ。生暖かいネクター?うあ、何か妙な酸味とエグ味が残ってる。ホントにこれ飲み物?」
「オブシディア様、愛用の『カラム水』です」
「愛用って、こんなの愛用してたら、そりゃ味覚もおかしくなるわよ」
言い立てる空から、ミッキーは悲しそうに目を逸らす。
「あなたは、オブシディア様を……オブシディア様の魔力をどう思われます?」
「はあ、オブシディアの魔力?あー、んーとそうね、相当凄いんじゃない。まるで魔人とか改造……人…げ」
自分の言葉に、ミッキーが何を言いたいのかようやく気づく。
「……オブシディア様は生まれた時、いえ、その前から『組織』の上に立つように定められていました」
ゆえに求められたのは、それに相応しい知性と――肉体。
遺伝子レベルから、後天的な素質の開花までとられたありとあらゆる方法。
食べることでさえ魔術的な儀式。
「あの方は『普通』ということを知りません」
『普通』に物を食べる。そんなことをすればオブシディアは――。
不意に空の手が動き、一気にコップの中身を飲み干す。
「うー、不味い。もう一杯」
ぐっと突き出されたコップ。ミッキーが見たのは、フン、こんなの何でもないわよと言いたげに
真っ向から見据える空の顔。黙ってお代わりを注ぐと嫌そうな顔をしながらも迷わず口をつけた。
そんな空を見て一言。
「ちなみに錬金術の一環として『見えざる水銀』が入っているので、普通の人にはわりと有害かと」
ブフゥゥゥ!!!
再び盛大に噴出す空。
「それをはやく言いなさいよ。え?じゃあちょっと待って」
あわててオブシディアたちのほうを振り向く。するとオブシディアが箸を動かす手を止めて、
なにやら名門を非難していた。
「仮にも一流の名を冠する貴方が、吐き出すなどというマナー違反をするとは……」
対する名門は口から食べ物(?)でも泡でもなく、もっと白いモヤモヤとしたものを吐いている。
「エクトプラズム出てるー!?」
空の叫びをよそに、むっとした顔のオブシディアの前で白いモヤモヤは人の形をとる。
名門によく似たモヤモヤはしばらくどことも知れぬ虚空を見つめた後、ぐっと拳を握りしめ。
――イける!
「逝くなーーー!!」
慌てて縄を解いて人工呼吸。息を吹き返した名門が「うーん、よしこさん。ご飯はまだかのう」など
ボケるからオブシディアがまた食べさせようとしたり、蘇生方法が『人類最強の請負人』方式だった
せいで肋骨ベキボキ折れてたり、いろいろあったが何とか一命は取り止めた。
けど、この話が広まった時。
『何とか一命は取り止めた』 → 『命だけは助けてやっ(ry』 → 『半殺しで勘べ(ry』
と伝言ゲームで伝わって、手乗りタイガーの名声は一段と高まったとか。
「くうぅぅ。ホントは濡れ衣なんだから!一つ貸しよオブシディア!」
「?…何が濡れ衣なのか判りませんが、料理の指導についてはもちろん感謝していますとも、空」
なんとなく久しぶりに投下してみたり。そろそろ容量ヤバめかな?
それとリレー小説したいって人にちょっとだけお願い。
書き出しはできるらしいけど、最悪、結末まで一人でも持っていけるようにしておいたほうが。
なにしろ過疎スレだから、リレー待ちしてたら意外と続かなかったり
ネタ元わりと何でもありだから、広がりすぎてgdgdになりかねないんで。
ま、できる限り協力はしますよ。
りょーかーい。
ってか急に忙しくなってそれどころじゃないというオチが……
でもやるぜ。やってやるぜ。
書き忘れ。
902GJ。
なんかオブシディア、不安定なキャラになってきたね。
905 :
予告編。:2006/12/01(金) 09:55:20 ID:rGAVmCj6
はじまりはずっと昔。
黄金郷が、神と呼ばれるモノの従属に成功した。
たくさんの本と、魔力と、血潮によって。
一人の愚かな天才に訪れた、ささやきによって。
そして世界は均衡を崩す。
黄金郷を敵として、対立していた団体が、
組織と教団とが手を組んで、魔薬と科学で人形を作る。
それは人間にそっくりな、本当にそっくりな――
そして『彼』は神を殺した。
数多の能力で作られたモノを。
紅い髪を振り乱した異形を……
それで物語は終わるはずだった。
教団が更なる人形を生み出さなければ。
その人形を組織が奪い取らなければ。
人形のデータが黄金卿に漏れなければ。
それとも。
「私が――生まれたのがいけなかったの?!」
彼女を召喚するために作られた世界で
姫である巫女である少女が叫ぶとき
神話に謳われた運命が現れる!
906 :
本当の予告。:2006/12/01(金) 09:56:21 ID:rGAVmCj6
「ってな話を考えてみたんだけど、どう思うシスター?」
「死ねばいいと思う」
長い足をさっと組み替えて、シスターは書類仕事に戻る。エロフの戯言を聞いているほど、常任の保険医は暇ではない。
「えー、でも前半は割と本当だよー?」
「ガンスリンガーが化け物を殺したことはね」
数多の異形を飲み込ませられ、暴走してしまった哀れな化け物。教団とは違う方法で生み出された、人間の殻を捨てたものの成れの果て。それを殺した存在は、本当に人間なのだろうかと、一時は噂になったという。
けれども、長耳はそれを否定した。
「黄金郷が異形を従属させたことと、それによって組織と教団が手を組んだってことだよ。動乱のときにデータは失われちゃったけど、当時の情報屋にとっては割と有名なんだよね」
そして長耳は言葉を切る。沈黙の中、シスターがペンを動かす音だけが重なる。
「彼はあの子を救いたかったんだ」
シスターは無言で紙をめくる。
「でも、殺すしかなかった」
ペンの音。
ため息をひとつついて、長耳はひょろひょろと立ち上がる。
「また来るよ」
二度と来るな、がいつもの言葉なのに、シスターは生返事をしただけだった。
扉が閉まり、足音が遠ざかっていく。それを十分確かめて、シスターは机の引き出しを開けた。
そこにあったのは、『オムニス』宛ての命令書――
「教団は一枚岩じゃない」
そっと、シスターはつぶやく。
「でも、逆らうことはできないのよ」
自分に言い聞かせるように。
つーわけで、予告です。
断じてシスターと長耳のからみが見たかったわけじゃありません。たぶん。
予定としては、教団が萌絵をさらいます。理由はメール欄ですが変更してもかまいません。
さらわれたお姫様を取り戻すのはまだやってないですよね?>無貌の女神
これまでの伏線を回収して、統帥をあぶり出すのが理想といえば理想ですが、難しいかも。
萌絵を取り戻して屋敷に帰れば終わり、ということでいいかと思います。