ベニー松山生還―転ノ五―転落中の五回のバマツ

このエントリーをはてなブックマークに追加
個人ページのベニ松の外伝2のコメントが削除されたね。
憶測はなんとなく判るが虚偽があったってのは、どの部分だろうか。

それにしても、言われて困るようなことをする方も悪いと思う。
削除された部分のうpキボンヌ。
342イラストに騙された名無しさん:03/01/13 16:14
読んでないからわからない。俺も詳細希望
343イラストに騙された名無しさん:03/01/13 19:51
>>341-342
外伝2ディレクターの基地外ぶりを皮肉っぽく書いてた。
ベニーに「時給800円でシナリオと数値設定やってくれ」
とか言ってたらしい。
覚え書でよければ…

時給800円でシナリオと数値設定を依頼され、続編を出す予定がないので
予算なし・容量なし、だから背景グラフィックは使い回し、モンスターグラフィックも
前作から使い回しとDに指示され、反対したら不確定グラフィックをなしに
すると言われたとかなんとか。

結果としてはベニ松氏が一人で徹底的にやり込んだ、数値・バランス、
使い回すくらいなら線画に(黄泉のダンジョン)との判断が好評で
外伝2は超低予算で予想以上のヒット。儲かった&株が上がったのは
D一人で、その後彼は社内で好き勝手したとかなんとか。

そして送られてきたソフトはたった3本。ベニ松氏とキャラデザの人(名前失念)
とで「奇数なのにどうやって分けろというのか」と愚痴っていたらそれを聞いた
須田PIN氏が慌てて5本送ってくれたとか。

私が覚えてるのはこれくらい。まじでどなたか保存してません?
>>340
虚偽って、誰がどこでそういう風に発言したの?
一応スレを読み返したけどかかれてないようなので
詳細希望の声も多いし“こんなこともあろうかと”
思って保存してたからウプしよう。
今だから言える衝撃的な話を書いてしまおう。
じつはこのソフト、超低予算作品であった。
担当ディレクター氏にとって初めての開発作品だった
ということもある。プログラムは『外伝I』でほぼ完成
されていたので、極端な話シナリオと新しい
モンスターグラフィックがあればできてしまう。
とにかくリスクを少なめに、という形で動いた企画であったらしい。
最初の打ち合わせで、ディレクター氏は俺にこう切り出した。
「シナリオ(ストーリー原案を含むメッセージすべて
アイテムとモンスターの数値設定、ダンジョンの構造デザイン)
を時給800円でやって下さい」
そんな条件でやる人間がいるなら俺のほうが紹介して欲しい
と思ったので、この時俺はその場で依頼を断って帰った。
さすがに翌日、慌ててもう少し常識的な話
(とはいえ、1本あたりの印税額は文庫1冊あたりの
1/3以下と言えばその低予算ぶりが判るだろう)
で再度依頼がきた(笑)。
モンスターグラフィックがあればできてしまう。
とにかくリスクを少なめに、という形で動いた企画であったらしい。
>>迷宮を彷徨う名無しさん
乙。

>>345
獲物矢の掲示板でアガソ本人が発言してる。
それを読んだ後にベントのサイトに行ったらテキストが消えてた。

正直、趣味レベルの報酬だったが、俺は
『ウィザードリィ』から文章表現の機会を
もらった人間である。どこかで恩返しがしたい
――そう思っていたのでこれを受けた。
しかしながら、そこからが苦難の始まりだった。
何せこの時期の、『ポケモン』が登場する以前の
ゲームボーイ市場は、決して緩やかとは言えない勢いで
冷え込みつつあった。ゆえにこのソフトも『外伝I』の
半分しか売れないだろうという予測をもとに予算が
逆算され、仕様の決定時からディレクター氏との死闘が待ち受けていた。
まず、モンスターデザインの池上明子氏に発注する
グラフィック数を、ギャラ削減のためにできる限り前作を
流用する形で切り詰めろという方針が示された。ここで
しばらく渾身の綱引きを行なったのだが、(もちろんすべて
新作が当たり前だと俺は思っていた)
最後には「それなら不確定グラフィックをなしにする」
という驚天動地の提案が飛び出し、俺は仕方なく
冒険者タイプや定番モンスターの流用を呑むことになった。
比較的好評だった巨人や竜の同グラフィックの
ゾンビバージョンは、じつはこうしたグラフィック不足を
何とか補おうとした苦肉の策であった。
この節減はダンジョンのグラフィックにも及ぶ。最下層も
他の階層の流用。ということになり、それならばいっそ
強制線画にしてくれと頼んだ。これも怪我の功名で、
あの異常空間の雰囲気が出ていると少なくない方の
評価を頂戴したが、当人としては無念とするほかはない。
ダンジョン構造にしても、『狂王の試練場』へのオマージュとして
デザインしたため表迷宮10層は外せないところで、ならば
裏に相当する部分は5、6層欲しかったのだが、
「カートリッジの容量は絶対に2メガまで。言っておきますが
この作品のあとゲームボーイのソフト作る予定ないですから、
テコ入れなんてしません」
とのことで、階層の総数は前作と同じ12となってしまった。
襲いくる低予算の波状攻撃――ならば俺的には、
コストがこれ以上かからないところで何とかするしかない。
つまりは、絵の要らないアイテムと数値上のモンスターの
徹底した調整によるゲームの質の向上である。
武器の攻撃値やステータスボーナス、モンスターの
HP上限下限と期待値など、とにかくバランスに関しては
誰にも触らせなかった。ひたすらテストROMでプレイを
繰り返して、自分が責任を負う部分として徹底的に調整した。

ディレクター氏から「最下層のバランスはひどい。敵が
強すぎてゲームになっていない。変えてくれ」と要請がきたが、
俺としてはユーザーの最後の遊び場としてまだぬるいかも
知れぬと思っていた。結論として、コツを掴んだツワモノには
少々難易度が足りなかったかと反省している。

『ウィズ』フリークってスゴイ(笑)。
こうして完成し、俺の手を離れた『外伝II』は、
蓋を開けてみれば『外伝I』とほぼ同数が売れてくれた。
『ウィズ』への恩返しができたと実感できたのはこの時だった。
そして俺のところには、ディレクター氏からたった3本の
カートリッジが送りつけられ、添えられた手紙には
「高橋(政輝・モンスターデザインのラフを手伝ってくれた)さんと
分けて下さい」とあった。池上さんも「前作では10本もらえたのに」
と憤慨していたが、そもそも3では割り切れない(笑)。
こんなところまで、とことん経費を切り詰めるんだなあ
この人はと、怒るよりも先に笑ってしまった。この話を聞いた
須田PIN氏(当時アスキー広報)が5本追加で送ってくれたのは
本当にありがたかった。
超低予算で仕上げ、発売本数は予想の倍となれば、
利益はすごいことになる。のちに聞いた話で判ったのだが、
ディレクター氏は当初自分でシナリオを書くつもりだったものの、
それでは企画が通らなかったという。しかしこののち、
実績を得た彼は好きなようにやれるようになったようで……。
アスキーがソフト開発から撤退し、『ウィザードリィ外伝』シリーズが
潰えてしまった現状を思うに、俺がしたことは“恩返し”だったのか
どうか判らなくなる。カートリッジの中に構築されたデータだけが、
10年も前の熱を今に伝える幽かな手がかりだ。
おしまい。

結構長かった。