SSいきまーす。ライトノベルたんと少女漫画たんの同盟秘話です。
今日何を読んで、何に影響されたか、分かる人には丸分かり(;´Д`)
とりあえず、簡単な設定をば。
あたし:ライトノベル、あだ名はラベル。主人公。活発な女の子。実は少年漫画が気になる。文学少女設定はとりあえずキャンセル。
少女漫画:清楚で内気な女の子。ライトノベルの幼馴染で親友。同じく幼馴染な少年漫画が好き。
少年漫画:実は優しい熱血ヤロウ。ライトノベル、少女漫画とは幼馴染。
「しょ、少年漫画!……コホコホっ!!」
少女漫画のいきなりの告白に、あたしは頬張っていたケーキを気管に詰まらせ咳き込んだ。
放課後、あたしは少女漫画と二人で行き付けの喫茶店に来ていた。
『相談したいことがあるの』いつになく真剣な表情で少女漫画がそう言ってきたからだ。
あたしは喫茶店に入ると、目に見えて堅くなっている少女漫画の緊張をほぐそうと、まずはいつものケーキセットを注文した。
ほどなくケーキと紅茶が運ばれてくるが、少女漫画はそれには全く手をつけようとしない。
落ちつくにはまだ時間が掛かるかと思い、あたしがひとまず目の前のケーキを食べ始めた、まさにその瞬間の衝撃の告白だった。
『わ、私、少年漫画君が好きなの!』
「だ、大丈夫、ラベル?」
なかなか咳きが止まらないあたしを少女漫画が心配そうに覗き込む。
「コホッ…………だ、大丈夫。」
紅茶を飲み干しとりあえず落ち着いてみる。が、すぐに落ちついている場合ではないことに気付く。
「ええと、一応聞くけど、少年漫画ってあたし達と幼稚園からずっと一緒の、あの少年漫画だよね?」
「う……うん。」
ほんのりと頬を染める少女漫画。
「うんって、あーた…………」
それを見たあたしは、おでこの手をついて「はあ」と大きなため息をついた。
考えてみればそれほど驚くことでもない。少年漫画は、確かに普段はお調子者で女の子好きなただの熱血バカだ。
でも、良いところだってちゃんとある。女の子には絶対暴力は振るわないし、時折すごく優しくなるし、
それに意外と頼り甲斐だってある。それは幼馴染であるの少女漫画が、そしてあたしが一番よく分かっていることだった。
(だから、あたしだって……)
「どうしたの?」
「あ、いや、なんでもない。こっちの話……ふう」
もう一度大きく、今度は何かをふっきるようにため息つく。
「で、一体あの熱血バカのどこがいいわけ?」
「そんなこと、急に言われても……」
少女漫画は顔を真っ赤にさせ、手を胸の前で組み、細かく指を動かしはじめる。モジモジモード。
こうなると少女漫画から何かを聞き出すのは至難の技だ。
確かに内気な少女漫画にしてみれば、親友のあたしとはいえ、好きな人の名前を告げるだけで一大事。
この上、好きな人のここが好きだ、あそこが好きだ、なんて話せるわけはがない。すくなくとも今は。
「ま、しょうがないか」
理由を聞くのは諦める。理由を聞いたとしてもやることに変わりはないのだから。
「内気な少女漫画が勇気出して相談してくれたんだもんね!私も人肌脱ぎましょう!」
あたしの頼もしい…はずのサポート宣言に、なぜか急に慌てはじめる少女漫画。
「え!私そんなつもりで言ったんじゃなくて。ただラベルには話しておきたくて、ほんとそれだけ…」
「シャラーップッ!!私に相談しといて今更それはなーし!」
ビシッっと少女漫画指差しながら、ニコっと笑いかける。
「見てるだけの恋なんて今時流行んないよ。好きならゲットしなきゃダメ。
それも向こうから告白させるくらいの勢いがなきゃね!」
少女漫画はあたしの親友。少年漫画だってそう、今は…大事な友達。
大好きな二人が幸せになるために、私は少女漫画を応援する。
(うん、それが一番。)
チクリと胸に痛むのものが走る。でも、あたしはそれを無視して、声高に少女漫画に告げる。
「大丈夫!少女漫画には私がついてる。私、少女漫画を応援するからね!!」