【まさに】新型Air,ユーザーのメリットも薄かった【空気】

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「世界最薄」新型マックブック ユーザーのメリットも「薄かった」
http://www.j-cast.com/mono/2008/01/18015751.html

基調講演を行ったアップルCEOのスティーブ・ジョブズが、最薄部約4mm、
最厚部で約2cmという「世界最薄」のMacBook Air(マックブック・エア)を
紙封筒から取り出す。会場は拍手喝采で満たされたが、その外の空気は
また違っていたかもしれない。少なくとも株式市場の反応は熱狂的とは言えず、
発表日のアップル株は前日比で約5.5%値を下げたという。

製品の「中身」をじっくり検討してみると、価格はよく言って平凡か、
機能対価格比で厳しく算定すれば割高に思えてしまう。

一方で「足りない」モノ、インターフェイスがやけに目立つ。
光学ドライブにカードスロット、Ethernet(LAN)。「Air」の意味は「ワイヤレス」だというが、
何か画期的なワイヤレス技術が盛り込まれたのではなく、(有線)LANポートを
取り去っただけの話である。また、アップルが固執してきたインターフェイス規格、
FireWire(IEEE1394)も省かれた。

ここでの「(競合製品との厚さ)6mm」の違いに、どんな意味があるのだろうか。
ジョブズのように、マックブック・エアを紙封筒に入れて持ち歩き、
誰か人に会う毎に取り出して見せれば、相手は驚くかもしれない。
でも、そんな奇術が通用するのはたぶん1人につき1回きりだ。

「未来志向」のメッセージを発信するならば、もっと他のポイントがなかったか――とも思う。
たとえば、約12万円の追加料金で選択できる(フラッシュメモリー)SSD(ソリッド・ステート・ディスク)を
標準採用したのなら、あとのパーツやインターフェイスが貧弱で、少々筐体が厚くても、
筆者としては納得できたのだが…。

モバイル機器が薄くなることに文句はない。
けれど、そのためにユーザーの利便性までゴッソリと削られてしまったのでは意味がない。
新マックブックは、まるでペラペラに切ったマグロの刺身のように、
旨味の少ないパソコンである。