Mac関連ネタをそれはもう凄まじい勢いで翻訳するスレ7

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420偽の神
>>395
続いて、Grand Central Dispatchの概要です。
こういう記事の翻訳はスレッドプールとかに詳しい人がやればいいと思いました…
意味がつかめてない箇所があるので、その辺は流してください。

http://arstechnica.com/apple/reviews/2009/08/mac-os-x-10-6.ars/12

Grand Central Dispatch

並行処理という難問に対するSnow Leopardの答え、それがGrand Central Dispatch (GCD)だ。
QuickTime Xと同じくキャッチーな名前だが、技術を理解しない限りは不明瞭なままだ。

まず、GCDはCocoaの新フレームワークでもないし、特定の用途にのみ発揮される補助技術といったものでもない。
Mac OS Xの下層に焼き込まれたプレーンなCライブラリだ。
(libcに組み込まれていて、ユーザー空間の深層に置かれているlibsystem。その中に。)

あなたのプログラムでGCDを使う時に、新たなライブラリにリンクする必要はない。
ただ単に、#include <dispatch/dispatch.h> すれば即座に動く。
GCDはCライブラリだから、Cを呼び出せる言語ならどれでも使える:Objective-C、C++、Objective-C++ 。
421偽の神:2009/09/04(金) 00:19:52 ID:3ES14wfI0
キューとスレッド

GCDはいくつかのシンプルな要素からなっている。まずキュー(待機列)から始めよう。
GCDにおけるキューとは、そのままの意味だ。タスクはキュー(待機列)の形にされて、FIFO(先着順)で処理されていく。
(First In, First Out の略で、スーパーのレジの列のごとく、列に並んだ順に処理されていく) タスクが振り出されるというのは、タスクがスレッドに割り振られて実際に実行されるということ。

GCDのキューはFIFO(先着順)でタスクをスレッドに割り振っていき、同じキューから発行された様々なタスクが常に並列で実行される。
動画を用意した。
Grand Central Dispatchの、キューの動作
Click to Play
A Grand Central Dispatch queue in action

タスクBが、タスクAより先に完了していることに気づいただろうか。
キューからの振り出しはFIFO(先着順)だが、タスクの完了はそうではない。
また、3つのタスクがキュー化されているが、スレッドは2つしか使われていない。
これがGCDの重要なところだ。

しかしまず、キューの別の面も見てみよう。
永続キューも通常のキューと同じように動作し、同時に複数のタスクが実行されるようになっている。
つまり、永続キューでのタスク完了もまたFIFO(先着順)となる。
永続キューは通常のキューと同じく明示的に生成される。
ただし、各アプリケーションがそれぞれに、メインスレッドで実行されている永続キュー、すなわち「メインキュー」を持っている。

上の動画では、動作していたスレッドが、不必要になると消えていることを見せてくれる。
これらのスレッドはどこから生じ、どこへ行くのだろうか?
GCDは、スレッドのプール(貯水池)を一元管理している。
キューが振り出すタスクがなくなると、スレッドはプールに戻される。
422偽の神:2009/09/04(金) 00:20:40 ID:3ES14wfI0
これはGCDの設計における、極めて重要な側面だ。
驚かれるだろうが、伝統的な手作業管理のスレッドを使ってパフォーマンスを限界まで引き出す時、「いくつスレッドを作るか」というのはかなりの難問なのだ。
少なすぎると、ハードウェアがアイドル状態になってしまう。
多すぎると、使用可能なCPUコアにスレッドを割り振るようなことですら時間を食うようになる。

仕事を、8つの独立した単位に分けるという問題を挙げてみよう。
このソフトが、8コアのマシンで4つのスレッドを生成したなら、スレッド数は多すぎるのか、少なすぎるのか?
これは引っかけ問題! システムの状態によって答えが異なってくる。

8コアのうち6個が他の仕事で手一杯だとすると、コアの空きは2つ。
そこに4スレッドを生成すると時間を浪費してしまう。
ちょい待ち、6コアを占有しているその仕事が終わったらどうなる?
そうなれば空きは8個だ、しかしスレッドは4つ。コアの半分がアイドル状態になってしまう。

プログラムを実行する時はハードウェアのすべてを使いたいものだが、いくつのスレッドを作るのが正解なのか、プログラマーが知る術はない。
このマシンでコアはいくつ使えるのか?塞がっているコアはいくつなのか?
途中でコアに空きができたとき、プログラムがそれを知るにはどうすれば?

スレッドの最適数については、単一のグローバルな存在が最終決定をくだす。Snow Leopardでは、それはGCDのことだ。
タスクを持つキューが無い時は、プール内のスレッドはゼロのまま。
タスクがキューから振り出されると、GCDは利用可能なハードウェアに応じて複数のスレッドを生成する。
GCDは、システムが持つコアの数や、現在稼働しているスレッドの数を把握している。
キューがスレッドを必要としなくなれば、それらはプールに戻され、タスクを抱えた別のキューにあてがうことができる。
423偽の神:2009/09/04(金) 00:22:04 ID:3ES14wfI0
これは実に最適な企てだ。
Mac OS Xでは、スレッドは比較的に"重い"。
各スレッドはレジスタ値、スタックポインタ、プログラムカウンター、加えてセキュリティの信用性を追跡するカーネルデータ構造、スケジューリングの優先度、保留シグナルとシグナルマスク等々…を管理している。
総計するとスレッドあたり512KB以上のコストがかかる。
各スレッドが持つ実データもあるのだが、それ以前に、1000個のスレッドを生成するとそれだけで500MBものメモリおよびカーネルリソースがコストとしてのしかかってくるわけだ。

スレッドあたり512KBのお荷物と比較すると、GCDのキューはほんの256バイトのコストで済む。
キューは非常に軽く、開発者がキューを大量に用意してもOKだ。
先の動画では、キューが3つのタスクを2つのスレッドに割り振る時、1つのスレッドが2つのタスクを実行した。
スレッドの重さはメモリ量だけではない。スレッドを生成することもまたコストがかかる。
各タスクごとに新しいスレッドを生成するのは最悪のシナリオだ。
GCDは複数のタスクを実行するのに、常時スレッドを使うことができる。これがシステム全体の効率向上を勝ち取った。

プログラマーがスレッドの数を決定する時の問題を覚えているだろうか?
GCDを使えば、まったく気にしなくてもよくなる。
代わりに、理屈では、プログラマーはアルゴリズムの並列性を最良にすることに集中できるようになる。
500の並列タスクを使うのがベストならば、500のGCDキューを用意して仕事をキューに投げ込めばいい。
GCDは、仕事を実行するのにいくつスレッドを生成するのか算定する。
そのうえ、システムの状態変化を考慮して、スレッドの数を動的に調整してくれる。

しかし恐らく最も重要なのは、より多くのCPUコアを持つマシンが出てきても、プログラマーがアプリケーションを変更する必要がまったくないことだ。
ありがとうGCD。意識しなくてもコンピュータの利用可能なリソースをすべて使えるのだ、文字通り最適に!
- 大本の最適な並列作業数は、キューの用意数を決める時にプログラマーによって定義される。
424偽の神:2009/09/04(金) 00:25:13 ID:3ES14wfI0
ちょっと待った、まだある!
GCDキューは、自動判断で複雑に導かれた非循環式のグラフによって、並び替えが行われる。
(実際には、循環式にもできるのだが、そのときの振る舞いは定義されていない。やらないように)
キューの階層化は、中央管理キューの下位セットに内包されたサブシステムからのタスクを流し込んだり、効果的に配列された永続キューを通常キューとして強制セットしたりするのに使われている。

また、キューについては何段階かの優先度が存在し、スレッドに割り振る時の頻度や緊急度を決定する。
キューは一時停止、再開、キャンセルが可能になっている。
キューはグループ化することもができ、グループから発行された全タスクを追跡したり、全タスクをひとつの単位として扱ったりできる。

まとめ。
GCDのキューとスレッドの使用形態はシンプルで、エレガントで、それでいて非常に実用的なアーキテクチャだということだ。
425偽の神:2009/09/04(金) 00:30:00 ID:3ES14wfI0
以上です。

当該ページにある動画を見るのが、一番理解が早いような。
「自動判断で複雑に導かれた非循環式のグラフ」って、Directed acyclic graphのことでした。
WikipediaでDirected acyclic graphを調べると、わかりやすい図が載っています。
426名称未設定:2009/09/04(金) 00:43:43 ID:9HHITkfT0
乙です!

日本語だと非循環有向グラフって言いますね。
427名称未設定:2009/09/04(金) 00:44:52 ID:9HHITkfT0
乙です!

日本語だと非循環有向グラフって言いますね。
428名称未設定:2009/09/04(金) 02:24:42 ID:QE/kFTDt0
第二弾きたーーーーーーーーーーーーーー
お疲れ様です^^
429名称未設定:2009/09/04(金) 11:36:49 ID:5BjWoHev0
>>420
> GCDはCライブラリだから、Cを呼び出せる言語ならどれでも使える:Objective-C、C++、Objective-C++ 。
これって微妙だよね。Appleのドキュメントにもこう書いてる所があるけど、
逆にC++では使えないってかいてるドキュメントもあるし。
430名称未設定:2009/09/04(金) 11:54:53 ID:9HHITkfT0
>>429
> > GCDはCライブラリだから、Cを呼び出せる言語ならどれでも使える:Objective-C、C++、Objective-C++ 。
> これって微妙だよね。Appleのドキュメントにもこう書いてる所があるけど、
> 逆にC++では使えないってかいてるドキュメントもあるし。

Clang+LLVMはまだC++未整備だけど、GCDは対応しているように読めたよ。
431名称未設定:2009/09/04(金) 12:10:12 ID:ThyJMHMO0
http://www.apple.com/getamac/ads/

ここにAppleのTVCMがあるんだけど、これ字幕ほしい。
英語のまま見ててもなんとなく、
とても面白い雰囲気が伝わっては来るんだけど、
やっぱ日本語字幕が欲しいなぁ。
432名称未設定:2009/09/04(金) 21:31:10 ID:bA72lOgm0
>>425
乙です。
ありがとう。
433偽の神:2009/09/05(土) 20:58:11 ID:vWN40Vil0
>>395
さて、次はQuickTime Xについて。

http://arstechnica.com/apple/reviews/2009/08/mac-os-x-10-6.ars/6

QuickTime X

Appleは、LeopardでCベースのQuickTime APIを64ビット化しなかったが、その時ちょっと変なことをした。
同時に、それはとても大きな取引に見えた。
Mac OS Xにおける64ビットへの移行は、既に何年も、いくつかのメジャーアップデートにまたがっている。
QuickTimeがまだ64ビットになっていないことが想像される。

結局、私の簡潔だが悲観的な評価は正しかった:QuickTimeは「Carbon依存」だった。
カーボンのような、由緒あるQuickTime APIが64ビットになることは、永遠にない。

QuickTimeテクノロジーとQuickTimeブランドは確実に64ビットに対応する。
32ビットのみの要素の背後にあるのは、1991年に登場してから18年間使われ続けたCベースのAPIだ。
それはSnow Leopardで64ビットに置きかえられ、QuickTime Xと名付けられた。

QuickTime Xの「X」は、「テン」と発音する。
これは、多くの不気味な相似の手始めにすぎない。以前のMac OS Xのように、QuickTime Xは:

* 旧QuickTimeからの決別を狙っている
* もともと他のプラットフォーム用に開発された技術がベース
* 前バージョンとの透過的な互換性を持つ
* よりよいパフォーマンス、より現代的なアーキテクチャ
* 初リリース時には、重要な機能の多くが欠落している

一気に見ていこう。まず、なぜ過去からの決別が必要なのか? それは単純に、QuickTimeは古い - 本当に古いから。
1991年の初リリース時に表示された郵便の消印サイズのビデオは、技術の偉業と思われた。
434偽の神:2009/09/05(土) 20:59:02 ID:vWN40Vil0
当時、最速のMacintoshは25MHzのCPUを積んでいた。
右のふざけたグラフが雄弁に物語る。
これまでは、前向きな姿勢だけでよかった。
技術が誕生したときの状況が、最終的に、必然的に、技術の運命を決定する。
これはQuickTimeのような、後方互換性を強く求められる長命なAPIには特に真実味がある。

パーソナルコンピュータでのビデオ内蔵を成功させたQuickTimeが、ここまで長続きしたのは率直にいってすばらしいことだ。
しかし世界は変わる。
Mac OSが協調型マルチタスクやメモリー保護の欠如という泥沼にはまったのと同様、2009年でのQuickTimeは、並列性に関する古びた概念と、設計時に焼き込まれた古びたサブシステム層が足をひっぱっている。

iPhone向けのビデオ用コードが書かれたとき、QuickTimeの最新バージョン7は単純にその要求に対応できなかった。
デスクトップでの長い人生の間にQuickTimeは肥大化し非能率になり、携帯機器(QuickTime1.0がリリースされた当時のMacの6倍のCPU速度を持つが)でモダンなビデオコーデックを扱うのに必要なGPU再生支援を欠いてしまった。
故に、Appleはコンパクトで、モダンで、GPUフレンドリーで、iPhoneのRAMやCPUに優しいビデオ再生エンジンを作った。

うーん。
デスクトップビデオのAPIは歳を取ったので置き換えないといけない。
新鮮で新しく、多少軟弱なハードウェアでも良いパフォーマンスを出せるビデオライブラリ。
Apple「( ゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ」
しかしテクニックは変化する。幸運にも、これがAppleの強みだ。
QuickTime自身は既に3つのCPUアーキテクチャ、3つの異なるOSを経験している。

64ビットへの移行はもうひとつの(劇的ではないにしろ)転換点であり、AppleはQuickTime7と新しいQuickTime Xとの間に境界を設けることにした。
Snow Leopardでは、64ビットアプリケーションが使うQuickTimeはQTKit Objective-C フレームワークだけに制限された。
435偽の神:2009/09/05(土) 21:00:06 ID:vWN40Vil0
QTKit の新秩序

QTKitは新しいものではない:CocoaアプリケーションにQuickTime7のよりネイティブ感のあるインターフェイスを提供するもので、2005年に誕生した。
この抽象的な追加レイヤーが、QuickTime Xの移行の鍵だ。
QTKitは、QuickTime7とQuickTime Xとの間にあるオブジェクト指向の壁を隠蔽する。
従来のQTKitを使用したアプリケーションでは、QTKitの裏側でQuickTime7とQuickTime Xのどちらを使うかが選択されている。

QuickTime Xがより良いものなら、なぜQTKitはそれをすべての場合で使わないのか? その答え。
Mac OS Xと同じく、初リリースであるQuickTime Xは機能が大きく制限されているから。
QuickTime Xは再生、キャプチャ、書き出しをサポートしているが、一般的なビデオ編集機能をサポートしていない。
また、そのサポートは「現代的な」ビデオフォーマットに限られている - 基本的に、iPod、iPhone、AppleTVで再生可能なものだけ。
他のビデオコーデック、そしてプラグインによるコーデックも忘れていい。QuickTime Xはそれらもサポートしていないから。

QuickTime Xが作業に対応できないケースでは、QuickTime7がその穴を埋める。
ビデオのカット、コピー、ペーストは? QuickTime 7です。
ムービーから特定のトラックを取り出すには? QuickTime 7です。
Appleの携帯デバイスが対応していないムービーを再生するには? QuickTime 7です。
プラグインを使って対応コーデックを増やす場合は? 読めたと思うけど、QuickTime7です。

ちょい待ち。
・64ビットアプリケーションがQuickTimeを扱う手段がQTKitだけ
・QTKitの背後ではQuickTime7とQuickTime Xの両方がある
・QuickTime7は32ビットのみ
・Mac OS Xは32ビットコードと64ビットコードの両方を実行できる「mixed mode」をサポートしていない
こんな状態で、64ビットのプロセスがQuickTime7を必要とするような作業をするというのは、狂気の沙汰ではないか?
436偽の神:2009/09/05(土) 21:01:11 ID:vWN40Vil0
64ビットのQuickTime Playerを起動して、QuickTime7を必要とするムービーを開いた場合を見てみよう。
Sorenson videoを使っているやつだ。(憶えているかい? あの古き良き日々を)
よしよし、ちゃんと再生できる。
しかし、アクティビティモニタで「QuickTime」を探すと、このようになっている:
QTKitServer 32-bit process
(スクリーンショット)ずいぶんコソコソしてるねえ:32ビットのQTKitServerプロセス

答えが明らかになった。
QTKitを使った64ビットアプリケーションがQuickTime7(32ビットのみ)のサービスを要求するとき、QTKitは32ビットのQTKitServerプロセスを発生させて、それが実作業や64ビットプロセスとのやり取りを行う。
QuickTime Playerを起動した時にアクティビティモニタを眺めれば、必要に応じてQTKitServerというプロセスが発生しているのを見ることができる。
これらはQTKit frameworkによって、ユーザーに意識させないまま行われる;アプリケーション自身がこの機構を意識する必要はない。

うん、QuickTime7がMac OS Xから完全に消えるには(少なくともAppleは7をQuickTime Classicなどとは呼んでいない)、長い長い時間がかかる。
しかし、前途は明瞭だ。
Mac OS Xの新規リリースごとに、QuickTime Xのサポート領域は広がり、QuickTime7が必要とする数多くの事柄が減少していく。
例えば、Mac OS X10.7では、QuickTime Xはプラグインをサポートするようになると想像している。
10.8では、QuickTime Xはビデオ編集をサポートするだろう。
QTKitのネイティブな表面の下で起こっているあらゆる事柄が、遂には、QuickTime7を必要としなくなる。
437偽の神:2009/09/05(土) 21:03:47 ID:vWN40Vil0
意味するところ

驚かれるだろうが、現在のQuickTime Xの制限は、実はQTKit APIの進化や面白いアドバンテージを浮き彫りにしているのだ。
QTKitがQuickTime Xを使うように直接指示する方法がない - この方針について推察してみよう。
鍵はQTKit APIの概念にある。

1から7までのQuickTimeは、内部ではすべてのメディアリソースを単一の型で扱っている:ムービーオブジェクト。
この型はムービーを構成する個別のトラック、各トラックのサンプルテーブルなど、QuickTimeがメディアを解釈して操作するのに必要な全情報を含んでいる。

良いように思われるだろう、総合的なムービーオブジェクトの構造において、QuickTimeが要求することすべてを理解するまでは。
例えば、QuickTimeでMP3ファイルを再生するとしよう。
QuickTimeはまず、MP3を扱うムービーオブジェクトを生成しなければならない。
不幸なことに、MP3フォーマットはオーディオ構造に関する総合情報を滅多に持っていない。
たいていは、パケットのストリーム(順番付けされたデータ)だけだ。
ムービーオブジェクトを完成させるために、QuickTimeはスキャンおよびオーディオストリーム全体を解析する苦労を強いられる。

QuickTime7および以前のバージョンでは、スキャンと解析をバックグラウンドで逐次実行することで負荷を低減していた。
QuickTime Playerがムービーコントローラにプログレスバーを重ね表示するのを見ることができる。
下の画像は、Leopardで63MBのMP3ポッドキャストをロードしたときの様子だ。
ムービーのタイムラインバーで、グレーの部分がゆっくり右に伸びていく。

(スクリーンショット)QuickTime 7は必要以上に仕事をしている

再生は即座に始めることができる(頭から)とはいえ、一歩引いて考える価値はある。
QuickTimeを扱えるすべてのアプリケーションで、ムービーオブジェクトが生成される:編集、トラックの取り出しや追加、書き出し、名前を付ける… しかし、やりたいことがファイルの再生だけなら?
438偽の神:2009/09/05(土) 21:04:28 ID:vWN40Vil0
QuickTime 7のAPIには、内容に素早くアクセスする機能が欠けているという問題がある。
「ファイルをできるだけ素早く開いて再生できればいいよ」と指示する術がない。
編集または内容を書き出す場合に備えて、ディスクからファイルの全バイトを読み取って構造を確定するために解析する、なんてことしなくていい。
単に開いて再生するだけでいいんだよ。

Snow LeopardのQTKit APIはまさにこの機能を提供する。
事実、QuickTime Xバックエンドが適任な唯一の事柄、それはQuickTime X自身ができないことを一切やらずに、目的のものを再生することだ。
そして、再生した部分以外を扱うときは、QTKitに例外動作を要求する。

このメカニズムは、アプリケーションのメインスレッドにおいて、QuickTime Xが巨大もしくは遠距離にある(例えば、遅いネットワーク越しにある)ムービーファイルを、UIを停止させずに非同期ロードする方法でもある。

QuickTime Xの流れに乗るべき理由は多い。
QuickTime Xがサポートするメディアフォーマットで見ると、Xのほうが7よりも再生負荷が軽い。
(これは、再生だけを行う時に、編集や書き出しのための内部準備をしていないことだけが理由ではない。)
QuickTime XはH.264のGPU再生支援をサポートしているが、初リリースではNVIDIA 9400M GPUをのせたMacだけが対象だ(2009年のiMacの一部モデル、2008年および2009年のMacBookの一部モデル)。
最後に、QuickTime Xは延び延びになっていたColorSyncサポートを実現した。
439偽の神:2009/09/05(土) 21:06:38 ID:vWN40Vil0
The X factor

これはQuickTime Xの長い旅路の始まりにすぎず、そこまで幸先のいいものではない。
QuickTimeエンジンが編集をサポートしていない? プラグインもない? こんなのをリリースするなんて、まったくお話しにならない。
しかし、これが近年のAppleのやり方だ:着実かつ周到に進行させる。
Appleは、時間よりも、機能レスでのリリースを選んだ。

QuickTime7が全機能64ビット対応を果たすのかどうか開発者は心配していたが、QuickTimeの重大なコードベースでの難問(そして、腐ったCarbonを追い出すこと)は、当のAppleがもっとも影響を受けている:Final Cut Studio。
これまでは、Final Cut Studioは32ビットにとどまっていた。
QuickTime Xの機能向上にAppleが強い関心を抱いていることを、控えめに指摘しておこう。

とはいえ、Appleが拙速であることを期待してはいけない。
18年間開発されてきたAPIを作り直すなんてのは一晩でできやしない。
Mac OS Xの重要アプリケーションすべてをQTKitオンリーに置き換えるには、数年はかかるだろう。
移行とは愛あればこそ。
440偽の神:2009/09/05(土) 21:09:09 ID:vWN40Vil0
以上です。

最後まで残り続けたレガシーテクノロジーに、遂に改革の手が…という感じでしょうか。
441名称未設定:2009/09/05(土) 21:43:34 ID:uXSLU3wH0
>偽の神さん
乙です。訳そうと思ってたら先を越されたw

>>433の「同時に、それはとても大きな取引に見えた。」は、
「当時はそれほど大したことでないように思えた」かと。
a great/big deal = so much くらいの意味です。

「QuickTimeがまだ64ビットになっていないことが想像される。」は、
「単にまだQuickTimeが64bit化される順番でなかっただけかもしれない、と考えることもできた」かと。
442偽の神:2009/09/05(土) 23:31:42 ID:vWN40Vil0
>>395
そろそろ力が尽きてきました。
最後は、ファイルシステムAPIの統合。

http://arstechnica.com/apple/reviews/2009/08/mac-os-x-10-6.ars/7

ファイルシステムAPIの統合

Mac OS Xには、歴史的経緯により、アプリケーションがファイルを参照する方法がいくつもある。
プレーンなパス(例えば、/Users/john/Documents/myfile のような)は、OSの最下層でサポートされている。
シンプルでわかりやすいが、アプリケーションがファイルを追跡する唯一の方法がこれだとすると、あまりいいアイデアではない。
アプリケーションがパス文字列を元にファイルを開いたとして、編集中にユーザーがファイルを移動させてしまったとする。
アプリケーションがファイルの保存を指示された場合、パスだけを頼りにしていると、既存の場所に新規ファイルとして保存されてしまうだろう。

Classic Mac OS では、パスに依存しない、より洗練された内部方式を持っていた。
HFSおよびHFS+でサポートされている、固有のファイルIDを使う方法だ。
Mac OS Xでは、このコンセプトをFSRefというデータ型で実現している。

そして現代、ローカルマシンを越えてファイルを見つけるための表現方法として、URLがデファクトスタンダードになっている。
URLはローカルファイルを参照することもできるが、それはファイルパス方式と同じ欠点がある。

データ型の多様性は、Mac OS XのファイルシステムAPIに反映されている。
ある機能群は引数としてファイルパスを使い、別の機能群はわかりにくいファイル参照を使い、そしてURLを使う機能群もある。
これらのAPIを使うプログラムは、ファイル参照を相互変換するのに多くの時間を浪費することがある。

ファイル情報を取得する際も似たような状況だ。
OSのあらゆる層に、ファイルシステムのメタデータを大量に検索する機能があるが、包括的に使えるものはひとつもない。
ディスク上のあるファイルの情報をすべて得るには、複数のシステムコールを使わねばならないが、それらのファイル参照型はバラバラだ。
443偽の神:2009/09/05(土) 23:32:30 ID:vWN40Vil0
WWDCでAppleが挙げた例がある。
Leopard上のプレビュー.appで、ひとつのファイルを開くときの結果だ:

* FSRef をファイルパスに変換 = 4回
* ファイルパスをFSRefに変換 = 10回
* getattrlist() を25回コール
* stat() または lstat() を8回コール
* open() または close() を4回コール

Snow Leopardでは、Appleは新しく、統合されていて、包括的なファイルシステムAPIを、単一のデータ型を軸に構築した:それはURL。
しかしこれらはURL「オブジェクト」なのだ - NSURLとCFURLで、相互に互換使用できる - そして、FSRefの特性をも備えている。

Appleがこのデータ型に定めた理由は、opaque型であるため機能強化しやすい、それらを使う数多くのAPIがある、など。
URLは、数ある選択肢の中で最も将来が約束されていて、また新しいデータ型やメカニズムに対してほぼ無制限の柔軟性を提供できる体系を持つ。
新しいファイルシステムAPIは、パフォーマンスを引き出すためにメタデータやデータキャッシュをサポートしたopaque URL型 を軸とする。

また、Bookmarkと呼ばれる新しいディスク表現方式も登場する。
(ブラウザのブックマークと混同しないように)これはネットワークに対応しており、Mac OSのエイリアスに取って代わる。
Bookmarkは、あるファイルの中からファイル参照を作成するもっとも強固な方法になる。
また、各Bookmarkに任意のメタデータを付け加えることもできる。
例えば、アプリケーションが、「お気に入りの」ファイルにアプリケーション固有の情報を付加し、それらファイルの永続的なリストを保持し、背後で起こるファイル移動を反映させたいとすると、ブックマークを使うのがベストの選択になる。
444偽の神:2009/09/05(土) 23:34:39 ID:vWN40Vil0
私が長々と述べているのは、ファイルシステムAPIに自発的に興味を持ってもらいたいという訳ではなく、以前のCoreTextの時のように、Mac OS Xがプラットフォームとしてまだまだ若いと言いたいのだ。
7つのメジャーリリースを経てなお、Mac OS Xは3つの鎖から逃れようともがいている:NeXTSTEP、classic Mac OS、そしてBSD Unix。AppleのCore OSチームが、古くて厄介なAPIあるいはデータ型を、新しくモダンなものに容赦なく置き換えてきた様を見ることになるだろう。

変更の成果を受け取れるのはいつの日か? これら新しいAPIが使われたMacアプリケーションがエンドユーザーの手に来る日。
最も上手に書かれたMacアプリケーションが、すでに望ましい挙動を披露している。
例えば、Leopardのテキストエディットは使用中のファイルが移動されても正しく追跡してくれる。
Document moved dialog
(スクリーンショット)テキストエディット:良識あるMac OS X市民

もちろん、変更の要点は「上手に書かれている」ことだ。
ファイルシステムAPIのシンプル化は、ユーザーフレンドリーな振る舞いを提供するための手間を大きく縮小し、開発者の背中を押してくれることだろう。
パフォーマンスの向上はおまけではあるが、開発者が新しいAPIをアプリケーションに採用する理由をひとつ増やしてくれる。
445偽の神:2009/09/05(土) 23:35:34 ID:vWN40Vil0
以上です。
これで、自分が面白そうと思った箇所は終わりです。
後は別の方におまかせで…
446名称未設定:2009/09/06(日) 00:19:20 ID:/il/FJ/z0
お疲れ様です。
英語が苦手な者にとっては真の神です。
ありがとうございました。
447名称未設定:2009/09/06(日) 02:53:48 ID:BKGE5ywJ0
>>445
乙です。
ありがとう。
448名称未設定:2009/09/06(日) 03:41:05 ID:xpYg1txn0
いつもありがとうです
449名称未設定:2009/09/06(日) 05:54:41 ID:yRMVxmR/0
ありがとうございました。興味深かったです。
450名称未設定:2009/09/06(日) 06:00:57 ID:zEN1Hafm0
読んでて面白い。プログラミングしたくなる。乙です。
451名称未設定:2009/09/06(日) 12:46:27 ID:YqXJBll00
QTスレから飛んできますた。超乙です。
>>433は「切手サイズ」ですね
452名称未設定:2009/09/06(日) 17:33:55 ID:0FiDbphh0
翻訳神はありがたいなあ
453Finder 1/6:2009/09/06(日) 21:23:21 ID:lNuYYQEu0
TigerでFinderの項を訳した者としては、ここでFinderの翻訳を取り上げないわけにはいきますまい。
なんせ初めてCocoa化され、しかも64bitになったFinderですからね。
ということでまいりましょう。
ttp://arstechnica.com/apple/reviews/2009/08/mac-os-x-10-6.ars/18

Snow Leopardの最初期のスクリーンショットのリーク画像には、これまでと変わらないFinderのメニューの
「Finderについて...」を選択すると表示される情報ウインドウがあり、それはバージョン10.6と表示されていた。
つまり内容がアップデートされていることが推測できたわけだ。もっと面白いのは、その画像からSnow Leopardの
Finderは64bitアプリケーションであることが判明したことだ。

Mac OS XのFinderはMac OS Xの後方互換性を有するCarbon APIから成る「ドッグフード」アプリケーションとして
産声を上げた。これまで何年間も、Finderは不満や嘲笑のターゲットになっていた。これらの印象の悪さは、しばしば
Carbon vs Cocoaの優位性を論じる平行線の議論にかぶさってきていたものだった。

「FinderがクソなのはCarbonアプリだからさ。Cocoa Finderを出せよ!そしたら悩みの種も消えるからさ」とか。
さて、Snow LeopardのFinderは64bit版だ。そしてご存知の通りCarbonは64bitに移植されなかった。
てなわけで、Snow LeopardではFinderはCocoaなのだ。(実は悩みの種もまだちょっとあるんだけどね)

Cocoa化されるにあたっては、Snow Leopardの公式が適用されている。すなわち、目新しい機能追加はなし、
せいぜい小さなものが1つか2つあるだけというもの。で、新たにCocoa化されたFinderは見た目も動作も
今までのCarbon Finderとほぼ同じだ。Cocoaであることを示す一番のインジケータは、Core Animationによる
遷移効果の適用範囲が広がっていることだ。たとえば、サイドバーありのブラウザウインドウからそれらを折り畳んだ
最もシンプルなビューにしつこく変更しようとしたとき、これまでのように表示がチラつくことはなくなった。
その代わり、サイドバーはゆっくりとスライドしてフェードアウトし、ツールバーはシュリンクする。
すべてが新しいビューに呑み込まれていくのだ。
(訳註:これはFinderウインドウの右上のボタンをクリックしたときの挙動のことを言っているようです)
454Finder 2/6:2009/09/06(日) 21:24:24 ID:lNuYYQEu0
このCore Animationによる遷移効果は、いくつかのケースで一線を越えてしまったにもかかわらず、アプリケーションを
より洗練されたものに、そしてより「Cocoaっぽく」感じさせる。そして、Cocoaの採用により―想像だが、デベロッパに
とってはそうしたくなる衝動に抗いきれないほど―いとも簡単に機能を追加できるようになった。

カラムビューのヘビーユーザーが最も待ち望んでいた機能追加が今回ようやく実装された。すなわち、カラムビューが
ソート可能になったことだ。このソート順の変更はすべてのカラムに同時に適用される。カラムごとにソート可能でないのが
気に入らないが、ソート機能がないよりははるかにマシだ。ソート順の変更はFinderのメニューの「表示」から行える
(各ソートにはそれぞれキーボードショートカットが割り当てられている)。また、カラムビューのウインドウ内の
空白エリアを右クリックしてコンテクストメニューを開き、そこからソート順の変更を行うこともできる。

(スクリーンショット:Finderのカラムのソート順変更)

Snow Leopardではアイコンビューにさえも機能追加が行われている。すべてのアイコンビューウインドウには小さな
スライダーが表示されていて、そこからアイコンのサイズを変更できるのだ。

(スクリーンショット:アイコンビューはスライダー付きに)

これはちょっと変に思えるかもしれない。だって、アイコンのサイズってどれだけ頻繁に変更する? でもFinderで画像の
プレビューを行おうとした場合、これは理に適っている。こういう役立つケースにおいては、アイコンの最大サイズが
512x512ピクセルに拡大されたことも、さらに理に適っている。

アイコンプレビューそれ自体は、Quick Lookの機能により適合するように機能が拡大されている。たとえば、小さなPDF
アイコンをズームして、下に示すように高解像度のプレビューをスムーズに行うことができる。ページをめくることまで
できるのだ。スペースバーを押せば、更に大きく柔軟性に富むQuick Lookビューに移行できるのだ。とってもスムーズな
エクスペリエンスだね。

(スクリーンショット:PDFファイルのアイコンプレビュー)
455Finder 3/6:2009/09/06(日) 21:25:34 ID:lNuYYQEu0
QuickTimeのプレビューも同様に機能が拡大されている。アイコン上でズームすると、妙な丸いプログレスインジケータの
ついたムービープレイヤーへと早変わりする。Finderのビューの設定における気まぐれな動作に抵抗しつつ、最も有用で
あるところのアイコンビューに移行することを考えると、この奇妙な小さなスライダーは実に有用なものになると思う。

(スクリーンショット:JobsのKeynoteのムービー)

リストビューにも機能追加が行われた。事故か偶然かそれとも? リストビュー上である行をドラッグしようとしたとき、
行全体がドラッグ可能になった。Leopardではアイコンかタイトルしかドラッグできなかったのだ。選択アイテム数を
増やそうと他のアイテムにまでドラッグ範囲を広げてドラッグすると、カーソルが移動してしまっていたのだ。
この変更は意図的なのか、それとも新しいCocoa Finderにおけるリストビューのコントロールに用いた技術によって
たまたまできた結果なのか、私には分からない。でもいずれにせよd(゜ω゜)bグッである。

リストビューにおいてカラムの分割線をダブルクリックすると、当該カラムが適切な幅にリサイズされるようになった。
これは、ほとんどのコラムが最も幅広い箇所に合わせて幅が拡大/縮小するということを意味する。データヘッダはより
冗長性の少ないフォーマットを表示するようにシュリンクする。これはおそらくLeopardでも部分的にはそうなっていた
のだろう。この機能がCocoaによって初めて実現できたことなのか、あるいはSnow Leopardで初めて正しく動作する
ようになったのかは知らないが、いずれにせよ良い方向への変化である。

Finderのブラウザビューを用いた検索機能も、年々多くのユーザーが待ち望んでいた「ちょっとしたこと」を実装する
ことで大きく進化した。Finderウインドウのツールバーから検索を実行する場合に、デフォルトの検索範囲を環境設定から
指定できるようになったのだ。神のご加護があったのかしらん。

(スクリーンショット:Finder 環境設定。マウスオーバーするとオプションが表示される)
456Finder 4/6:2009/09/06(日) 21:26:41 ID:lNuYYQEu0
他にも、長く待ち望まれていて今回実装された機能の拡張がある。デスクトップ環境をより強固なものに感じさせる拡張だ。
その良い例が、「ディスクが使用中のため取り出せない」エラーメッセージの取り扱いの進化だ。このメッセージを見た
ユーザーの次の反応は「わかった。で、何が使用中なの?」だったが、Snow Leopardではようやくその情報が提供される
ようになったのだ。

(スクリーンショット:ターミナルが使用中のためディスクが取り出せないというメッセージ)

(そう、Mac OS Xでは現在のディレクトリでコマンドラインシェルが実行中だとディスクを取り出せないのだ。
頭の良い処理だが、ウザくもある)

「ディスクが使用中」のエラーメッセージを見たときのもう一つ考えられるユーザーの反応は、「そんなのどうでもいい。
今取り出したいんだ!」というものだ。これにもオプションができた。

(スクリーンショット:ディスクの強制排出中の画面)

ふむ。でも一方のダイアログでは取り出しを妨げているアプリケーションの情報が、他方では強制排出のオプションが
見られるのはどうしてだろう。私には謎だが、おそらくはFinderに提供されるコンフリクトの情報に直接関係している
のだろう。(今まで通り、昔ながらの lsof コマンドで原因を推測することもできる)

で、新しいCocoa FinderはCarbon時代のみっともないバグをすべて一掃することができたのだろうか? 実は完全には
できていない。Cocoa Finderとしては実質バージョン1.0のリリースだし、1.0らしいバグもある。Glen Aspeslaghが
見つけてくれたバグを右に示そう。

お分かりかな? もしお分かりでなければ、変更日順にソートしていると思われる順番を見てほしい。そう、いにしえの
Finderマジックは完全になくなってはいないのだ。
457Finder 5/6:2009/09/06(日) 21:27:56 ID:lNuYYQEu0
アイコングリッドの操作におけるいくつかのおかしな挙動もまだ残っている。グリッドのスナップが有効なビューにおいて
(あるいはCommandキーを押しながらドラッグしたとき)、アイコン同士がまるでお互いを怖がっているかのように
大きく離れようとする。グリッドスポットを選択しスナップしようとした場合、その近くのアイコンもそうなる。
あたかもこれらのファイル名がある日200文字の長さの名前になって隣のアイコンに重なり合うことをFinderが極端に
恐れているかのように。

この挙動が最悪の状況で現れるケースとしては、Finderの画面右端がデスクトップにマウントされているボリュームの近くに
ある場合が挙げられる。(因みにこれはデフォルトではない。デスクトップ上にディスクを表示させる場合は、Finderの
環境設定でチェックを入れる必要がある)新しくディスクがマウントされると、この症状が出てくるので驚くことが
しばしばである。Finderの画面右端近くにアイコンがある場合、新規にマウントされるディスクはその場所を避けて
表示される。ここでもまた、実際の名前ないしアイコンが重なり合うのをFinderは避けているわけではない。単にいつか
将来的にそういう可能性があるというだけのことであるのに。馬鹿げたことだ。

Finderのレポートカード
全体的には、Snow LeopardのFinderはいくつか本質的な進化を遂げたといえる。64bit Cocoa化、いくつかの役に立つ
新機能、そして洗練が加えられた。わずかにアニメーションの少々過剰な使用と未だに残るややこしいバグが気になるだけだ。
Carbon FinderがSnow Leopard以前の機能構成と洗練度にたどり着くまでどれだけの時間を要したことかと考えると、
今回のCocoa Finderは最初のリリースにもかかわらず、前任者に追いつき追い越しているという意味で、素晴らしい成果を
挙げている。Leopardでは、Carbon vs Cocoa戦争はCarbonはお役御免になったわけではないという点で一息ついていた
のではないだろうか。でも今回Carbonは第一線を退いた。そして勝者がその利を得たわけである。
458Finder 6/6:2009/09/06(日) 21:33:53 ID:lNuYYQEu0
====ここからは訳註====
Tigerのときでも感じたのですが、このレビュアーはClassic Mac OSのアイコンビューの相当な愛好者で、
従ってレビュー自体も見てお分かりの通り、彼がアイコンビューでFinderを使うことを前提に書かれています。
TigerやLeopardではAppleがアイコンビューに関して力を入れていないことに
悲憤慷慨しているようなレビューだったのですが、
今回のレビューではQuick Look機能の強化にあわせてアイコンビューも
大幅に機能強化されたことにご満悦という心境が伺えて、訳していて面白かったw
459名称未設定:2009/09/06(日) 23:46:09 ID:0k/u9KNBi
おおー、面白かった。
翻訳ありがとうございます。
460名称未設定:2009/09/07(月) 03:53:22 ID:RIVGHYu80
お疲れ様です。
今後さらなるFinderの進化が期待できそうで嬉しいです。
461名称未設定:2009/09/08(火) 02:08:04 ID:gh1M8NHB0
乙です!GJ!
462名称未設定:2009/09/08(火) 06:43:14 ID:So6s4A3Q0
面白かったです。これ読むまでカラム表示順を変更できることに全く気づいてなかった
463名称未設定:2009/09/09(水) 12:24:00 ID:rFEzAp9s0
カラムの表示順変更自体は10.5でもできるけどね
464名称未設定:2009/09/24(木) 16:02:55 ID:aztTNJAIi
保守
465名称未設定:2009/09/25(金) 14:06:10 ID:J6uDL2Xq0
お願いします。
ファイルのダブルクリックで作成アプリが開かない話。Snow Leopard で Creator 消滅?
http://www.appleinsider.com/articles/09/09/22/inside_snow_leopards_uti_apple_fixes_the_creator_code.html
466名称未設定:2009/09/25(金) 22:48:54 ID:zoRSAVtg0
>>465
その記事ではないけど、どうやら消滅したみたい

>926 名前: 名称未設定 Mail: 投稿日: 2009/09/25(金) 01:09:02 ID: ETIbxH/C0
>>>925
>コレと関係しているのか?
>
>Macでtwitterスレ
>http://pc11.2ch.net/test/read.cgi/mac/1212367517/
>624 :名称未設定:2009/09/25(金) 00:28:53 ID:I7pmvyaN0
>>>623
>原因はこれ 雪豹の仕様変更
>http://d.hatena.ne.jp/kotobatojp/20090913/1252833797
467名称未設定:2009/09/25(金) 23:33:58 ID:JJ1sev790
>>465
Creator廃止の流れは以前から表明して、Appleは代わりに
UTI(Universal Type Identifier)を使う事を推奨している。
たとえばKeyNoteなら com.apple.keynote.key、Excelなら
com.microsoft.excel.xls が既に定義されている。
UTIはEA(Extended Attribute, 拡張属性)としてファイルへ埋め込まれ、
SpotlightはUTIを参照して文書を検索する。

PhotoShopや雪豹は持っていないから断定なんてできないんだけど、
現行版だとUTIが定義されていないから面倒なのであって、
雪豹対応版(あるいはアップデータ)で改善されるんじゃないかと推測。

KeyNoteやExcel/WordのCreatorを削除しても、その文書が
適切なアプリで開けるか確認してみて >>雪豹を飼ってる住人さん達
468名称未設定:2009/09/25(金) 23:37:25 ID:KCTQr30l0
UTIはその名の通りファイルタイプを識別するものであって、開くアプリケーションを指定するものではないよ。
まあ俺はクリエータなんて要らないけど。
469名称未設定:2009/09/26(土) 00:26:33 ID:HWP+9Lyn0
うーん、そうかぁ。じゃ>>476は撤回する。
470名称未設定:2009/09/26(土) 01:35:17 ID:cZ30cyXQ0
>>469
先に撤回されてしまうと、476 が迷惑すると思うが。
それはともかく、 リソースフォークにアプリを埋め込む方は
依然有効なので、今後、各アプリが勝手に対応するのでは
ないかと思ったりしてる。あるいは、Default Folder X あたりが
対応したら万事解決したりして。
471名称未設定:2009/09/26(土) 02:37:46 ID:HWP+9Lyn0
失礼、レス>>469のアンカ>>476>>477に訂正。
472名称未設定:2009/09/26(土) 12:43:23 ID:VxTBJ1680
>>471
>失礼、レス>>469のアンカ>>476>>467に訂正
473名称未設定:2009/09/26(土) 13:29:34 ID:+pBgsMV00
>>476,477に期待
474名称未設定:2009/09/26(土) 14:30:25 ID:i9Btmy220
>>470
RCDefaultAppが既にこの仕様変更に対応している。
475名称未設定:2009/09/27(日) 22:09:19 ID:q9RiZrax0
>>476に期待!
476名称未設定:2009/09/27(日) 22:47:23 ID:G5Wrxnj20
Re: Mac関連オタをそれはもう凄まじい勢いで跳躍するオレ7
477名称未設定:2009/09/28(月) 03:09:14 ID:/u506L140
>>471あ!?
478名称未設定:2009/09/28(月) 11:46:57 ID:+AYf2XyJi
お前の力はそんなものか
479名称未設定:2009/09/28(月) 20:57:08 ID:0TaAVQxK0
なさけなや
480名称未設定:2009/09/28(月) 22:10:43 ID:h5mlJbGF0
age
481名称未設定:2009/10/05(月) 17:42:52 ID:FcS8y+Fk0
>>470
ダメ元で Default Folder X の開発元にフィードバックしたら、出来ないこともないけど、
常にアプリ名をリソースフォークに書き込むようにした方がいいかね? 環境設定にチェック
ボックスをこれ以上追加したくないんだが。 って返事が来た。
開く/保存ダイアログで個別にチェックボックスか何かで選択できれば嬉しいと返したが
それから返事がない。駄目かも。
482名称未設定:2009/10/05(月) 21:09:49 ID:Q1A+aUHy0
>>481
俺は信じている
483名称未設定:2009/10/22(木) 05:10:21 ID:uybNPNyA0
何やってんだよw
484名称未設定:2009/10/23(金) 13:05:20 ID:21BlxW690
Get A Mac CM新作。他はひねりがないのでこれだけ。

Broken promises

Mac:どうもMacです。
PC:PCです。
PC:Mac、いいニュースがあるんだ。
Mac:ん?
PC:Windows7が発売されたんだ。これまでの問題が全部解決だよ。本当さ。
Mac:…前にも言ってたような…
PC:えっ?
--回想始め--
PC:Windows Vistaが出たよ。XPの問題は全部解決だ。
PC:Windows MEの問題は全部…
PC:Windows 98の問題は全部…
PC:Windows 95の問題は全部…
PC:Windows 2の問題は全部解決だ。本当だぜ。
--回想終わり--
PC:今回は違うんだ。本当に。
485名称未設定:2009/10/23(金) 23:18:14 ID:sdlx5qpW0
乙。やっぱ訳が解ると面白いな。Teeter Totteringも誰かおながいします。
486名称未設定:2009/10/24(土) 14:24:05 ID:MDmkyoJB0
487名称未設定:2009/10/24(土) 17:39:00 ID:GgwcfmAb0
>>486
・MacのZFSプロジェクトが突然中止。
・メーリングリストもソースリポジトリももうすぐ消滅。
・原因はOracleによるSun買収。
・OracleはBTRFSを持っているのでZFSを推進しないだろう。
・Appleはエンタープライズ用FSとしてZFSを考えていた。
・マイナーで信用されないFSになるなら意味が無い。
・BTRFSに移行するかHFS+を改良して行くかは不明。
488名称未設定:2009/10/24(土) 18:15:27 ID:MDmkyoJB0
>>487
ありがとー
自分としてはBtrfs希望です
とにかくHFSでなくモダンでセキュアなFSが早急に必要でしょう

・・・セキュアの使い方あってるかな
489名称未設定:2009/10/24(土) 19:29:54 ID:MSg/+YEJ0
米Appleが旧FSメンテと新FS開発のエンジニア公募を開始しているから
独自FS開発路線で行くのかも、ってMacRumorに書いてあった

この初代スレでも書かれてたDominic Giampaolo、
XFSやBFSに関わったFSマイスターが今Appleに在籍してるから
モダンFSの独自構築という路線はありうると思うよ

Steve JobsとLarry Ellisonとの個人的コネクションで
好条件でBTRFSライセンスを持って来ちゃうって可能性も
ありかもしれんけどねー
490名称未設定:2009/10/24(土) 20:34:04 ID:MDmkyoJB0
>>489
解説ありがトン
くわしんですね
あなたの言っている様に独自の可能性もありそうですね
でも結局ZFSかBTRFSのパクリになるような
オープンソースでも何か特別な契約が必要なのかなー

以前WINとファイルの移動中にLEOPARDがフリーズ、
どうしょうもなくスイッチ長押しリセットその後
二度とWINとは繋がらない、いまだにそうです
こうゆうトラブルはFSがステキなら、何事もなく復活する
と自分は思っているので今回のニュースは残念です

あっ、スレ違いですね失礼しました
491名称未設定:2009/10/25(日) 18:54:49 ID:flGSS+1m0
HFS+はオープンにできないのかな
492名称未設定:2009/11/03(火) 15:48:18 ID:K2zNw16Y0
オープンにすればいいってもんでもないでそ
493名称未設定:2009/11/04(水) 21:23:41 ID:aL3l1ZSuO

>Samsung SSD vs HDD
>
>http://www.youtube.com/watch?v=rjCmLJtITK4
>
>MacのCM「Get a mac」日本版全12回
>http://www.youtube.com/watch?v=qnzmXD2YTqc
>
>【CM】Macとドナルド.マクドナルド
>http://www.youtube.com/watch?v=x5QzpaL7BnA
>
494名称未設定:2010/01/10(日) 08:58:49 ID:T6pmPeR00
保守
495名称未設定:2010/01/28(木) 01:11:47 ID:fkn7E0kF0
祭り落ち阻止
496名称未設定:2010/01/31(日) 17:46:24 ID:0M0aSQOQ0
保守
497名称未設定:2010/02/15(月) 12:06:05 ID:nrPEGvDi0
498名称未設定:2010/03/02(火) 23:24:47 ID:nIhv+f6e0
復帰age
499はいよ:2010/03/06(土) 13:50:09 ID:F5d3/MEt0
最も影響力あるApple評論家のひとりが、Appleの問題点について語る
Gruber at Macworld 2010

サイト「Daring Fireball」運営者のジョン・グルーバー---ドレクセル大学で
コンピュータを専攻した後、プロのブロガーに転身した---は、Web上で最も
影響力があり雄弁なApple擁護者といえるだろう。その彼がMW EXPO 2010に、
Appleを称えるためにではなく、その弱点を検討するためにやってきた。

彼はこの役割をおふざけとは考えておらず、金曜の昼下がりに集った聴衆にも
話が理解しやすくなるよう、童話の「白雪姫」から映画「レイジング・ブル」に
到るまでのポップカルチャーの比喩を豊富に交えつつ、真剣なプレゼンテーションを
行った。

だが、彼のプレゼンテーションの核心は、驚くべき手加減なさで列挙された、
今日Appleが直面している(と彼が考えている)最も切迫した10個の課題だった。

彼の挙げた順に述べると、その課題とは:

■1 スティーブ・ジョブズ
グルーバーはこう言う。スティーブ・ジョブズがAppleに戻った後に精力を
注ぎ込んで作り上げた、彼にとって最も重要な作品は、MacでもiPodでも
iPhoneでもiPadでもなく、Apple Inc.という企業そのものだろう、と。
そして悲観的な見方をすれば、Appleはあくまで、この余人を持って代え難い
人物が中心にいることを前提として精緻に編成された組織である(訳注:
すなわち、彼が最大のウィークポイントだ)。ジョブズはヒット作を
量産し続けているPixarのように、自分という著名でカリスマ的なリーダーが
いなくてもこの企業が廻るように体制を整えてきた、という楽観的な見方も
できるが。
500はいよ:2010/03/06(土) 13:55:45 ID:F5d3/MEt0
■2 AT&T
Appleは「物事がうまく運んでほしいと思うなら、自分自身でやれ」という格言を
信じている企業だ。とすれば彼らは当然、サンフランシスコなどの都市圏での
サービスレベルが冗談みたいにひどいAT&Tというキャリアに頼っているという
現状には苛立ちを感じているはずだ。では、その苛立ちは、AppleがAT&Tに
向き直り、ダースベイダー風に「お前には失望させられた…」と宣告する段階
にまで来ているのだろうか? グルーバーはそうは考えていない。AT&Tは
iPhoneを熱烈に欲しており、AppleはAT&Tから、Verizonに期待できるより
ずっと良い契約条件を引き出せるからだ。COOのティム・クックはアナリストに、
AppleはAT&Tの事業計画を検討した上で、AT&Tには現状の問題を解決する
ための猶予期間を与えると述べたが、AT&Tが抱えているサービス上の
さまざまな問題は、このAppleの好意を無駄にしている。

■3 コンピュータ
グルーバーは、コンピュータの未来はiPadにあると予見している。彼は
「iPadは本当に、本当に素晴らしい」と捲し立てた。ソファに座っているときに
コンピュータが必要になったら、たいていの人はMacBook ProではなくiPadに
手を伸ばすだろう。そしてこれは、Appleが未知の領域に足を踏み入れることを
意味してもいる。初代MacがAppleIIに取って代わった時代のように、現在の
Appleは、用途が重複した2系統のコンピュータ製品を抱えている。そして
当時のAppleIIは、その骸が冷え切るまでには数年かかったものの、基本的には
Macが発売されたその日に「死亡」したのだ。
501はいよ:2010/03/06(土) 14:34:06 ID:F5d3/MEt0
■4 App Store
iPhoneのApp Store批判には2つの流派がある。最も声高なのは、App Storeは
完全に間違った方向に進んでおり、GoogleがAndroid Marketplaceでやっている
ように、審査と承認という手続きを経ていないアプリでもダウンロードできるという
選択肢をユーザに提供すべきだ、という批判。もう一方は、Appleは概ね正しい
方向に進んでいるが、スピードを出しすぎているせいで若干コースから外れている、
という見方だ。グルーバーは、前者の声があまりに大きすぎるために、Appleが
後者の声もそれと一緒に無視してしまうことを恐れている。世の中には、たとえば
任天堂のゲーム機端末のようにApple同様にアプリが厳しく管理されている
プラットフォームもあるし、iPhoneに見劣りしないアプリ数を誇るプラットフォームも
ある。だが、厳格に審査を受けた15万本のアプリを擁するプラットフォーム
というのは、前代未聞だ。「この仕組みが維持できないとわかったら、彼らは
どうするのだろうか」とグルーバーは問いかける。

■5 セキュリティ
自社OSが常に攻撃にさらされ続けてきたMicrosoftは、多大な努力を払い、
Windows 7に強固な対マルウェア保護機構を組み込んだ。一方Appleのユーザーは、
OS Xのマルウェアがほとんど出回っていないことから、セキュリティをそれほど
気にかけていない。グルーバーはどのOSが本質的に安全かは気にしていないが、
非公開の脆弱性に対するAppleの対策の遅さに対しては懸念を強めている。
たとえばOpenSSL(インターネット上でカード情報などの保護に使われる
オープンソースの暗号化機構)のセキュリティホールが昨年9月に一般に知られる
ようになってからAppleが対応するまでには75日かかった。「こういうことが
何度も起きている」とグルーバー。Appleは最初に対応すべきときにも一番最後に
対応する。OpenSSLを利用している企業(Microsoftは違う)のうち最大の企業は、
他ならぬAppleなのだ。

-----------------------
続きは後日。
502名称未設定:2010/03/06(土) 14:57:40 ID:/xxKlMb90
ありがとう
面白かったので続きにも期待です
503名称未設定:2010/03/06(土) 15:02:51 ID:p63DXTvz0
お疲れさまです。いつも楽しみにしています。
読みやすいです。
504名称未設定:2010/03/06(土) 15:24:39 ID:11YWX6oU0
はいよさん、乙です。
505名称未設定:2010/03/06(土) 15:28:50 ID:ITUuQrUU0
鋭い切れ味の数々の意見。

アメリカには、プロのブロガーって職業の人が居るのか。
506名称未設定:2010/03/06(土) 22:42:45 ID:CgwJRTZp0
これは面白い記事だな
507はいよ:2010/03/08(月) 03:14:29 ID:RxW0NMm+0
■6 Mobile Me
iPhoneとMacの同期にはいいのだけれど、Mobile MeのWebアプリは
結局何のためのものなのだろう? ユーザがコンピュータに向かっ
ているときにはMailとCalendarを使うだろうし、外にいるときには
iPhoneを使うだろう。グルーバーはAppleがアプリをWeb化した理由
について「世間がその話題で盛り上がっているから」ではないかと
している。エルビス・プレスリーが登場した後にもみ上げを伸ばし
た場末の歌手みたいなものだ。

■7 バックアップ
データ喪失は悲劇だ。そしてAppleのシステムの基本的なデータ保
存先はローカルなので、Googleに比べると、データ保護に関しては
特に脆弱だと言える。Time Capsuleは発想としては正しいが、本来
iPhoneとMacは同期すべきものだということさえ知らないような
人々にとっては、これは真の解決策にはなっていない。「結局のと
ころ、長期的解決策はクラウドにデータを置くことだろう」とグ
ルーバー。だがそれは、AppleをGoogleに比べて脆弱な足場に置く
ことになる。AppleのMobile Me運営のひどさからすると、彼はクラ
ウドへのバックアップについてもAppleがうまくやれるかについて
も懐疑的なようだ。
508はいよ:2010/03/08(月) 03:15:38 ID:RxW0NMm+0
■8 Apple TV
グルーバーはApple TVがジョブズの失敗作だと喧伝する連中の一味
ではない。彼はApple TVを気に入っているが、根本的な問題がある
とも指摘する。この機器は基本的に映画とTV番組をiTunes Store経
由で見るためのものであり、結果として、そのへんにあるビデオ屋
よりも品揃えが悪い。Hulu(米国内向けの動画配信サービス)はす
ばらしいソリューションだが、BoxeeがHuluの番組をTVで見る方法
を見つけたとき、Huluの連中は怒り狂った。彼らは「自分たちのア
タマの中だけに、PCとTVを仕切るイカれたレンガの壁を築いてい
る」のだとグルーバーは言う。彼らは広告依存型のHuluがTVで視聴
可能になったこと自体ではなく、むしろ人々が彼らのコンテンツを
海賊版化し、無料で、かつ広告なしで番組を見るようになったこと
を憂慮すべきなのだ。「そんなアホな人々と交渉しているような状
態で、Appleが今のありさまから本来あるべき姿にどうやってたど
り着けるというのか、わからない」とグルーバー。

■9 抜け目ないライバル
企業がハングリーで居続けるためには直接のライバルが必要だが、
企業が大きくなりすぎると、ライバルは逃げ出してしまう。具体的
にはMicrosoftがそうだ。かつては同社にも「見るべきものがあっ
た。無慈悲で恐れを知らぬ企業だったから」。グルーバーによれ
ば、Netscapeをジェイク・ラモッタ(訳注: http://bit.ly/aeElpc )の
流儀でぶちのめして血塗れにした後で、同社が生み出せた唯一の
新機軸が、やはり強いライバルが存在する業界に参入したXBOXだけ
だったのは、決して偶然ではない。グルーバーは、スマートフォン業界
におけるAppleの一番のライバルはGoogleではなく(同社はAndroid
が成功しようが失敗しようがWeb広告でいくらでも儲けられるから
だ)、彼が絶賛するWebOSを擁するPalmだという。「Palmが成功す
るのは、我々にとっても、そしてAppleにとってもいいことだと自
信を持って言える。成功しすぎるのは問題だが」。
509はいよ:2010/03/08(月) 03:17:05 ID:RxW0NMm+0
■10 Aboutダイアログのクレジット表示
これはやや気づきにくいネタだが、Apple製アプリケーションの
「この○○について…」を表示すると、アプリケーションの名前と
バージョン以外にはわずかな情報しかないことがわかるだろう。何
より明らかなのは、開発者の名前がどこにも明記されていないとい
うことだ。これはドットコム・ブーム時代の遺物であり、かつてシ
リコンバレーのヘッドハンターたちがこのAboutダイアログでApple
従業員の名前を調べていたことに対するジョブズの対策を引きずっ
ているだけだ。映画やTV番組が、制作に協力したスタッフ全員の名
前を明記しているのは、組合がそう主張しているからというのもあ
るが、何より、それが正しいことだからだ。Appleが主張するよう
にソフトウェアが芸術の一形式であるなら、「芸術家は作品にサイ
ンをするべきだ」。
510はいよ:2010/03/08(月) 03:21:31 ID:RxW0NMm+0
おわりでーす。

ここの初代スレ立てたのは確か自分なんですが、
あれからもう8年経ってるなんて嘘みたいですね!
ひさびさに趣味の翻訳できて楽しかったでーす。
511497:2010/03/08(月) 12:25:04 ID:G7CbW0+m0
>>510
誰も訳してくれないかなー、と思ってた所でした。ありがとうございました。
ここ数年のAppleは絶好調すぎて逆に不安を感じているので、興味をそそられる記事でした。
512名称未設定:2010/03/08(月) 18:47:14 ID:DS0/cEC20
>>510
乙です
面白かったっす
513名称未設定:2010/03/08(月) 18:53:42 ID:0McItm0u0
>>510
乙です
べいべー♪
514名称未設定:2010/03/09(火) 20:26:56 ID:dPwcXdkE0
>>510
乙♪
515名称未設定:2010/03/20(土) 19:18:43 ID:59KJrrG10
mac関連ネタじゃなくpalmの話なのでsageで。

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Palmの絶望の日
http://news.cnet.com/8301-30684_3-20000800-265.html

業界内に歴史の一つを築いた企業の嘆きの章が始まろうとしている。

3月に収益を発表するとき、その発表と混乱という言葉は結びつけられるべきではない。
だがPalm Pre、Pixi、そしてWebOSへの消費者の反応が下がり続け、復活の望みが
小さくなっていることが発表された翌日に、Palmの周辺はまさしくそのような状態になったのだ。

前四半期のPalmのスマートフォン販売は408000台にしかすぎなかった。しかし小売りパートナーには
960000台のスマートフォンが出荷された、つまり人間に実際に売られた数より在庫になっている
スマートフォンの方が多いということだ、CES2009でPalm Preを発表し業界を魅了してから
1年以上経っている。

これには甘いことは言えない:Palmは激しく競合する市場に大量につぎ込み、そして
良く受け入れられたはずの製品への興味を得ることは出来ず、現金を溶かし在庫は積みあがったのだ。
それは一度に処理するには多い代物だ。

Palmの株は金曜日の昼には26%下げた。複数の証券アナリストはクライアントに時間内に株を
放出することを勧めている。そのうち2人は株の目標価格を0ドル、実質無価値にまで減らした。

言ってしまえば全盛期を過ぎた伝説的なボクサーが、10ラウンドを戦うために出て行こうと気持ちを
奮い起こしているのを見ているようなものだ。内側にまだなにかほとばしるものを見つけ、彼を
少しでも応援する。だがやられてしまうことを予想してすくむ部分もある。
516名称未設定:2010/03/20(土) 19:20:39 ID:59KJrrG10
非公開投資企業のElevation Partnersは3年前に3億2500万ドル、Pre発表前の2008年後期には
追加の1億ドルを投資し、Palmにはまだ生きているものがあると考えていた。しかし金曜日の午後には
株価が1年前の7.71ドル、1年間の最高値は18.09ドルから5ドル以下にまで下がり、時価総額は
6億9500万ドルになった。Elevationの投資家のBonoはPalmで探していたものがいまだ見つかっていない。

Palmの重役はいまだ状況を好転させることに自信を持っており、キャリアパートナーの販売員の
トレーニングへの投資を約束し、新しい魅惑的な製品のヒントをくれた。

しかし、一部ではこれがPalmの終わりの始まりであるのは明らかだとするものもいる。
モバイルを知っている人間にとってこの市場では合併が避けられないことは長く知られたことだ:
開発者は単純に6つのOSをサポートすることはできないし、キャリア側も人が欲しくない電話に
補助金を出す気にはなれない。

一部の人気で生き続けることは出来るだろう:製品は良すぎるし、エンジニアも優秀だ、そして
ブランドも一部の注意を引くにはいまだ十分なものだからだ。ポケットの中で行われる競争相手、
Apple、Google、Microsoft、HP、Dell、RIM、Nokia、Sony、その他の企業からすれば
Palmを吸収するのは難しいことではない、そしてElevationの従業員が現在買収をしてくれそうな
相手に財務データのコピーを準備していることも考えられることだ。

Palmはコンピュータ業界が生んだ最も重要な企業の一つだ。Palm Pilotは
モバイルコンピューティングを作った。Treoはそのアイデアの論理的な拡張だった、ポケットの中の
インターネットの可能性の萌芽を見せてくれた。
517名称未設定:2010/03/20(土) 19:22:36 ID:59KJrrG10
しかしPalmはiPhoneの最初の犠牲者だった。Palmのソフトウェアは2007年の時点で何年も
発展が無く、iPhoneによってすぐに平凡なものになってしまった。そしてその答えであるWebOS、
それが遅れてきたパーフェクトなものだったとしても、出てくるまでに時間が掛かりすぎたようだ。

Palmの支援者は、世界がPalmが終わったと思った時に彼らをやっつけさらに強くなって戻ってくる
他の企業ー例えばCEOの元の雇い主のAppleー等に向くことになるだろう。Apple自身が蘇ったのは
古き良きコンピュータから音楽やメディアそしてモバイルへとゲームを変えていったからだ、
一方でPalmは事実上発明した自分たちのゲームの中で関連したものを持続するために
必死で戦っていた、その違いだ。

あなたが最高の成果を生み出すためにこつこつ働いた後、製品が出され丸一年興味が失われていくのを
みてしまえば、それは再考する時だ。

コンピュータの時代において最も根源的な変遷の一つのまっただ中に我々はいる、
デスクトップからモバイルへの変化だ。
世界に手本を示した会社のその一つはその終わりを見ることなく無くなるのかもしれない。

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518名称未設定:2010/03/20(土) 20:19:35 ID:mV4J5X9e0
乙です
なんか一昔前のAppleを見るようですね
PalmPreなかなか良いものらしいですが
519名称未設定:2010/03/20(土) 21:23:53 ID:f1pkhM4W0
おつおつ。ちなみにpalm好きだよ俺。
520名称未設定:2010/03/21(日) 02:48:15 ID:tO0/MphB0
乙です
Palmはスマートフォンに行くのが早すぎたくせに
WebOSに到達するのは遅すぎたんだろうな…

初代iPodTouchを買うまでPalm使ってた俺は悲しい
521名称未設定:2010/03/21(日) 12:03:50 ID:ClRO+DHk0
Zです感慨深いのう

モノクロのPalmは魅力的だった、シンプルで合理的
IBMのWorkPadはかっこ良かった
522名称未設定:2010/03/21(日) 12:32:46 ID:38tPrUZv0
カラー液晶の機種が増えてたにも関わらず、あえて軽快に
動作するモノクロ液晶を搭載して、薄さに拘ったVisor Edgeが最強。

発表されてから約10年経過した今見ても、美しいデザイン。
http://www.mobilenews.ne.jp/news/2001/03/13/edge1.jpg
http://www.mobilenews.ne.jp/news/2001/03/13/edge2.jpg
http://www.mobilenews.ne.jp/news/2001/03/13/edge3.jpg
523名称未設定:2010/03/21(日) 12:36:27 ID:G1ivloNZ0
Palm Preは操作系にジェスチャーが入り過ぎててこりゃ駄目だと思ったな
524名称未設定:2010/03/21(日) 14:46:31 ID:VHeWPo1p0
>>515 乙です。

iPhoneが出るまで、10年以上Palm使ってたんだよなぁ。
そう考えると、寿命の長いプラットホームだった。

PCとの同期という考え方は、革新的だった。
525名称未設定:2010/03/22(月) 01:06:24 ID:ciUtGm9I0
PEG-T400持ってたなぁ…結局外出先でのスタンドアローンに耐えきれず手放しちゃったけど…
526名称未設定:2010/03/22(月) 12:24:16 ID:zLGiZ+f70
俺も中古でCLIE買うときに、店員から
スタンドアローンで使うならいいマシンですよって言われたな、、
527名称未設定:2010/03/22(月) 15:44:07 ID:hwMVIKYn0
今でもPalm m105やm505,折り畳みキーボード持ってます。
Palmでメールログを取り込んで持ち運んだり,着せ替えたり楽しかったな。
528名称未設定:2010/03/23(火) 02:09:47 ID:5GrCtqRW0
それ言ったら部屋のどこかにUS-Robotics製PalmPilotが…
529名称未設定:2010/03/23(火) 20:48:18 ID:G9fxhXTs0
>>522
なついなぁ。俺も使ってた。
530名称未設定:2010/04/02(金) 14:25:19 ID:QaRBUbFB0
The iPad Launch: Can Steve Jobs Do It Again?
http://www.time.com/time/business/article/0,8599,1976935-1,00.html

iPad始動:ジョブズはまたやれんのか?

ある楽しい春の日に、私は宇宙で最高にかっこいい場所を訪れた:
1 Infinite Loop, Cupertino, Calif、1993年からAppleが本拠にしている場所だ。
彼らはそれをキャンパスと呼びとても大きい場所だが、現在のAppleの規模の拡大を
考えれば十分な大きさでもない。現在追加の場所が設計され建設されている。
カンパニーストアで"I visited the mothership"Tシャツを仕入れ(我らファンボーイは哀れだ、
今すぐ認めるよ)、社員食堂、芝生やパブリックスペースを見せてもらった。
ここをキャンパスと呼ぶのは当を得ていて、皆学生のような恰好をしている。
スーツを来てるやつをここで見つけたら政治家に会いにきてるやつだと思うだろう。

フィルシラーとエディキューはそれにふさわしくジーンズを着てくつろぎながら
新しい製品iPadについて話すために私を迎えてくれた。シラーはワールドワイドプロダクト
マーケティングの上級副社長であり、Appleの最新製品の出荷における責任者である。
キューはインターネットサービスの副社長であり、iTunes、AppそしてiBookオンラインストアを
監督している。

私はiPadを試すためにAppleに招待されここにやってきた、そして後にこの会社のボス、
スティーブジョブズと1時間を過ごすことになる、彼とこんなに時間を過ごしたのは初めてだ。
しかしシラーとキューに会うとして、私はiPadのリリースにおいて否定的な部分について
書いておくのが公平だと考える。二兎を追うものは一兎も得ずー本当にポータブルというには
小さいわけではないし正当なコンピュータとしては大きくない。
注目すべきは全てがいつも通りAppleのコントロール下であることだ。Flashは無いし
マルチタスクもカメラも無い。ただのスケールアップしたiPhoneやiPod touchである。

531名称未設定:2010/04/02(金) 14:28:05 ID:QaRBUbFB0
"それをネガティブに言う人はいる"、シラーは言う。"そしてポジティブに言う人もいるよ。
'おお、大きいiPhoneだ、だせえ'もいれば'こりゃ大きいiPhoneみたいだ、かっちょいい'とかね。
幸いiPhoneを多くの人が持ってくれてるから最初にiPadと出くわしたときにすぐに使い勝手と親しみが
あるんだ。他の全てのことに関しては機能についてのことじゃないんだ、それは経験なんだ。
試してもらえば意味がわかると思うけど。"

もちろん僕は試したくてうずうずしてる、でも最初キューがiBookアプリケーションとその
オンラインストアを見せてくれた。iPadがAmazon kindleに致命的打撃を与えるような
多くの話がある:それは出版社が長い間Amazonの値段に関する厳しい支配から
逃れられるのを期待しているように思えた。Penguinの代表経営責任者のジョンマキンソンに
話を聞いた、なぜ彼はiPadを切望しているのか。彼は言う、"我々にコントロールの権限を戻し、
市場が発展する方法を見つけることを可能にしたんだ。正直に言って、iPadを見たとき
啓示のようなものだった、これは出版の未来でなくてはならないと。使ってみれば
わかると思うんだけど"。"わかった"、私は言った。"私もすぐ試してみたいんだけどね"。
デューク大学のトレーシーファザーも教育現場におけるiPadの可能性について同じように楽観的だ。
"iPadは文章、ビデオ、教材や学生が入力したものが全部一緒になる革命の前触れになるでしょう、
とても興奮してる"、彼女は言う。"試してみた?" "えー、まだ"。

そしてゲームもある。多くの人がiPadを主にゲームのプラットフォームだと見ている。
iPhoneの最も成功したデベロッパーの一つGameloftの創業者マイケルギレモットはiPadに
関してさらに情熱的だ。"これはゲームの進化の第4段階だよ"、と彼は言う。"最初はマイクロコンピュータ、
その後専用コンソール、次にスマートフォン、そして今はiPadだ。君はどう思うんだ?"
私は言った、"実際にやったら知らせるよ"。

そして間もなくそうなる。私は何を考えておけばいいかを理解していると思っている。
長い間私はApple製品を使ってきたからだ。

------------
1ページ目終了。続くかわからんので2ページ目以降は誰でもいいのでドゾー。
また誤訳の指摘もドゾー。
532名称未設定:2010/04/05(月) 22:10:21 ID:zWbiwSP70
コンピュータが楽しくなった理由

iPadの発表に世界が準備しているこの時、AppleをiMacやiPod、iPhoneファミリー、
iTunesのサービスだけの巨像としか見ない若い人は、Appleを愛する人が
いかに辛い人生を送っていたかを知れば驚くかもしれない。

1984年、銀河ヒッチハイクガイドの作者、ダグラス・アダムスはイギリスでMacを
所有する最初の人だった。そして私は2人目だ。輝く緑色のコマンドラインよさようなら、
こんにちはマウスアイコン白いスクリーンのグラフィカルなデスクトップ閉じれるウィンドウや
ブラインドのように降りてくるメニュー。次の10年を通して私は定期的にダグラスのロンドンの家を訪ね、
フロッピーディスクを持ってベルを鳴らしていた。

"彼はいますか?” 興奮して息を切らしながら言う。ダグラスの奥さんのジェーンはあきらめておかしそうに
階段を指し、私はファイルが楽しみを交換するために飛びつく。我々はおもちゃの電車のセットで
遊ぶ子供のようだった。そして問題もあった。それはそういう面白さだった。コンピューティングが
楽しいのではなかったのだ。ダグラスと私はかつてデスクトップのアイコンを再設計するのに
2週間を費やし、ジェーンにどっちが勝者かを判断するように頼んだ。彼女は機転を利かせ、それぞれに
1等をくれた。そうでなければ我々は何週間も腹を立てたのだ。しかし、我々はMacを使って
本や台本も書いた:それは朝にベッドを飛び起きさせ起動して仕事をしたいと思える最初のマシンだった。
533名称未設定:2010/04/05(月) 22:12:55 ID:zWbiwSP70
それにもかかわらず、その頃に遡ればコンピュータは商売のための真面目な機能をこなす実用的な
道具であるという信念を持った人間にとってMacはおもちゃ、気取り屋の遊び道具、上品な浅い楽しみと
嘲笑され、ユーザによってではなくIT技術者やシステムエンジニアによってコントロールされるべき
ものであった。PCはWindows95のリリースによってようやくMacスタイルのGUIを採用したが、
Appleにはダメージが与えられた。1997年にはAppleが厳しい危機にあり、ダグラスと私は勝ち誇った
PCユーザの満足そうな同情に慣れていった。"あなたはもうすぐ趣味の店やメール注文でスペアパーツや
アップグレードができるようになりますよ"、彼らは含み笑いをしていた。
専門家やビジネス誌も一致していた。

しかしそれはそんな早くは来なかった。すこし我慢してくれ。アメリカの企業史において最も
並外れたものの一つが描かれようとしているのだ。Appleの"気分屋"共同創業者のスティーブジョブズ
(ジョブズのような人は常にそういう通り名がつけられる)はMacのリリースから1年で自分の会社から
クビにされた。追放され、ジョブズはPixerとNeXTを作った。1997年NeXTをAppleが買収した後、
彼のAppleへの復帰、現在では伝説のものだ。デザイン部門では、ジョブズはジョナサンアイブと言う名の
若い英国人の仕事を見て、会議を要請した。アイブは1年間その力を活用や認識されておらず、ジーンズの
後ろのポケットに辞職願いを突っ込んで現れた。彼はその才能を解き放つための命令とともに出て行った。
その結果は当時想像された標準的なベージュのボックスから大きく変わったオールインワンの白と
ボンダイの透明なケースのiMacだ。アイブの次の大きな仕事はiPodでその後にiPhoneになった。
ジャングルの中でAppleが負け犬から巨大な野獣への変化は進行中だった。そして現在我々に
近づいている藪の中からiPadが見えてきている。
534名称未設定:2010/04/05(月) 22:15:01 ID:zWbiwSP70
笑顔にさせる道具

この熱狂を知らない場合のために。iPadはタッチスクリーンの板、タブレットコンピュータであり
対角線で9.7インチ、25cm、重さは680gだ。Appleには、iPadの発表に関して違った事情がある。
iPhoneがリリースされたとき、スマートフォン市場はノキアWindows MobilePalmソニエリブラックベリー等の
巨大で確立されたプレイヤーによって独占されており、Appleは初心者だった。しかしiPadのリリースでは
Appleは最初から有利な位置にある。反発の雰囲気があるのだ。ブログ界隈や技術系雑誌では厳しく
非難するような準備が出来ている。Appleは度を超してしまった。このデバイスは何なのか。
誰が必要とするのか。

iPadに無い全ての機能の問題をデザイナーであるアイブにぶつけた。"様々な意味で、それがそこに無いことが
我々は誇りにしているものなんだ"、彼は私に言う。"我々にとって、ユーザと彼らが操作するコンテンツの間に
何も無いように感じられるまで、何度何度も洗練させていくということが全てだ"

彼が言おうとしたものではないが。技術系ジャーナリストはスペックリストや機能に取り付かれている。
これは出来るのか?それは?彼らはそれらの機能の合計としてデバイスを見る。しかしこの手の考え方は
AppleのDNAではない。iPadは作業をする、アプリを動かしそのデバイスに期待されるカレンダー、
eメール、ブラウザ、オフィス向け、音楽ビデオゲームを持っている、しかし結局デバイスを手に入れた時
道具としてそれらへは関係していないことを私は知った:経験が人や動物の関係により近いものなのだ。
535名称未設定:2010/04/05(月) 22:17:46 ID:zWbiwSP70
この手の話が変に感じるのもわかっている。だが少し考えてみてほしい。我々は人間だ、我々が何かに
最初に反応するものは計算によるものではなく感覚的なものだ。アイブとそのチームが理解していることは
もしポケットや手に毎日何時間もものがある場合、その関係は深いものであり、人間的で感情的なものだと
いうことだ。Appleの成功は我々の側に対して取り組んだ消費者向け製品に現れている:彼らの製品は
操作し触れ撫でて滑らせつまんでピンチしてつついてさすることでユーザを笑顔にさせるのだ。

もしこういうことに免疫があったり、あるいはこういうことを弱いとか大げさだとか使えないとか
能率的じゃないとか考えてるのであれば、あなたの市場には十分な機能目標があるということだ。
だがこう考えるかもしれない:楽しさを出発点にし、細部、仕上げ、つや出し、そし
て設計をすれば思うに金持ち向けの浅い高級玩具にはならず素晴らしく実用的なプロダクトになると。
iPhone App Storeは確かに馬鹿げたダメなものを提供しているが、続々と医療、軍事、産業にも使える
重大なプロフェッショナルのツールが出てきている。iPhoneはMacの様に最初はおもちゃとして嘲笑されたが
スマートフォンの風景を様変わりさせている、Appleの競争相手が見かけが悪いまま急いで独自の
タッチスクリーンフォンやApp Storeを奪おうとしているのだ。イミテーションが最も誠実な
お世辞の形であるなら過去2年のAppleへのGoogleやMSのお世辞は偶像崇拝にほかならない。
iPadも同様に真似されるであろうことはほとんど疑問の余地は無いだろう。
536名称未設定:2010/04/05(月) 22:19:17 ID:zWbiwSP70

"僕らはよそが何をやろうとしているかを予想はしない"、アイブは言う。"我々は我々が正しいと考えていることに
集中して、それに専念するのだ"。アイブの焦点と完璧主義は有名だ。彼とのどんな会話も何時間もの仕事に
関するもので、最も些細なことですら絶対に正しくなるまで満足しない。彼は消費者が
決して気付かないことが最も嬉しい。自然で邪魔されない操作と感じるものになるために
使われた数千もの決定と革新を一切考えずにiPadを使ってほしいのだ。"もし上手くいくなら、強固にも動作するはずだ"と
彼は言う。"考えずに車のシートに投げ入れたり荷物の中で押しこんだりする人のために作られたんだ。
デリケートになるようなものじゃない。もうiPadは試してみたの?" "まだ"、私は答えた。"まだ会う人がいるんだ"

ジョブズに会う

私は5人のイギリス首相、2人のアメリカ大統領、ネルソンマンデラ、マイケルジャクソン、イギリス女王と
会ったことがある。スティーブジョブズとの時間はそれらの出会いよりさらにナーバスにさせた。あなたが
考えていることはわかる、だが事実なのだ。私は本当にジョブズが優れた人物だと信じている、世界を
変えた少数の革新者の1人であると。彼はショウマン、完全主義の監督者、予見者、熱中する人間であり日和見主義の
間のどこかに存在し、Appleの成功に大きな役割をしたデザイン、細部、仕上げ、質、使いやすさそして信頼性について
強い主張がある。アイブはもの静かで控えめで人目につかないようにするが、ジョブズは自信家で確信を持ち
寛大だ。いくつかに関しては彼の個人の魅力はエルマーガントリーのようなものでかなり危険なものだ。
ジョブズの基調演説から出てくるカリスマ性は"現実歪曲空間"と呼ばれている。
537名称未設定:2010/04/05(月) 22:26:28 ID:zWbiwSP70
ジョブズに会ったとき、彼は有名な黒いタートルネックのセーターと青いリーバイス501ジーンズを着ており、
"偽物だ"と叫ばずにすんだ。最近の肝臓移植からの体重減は、なぜかは考えられなかったが、俳優のウィリアムハートの
思い出させる華奢さを感じた。我々は会議室で会った。全ての予備の棚と壁の棚には少なくとも12台のiMacが
置かれており、それぞれがファミリースライドショーを再生していた。ジョブズが椅子で後ろにもたれ、
足をテーブルに乗せ、歓迎の笑顔をしていた。私の最初の質問は神経を使った5分も続く片言だった。
彼は我慢強く楽しんで聴いてくれ、そして答える、"そうだ"、また”違う"もあっただろうか。
私はこの質問が何だったか覚えてない。レコーダーをオンにするのを忘れていたのだ。すぐにそれをし、
赤面する。

多少落ち着き、1月にiPadの製品発表時、ジョブズが2つの交通標識の前に立っていた、1つは'リベラルアート'の標識で
もう1つは'テクノロジー'の標識であったことを彼に思い出させた。"これは私がいつもAppleを見ている場所だよ"、
ジョブズは聴衆に言った、"リベラルアートとテクノロジーの交差点だ"

私はそれにさらにもう少し他のものがあるということを示した:確実にAppleはリベラルアートとテクノロジー、
そして商業の交差点に立っているのでは?"もちろんだ、我々がやっていることは商業的に意味が無くてはならない"、
ジョブズは認める、"だけど決してそれが出発点ではない。我々の出発点は製品とユーザー経験だ。もうiBookは見た?"
全てのiPadにバンドルされる"クマのプーさん"を私に見せてくれた彼の喜びは、気取っておらず魅力的だ。
彼は書見台やスタンドとしてケースをどう使うかを見せてくれた。"iPadの経験は多くの人に深いものになると思ってる"、
彼は言う。"僕も本当にそうだ。純粋に深いものだ"。思い当たることがある。"これはあなたのためのデバイスだと
言われているのを聞いたが"、私は返す。"全てを変えるものになる"。"人々はいかにその経験がユーザが取り巻くものかが
わかったとき、まさにそれに合う方法、唯一の言葉は魔法なんだ。"、ジョブズは言う。
538名称未設定:2010/04/05(月) 22:29:03 ID:zWbiwSP70
5年でジョブズは2つの厳しい健康不安が明らかになった。1997年に復帰したときよりももっと多く、彼の
記事が書かれた。"3回目にはこの幕は閉じてしまうのか"、私は尋ねた。"あなたはこの株価が高くて妥当な時期に
Appleを去ってあなたのキャリアを終わらせるのではないのか"。"私はキャリアとして人生を考えてはいない"、
彼は言う。"私はやることをやる、そして物事に対応する、それはキャリアじゃない。人生だ"

彼が去った後、iPadと1人になった。最後に自分のいじる時間だ。スリップホルダーのしたから覗いてみる、
そこにそれがある。スイッチを入れてみたとき、スクリーンが映り、少しためいきが出て行く。10分後には
床に寝たりうなったり噛み付いたりしていた、Appleのプレスの代表からそれを奪おうとしたのだ。

厳密には事実じゃないけど、iPadを諦めるのは少しそういう感じだったのだ。約束された通り滑らかな感覚、
明るいスクリーンにユーザを取り巻く経験のための準備が出来ていた。だが私は準備ができていなかった、
デバイスとの関係が出来上がるのがどれだけ早かったか。私はiPad無しでクパチーノを後にした、しかし
その後自分のものを得て、どこに行くにも一緒だ。

私がそうしたように一般の人はiPadに向かわなくてもいいのだ。おそらく彼らはappとiBookが高すぎることに
気がつくだろう。多分彼らはもっと機能が増えた後継モデルを待ってるのだ。しかし私にとっては
私のiPadは銃のロビイストのライフルのようなものだ:私からそれを奪い取るには私の硬直した死者の指から
こじ開けるしか無い。ところで、私の指をこの驚くようなオブジェクトの表面に滑らせ動かすと、ある悲しい想いが
わき上がる:人類が今でも工夫をしている'銀河ヒッチハイクガイド'に最も近いものをダグラスアダムスは見ないまま
この世からいなくなったことだ。


フライは作家で俳優でテレビ出演者である。彼の映画出演はWilde, Gosford Park, V for Vendetta
最近はティムバートンのAlice in Wonderlandでチェシャ猫を演じている。俳優とともに4つの小説と
2冊の自伝も書いている。
539名称未設定:2010/04/06(火) 00:42:16 ID:IOnCkF1m0
ダグラス・アダムスが生きていたら気に入ったかな。
銀河ヒッチハイクガイド(作中に出てくる方の)iPad版とかあればいいのに
540名称未設定:2010/04/06(火) 06:17:54 ID:X5S2Fvxc0
"DON'T PANIC"と書いた液晶拭きとか欲しい
541名称未設定:2010/04/20(火) 23:50:39 ID:Pok6KuJy0
Ars Technicaに今回の13" MacBook ProがCore i5を採用しなかった理由の考察が載っていた。
結構面白かったので、翻訳あげときます。
ttp://arstechnica.com/apple/news/2010/04/why-the-13-macbook-pro-didnt-get-a-core-i5-upgrade.ars


Why the 13" MacBook Pro didn't get a Core i5 upgrade
13" MacBook ProがCore i5に移行しなかった理由

Appleのプロライン最小のノートブックのファンは、過日のMacBook Proのアップデートで13"モデルが
Intelの最新CPUアーキテクチュアを搭載しなかったことに落胆した。
シュリンクされた32nmプロセスで製造されたNehalem世代のコアであるCore i3/i5/i7は、Core 2 Duoと
比較して明らかに性能上のアドバンテージを有している。でも13" MacBook ProはCore 2 Duoにとどまった。
で、どうしてAppleはこの13" MacBook ProにArrandaleの恩寵を与えなかったのだろうか?

実はそれにはいくつもの理由があることが判明したのだ。コスト、グラフィック性能、バッテリー性能、
そして物理的な寸法の問題といったことだ。

まず、2008年10月に登場した以前のMacBook Proの基本的なアーキテクチュアに思いを馳せてみよう。
すべてのモデルがCore 2 Duoプロセッサを搭載し、GPUにはチップセット内蔵型のNVIDIA 9400Mと、
15"及び17"モデルはもう一つのディスクリート型GPUを搭載していた。16個のプロセッシングコアを
内蔵した9400Mは、それ以前のMacに採用していたIntel GMA950やX3100のグラフィック性能をはるかに
凌駕していた。9400Mはまた、CUDA互換という利点があった。AppleがMac OS X 10.6でCUDAに似た
仕組みのOpenCLを新たにサポートした今では、なお意義深いことだった。
542名称未設定:2010/04/20(火) 23:51:30 ID:Pok6KuJy0
15"と17"のMacBook Proについては、Appleはそれをやった。この2モデルについてはCore i5/i7と
組み合わされたIntel HM55コントローラーの他に、NVIDIA GeForece GT 330MモバイルGPUを搭載した。
(なぜ新しいMacBook ProがUSB 3.0をサポートしなかったのか知りたい人は、AppleではなくIntelを
責めるべきだ。なぜならこのArrandaleチップセットはUSB 3.0をサポートしていないからだ)

ところが13" MacBook Proについては、Appleは難しい選択を迫られた。13" MacBook Proは
Appleが作る最小の「プロフェッショナル」なポータブルゆえに、軽量かつお手頃価格でなければならない。
それでいて、ユーザーは性能に期待する。CPU性能のみならずGPU性能も。

ここでCore i5を採用するという選択肢もあったかもしれない。でもその場合、Appleがターゲットとしていた
価格帯よりもずっとコストを上げてしまっていただろう。あるいは、Core i5よりは廉価なCore i3を採用する
という選択肢もあったかもしれない。Core i3ではCore i5/i7が有するターボブースト機能は省かれている。
(ターボブースト機能とは、2つのコアのうち1つが休止状態のときにもう1つのコアのクロックスピードを
必要に応じて上げる機能である。複数コアに対応していない/最適化されていない一部のタスクを処理する
には優れた機能である。)それでもCore i3はハイパースレッディング機能を有している。これは1つのコアが
2つのスレッドを同時に処理できる機能で、マルチコア/マルチスレッド対応のタスクを処理する上で
スピードアップになる。その意味でCore i3は13"には最適なように一見思えるが、後述する理由により、
実はそうではなかったのだ。

今回13"に採用した、旧型より高速な2.4GHz/2.66GHzのCore 2 Duoは、旧世代のアーキテクチュアゆえに
Core i3/i5より低価格である。そして我々は、在庫一掃を目論んだIntelがAppleに破格の条件を提示したものと
確信している。AppleによればこれらのCore 2 Duoは比較対象となるCore i3の約90%の性能だということだが、
勿論これは負荷に大きく依存するし、より発熱が大きいという代償もある(Core 2 Duoは45nmプロセスで
32nmプロセスのi3よりもクロック周波数が高い)。
543名称未設定:2010/04/20(火) 23:52:26 ID:Pok6KuJy0
AppleがCore i3/i5と組み合わされるIntel HDグラフィックスにのみ依存しようとした場合、グラフィック
性能は逆に大きく後退してしまっていたであろう。だからこそ15"と17"のMacBook Proにはディスクリート型
GPUを採用せざるを得なかったとも言えるのだ。コストアップという理由の他に、13" MacBook Proの場合
単純にロジックボード上にディスクリート型GPUを搭載するスペースがないというのもある。
以下の写真を比較してほしい。

(写真上:13" MacBook Pro (2009)のロジックボード。写真下:15"と17"のMacBook Pro (2009)の
ロジックボード。IntelのCPUを赤、NVIDIA 9400Mを緑、NVIDIA 9600Mを青で示す)

13" MacBook Proの場合、Core i3とHM55の組み合わせに加えてディスクリート型GPUを搭載する
スペースがないことはコンピュータエンジニアやエレクトリックエンジニアでなくたって理解できる。
ディスクリート型GPUを搭載するためにロジックボードを改良しようとしたら、バッテリーの占有空間を削り
マシンを爆熱から守るための廃熱のパスを追加しなければならなかった可能性もある。そんなことをすれば
バッテリー寿命には二乗で響いていただろう。ディスクリート型GPUが使う電力分に加え、バッテリーの容量が
減るわけだから。そうなるとバッテリー寿命は先代モデルの7時間を維持できればいい方で、新型の公称10時間
には全く届かなかったことだろう。

AppleはIntel HDグラフィックスのみに依存することでグラフィック性能を後退させたくなかったし、
ディスクリート型GPUを詰め込んでバッテリー寿命を短くしたくなかったというのはここまで書いた通りだ。
GPUとコントローラーを一体化したNVIDIA 9400Mこそが、これらの制約から自由になれる唯一の選択肢
だったのだ。残念ながら、IntelとNVIDIA間でのライセンスをめぐる抗争が原因で、Arrandale(あるいは
他のIntel製メモリコントローラー一体のプロセッサでもいいが)ファミリーにはこのような解決策がないのだ。
互いに相手を訴え合っているこの抗争の結末がどうなるかは誰も知らないことであるが、座して和解を
待つほどの余裕はAppleにはないのだ。
544名称未設定:2010/04/20(火) 23:53:14 ID:Pok6KuJy0
Appleにとって幸いなことに、NVIDIAは一体型コントローラーの性能をいくつかアップさせていた。
40nmプロセスへの移行、それの基となるより進化したローエンドコア(GT216)の構築などだ。Appleは
NVIDIAに、9400Mのコントローラーを進化させたバージョンであるGeForce 310Mのバリアントとして
特別に48コアを内蔵したバージョンを製造させた。このGeForce 320Mにより、13" MacBook Proの
グラフィック性能は最大で80%もアップした(NVIDIAの主張によると、16コア版の310MでもIntel HD IGP
より10倍高速ということだ)。同時に、一般的なタスクの実行時で40%もの省電力化も実現した(おそらく
Core 2 Duoにとどまることによる消費電力上のハンデをも上回っているだろう)。加えて、Mac OS Xの
Grand Central DispatchによるGPGPU用途において3倍ものリソースを供給するのだ。

明らかに、Appleは過去のテクノロジーであるCore 2 Duoにとどまることで13" MacBook Proを「放置」
したわけではなかった。Appleの広報がArs Technicaに語ったところによると、13" MacBook Proは
他には類のない、性能・ポータビリティ・より長くなったバッテリー寿命のコンビネーションを
$1200から始まる価格帯で提供し続けたかったとのことだ。より高速になったCore 2 DuoとNVIDIA 320M
の組み合わせがそれを可能にしたのだ。

勿論、他のメーカーの供給するノートで同等の性能を持つもの、同等のポータビリティを持つもの、
(もしかして)同等のバッテリー寿命を持つもの、同等かより安い価格のものをそれぞれ見つけるのは容易だ。
だが、これら4つのすべてにおいて同等のものを持ち、そして(好みにもよるが)同等にスタイリッシュな
ノートを見つけるのは難しいだろう。

スティーブ・ジョブスが最近、顧客へのe-mailで語ったところによると、「我々はごくわずかなCPUの
性能向上よりも、グラフィック性能の向上と10時間のバッテリー寿命を採ることにした。ユーザーの皆さんは
グラフィック性能の向上により、パフォーマンスが大きく進歩したことを実感できるだろう」


おしまい。
545名称未設定:2010/04/20(火) 23:58:40 ID:Pok6KuJy0
あ、すみません。
>>541>>542の間にこれを補ってください。
(本文が長すぎるって怒られて削った分を戻し忘れてましたorz)


ところで、モバイル向けCPUであるArrandaleファミリーを設計する上で、Intelはメモリコントローラー/
PCIeバスコントローラー/内蔵グラフィックプロセッサをCPUの隣の独立したパッケージに収めた。
このことはすなわち、これらのプロセッサは、USBやFireWire I/Oといった古典的なサウスブリッジ機能を
制御するために、能力に劣る電力食いのプロセッサを別個持たなければならないことを意味していた。
そして内蔵のIntel HDグラフィックス以上の仕事をさせようとすると――以前のGMA950やX3100より
かなり進化したとはいえ一部のタスクにおいて未だに9400Mには及ばない――ディスクリート型GPUが
必要なのだ。
546名称未設定:2010/04/21(水) 00:27:11 ID:eI6KWL0e0
乙です!
547名称未設定:2010/04/21(水) 02:22:21 ID:pxHpUu7M0
大変乙です!面白かった…!
548名称未設定:2010/04/21(水) 16:13:14 ID:DA7/rTLN0
これって既出?
iPadのプロモの吹き替え
http://kita.dyndns.org/wiki/?iPad+Video+Dubbing
549名称未設定:2010/04/21(水) 17:15:00 ID:EZALkhtJ0
こりゃ、面白い。

欲を言えばコワモテのScott ForstallがSafariの紹介で
"You just... do!"って言うところ。
just...と言った後に間を空け、do!!って伸ばすところ。

あの部分は「あなたはただ...     なすがまま!!」みたいに
カッコつけて欲しかったなぁ。

おぃおぃ、なすがままじゃ意味が違ってくるだろうなんて反論は
正解を知らない僕に言っても、たぶん意味が有りません。
550名称未設定:2010/04/22(木) 02:27:48 ID:rfXcGgcJ0
あそこキモいよなw
551名称未設定:2010/04/22(木) 21:54:20 ID:XOVBp2qH0
俺もあのある意味きもい感じが好きだ。
これは面白いね。参考になります。
552名称未設定:2010/04/30(金) 01:19:03 ID:U7rRdheJ0
どなたかお願いできますれば...
ttp://www.apple.com/hotnews/thoughts-on-flash/
553名称未設定:2010/04/30(金) 12:31:33 ID:ioEI5R8B0
554名称未設定:2010/04/30(金) 16:22:13 ID:U7rRdheJ0
>>553
Thx!
555名称未設定:2010/04/30(金) 23:24:30 ID:WXhErHmr0
ここにもあった
ttp://www.applelinkage.com/#100430001

んでそれに対する反論
linkageの短い要約読む限りはまともな反論になってないけど
wsjの内容が気になる
ttp://www.applelinkage.com/#100430006
ttp://blogs.wsj.com/digits/2010/04/29/live-blogging-the-journals-interview-with-adobe-ceo/
556名称未設定:2010/05/01(土) 08:32:04 ID:UuZMXjE40
>>548
くっつけたのがニコニコに上がってた
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10475419
557名称未設定:2010/05/01(土) 12:12:19 ID:AGliHhZl0
>>556
すごい。何言ってるのか、わからん。
558名称未設定:2010/05/02(日) 17:44:44 ID:/uDF27fT0
>>556
なつかすい 20年前に広島に2年住んでた カープの達川を思い出した
559名称未設定:2010/05/13(木) 15:00:43 ID:NLSQGlcd0
>>556
YouTubeにも上がって
http://www.youtube.com/watch?v=bh-sENPLd44

あちこちで取り上げられ始めてるみたいね
http://twitter.com/#search?q=iPad%20%E5%BA%83%E5%B3%B6
560名称未設定:2010/05/23(日) 10:12:04 ID:GHGKrgo50
英語が不自由なのですが、ジョブズにメールしようと考えています。
(ジョブズのメルアドは検索したらすぐに分かりました。[email protected]ですよね?)
以下の文の英語訳をお願いします。返事が来たらまたお願いします(汗)

(タイトル)表現力として重要なアダルトカテゴリについて。日本人の提案

初めまして○○と申します。日本に住んでいる日本人です。

今月28日に日本でもiPadが発売されますが、
日本の出版業界からも大変注目されているのですが、
iPadのAppStoreで出版することには問題があります。

日本は欧米よりもアダルト表現の規制が緩く、
日本で一般向けとして出版されている漫画についても、
AppStoreで提供出来ないものが多く存在します。

しかし、アダルト要素は何も性的な興奮だけが目的ではなく、
表現力としての側面もあり、重要な要素です。規制するべきではありません。

これは、米国の価値基準に判断が委ねられている問題もあります。
AppStoreは各国ごとに別々に提供されているので、本来ならば、
各国の基準に基づいた、各国ごとの審査が可能なはずです。
561名称未設定:2010/05/23(日) 10:13:14 ID:GHGKrgo50

そもそもの前提ですが、アダルトカテゴリを規制していては、
全ての出版物が電子化されるのは不可能です。

AppStoreのこの問題を解決するには、アダルト表現を全面的に規制するのではなく、
AppStoreにペアレンタルコントロールを導入し、親が子供の見るものを制限できる
ようにすることが唯一の解決策だと思います。

それに関連して、iPhoneやiPadに対してマルチアカウントを導入するべきです。
子供用に専用アカウントを新設すれば、子供がアダルトコンテンツに触れることを
防止できます。

・AppStoreへのアダルトカテゴリ新設と、ペアレンタルコントロール導入
・iPhone OSのマルチアカウント化
・各国の価値基準に基づいた、各国ごとの審査体制

この提案についてどう思われますか?
ジョブズ、貴方の考えを聞かせて下さい。


以上です。↑の翻訳をどうかお願いします。
562名称未設定:2010/05/23(日) 10:20:24 ID:GHGKrgo50
563名称未設定:2010/05/23(日) 12:40:07 ID:Uf5mdb670
別にどうでもいいことだわ。
わざわざメールするほどの事か?
業界の人?
564名称未設定:2010/05/23(日) 12:52:07 ID:M6suLIi20
>>1
> ・訳文の二次利用はご法度です。
> ・ご自身のサイトの翻訳はご遠慮下さい。
このあたりに引っかかるので、誰も協力してくれないと思うぞ。
565名称未設定:2010/05/23(日) 15:17:22 ID:VUQYo+NMP
もっとシンプルに「iTunesStoreにペアレンタルコントロール導入して下さい」で通じるぞ。
566名称未設定:2010/05/23(日) 16:54:52 ID:Wd0TNUTz0
とはいえ中高生でも「成年コミック」を本屋で身分証明書なく買える現状ではな
規制が議論される前にきちんと枠組みを作って置けば良かったんだよ
567名称未設定:2010/05/25(火) 06:30:56 ID:qvdQaJ8R0
>>560
英語板へ行け
568名称未設定:2010/07/06(火) 16:51:32 ID:+WerbjAm0
>>561
自分で訳してみな。
で、日本語の文章も併記しておいて
Sorry, My English is not good. とでも書いておけば良いんじゃね?

そういうのは自分で書かないと伝わらないよ。
まぁ、それ以前に Jobs には届かないと思うけどね(篩に掛けられる)。
569名称未設定:2010/09/05(日) 18:44:05 ID:aYaekj1f0
存在忘れてた保守
570名称未設定:2010/09/21(火) 17:23:33 ID:c3bxEKmW0
571名称未設定:2010/10/15(金) 14:48:13 ID:OEzNh4Wp0
存在忘れてた保守
572名称未設定:2010/11/11(木) 01:41:49 ID:hDWuBKk90
iPadでエロ漫画読みたい虹ヲタか
573名称未設定:2010/11/13(土) 20:10:04 ID:fpwpU10di
>>568
>で、日本語の文章も併記しておいて
>Sorry, My English is not good. とでも書いておけば良いんじゃね?

これスピーチでもやる人がいるけど、読んだり聴いたりすれば上手でないのはすぐ分かるから、へんに言い訳のようなことはしなくていいそうだ。
574名称未設定:2011/02/01(火) 19:33:42 ID:pM0XD8PK0
ほしゅ
575名称未設定:2011/03/04(金) 17:54:34.47 ID:2XsEdXMX0
保守、そして要望。

どうやら有名なブログみたいですけど、序文から面白そうな事を書いてる雰囲気を
肌で感じたので(ちょっと嘘、誰か訳してください。

Daring Fireball: The Chair
http://daringfireball.net/2011/03/the_chair
576名称未設定:2011/06/04(土) 14:39:30.21 ID:JF730xo50
保守しとくか。。。。
577名称未設定:2011/06/06(月) 19:49:04.77 ID:o+9k0XjU0
保守記念。Appleリテイル10周年記念のポスターに書いてあった言葉。
間違いはガンガン突っ込んでください。
http://images.worldofapple.com/tenyearsretailanniversaryposter_030611.pdf

"我々は多くの事を学びました"

この10年、我々は多くの事を学びました。

我々は最初の日のような熱意を持って毎日対応する事を学びました。我々は顧客が我々に示しているものと
同じぐらいの多くの配慮を顧客に示す重要性を学びました。そして、適材適所で人を雇用する技術を学びました。
我々は近隣が我々に適応することを期待するより、近隣に適応するほうが良いことを学びました。
それが多くの時間とエネルギーを費やして我々の方法でストアを立ち上げた理由です。

我々の一番最初のストア、タイソンズコーナーにおいて、最初の30分で最初の教訓がありました。
鉄に光沢を出す事が必要だと気付いたときにはもう店がオープンしていました。
特別な研磨法がありました、そして特別な研磨道具も。使用されたことのない砂を鉄に吹き付けることで
跡が付き辛くなることを学んだのはその時です。

また我々はガラスがガラス以上のものになれることを学びました。32フィート6インチの透明なガラスボックスは
マンハッタンスカイラインの巨大ビル群の間にさえ建たせる事が出来ることを学びました。ガラスが5番街の
キューブとしてアイコン化し、またニューヨーク市で5番目に写真を撮られるランドマークにもなれた時でした。
またそうしなければならないのなら、ガラスの3階窓枠を導入するためにシドニーの全体の通りを閉鎖
出来ることも学びました。3階のガラスを作る時は3階のガラスをはめ込む装置も作らなくてはなりません。
上海のストアに使う1枚のガラスのために世界最大の曲線状ガラス部位の作り方も分かりました。
578名称未設定:2011/06/06(月) 19:50:53.72 ID:o+9k0XjU0
我々はまた石についてもかなりのことを学びました。ガスバーナーで御影石の真の色を明らかにするように。
それも時に御影石に合わせられなくてはならない色の特徴というものもあります。

また我々はこれらの細部を完璧にしようとする事は1つの山を動かそうとするように感じられることを学びました。
時には2つの山である場合も。しかし最後にはその努力はそれだけの価値があります。鉄、ガラス、石を組み合わせ
本当にユニークで刺激を起こすスペースを作ることが出来たからです。

また我々はストアの正しい設計を探求する事に厳しい評価をしているとも考えています。その設計が正しいかを
しっかり確かめるためにリージェントストリートのストアの実物大の正面をクパチーノの駐車場に作りもしました。
それは実物大で物事が見えることの価値を教えてくれました。我々はかつてミニストアが利便性において最高のものを
提供するだろうと考えていました。その後1つを作りました。それによって実際には大きい方がより良いものになることを
示してくれました。そして我々のストアが大きくても、細部が縮こまりすぎるようなことはないと学びました。
これはパリのオペラストアで500000枚以上のタイルを最後まで修復した時にもう一度学んだことです。
579名称未設定:2011/06/06(月) 19:54:42.60 ID:o+9k0XjU0
また我々は顧客がオープンスペース、ガラスの階段、手製のオーク製テーブルを好むことを学びました。そして
そのようなスペースは彼らを引きつけるためにマツやトマトのような匂いをさせる必要はありません。我々は
常にストアをもっと賢く、もっとアイコンとして、もっと革新的になるように努力しています。そして我々は
全て1つ1つを本当に誇りに思っています。我々は成功したからというだけではなく我々に学ばせてくれる
全てのもののためにストアを誇りに思っています。Appleストアはあらゆる意味でAppleを会社として
強くさせてくれました。

ここ10年を通して、我々はストアが顧客に対するAppleブランドの具現化であることを学びました。現在、
顧客というものが我々が偶然にもここに居る全ての理由なのです、ですので彼らに少しの言葉を捧げましょう。
我々が2001年タイソンズコーナーでストアをオープンした頃、他の人は皆顧客と話そうとすることは
少なかったのです。それによって我々はもっと顧客と話すべきではないかと考えました。出来るならば直接。
そのためあらゆる可能な機会があれば会話を始める方法を見つけました。顧客がテーブル上の製品で
遊んでいる間、我々は話すのです。あるいはワークショップに参加してくれるときもです。これらの会話は
顧客が我々の製品を愛してくれていることを教えてくれました、しかし彼らが本当に欲しいものは家族写真で
出来たスクラップブックを作ることなのです。子どものムービーを、国中を旅行したWebサイトを作りたいのです。
580名称未設定:2011/06/06(月) 19:55:49.37 ID:o+9k0XjU0
それらによって教えられました、Apple Storeはクリエイティビティを中心に置ける、そして置くべきだろうと。
そしてApple CampやYouth Workshopのようなプログラムを通しクリエイティビティは年齢に関係ないことも
分かりました。我々が見た子どもが作るムービーやスライドショーは必要なものは正しいツールとアイデアだけ
であることの証明です。ですので我々は正しい事をしなくてはなりません、なぜなら子どもの笑顔は我々のものと
同じぐらい大きなものだからです。我々はミュージシャンがヒットチャートのトップにたどり着くアルバムを、ストア内で
録音できることを学びました。また賞を獲得した映画監督は我々のコンピュータだけではなく、ワークショップにも
興味を持っています。

楽しむことについては多くのことを学びました。そして顧客は我々の製品をビジネスにも使いたいと考えていることを
学びました。その経験は1週間に1日のプロデイではビジネス向けの顧客には不十分だと教えてくれました。そのため
ビジネス向けに毎日オープンする必要があります。そしてビジネス向けのトレーニングセッション、ワークショップ、
イベントのスペースが設けられました。全てのスタッフメンバーが他の顧客のニーズと同様、ビジネス向けの顧客の
ニーズに堪能であるべきだと我々は学びました。
581名称未設定:2011/06/06(月) 19:59:45.56 ID:o+9k0XjU0
様々な種類の顧客と何百万もの会話で我々は学びました、それはコンピュータや電話が顧客を愛しているかのように
人に感じさせることについてではありません。そんなことは不可能です。そうではなく、顧客が愛することを行うための
ツールを提供することについてです。そしてそれらのツールを提供するためにOnetoOneやパーソナルセットアップのような
素晴らしいプログラムを作る方法を学びました。このようなプログラムは恐れを自信に変えるために我々が作ったのです。
顧客は販売より所有経験がより重要であることを我々に示していたのです。我々は質問することによってこれらの全てを
学びました。そしてその答えを真摯に聞いています。そして全てを聞くことを確実にするために、36の言語、
そして少数の地域の方言で会話をすることを学びました。少数の文化的な物事も学びました。皆さんの言葉の適切な
使用などです。日本の顧客は我々に彼らのスーパーヒーローは肩マントを付けていないことを教えてくれました。また
我々にフィードバックを贈り物として見ることを教えてくれました。

我々はジーニアスバーへ来ることはコンピュータだけよりももっと多くのものを直すことが出来ると学びました。
顧客とAppleとの関係性を修復できるのです。それもジーニアスと話す人を見つけるために小さい冷蔵庫に無料の水を
用意する必要はありません。何かが上手くいかないときに正しい正確な答えを得られればそれで十分なのです。
ストア内修理の時間を7日から1日へ短縮する方法も学びました。
582名称未設定:2011/06/06(月) 20:03:04.22 ID:o+9k0XjU0
顧客は我々に非常に高い水準を求めています。それをさらに高いものにする方法も学びました。325店ものストアの
オープニングで、グランドオープニングは興奮の行列が出来ることを我々に教えてくれました。そのような人たちは
何時間も行列に並んでいます、数日ということもあります、その表のドアを真っ先に初めに通るだけのために。
そして無料のTシャツを得るために。Tシャツに関しては、我々自身についてあなたが想像することが出来るものより
もっと多くのことを学びました。黒いTシャツを着るときに我々は調和が取れているとわかりました。そして多くの色のものを
着ると、混乱してしまいます。しかし青のシャツがもっとも適しています。その青のシャツにAppleロゴを刺繍するのに
正確には4253針の縫いが必要なことも学びました。そしてその縫いがどっちの方向に行くのかも分かりました。

製品を発表するとき供給が要求に見合うことを確実にするために我々はハードに働かなくてはならないことを学びました。
最初の日ではなかったら、その後すぐにでも。ストア内では革新的な方法で我々の製品をどう使用するかを
学びました。出来る限り効果的に顧客を手伝うためにEasyPayのような完全に新しいシステムを作りました。
ジーニアスバーの後ろのホットラインを店内のより正しい専門的知識のものに替えました。
583名称未設定:2011/06/06(月) 20:05:11.61 ID:o+9k0XjU0
これらの経験の全ては我々を賢くしてくれます。そして我々が成し遂げた全ての中心には、この10年で我々が学んだ
全てのもの、従業員がいるのです。芸術が技術にいかに重要なのかを知っている者。新製品を発表した日、
顧客と同じ、あるいはそれ以上の興奮をする者。ドアから入ってくる何百万もの人と永続的な関係を作るために
一生懸命働いている3万人以上の賢く献身的な従業員。手元のコンピュータを直すこと、ワークショップで
教えること、在庫の整理、アイコン的な構造設計、プロプライエタリな技術の発明、取引の交渉、マークの
詳細に取り組むこと、その他数えきれない多くのことを行うことなどに限らず、我々はあらゆる分野の中で
最高の人間を雇うことを学びました。

我々は従業員をトレーニングし、そして彼らから学ぶことが我々の仕事だと考えています。我々は様々な
別の背景を持った従業員を雇っています、先生、ミュージシャン、アーティスト、エンジニア、彼らは
我々に教えることが出来る多くのものがあります。その熟練したものと同じように人を引きつける人格を
どう評価をするかを学びました。知性、そしておもいやりにも重きを置く探し方。仕事ではなく、経歴が
欲しい人を探す方法。そしてふさわしい人物を雇うとき、我々は管理するのではなく導くことが出来ることが
分かりました。我々は変化のためにそれぞれの人間に庭の各部分を与えることが出来るのです。最高の人材は
次世代に向けて最高のトレーニングをよく提供していることも学びました。そしてスタッフの全メンバーは
各ストアへの関係を感じるだけでなく、クパチーノのチーム、そして世界中のストアとの関係性を
感じることが重要なのです。物事を行うのに最も良い方法は普通翻訳されるので、言語や国には関係ありません。
584名称未設定:2011/06/06(月) 20:08:21.51 ID:o+9k0XjU0
応募者が非常に優れているため、クパチーノよりAppleストアでの雇用の方が難しくなっている場合があることを
学びました。時には1人を雇うのに2-3年掛かる時もあります。Appleにとって彼らが正しくないという
わけではなく、我々が提供しなければならない機会が彼らにとって正しいことを確かめたいのです。
何故我々はそんなに選択することを学んだのでしょうか? そんなに注意深く? なぜなら従業員はAppleストアの
魂だからです。そして共に我々のチームは今までのリテイルの中で最も強いものです。我々のストアも同様に
美しくアイコン的かもしれませんが、これらのストアを作り人員を配置する人は最も重要なものなのです。

この3652日目、皆さん全員に感謝をいたします。初日にその場にいた方、そしてその最初の日が今日だった方にも
感謝をいたします。この10年でAppleストアは会社としてのAppleを変えていきました。我々の経験、我々の成功、
我々の時折する間違い、それらが我々をより良いものにしているのです。それらがAppleをより良くしているのです。
そのような経験、それらが我々を変化させて来たために、次に学ぶものが待ちきれないのです。10年経ちました。
なんてすごい第一歩目なのでしょう。

終わり。
585名称未設定:2011/06/07(火) 00:07:01.22 ID:G1hmiSz60
久しぶりに乙!
586名称未設定:2011/06/07(火) 02:09:02.08 ID:eG303Gqp0
乙!
587名称未設定:2011/06/18(土) 13:33:32.74 ID:3KFVKXQD0
I want to translate my iBook to Macbook!
Can anyone help?
588名称未設定:2011/07/26(火) 11:46:20.39 ID:RAL7S6+d0
ぜ、全力で頼む上げ・・

Mac OS X 10.7 Lion: the Ars Technica review
http://arstechnica.com/#!/apple/reviews/2011/07/mac-os-x-10-7.ars
589名称未設定:2011/07/26(火) 23:05:30.91 ID:AXAxFRTq0
>>588
とりあえず序章だけ。続きは気が向いたらやりますw

Mac OS X 10.7 は2010年10月に初めて公の場に姿を現した。しかしながら、そのプレゼンテーションは控えめなものであった。
iPhone登場の「Appleは電話を再発明する。」やiPad登場の「魔法のように革新的なデバイスを、信じられないような価格で。」
といったレトリックを用いることもなく、Steve Jobsは新しいOSを「これからのMac OS Xの姿を、ちょっとだけ覗いてみよう」
とだけ紹介した。

Jobsの背後に映し出されたのは、過去7回のMac OS Xのメジャーリリースの名前。
Cheetah, Puma, Jaguar, Panther, Tiger, Leopard, Snow Leopardだ。
こうした過去の振り返りはMac OS Xのメジャーリリースの発表では恒例となっているが、長年のAppleウォッチャーでさえも、
今回ばかりはちょっと違和感を覚えたかもしれない。
というのも、Mac OS Xにネコ科の動物の名を冠する習慣はJaguarから始まり、それ以前の2つのリリースのコードネーム
(CheetahとPuma)はデベロッパコミュニティー以外にはほとんど知られていなかったからだ。
Apple自身もまた、これらの名前を公式なマーケティングメッセージとしては扱っていなかった。
それなのに、なぜ今、このネコ科の名前を再び前面に打ち出したのだろうか。


その答えは次のスライドに登場する。Mac OS Xの次のメジャーリリースの名前はLionだというのだ。
JobsはLionという名前について特に言及はしなかった。ライオンはネコ科の動物、というだけで。
そしてすぐに次のスライドへ移行。ここでJobsは新しいリリースに込めたメッセージを明かした。
「草原の王」としてでも「ネコ科最大の動物」としてでもなく、"Back to the Mac"つまりMacへの回帰である、と。
この"Back to the Mac"は、実は当イベント全体のテーマとなっていた。
Mac OS XからiOSが生まれ、そして今AppleはiOSというモバイル向けOSがもたらした革新をMacに還元しようとしているのだ。
590名称未設定:2011/07/26(火) 23:06:43.13 ID:AXAxFRTq0
AppleはLionを、その名が示すところの「頂点としての存在」として扱うことを控えたのだが、それには十分な理由があった。
過去2回のMac OS Xの次のメジャーリリースは、弟分であるところのiOSの衝撃的な興隆の陰に隠れてしまっていたのだ。

Leopardは当初の予定よりも登場が遅れた。そして同じ年にiPhoneが登場。後任のSnow Leopardでは、目立った新機能がなく、
代わりにOS内部の機能の拡張とバグフィックスに注力していた。公式発表がそれなりに妥当なものであったにもかかわらず、
急速に勢力を拡大していたモバイルプラットフォームという存在が、Macからスポットライトのみならず
リソースをも奪っているという印象を拭い去ることはできなかった。

その文脈において、Lionという名は前途の暗い含意を持ち始めているのだ。
ライオンとはネコ科の名前の最後に出てくるものだと思えるし、何より「ライオンの次って?」ということになる。
iOSのいいとこ取りをしてMacに還元するプロセスというのは、iOSとMac OS Xの完全な融合の第一段階なのでは?
LionというのはMac OS Xというラインの終焉を意味しているのでは?

・・・といった悲観的な予言は、ひとまず措くとして、ここではLionを将来の前兆としてではなく、プロダクトとして評価しよう。
AppleはLionについて「250以上の新機能」を有していると宣伝している。
この数はLeopardの「300の新機能」には及ばないまでも、何を以て「機能」と呼ぶか(そして250「以上」とはどういう意味か)
次第だと思う。それでも、Lionはここ何年かのMac OS Xのリリースの中では最も意義深いものであるし、
ことによるとMac OS Xの歴史上最も意義深いリリースかも知れない。Lionで新たに導入されたAPIの数は
TigerやLeopardには及ばないまでも、Lionでの最も重要な変更点は、過去のトレンドをラディカルに加速させたものである。
Appleは人々に未来像を提示して惹き付けることに飽きたかのように見える。
Lionでは、Appleは我々を置いてきぼりにすることを選んだのだ。

(序章終わり)
591名称未設定:2011/07/26(火) 23:25:49.33 ID:RAL7S6+d0
>>589
乙サンクス!
気長に待ってますw
592名称未設定:2011/07/26(火) 23:29:27.49 ID:SGsFpNzW0
>>590
(´・ω・`)b GJ!
593名称未設定:2011/07/27(水) 00:55:01.93 ID:xIpql16p0
おおおお続きぜひお願いします
594名称未設定:2011/07/27(水) 02:58:54.15 ID:xqorI8dk0
んじゃ私は最後の章(19ページ)を。

おすすめ度

Ars Technicaにさえ、新OSについてただ結論だけを知りたがる読者が
一定の割合で存在する。これは良いリリースなのか。価格やインストールの
苦労に見合うだけの価値があるのか。激遅で機能も貧弱だった最初の
数リリースを除けば、すべてのOSXはその質問に対して高らかに"Yes"と
答えられる出来であった。Lionもその伝統を引き継ぐものである。あまたの
新技術、そしてインターフェイスとバンドルアプリケーションの抜本的
アップデートは、29ドルの出費に見合う以上の価値を提供する。

ソフトウェアとハードウェアの互換性については、いつも通り注意すべき
である。このレビューを読み終えるが早いかアップグレードに走る、など
もってのほかだ。物理メディアを介さないLionの配布形態により、性急に
アップグレードしようとする人がこれまで以上に増えるだろうが、ここは
我慢のしどころである。数日、あるいは数週間でも様子を見て、お気に入りのア
プリケーションすべてがLionでも問題なく動作するか、よく確認したほうが
いい。まだPowerPCアプリケーションを使っているなら、Intelネイティブで
動作する代替ソフトに乗り換えが終わるまではアップグレードを控えよう。
そして、アップグレードの前にはとにかくバックアップ、バックアップ、
バックアップ。
595名称未設定:2011/07/27(水) 02:59:55.35 ID:xqorI8dk0
捨てては行けないものたち

Lionは、その名前こそ何かの終わりを暗示してはいるが、オペレーティング
システムの中身自体は明らかに新たな旅の出発点を画するものである。
デスクトップOSに関してはこれまでに多くの知恵が積み上げられ、
そのあるべき姿が追求されてきた。しかし、iOSの成功に力を得たのであろう
Appleは、数十年にも及ぶその伝統に対して果敢にも戦いを挑み始めたのだ。

10年前、AppleがクラシックMacOSをOSXにリプレースした時も同じことが
起きた。もっとも、その時のほうが変化は劇的だった。OSXは、複合された
グラフィック、滑らかなアニメーション、そして写真のようにリアルな図像を
Unixという安定した基盤と融合させ、デスクトップのルールを刷新した。
Appleは、プラチナアピアランスやアップルメニューといった旧OSの痕跡を、
そしてデスクトップ自体さえも、すべて過去のものにしようとしたが、結局は
いくつかの点について長年のMacユーザーの要求に従った。Lionでの変化が
古参のMacユーザーから同様の抵抗を受けることは疑いもないが、しかし
今回の場合、おそらくAppleはその意志を曲げないのではないか。
596名称未設定:2011/07/27(水) 03:01:04.02 ID:xqorI8dk0
MacOSXはその登場時、当時のPC産業を相手に、次世代のユーザーインターフェイス
とはこうあるべきだと鮮烈に打って出た。それと全く同じことを、Apple自身の手に
なるiOSが、10周年を迎えたデスクトップOSであるMacOSXを相手に今、敢行したの
である。iOSのインターフェイスは過去の「しがらみ」とは無縁に見えたからユーザー
にとってショックが少なかったし、そもそも、それまでのモバイルOSのしきたりは
誰にも好まれていなかった。しかしデスクトップOSの世界ではそうはいかない。
自分を繰り返し傷めつけてきた操作体系にもかかわらず、ユーザーはそれにしがみ
ついて離れようとしないのである。まるでストックホルム症候群の被害者であるかのように。

典型的なユーザーのMacにインストールされているアプリケーションが、Lionによって
導入されたソフトウェアデザインの原則に従って動作するようになるには、その半数が
条件を満たすのにさえ何年もの時間を要するだろう。その移行への道筋は、特にiOSが
苦もなく統一的なインターフェイスを実現したのと比べてしまうと、いびつなものに
なるだろう。その間、Appleの新生プラットフォームには嵐の中でOSXを未来に導く
灯台となってもらおうではないか。Macはそのモバイル弟分よりも常に高機能である
だろう。しかし、だからといって簡単なタスクまで操作が煩わしくなっていいはずが
ない。今日、コンピュータの初心者にiPadを手渡すことになったとして、我々が心配
することは何もない。そして、それと全く同じ心持ちで、彼をiMacの前に座らせる
ことができるとしたらどうだろう。想像してみて欲しい。それこそがOSXの目指す未来だ。
597名称未設定:2011/07/27(水) 03:02:10.68 ID:xqorI8dk0
メモリ保護やプリエンプティブマルチタスクなどといった技術的詳細は、
一時はその存在を言葉で定義することが必要なほどに重視された機能で
あったが、現在では、わざわざ定義するまでもなく当然の存在になって
いる。メインストリームのレビューでは、ソフトの評価であれハードの
評価であれ、わずか数年前には盛んに取り沙汰されていた技術スペックや
実装の詳細を論じることが、最近ではめっきり減っている。

この現象は、本レビューを結論だけではなく頭から終わりまで全て読む
ような、我々ギークのなかでも最もギークな連中の間にさえ広がっている。
友よ、君はこの記事を読むのに使っているデバイスのCPUクロック周波数
を、RAMの容量を、あるいはメモリバスの転送速度とバンド幅を知っている
だろうか。そして思い出してみて欲しい。10年前に同じ質問をされた時、
君はどう答えただろうか。

ここ10年、技術の進歩により、我々が気にかけなくてはいけないことの
数は減る一方である。Lionも技術の進歩である。これまで、MacOSXを
定義することとは、何が追加されたかを論じることだった。しかし、
Lionはそのような時代に終りを告げる。これからは、MacOSXは何が
除かれたかによって評価されなければならない。

(最後の章おわり)
598名称未設定:2011/07/27(水) 09:53:36.34 ID:WaNggtEg0
>>594
乙!
599名称未設定:2011/07/27(水) 11:02:39.60 ID:gRfQTJDd0
>>597
(´・ω・`)b GJ!
600名称未設定:2011/07/27(水) 20:25:27.08 ID:hagizvYF0
わっふるわっふる
601序章を訳した人:2011/07/27(水) 23:53:29.75 ID:eirKfCMt0
2ページ目の前半だけやっちゃいます。後半は後日。後半の方が面白い話なんだけどねw

インストール

Lionのシステム要件はSnow Leopardのそれと大きくは変わらない。IntelベースのMacが必要なのは同じ。
ただし今回は64bit対応でなければならない。最後の32bit Intel Macは2007年8月に出荷を終えていた。
Appleは前回、同様に4年前に出荷されたPower PCのサポートを打ち切っていたが、顧客離れは最小限にとどまった。
時代は進むものだ。

でも時代がちょっと早く進みすぎることもある。LionはPower PCをサポートしない二代目のMac OS Xだが、
Power PC用のアプリケーション自体が動作しないのは今回が初めてだ。Snow LeopardではRosettaという
変換エンジンにより、Power PC用のアプリケーションを動作させることができた。そしてそれはよくできていて、
元々開発に用いられたPower PC版Macで動かすよりもしばしば高速で(いくらPower PC版Macが古いとはいえ)
動作していた。でもLionはRosettaを搭載していない。インストールオプションですら用意していないのだ。

Power PC用ソフトウェアのサポートが永遠に続くなんて誰も期待していないし、未だにすべてのアプリケーションの
Intel Macネイティブ対応を済ませていないデベロッパがMacプラットフォームに特に貢献していないのは明らかだ。
だがしかし、ユーザは一部のPower PC用のアプリケーションに未だに依存している。たとえば、筆者は
Power PC版の古いバージョンのPhotoshopを使っている。Photoshopはとっくの昔にIntelネイティブだが、
筆者のように使用頻度がごく低い者にとっては、アップグレードするには高価にすぎる。Power PC版でも
筆者の使用目的には全く問題ないのだが、Lionでは全く動作しないのだ。

もう一つよくある例はQuicken 2007だ。Intuit社の会計ソフトのMac版では未だに最も使いでがあるソフトだが、
未だにPower PCオンリーなのだ。これはIntuit社の問題であるのは明らかで、Appleに責任はない。
だが一般的なユーザの視点から言えば、現在でもこれほど多くの人の助けになっている完全な機能(=Rosetta)を
どうしてAppleが削除したのか、理解に苦しむところではないか。
602序章を訳した人:2011/07/27(水) 23:54:30.13 ID:eirKfCMt0
現実問題、一つ一つの機能には関連するメンテナンスコストがかかるものだ。OSの奥深いところで関与しているであろう
バイナリ変換フレームワークであればなおさらのこと。OSに絡み合っているPowerPC関連のコードを完全に
断ち切ることは、Appleにとっては顧客に与える不便を正当化するだけの理由があるのだろうと推察する。
でもやっぱりちょっと「痛い」のだ。

次なる衝撃は販売とインストールのプロセスである。LionはMac OS X史上初めて、最近導入されたMac App Storeで販売される。
実は、Mac App Storeは唯一Lionを購入できる場所なのだ。

昨年、AppleがiLifeとiWorkをMac App Storeで購入できるようにしたのは、予想外のことではなかった。だが、Appleの
プロフェッショナル向け写真アプリケーションのApertureの場合は、一部の人の財布の紐を緩くした。何しろ、
パッケージ版の$200から$80まで一気に値下げしたのだから。

Lionのデベロッパ向けのプレビューリリースもまた、Mac App Storeで提供された。Appleのデベロッパリリースは
もう何年も昔からデジタルで提供されていたが、デベロッパ専用のwebsiteからディスクイメージをダウンロードする方式から
プロモコードを再取得して新しいビルドをMac App Storeでダウンロードする方式に今回改めたことについては、
一部の人たちは眉をひそめたものだ。プロフェッショナル向けビデオ編集ソフトのFinal Cut Pro XをMac App Storeで
しかも大幅に値下げして提供することをAppleがアナウンスしたときは、勘の鈍いAppleウォッチャーでさえ気付き始めていた。

さてこのLion、たったの$29という価格(新機能のなかったSnow Leopardと同価格)で、Mac App Store専売だ。
大胆な変化ではあるが、予想外というほどでもなかったわけだ。
603序章を訳した人:2011/07/27(水) 23:55:44.15 ID:eirKfCMt0
これまでAppleは、ビットをディスクに刻み、それを化粧箱に収め、その箱をトラックや列車や飛行機に積載し、
世界中の小売店や通販ショップへ出荷していた。それらは最終的にはまた別のトラックや列車や飛行機を経由して
ユーザの手元に届けていた。でもこれからは、すべてがデジタル頒布なのだ。(Mac OS Xが出荷されるにあたって
製品の化粧箱や光学ディスクをお見せするというこれまでの伝統は、これでおしまいなのだろう。その代わり、
インストーラーアプリケーションのアイコンをお見せすることとしよう)

Lionは巨大なダウンロードであり、高速のネットワーク接続を以てしても、まだユビキタスとは言えない。
一方、新たに出荷されるMacはLionがインストールされた状態で出荷される。そこでありがちな疑問は、
現有のMacをLionにアップグレードしたいが高速ネットワーク接続を持っていない、という人はどのくらいいるのか?
ということであろう。OSのアップグレードをしようという者は、一般人よりも高速なインターネットアクセス
手段を有しているものだ。現実的な所要時間で3.76GBものダウンロードできる余裕がない人は、Apple Storeの
実店舗が手助けしてくれるものだろうと思う。

(更新:Macworldによれば、Lionを物理的な媒体で入手する方法ができるようだ。AppleはUSB版Lionを$69で
 提供する予定らしい。また、Apple Storeの実店舗にMacを持ち込めば、Lionの購入からインストールまで手助け
 する、とAppleは言明した。)

ところで、この記事の読者なら、高速ブロードバンド接続を持っている確率が高いだろう。ならばこの記事を読むのを
今すぐ中断し、Mac App Storeを起動して、ギガバイト単位のダウンロードを始めてから、読むのを再開しても
よいだろう。ダウンロードが終わるとMac OS X Lion インストールという名のインストーラアプリケーションが
アプリケーションフォルダにできているはずだ。(おわかりかな?)
604序章を訳した人:2011/07/27(水) 23:56:47.40 ID:eirKfCMt0
さてインストーラアプリケーションができたわけだが、ご興味がおありならばもう少し掘り下げて、アイコンを
Control+クリックして「パッケージの内容を表示」させてみよう。Contents/SharedSupportフォルダの中に
InstallESD.dmgなる3.74GBのディスクイメージが見えるだろう。これがLionの実態だ。何となれば、これを
DVDに焼いてインストールDVDにしても、緊急起動用の外付けディスクを作成してもよいだろう。

この方法はAppleが公式にサポートしているものなのかどうかは疑わしいが、要するにLionのインストーラは
何も変わったことをしているわけではない、というのがポイントなのだ。過去のMac OS Xのバージョンが
そうであったように、Lionにはシリアル番号も、プロダクトアクティベーションも、DRMの類も全く存在しない。
実は、Mac App Storeのライセンスポリシーは過去のMac OS Xよりもさらに緩やかなものだったりする。
Lionのライセンス条項からの抜粋:

Mac App StoreからApple製のソフトウェアのライセンスを取得し、ソフトウェアの利用規約に同意した場合、
Mac App Storeの利用規約に従いMac App Storeの許諾する範囲において、条件付きで以下の転送不可かつ非占有的な
ライセンスを与えられる。

(i) 個人利用かつ非商用目的に限り、ユーザが所有するか管理者となっているSnow LeopardまたはSnow Leopard Serverが
インストールされたApple製のコンピュータ(以下「Macコンピュータと称す」)に1部、Apple製ソフトウェアを直接、
ダウンロード、インストールし、使用することができる。

Snow Leopardに関する言及が少々ややこしいが、要するにLionを初めて購入しダウンロードするためにはSnow Leopardが
必要だということだ。このライセンス条項はLionが世に出てしばらくしたら改訂されるものと思う。
605序章を訳した人:2011/07/27(水) 23:57:49.47 ID:eirKfCMt0
同じセクションのライセンス条項にはこんな興味深い一節もある。

(iii) 既にApple製のソフトウェアが動作していて、ユーザが所有するか管理者となっているMacコンピュータ上の
仮想オペレーティングシステム環境において、Apple製ソフトウェアを2部までダウンロード、インストールし、
使用することができる。

整理すると、Appleはあなたが所有するか管理者となっているすべてのMacに、Lionをそれぞれ最大3つインストールすることを
許可しているというわけだ。実在環境に1つ、仮想環境に2つ。それもたった$29という価格で。悪くない話だねえ。

インストーラ自体は至ってシンプルだ。Appleの新しいOSはこうなるだろう、とでも言わんかのような単純化されたものだ。
インストールオプションもカスタムインストールも存在しない。ユーザのすることといえば、義務となっている
エンドユーザライセンス規約(EULA)に同意するだけだ。そして選べるインストールパラメータはただ一つ、ターゲットディスクだけだ。


(残りは後日!)
606名称未設定:2011/07/28(木) 02:16:59.71 ID:mA2wooD50
>>605
(´・ω・`)b GJ!
607名称未設定:2011/07/28(木) 06:49:39.90 ID:yEs9Ahyc0
>>601
乙サンクス!
608名称未設定:2011/07/29(金) 00:51:07.51 ID:wA8KkTqC0
いいっすね
久しぶりにここが良スレになってる
609序章を訳した人:2011/07/29(金) 22:11:39.72 ID:bOC60Bpy0
さてインストールの続きいきます。

でもちょっと待って。これってどうやって動くの? だって、現在動いているシステムと同じボリューム内に
格納されているアプリケーションから、新しいOSをインストールできないはずなのに。起動用のドライブもなしに、
そもそもドライブが一つしかないスタンドアローンMacまでもアップグレードするのって、どうやったらできるのだろう?

こういう質問を平均的なコンシューマが思いつくことはないだろう。ここがある意味ポイントだと思う。
確かに、目をつぶってインストーラアプリケーションを起動し、表示されるスクリーンに順々に従って
クリックしていくと、これまで長年Mac OS Xで慣れ親しんだインストーラアプリケーションで見てきたのと
同じように再起動がかかるのだ。そして再起動が終わると、あなたのMacはLionで起動している。マジックだ!

OK、実はマジックじゃないんだ。ちょっとややこしいことをしているけどね。第一の、そして最後まで残る驚きは、
Lionのインストーラは実際にディスクのパーティションを切り直していることだ。自身が使用するための650MB分の
ディスクスペースを確保するために、パーティションを切っているのだ。

でも心配無用、現存のデータはすべて保存されているから(Mac OS Xは何年も前から、現存のデータを一切
損なうことなく、ディスクにパーティションを切ることができるようになっている)。このプロセスに必要なのは
新しいパーティションを確保するために必要な空きスペースを並べ替えることだけなのだ。
610序章を訳した人:2011/07/29(金) 22:12:40.38 ID:bOC60Bpy0
筆者が試した例をご覧に入れよう。まず250GBのHDDを2等分にパーティションを切り、片方には "Lion Ex" という
ボリューム名をつけた。こちらは現在Snow Leopardが動いていて、これからLionをインストールしようとしている
ボリューム。もう片方には "Timex" というボリューム名をつけた。こちらは "Lion Ex" のTime Machineバックアップ用。
この時点でdiskutilのlistコマンドを走らせてみた。

/dev/disk1
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: GUID_partition_scheme *250.1 GB disk1
1: EFI 209.7 MB disk1s1
2: Apple_HFS Lion Ex 125.0 GB disk1s2
3: Apple_HFS Timex 124.6 GB disk1s3

同じディスクにLionをインストールした後はこうなった。

/dev/disk1
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: GUID_partition_scheme *250.1 GB disk1
1: EFI 209.7 MB disk1s1
2: Apple_HFS Lion Ex 124.5 GB disk1s2
3: Apple_Boot Recovery HD 654.6 MB disk1s3
4: Apple_HFS Timex 124.6 GB disk1s4

新たに生成されたパーティションは、実はApple_Bootという今までと異なる形式のものだ。このRecovery HD
ボリュームは通常起動時にはマウントされず、したがってFinderからも見えない。ディスクユーティリティを用いても
表示されず、ディスクのパーティションマップ上でも小さな空きスペースとしてだけ表示される。でも前述のように、
コマンドラインのdiskutilなら見ることができるし、マウントすることさえもできる。
611序章を訳した人:2011/07/29(金) 22:13:57.84 ID:bOC60Bpy0
diskutilでマウントすると、新しいボリュームは普通のHFS+形式であることが分かる。ボリュームの最上位階層には
com.apple.recovery.bootというディレクトリができていて、ここにはBaseSystem.dmgという名前の430MBの
圧縮された不可視ディスクイメージファイルとともに、起動に必要ないくつかの小さなファイルが含まれている。
このディスクイメージをマウントすると、1.52GBの起動可能なMac OS Xボリュームが現れ、ここにはSafariや、
ユーティリティフォルダに含まれる標準的なアプリケーションの多く(ディスクユーティリティ、起動ディスク、
ターミナル他)、それにMac OS Xのインストーラアプリケーションが含まれている。言い換えれば、普通の
Mac OS XインストーラDVDと全く同じような中身なのだ。

リカバリーパーティションにコピーされたファイル一式は、インストーラによってインストール先のディスクにも
コピーされる。ここで新たに起動可能なシステムと認識される。Lionのインストーラが再起動するボリュームは、
実はこれなのだ。インストールするファイルは、先にMac App StoreからダウンロードしたLionのインストーラ
アプリケーションから読み込まれる。インストールが完了すると、一時的な起動ファイルは削除されるが、
Recovery HDパーティションはディスク上に残る。Command+Rを押しながら起動すると、自動的にRecovery HD
パーティションから起動を行うようになっている。(Optionキーを押しながら起動しても――これはLionで新たに
導入された機能ではないのだが――起動可能ボリュームの選択肢にRecovery HDパーティションが表示される)
612序章を訳した人:2011/07/29(金) 22:14:52.78 ID:bOC60Bpy0
リカバリーパーティションからの起動というのは、実は同じパーティション内の前出のディスクイメージ
BaseSystem.dmgをマウントし起動することなのだ。こうすることで、伝統的なMac OS Xのインストールディスク
オプション一式が表示される。Time Machineのバックアップからのシステムの回復、Mac OS Xの再インストール、
ディスクユーティリティの起動、パスワードのリセット、などなど。オンラインヘルプのオプションも用意されていて、
そこではSafariが起動する。リカバリーパーティションにSafariを含んでいるのは良いことだ。だって、何か問題に
出くわしたときに、人々がまず頼るのはGoogle先生であってGenius Barじゃないのだから。

結果として、Snow Leopardで導入された、OSの容量を削減するためのファイル圧縮のマジックがあるにもかかわらず、
Lionはインストールのプロセスの一部としてあなたのディスクスペースを500MB以上も奪い去り、決して返してはくれないのだ。
このパーティション名からはAppleの意図が明らかに見て取れる。制限付きの起動可能ボリュームからMacを診断し
修復を行うための最終手段としてのメカニズムなのだ。(ここで「制限付きの」というのはソフトウェア的な意味に
おいてのことである。それ自体が起動ディスクとして存在する一方で、ディスクにハードウェア上の問題が発生したときには
リカバリーパーティションは意味をなさないからだ)

どうやらAppleは、ソフトウェア的に良好なボリュームからMacを起動することは、ディスクスペースのごく一部を
犠牲にしてもそれだけの価値があると判断したようだ。MacBook Airや他のドライブ容量の小さなMacのオーナーは
この方針に同意しないかもしれないが。その場合は他のディスクから起動し、そこでディスクユーティリティ(または
コマンドラインのdiskutil)を用いてパーティションを切り直すこともできる。でも、Genius Barのスタッフが、
あなたのやり方がApple流のやり方とちょっとかけ離れているからと少々眉をひそめても驚かないでほしい。
613序章を訳した人:2011/07/29(金) 22:16:14.55 ID:bOC60Bpy0
2ページ目は以上。

やっていることはWindowsのネットブックにありがちなDtoDリカバリーに近いようですね。仕掛けはもっと巧妙だけど。
614名称未設定:2011/07/29(金) 23:14:25.90 ID:AI5l+QVy0
>>613
(´・ω・`)b GJ!
615名称未設定:2011/07/29(金) 23:50:34.36 ID:FE8Qick+0
乙です!
616名称未設定:2011/07/31(日) 03:29:26.90 ID:EIMlelmj0
乙です

まだLion入れてないけど、Recovery HDいいな
起動ディスクの修復に、シングルモードやDVDで起動が不要になった
Safariが入ってるのも使える
617終章を訳した人:2011/07/31(日) 22:19:44.33 ID:OvGwVaDl0
OSの内部構造とかプログラムに興味があるので、9ページを訳してみました。

内部のからくり

SnowLeopardは内部の変更に焦点を絞ったリリースだった。それに従って、私
のレビューでもコンパイラーの機能(LLVM・Clang)やプログラム言語の拡張
(ブロック)、あるいは新しいライブラリ(GrandCentralDispatch)など、エ
ンドユーザーの目に触れない部分を集中的に取り上げた。

Lionは内部の変更に集中したリリースではない。むしろ全く違う。しかしアップ
デートの規模は大きく、ユーザーの目につくインターフェイスの大変更ととも
に、OSのコア部分にも重要な変更がかなり加えられている。ArsTechnicaの
MacOSXレビューを読むのは今回が初めてで、ここまでは何とか読み進めてこら
れた、という方。くれぐれも注意されたい。本セクションは一層難解である。
新しいアプリケーションのスクリーンショットを単に見たいだけというのであれ
ば、遠慮なくここを飛ばして次セクションに移ってほしい。我々ことナード連中
であっても、そういうお気持ちはよく理解しておりますぞ。
618終章を訳した人:2011/07/31(日) 22:22:22.91 ID:OvGwVaDl0
セキュリティ

Microsoftはここ数年、セキュリティをWindowsの最優先事項と位置づけ、
そのように公言もしてきた。そして今日のWindows7は、広く使い古され
てきたご先祖OS、WindowsXPよりも大幅に安全だと考えられている。ま
た、今ではMicrosoftが自社製のウィルス・マルウェア対策ソフトを配布し
ているとはいえ、サードパーティによるウィルスソフトの市場も依然盛況
である。

一方、Appleのセキュリティに対する取り組みはといえば、このような正統
的なやり方からは常に少し外れている。AppleがOSXに基本的なマルウェア
対策機能を追加したのは、ごく最近のことにすぎない。そしてそれはひっそ
りと行われ、機能アップデートの際も同様であった。ああそうか、Appleが
悪意あるソフトウェアについて語るのは、何か特定の、具体的にこれとはっ
きりしているマルウェアについて直接問いただされた場合に限るのだなと、
こういう印象をうけたものである。

語るに足るほど重要なことがないのなら口を開くな、というこのやり方は、
まさにAppleらしい。しかし、セキュリティ専門家やジャーナリストにとって
は、腹立たしいことこの上ない場合もある。ではエンドユーザーから見たら
どうかと言えば、Appleのセキュリティ対策は、実はこれまで不十分なもの
であり、ユーザーの保護に成功しているとは言えなかった。少なくとも
Microsoft程度には。今までは多くのMacユーザーが影響を受けるレベルのセ
キュリティ問題が発生したことがなかったので、対策の不十分さが発覚しな
かったというだけのことだ。
(訳者吐露:この段落は私の解釈の度合いが強いです。請うご批判。)
619終章を訳した人:2011/07/31(日) 22:24:00.45 ID:OvGwVaDl0
アプリケーションのサンドボックス化

もっとも、黙して語らないとはいえ、AppleがMacのセキュリティ向上のために
何もしてこなかったわけではない。Leopardで、Appleはカーネルに基本的なサ
ンドボックス機能を追加した。SnowLeopardでは、MacOSXの動作を支えるデー
モンプロセスの多くがサンドボックスの中で走るようになった。例によって、特
に吹聴されはしなかったが。

アプリケーションをサンドボックス内で走らせるのは、もしそのアプリケーショ
ンがマルウェアに感染したとしても被害を最小限にとどめることが目的である。
サンドボックス化されたアプリケーションは、やれることの範囲が通常のプロセ
スよりも大幅に制限される。例えば通常のアプリケーションであれば、それを起
動したユーザーが所有権を持つあらゆるファイルを消去することができる。もち
ろん普通のアプリケーションはそんなことはしないが、それでもひとたびマル
ウェアに乗っ取られた場合、何か破壊的な動作に及ぶ恐れがある。

Lionでは、サンドボックスのセキュリティモデルが大幅に拡張され、Appleは
ついにサードパーティのアプリケーションにも採用を推奨するようになった。サ
ンドボックス化されたアプリケーションは、一連の「資格(entitlements)」
を備えていなければならない。資格とは、そのソフトウェアが仕事をするために
どんなリソースが必要なのかをいちいち指定するものだ。Lionは、ネットワー
ク接続を要求したり、あるいは外部からの接続要求を受け入れたりといった基本
的なタスクをはじめ(ちなみにこの二つは別々の資格)、ビルトインカメラから
動画や静止画を取り込むなどといった高度な作業に至るまで、約30の資格をサ
ポートしている。
620終章を訳した人:2011/07/31(日) 22:25:10.48 ID:OvGwVaDl0
しかしちょっと考えてみると、例えばまともなドキュメントベースのMacアプリ
ケーションであれば、少なくとも現ユーザーが所有する全てのディレクトリを読
み書きする資格が必要であろう。その資格がなければ、どうあってもユーザーは
書類を開き、保存することができないはずだ。これでは、そもそもサンドボック
スの目的が完全に損なわれてしまうのではないか?

この問題を解決するためにAppleが選択した方法は、ユーザーが明示的に指示し
たアクションに対して一段高い特権を与えるというものだ。Lionは、
PowerBox(pboxd)という認証されたプロセスを導入し、サンドボックス化さ
れたアプリケーションの代わりに、「開く/保存」ダイアログの表示とコント
ロールを任せている。保存したいファイルやディレクトリをユーザーが指定した
後で、初めてPowerBoxはアプリケーションのサンドボックスに穴を開け、当該
の保存処理だけをそのアプリケーションに許可するのである。

「最近使った項目を開く」メニューから最近開いたファイルにアクセスする、ア
プリケーション再起動のときに以前開いていたファイルを元通り開く、あるいは
ドラッグアンドドロップを扱う、などといった場合にも同じメカニズムが使われ
る。これは、アプリケーションに不特定のファイルを読み書きできる資格を禁じ
るのが目的である。そう、念のため言っておけば、サンドボックス化されたアプ
リケーションには署名が必須である。
621終章を訳した人:2011/07/31(日) 22:26:28.03 ID:OvGwVaDl0
Lionのアクティビティモニタには新たに"Sandbox"という項目が追加されてお
り、これの表示をオンにすると、アプリケーションがサンドボックス化されてい
るかどうかを確認することができる。いくつか例をお見せしよう。

http://static.arstechnica.net/2011/07/04/lion/sandboxed-apps.png

AppStoreは、Lionで導入される新技術の採用を開発者に促すためのAppleの戦
略なのではないか、と以前論じられたことがある。サンドボックスについて言え
ば、それはすでに現実となっている。Appleは、この11月から、AppStoreに
登録するアプリケーションは全てサンドボックス化しなければならないと定めて
いるのだ。
622終章を訳した人:2011/07/31(日) 22:29:08.99 ID:OvGwVaDl0
アクセス権の分離

サンドボックスの制約の一つは、一連の資格がプロセス全体に適用されるという
ことである。すると結局、アプリケーションはその機能を実現するために必要な
資格すべてを含んだ、資格のスーパーセットを所持しておかないといけないこと
になる。(訳者苦しまぎれの補足:これではアプリケーションがあらゆる資格を
所持してしまうことになり、そもそもアクセス権を制限する意味がない。)そこ
で、これまで見てきた通り、LionではPowerBoxという独立したプロセスにファ
イルの読み書きを任せることで、アプリケーション自身に任意のファイルへのア
クセス権を与えなくても済むようにしている。これは、一般的にはアクセス権の
分離と呼ばれる原則である。

複雑なアプリケーションを細かいプロセスに分割し、それぞれのプロセスに対し
て、必要なだけの限定された資格しか与えない。これがアクセス権分離の考え方
だ。例として、ビデオを再生するアプリケーションを考えてみよう。ビデオのデ
コードというプロセスは複雑でパフォーマンス負荷が高く、そのせいでバッファ
オーバーフローなどのセキュリティ問題に対する防護が不適切になってしまった
という過去がある。ビデオ再生アプリケーションはシステムが提供するライブラ
リを使うことが多いが、その場合、もしそこに何らかの脆弱性があったら、サー
ドパーティの開発者が対処できる方法は少ない。
623終章を訳した人:2011/07/31(日) 22:30:18.29 ID:OvGwVaDl0

開発者にできるのは、ビデオのデコードというタスクを、そのタスクしか担当せ
ず、厳しく限定された資格しか持たないプロセスに分離独立させることである。
ビデオをデコードするプロセスそれ自体は、おそらくファイルシステムやネット
ワークへのアクセスを必要としないし、ビルトインカメラやマイクを扱う必要も
ないだろう。ただ親プロセスからバイト列を受け取り、そのバイト列をデコード
して出力できればいいだけだ。そもそも、親プロセスが最初に吐き出したバイト
列も、元はといえばPowerBoxに頼んでディスクから引っ張り出してきてもらっ
たものであろう。こうしてデコードプロセスは、親プロセスとの間にシンプルな
関係があることを除けば、システムとの関わりを完全に遮断することができるの
である。もし悪意のハッカーがビデオコーデックの脆弱性を発見したとしても、
彼は権限のごく限られたプロセスのコントロールしか得られず、そのようなプロ
セスであればどのみちシステムやユーザーのデータに対してほとんど悪さができ
ないだろう。

ここまでは例に過ぎないが、実際、LionのQuicktimePlayerは
VTDecoderXPCServiceという外部プロセスにビデオ再生を委託している。こ
れはサンドボックス化され、きわめて資格が制限されたプロセスだ。

http://static.arstechnica.net/2011/07/04/lion/quicktime-xpc.png

もう一つの例はPreview.appであり、これも長らく脆弱性の宝庫だったPDFの
解析コードを完全に独立させ、ファイルシステムへのアクセスを全く許さないよ
うにしている。
624終章を訳した人:2011/07/31(日) 22:31:46.00 ID:OvGwVaDl0
セキュリティ上の利点はさておき、開発者にとって外部プロセスの扱いやそれと
の通信は頭の痛い問題だ。単一の実行ファイルの中に全てのコードが含まれ、
ファンクションコールの呼び出しの他は外部への依存がないこれまでのアプロー
チと比べると、アクセス権分離方式は明らかに不便なのである。

それでもAppleはアクセス権分離を「最善の慣行」と考えているようで、これを
開発者に推奨するため、AppStoreのサンドボックス必須化方針のみでは飽き足
らず、Lionで新しいAPIを導入している。それはXPCServicesと呼ばれるフ
レームワークで、まさに外部プロセスの管理とそれとの通信を担当するものであ
る。XPCServiceの実行ファイルはアプリケーションバンドルの中に含まれる。
インストールプロセスは存在しないし、コピーや移動もされない。そして不正ア
クセスを防ぐため、暗号化署名によってアプリケーションの中に「封印」しなけ
ればならない。

XPCServiceフレームワークはオンデマンドで適切な外部プロセスを起動、その
動作を追跡し、ジョブの完了後、いつプロセスを終了させるかを決める。通信は
双方向的、非同期的であり、メッセージ(訳者注:Objective-C用語で、いわ
ゆる命令のこと)は「ファーストイン・ファーストアウト」原則に従って処理さ
れる。デフォルトでは、XPCが起動するプロセスにできることは極端に限られて
いる。サンドボックスの資格情報やキーチェーン証明書をはじめ、いかなるアク
セス権も親プロセスから継承されることはない。
625終章を訳した人:2011/07/31(日) 22:32:27.28 ID:OvGwVaDl0
最低限のアクセス権しかもたない複数のプロセスにアプリケーションを分割する
ことのメリットは、単にセキュリティの向上にとどまらない。一つの外部プロセ
スがクラッシュしてもアプリケーション全体を巻き込まないので、動作の安定性
にも寄与が大きいのである。

この種のアクセス権分離は、ここ数年いくつかのプラットフォーム上でウェブブ
ラウザのために用いられ、大きな効果を上げてきた。MacOSXのSafariもその一
例である。Lionはこの利点を全てのアプリケーションに拡張することを目指し
ており、Safariのアクセス権も、このおかげで一層細かく分離されている。
626終章を訳した人:2011/07/31(日) 22:35:08.88 ID:OvGwVaDl0
Lionで動作するSafariはWebKit2がベースである。WebKit2は、Safariだけ
でなくGoogleChromeのベースにもなっているブラウザエンジンの、最新かつ最
高のバージョンである。SafariはSnowLeopard版で既にFlashプラグインなど
の分離独立を果たしていた(Adobeはこれを侮辱と考えてはいけない。Appleは
QuickTimeプラグインも同様に扱っているのだ)。この方向性を推し進めるか
のように、WebKit2はページレンダリングのタスク全体を外部プロセスに分離し
たのである。Safariがクラッシュしても、もう人のせいだとは言い訳できなく
なってきている。

WebKit2のウェブサイトの記載によれば、GoogleChromeもWebKit(バージョ
ン1)をアプリケーションの他の部分から独立させるアプローチをとっている。
WebKit2の場合、分離はフレームワーク自体に組み込まれており、これを利用す
る全ての製品が簡単に活用できる。GoogleがChromeのために用意したようなカ
スタムコードは必要ない。(Lion以前のOSXにおけるWebKit、Googleによる
WebKitの使用法、そしてWebKit2の三者の違いについては、詳しくはWebKit2
のサイトにあるプロセス構成図を参照されたい)
627名称未設定:2011/07/31(日) 22:42:31.38 ID:RijNKqkW0
乙。こういうのこそ、シラクサの読みどころだよね。
この調子でARCとファイルシステムについても翻訳お願い!
628名称未設定:2011/07/31(日) 22:57:49.67 ID:BR+95g4q0
これは面白かったです。
Mac雑誌も回顧主義なコラムばかりでなく、
こういう技術的なコラムも乗せればいいのになあ。
629終章を訳した人:2011/07/31(日) 23:01:03.73 ID:OvGwVaDl0
連続書き込みをブロックされている間に627さんの書き込みが。
早速ありがとです。ARCも面白いですよね。翻訳は時間があればいずれ・・・

というわけで9ページ目は以上です。読んで下さった方、お疲れさまでした。

しかし、プログラミングがどんどんややこしくなっていくなあ。面白いけど。
630終章を訳した人:2011/07/31(日) 23:01:49.34 ID:OvGwVaDl0
あ、628さんもありがとう。
631名称未設定:2011/07/31(日) 23:14:05.27 ID:IqNJ4HAl0
>>626
(´・ω・`)b GJ!
632名称未設定:2011/07/31(日) 23:19:38.75 ID:EIMlelmj0
今から読むけど超乙です!
633名称未設定:2011/07/31(日) 23:27:43.47 ID:h/OL5SeI0
乙っす!
634名称未設定:2011/08/02(火) 18:12:34.71 ID:+A4Df9I90
>>628
>こういう技術的なコラムも

編集部に理解出来る人が居ないから_

久しぶりに来たけどARC行こうかな
635名称未設定:2011/08/02(火) 20:23:41.08 ID:JyD7n4Io0
>>634
理解できたら編集の仕事なんてやる必要ないしな
636序章を訳した人:2011/08/02(火) 23:40:13.64 ID:CuPJZpUi0
3ページ目いきます。途中までで失礼。

基本の見直し

Lionにおけるユーザーの目に見える変化は多岐にわたる。Snow Leopardから全く変更されなかったユーザー
インターフェースを探すのに苦労するくらいに。ルック&フィールに始まり、アプリケーションや書類の扱いに
至るまで、すべてにおいて変更が加えられているのだ。Lionでは、過去十年間のMac OS Xの開発において
奥底に存在していた部分を厳しく掘り起こし、その多くを変更すべきであるとAppleは決断した。準備はいいかな。


Lionの新しい外観

まず、Lionで変更されたグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを気楽に見ていこう。AppleはLionの
インターフェーステーマに未だにAquaという名称を用いてはいるものの、今回の外観は、OS Xローンチ時の
「舐めたくなるような、キャンディ調のアピアランス」からは全くかけ離れている。色・コントラスト・輪郭の
いずれにおいても、Appleは何年もかけてゆっくりと弱めてきていたが、Lionではそのプロセスを加速したのである。

(スクリーンショット:LionとSnow Leopardの標準コントロール。マウスオーバーでSnow Leopardに戻ります)

今回は形状までもが変化した。Mac OS X伝統のカプセル型のボタンは角丸長方形に変更されたのだ。Mac OS Xが
世に出る前から不変だったチューブ状のプログレスバーも、少しだけ膨らんだストライプに取って代わられた。
ラジオボタンも、チェックボックスも、スライダーも、セグメントコントロールも、すべてがまるでハンマーで
叩いたかのように平べったい形状に改められたのだ。

一見同じように見えるグレーのタイトルバーのような要素でさえ、Snow Leopardから少し変更が加えられている。
といってもラディカルに変わったわけではない。全部が真っ黒になったとか、毛が生えたとか、そういう変更が
加えられたわけではない。だが、カラーメーターとか虫眼鏡を使ってじっくり見ずとも気付くくらいのレベルで
標準GUIのほぼあらゆる要素にわたって変更が加えられたのは、今回が初めてのことだ。
637序章を訳した人:2011/08/02(火) 23:41:25.22 ID:CuPJZpUi0
ほとんどの要素において、今回の新しい外観はSnow Leopardよりも淡彩になっている。いくつかのコントロール、
たとえばポップアップメニュー、コンボボックス、タブのコントロールなどでは青色のハイライト自体が廃止
されていて、より地味な印象を与えている。一方で、青いハイライトの中にまだ含まれるグリーンは、これらの
コントロールをよりスイートなものにしている。

Lionのユーザーインターフェイスの目的は、コンテンツを取り囲むコントロールをより目立たなくすることで
コンテンツをハイライトすることにある、とAppleはいう。その最たるものがサイドバーやツールバーのアイコンだ。
それらは今回、ほとんどの純正アプリケーションでモノクロ調になっている。でも残念ながら、その副作用として、
インターフェイスの各要素が他と区別しにくくなってしまった。サイドバーの小さなアイコンがその典型である。
この「コンテンツにより重きを置く」方針が、特にFinderのようなアプリケーションにおいて、欠点を上回るほどの
ものになっているか、筆者は疑問に思う。

アピアランスの変更は強調だけでなく、つくりや雰囲気にまで影響を及ぼしている。たとえば、赤・黄・緑の3色の
ウインドウウィジェットがそうだ。右図でお分かりのように、Lionではこれらが小さくなっている。というか、
色の付いた部分が小さくなっている。実際のクリック可能領域は高さで1ピクセル、幅全体で5ピクセル小さくなった
だけなのだが。

でもこの縮小がもたらす心理的な影響となると話は別だ。機能上のサイズはわずかに変わっただけなのに、Lionで
これらのウィジェットをクリックするときに、今までになく慎重になっていることに気付かされるのだ。これは
ちょっと鬱陶しくもある。特にこの新しい小さいサイズのウィジェットがLionの新しい外観にマッチしているか
しっくりこないからだ。こうやってサイズを少々小さくすることが、ウインドウ内のコンテンツを強調することに
貢献しているのだろうか?だって、他のコントロールは一切小さくなっていないのだから。
638序章を訳した人:2011/08/02(火) 23:42:27.69 ID:CuPJZpUi0
でもこの縮小がもたらす心理的な影響となると話は別だ。機能上のサイズはわずかに変わっただけなのに、Lionで
これらのウィジェットをクリックするときに、今までになく慎重になっていることに気付かされるのだ。これは
ちょっと鬱陶しくもある。特にこの新しい小さいサイズのウィジェットがLionの新しい外観にマッチしているか
しっくりこないからだ。こうやってサイズを少々小さくすることが、ウインドウ内のコンテンツを強調することに
貢献しているのだろうか?だって、他のコントロールは一切小さくなっていないのだから。

新しい外観の他の要素については、その意図は明確だ。よりフラットで、より艶消し調になったコントロール、
特に角丸長方形に改められたボタンは、Appleのもう一つのOSであるiOSを想起させるものだから。特に
あるコントロール(後述)についてはより一層そうなっている。

最後になるが、Appleは現在、リネン調のテクスチュアと蜜月状態にあるようだ。それはまず、Dashboardの
ウィジェットの背景で登場した。より最近ではiOS 5の通知シートの背景パターンにも用いられた。Lionでは、
完全に改められたログインスクリーンの背景としてより一層はっきりと姿を現している。ただし今回、ユーザ
アイコンのフレームは円形に改められている(ついでに、スクリーンの右上にメニューバーのステータスアイコンの
一部が表示されていることにもご注目)。
639序章を訳した人:2011/08/02(火) 23:43:25.80 ID:CuPJZpUi0
スクロールバー

スクロールバー――Appleは最近ではスクローラーと呼んでいるが――はこれまでMac OS Xではほとんど変更が
加えられてこなかったものの一つだ。他のAquaインターフェイスが変更され、輪郭がより強調され、ピンストライプが
取り除かれ、艶が弱められた一方で、スクロールバーは頑なにオリジナルAquaの外観を十年以上も保ってきた。

とはいえ、スクロールバーとて全く変更されてこなかったわけではない。もう何年も前から、iTunesはオリジナルの
スクロールバーを有してきた。

このスクロールバーが2006年のiTunes 7で初めて導入されたとき、これは今後OSの標準として広まるだろうという
見方も一部にはあった。当時はそうならなかったが、5年経った今、スクロールバーはついにMac OS Xのシステムレベルで
変更が加えられたのだ。これがLionのスクロールバーだ。

これまでのiTunesのスクロールバーの、塗り広げたような階調の、輪郭の不鮮明なスクロールバーはもうどこにも
見られない。幅が狭く、モノクロで、輪郭がはっきりとしたものになっている。ウインドウウィジェットと同様に、
スクロールバーの幅はSnow Leopardのそれよりも少し狭くなっている。(ただし、スクロールバーの長さと
クリッカブルエリアはSnow Leopardから変わっていない。)

スクロールバーの外観が変わったことに気を取られていると、混乱を引き起こすもっと大きな変化にもしかすると
気付かないかもしれない。スクロールアローはいずこへ? そう、スクロールバーの両端、またはまとめて一箇所に
表示されていて、クリックするとちょっとだけスクロールするアレですよ。それがなくなっているのだ。

それだけじゃない。Finderウインドウを見ていただきたい。

(スクリーンショット:Lionのアプリケーションフォルダの中身・・・あれ?これで全部?)
640序章を訳した人:2011/08/02(火) 23:46:08.49 ID:CuPJZpUi0
勿論、Lionのアプリケーションフォルダの中身がたった8項目なはずがないのだが、このスクリーンショットからは
そういうふうには見えない。スクロールアロー以前に、スクロールバーはどこ?

マウスカーソルをウインドウ内に移し、マウスのホイールでスクロールするか、あるいはトラックパッド上で2本指で
スクロールさせると、先述の新しい形状と外観のスクロールバーが表示される。幅が非常に狭く、モノクロ調のこの
スクロールバーは、スクロールを始めるとフェードインし、終端に到達すると間もなくフェードアウトする。
この遷移効果つきのスクロールバーはウインドウ内のコンテンツの上に表示され、ウインドウの端の指定席に
あるわけではないのだ。

スクロールバーのこのゴーストオーバーレイ効果は、iOSからの直輸入だ。2007年にiPhoneの3.5インチ画面に
これが初めて導入された当時は、全くもって理に適っていた。スクリーンの端に、タッチでドラッグできる
指一本分か二本分の幅のスクロールバーを常に表示させることは、ピクセルの無駄遣い以外の何物でもなかったからだ
(かといって指一本以下の幅のスクロールバーは狭すぎて快適に扱えないし)。というわけで、iOSではオーバーレイ
スクロールバーは必須だったし、直接操作するデバイスの操作方法としてもマッチしていた。iOSでは、スクロールは
スクリーン上のスクロールバーを操作するのではなく、スクリーンをグラブして動かせばそれでよかった。
641序章を訳した人:2011/08/02(火) 23:47:13.45 ID:CuPJZpUi0
Appleは(今のところまだ)Macのスクリーンを直接操作できるようにはしていないが、現在すべてのMacは
タッチベースの入力デバイスを標準で搭載または付属した状態で出荷されている。ノートのトラックパッド、
デスクトップであればMagic TrackpadやMagic Mouseだ。Lionでは、あらゆるタッチベースデバイスのスクロールを
タッチスクリーン上の操作と同様の動作になるようにすることで、タッチの果たす役割をより強化した。
コントローラの表面に触れて下方向に指を動かすと、書類は下方向に移動する。コンテンツが上の方にはより多く
表示され、これまで表示されていたものの一部は下方に隠れる。これは一見理に適っているように思えるが、
同時にマウスのスクロールホイールの挙動と全く逆なのだ。これには全くもって混乱させられる。我々の指は
スクロールホイール上を無意識のうちに「間違った」方向に動いてしまうからだ。

(スクリーンショット:マウスの環境設定ペインより抜粋。「指を動かす方向にコンテンツが移動」にチェックが
入っていると、Lionの新しいスクロール法が適用されることを示す)

ありがたいことに、スクロールの方向を従前の動きに戻す設定がある。トラックパッドの環境設定の2番目のタブ
「スクロールとズーム」、マウスの場合は左のタブ「ポイントとクリック」で「指を動かす方向にコンテンツが移動」の
チェックがあるのだ(訳註:このチェックを外すとSnow Leopard同様のスクロールになる)。残念ながら、この設定は
リンクしていて、インプットデバイスごとに設定を変えることはできない。


(続きは後日! 明後日以降になると思います)
642名称未設定:2011/08/03(水) 00:18:14.56 ID:N7Csllkt0
(´・ω・`)b GJ!
643名称未設定:2011/08/03(水) 01:52:48.70 ID:tHHhaXKs0
乙!
644名称未設定:2011/08/03(水) 18:20:51.92 ID:hpZoVGIl0
読んでて面白いなあ。
645序章を訳した人:2011/08/04(木) 00:18:07.90 ID:ndoroer+0
3ページ目続き。最後まで一気にやっちゃいますよ。


スクロールの方向を統一するのは理に適っているが、その逆の動きにもう何年も慣れてきた者にとっては、新しい
方法に慣れるのは難しい。最もありふれたスクロール方向は下向きのスクロールで、最も自然な指の動きは指を
内側に曲げることだ。これらの二つが相まって、「従前の」スクロールスタイルになっているのだ。古い習慣はさておき、
スクリーンを直接タッチするのと、スクリーンとは別個に水平方向に置かれたデバイスをタッチするのとでは
違いが大きすぎて、同じ入力スタイルに統一する意味を正当化できない、ということなのかもしれない。

いずれにせよ、これは皆にとって不愉快な移行期にあたるのだろう。たとえば、左右の二本指スワイプで
Launchpad(後述)のスクリーンの切り替えを行ったときの挙動だが、スクロールの方向を従来の伝統的な
スタイルに設定した場合、逆向きに感じてしまう。おそらく、アイコンがグリッドに沿って並んでいるだけの
画面を見ている場合は、我々の脳は無意識のうちにiOS流の挙動を期待してしまうのだろう。(そしてLaunchpadの
挙動が「自然に」感じられるようにスクロールの方向を設定すると、今度は4本指スワイプでSpacesの移動を
行ったときに逆向きに感じてしまうのだ!溜息)

スクロールバーは単にスクロールさせるためだけにあるのではない。まず、スクロールバーの状態は、表示されている
部分以外にまだコンテンツが存在するかどうかを教えてくれる。「アクティブではない」スクロールバー(通常は
グレーアウトしている)のあるウインドウは、表示されている部分以外にもう何もコンテンツがないことを示している。
次に、ドキュメントがウインドウの大きさに収まる範囲を超えている場合には、スクロールスライダーの位置は
ドキュメント内の現在の位置を教えてくれる。そして最後に、スクロールスライダーの大きさそのもの(スクロール
バー内の余白の大きさと言い換えても良い)は、コンテンツのだいたいのサイズを教えてくれる。

646序章を訳した人:2011/08/04(木) 00:19:07.11 ID:ndoroer+0
コンピュータのユーザのほとんどはこうした微妙な部分を意識しているわけではない。だが、これらが合わさった効果
というのは思いのほか深い。古くからのMacユーザは、ウインドウ内のコンテンツの大きさにかかわらずスクロール
スライダーが常に正方形だった時代(訳註:Mac OS 9以前)のことを憶えているかもしれない。でもその時代を
思い出してみるにつけ、それで何か問題があったという記憶はない。でも今回の「ノンプロポーショナル」な
スクロールバーをちょっと試していただきたい。今のコンピュータユーザーはこうした情報の欠如を不快なものと
感じる。ウインドウ内のコンテンツのサイズに関する情報のミスリードとして捉えてしまうのだ。(「このウインドウ
には何ページものコンテンツがあると思いきや、最初から最後までスクロールしてみたら、たった2行しか表示が
変わらないじゃん!」というふうに)この情報が失われて初めて、今までどんなにそれに頼っていたかに気付かされる
というわけである。

そして、プロポーショナルなスクロールスライダーは、スクロールバーが与えてくれる情報のうちもっとも微妙な
ものであると、心に留めておいてほしい。他の要素はさらに広く依存しているのだ。「見える」スクロールバーが
存在しないということは、かくも巨大な情報の欠如を意味するのである。

それはさておき、スクロールバーが存在しない状態で、同様の役目を果たす他の視覚的なヒントはあるのだろうか。
ウインドウの端に一部が切れたコンテンツが表示されていれば、通常はそちらの方向にもっとコンテンツが存在すると
考えて問題ない。空白の大きさ(Finder上のアイコンの間隔や、文章の行間隔など)もまた、より不明瞭で時には
見分けがつかないとはいえ、少なくとも何がしかのヒントは与えてくれる。コンテンツ全体のサイズや、ドキュメント
内の現在の位置に至っては、他に便利な代替手段は存在しない。
647序章を訳した人:2011/08/04(木) 00:20:19.39 ID:ndoroer+0
でも心配するなかれ、スクロールの方向と同様に、スクロールバーの表示も環境設定の「一般」ペインから設定できる。
デフォルトの設定である「入力デバイスに基づいて自動的に表示」では、少なくとも一つはタッチベースのデバイスが
存在する場合(ただしノートに他のポインティングデバイスが全く接続されていない場合、内蔵トラックパッドはそれに
カウントされない)オーバーレイスクロールバーが表示される。デバイスの存在を意識させられるこの方式がお気に
召さぬなら、他に二つのオプションが存在する。「スクロール時に表示」を選ぶと、デバイスの種類にかかわらず
常にオーバーレイスクロールバーが表示される。「常に表示」を選ぶと、先述の外観のスクロールバーが常に表示される。

Lionでは「フラッシュする」オーバーレイスクロールバー(つまり、表示後フェードアウトする)という新しいAPIが
導入された。Lion標準のアプリケーションのほとんどで、スクリーンに表示されたばかりのウインドウやリサイズした
ばかりのウインドウ、そして新たな位置へとスクロールしたウインドウ(たとえばドキュメント内の検索で次の検索語へ
移動した場合)について、短時間だけスクロールバーが表示される。この機能は今まであった「常に表示される
スクロールバー」がなくなったことの衝撃を和らげてくれるが、それは気休め程度でしかない。

LionのスクロールバーはAppleが今回Mac OS Xで示した新しいフィロソフィーの縮図である。過去十年ほとんど
変わっていなかったOSの基礎の見直しの最たる例なのだ。iOSからのほぼそのままの移植でもあり、Appleが
"Back to the Mac"と宣言したミッションと歩調を合わせるものでもある。でも、最も重要なことは、これはAppleが
新たに提示する「単純さへの指向」の具体例なのだ。
648序章を訳した人:2011/08/04(木) 00:21:15.54 ID:ndoroer+0
とりわけ、この変更はAppleが「視覚的な」単純さにとてつもなく重きを置いていることを顕している。スクロールバーを
表示させないと、平均的なMac OS Xのスクリーンが与えるビジーな印象は確かに軽減される。視覚的な乱雑さの排除は
Appleがハードウェア的にもソフトウェア的にも長年得意としてきたことであり、iOSはこのテーマを加速しているに
すぎない。また、現実的なことを言えば、ウインドウの端を占有してきた計16ピクセルの幅のスクロールバーを
なくすことは、Macのスクリーンにコンテンツを表示する上では決して些細ではない程度の違いが出ることもあろう。

でもこの単純さは代償を伴う。ある者にとって邪魔なものは、別の者にとっては不可欠な情報源だったりするものだ。
スクロールスライダーのサイズや位置といった視覚的な情報は、(Macの)人間とのコミュニケーションの上で最も
効率的な方法の一つなのだ。(たとえば、何ページある文書の、現在何ページ目を読んでいるかというのをパーセンテージで
示すことと比較してほしい)

こうした犠牲はiPhoneの成功には不可欠な要素だった。より表示サイズが大きくなったとはいえ、同じタッチベースの
製品であるiPadについても、同じ基本に基づいてつくったのは正解だった。でもMacは全く別の品種なのだ。単に
スクリーンの表示サイズが広大になり、スクロールバーを表示させないことの意義が減じたからではない。

メニュー、ラジオボタン、チェックボックス、ウインドウ、タイトルバー、それから例のスクロールバーも存在する
Macのユーザインターフェイスは、iOSとは全く異なるインタラクティブさを有するモデルなのだ。MacのUIは
ピクセル単位での精度を求められる間接的なデバイスを前提に設計されている。一方、iOSは1本指またはそれ以上で
直接操作することを前提に設計されたものだ。スクリーン上の要素の視覚的な単純化と、あるOSから別のOSへと
技術的に移植可能であったという事実は、こうした本質的な違いを覆い隠すものではないのだ。
649序章を訳した人:2011/08/04(木) 00:22:09.43 ID:ndoroer+0
Lionで導入されたこれらのスクロールに関する変更について、従前の設定に戻すための環境設定も用意されているのは
興味深いことだ。デフォルトの設定はAppleがユーザにそうしてほしいという意思を明示するものだが、それを逆にする
設定が隠しplist設定ではなく実際のGUI上で公にされていることに関しては、ユーザへの注意を喚起しているか、
もしかするとこれらの機能を巡って内部抗争のたぐいすらあったのかもしれないということを暗示している。

この注意喚起は真っ当なものだ。とりわけスクロールバーを表示させないことは、スクリーンのサイズおよび用いる入力
デバイスの種類によって大きく変わるトレードオフ的要素を持っている。Lionの他の多くの機能がそうであるように、
このスクロールの挙動の変更は、iOSデバイスとサイズ及び入力方法が近いMacにおいて、最も有用で最も妥当なものである。
11インチのMacBook Airがその典型だ。だが、2560x1440ピクセルの27インチデュアルディスプレイを接続したMac Pro
においては、Lionの標準のスクロールの挙動ははるかに正当性を欠くものなのだ。


(この項終わり)
650名称未設定:2011/08/04(木) 00:30:29.95 ID:99DHr2vT0
>645
激しく乙。速いなあ。
651序章を訳した人:2011/08/04(木) 01:11:33.71 ID:ndoroer+0
スマソ、>>647の第二段と第三段の間にこれを補ってください。(単純に訳し忘れていましたorz)


コンテンツの表示エリアの外側、16ピクセル幅のスクロールバーの表示領域に表示することを意図した
UI上の要素を持つアプリケーションでは、Appleが「レガシー」スクロールバーと称するところの、従来型の
スクロールバーが強制的に表示されることがある。(この件について、Appleはノンオーバーレイスクロールバーに
おいて、風がどちらに吹いているかを知ってほしいと言っている。<訳註:つまりオーバーレイスクロールバーを
採用しなさい、と暗に示している>)こうしたUI要素の一例を右に示そう。表示倍率のポップアップメニュー
(現在は100%と表示)が右下に表示され、水平方向のスクロールバーが左側に追いやられている。この場合、
コンテンツの表示エリアにオーバーレイスクロールバーが表示され、ほぼ常に非表示となるスクロールバーの
スタイルは、明らかにマッチしない。こうしたアプリケーションについて、AppleはこのUI要素を新たな場所に
移すようにと示唆している。LionのAppKit frameworkがオーバーレイスクロールバーを表示させるために。
652名称未設定:2011/08/04(木) 02:22:02.52 ID:gjanlH5z0
>>649
(´・ω・`)b GJ!
653名称未設定:2011/08/04(木) 03:55:54.81 ID:Lk1sUchN0
GJ!
654名称未設定:2011/08/04(木) 08:30:51.45 ID:z8swDdq30
乙!
655終章を訳した人:2011/08/07(日) 10:43:16.94 ID:ecd4xtWx0
>>634さんがARCのセクション訳してるかもしれませんが、自分もやってみました。
かぶらないように、2ページあるうちの第2ページ(通しで言えば第11ページ)を
先に訳しましたが、もしそれでもかぶっちゃったらごめんなさい。
656終章を訳した人:2011/08/07(日) 11:23:17.34 ID:ecd4xtWx0
(第11ページ)

ARC対ガベージコレクション

Objective-Cのガベージコレクションにはいくつかの欠点がある。その1:前述のとおり、ガベージコレク
タがいつ動作をするかに関してプログラマはほとんどコントロールができないので、オブジェクトの破棄と
占有メモリ空間の開放がいつ行われるか予測することができない。従って、ガベージコレクションを利用す
るアプリケーションにメモリ管理上のバグがあれば、ガベージコレクタがいつ働くかによって、クラッシュ
したりしなかったりといった不確定性が発生してしまう。

(なんか書き込み規制が厳しくて長文書き込みができない。めんどい)
657終章を訳した人:2011/08/07(日) 11:26:24.77 ID:ecd4xtWx0
(第11ページ続き)

その2:ガベージコレクションは間欠的にしか動作しないので、動作していない時に「ごみ」(占有されてい
るが使用されていないメモリ)が累積するかもしれない。すると、アプリケーションの最大メモリ使用量が増
大してしまう可能性がある。そして最後:ガベージコレクションのプロセスがアプリケーション自体の実行を
邪魔してしまう。
658名称未設定:2011/08/07(日) 15:21:11.31 ID:NbsqTUtZi
おおー、にわかCocoaプログラマーなんで興味あります。
659終章を訳した人:2011/08/07(日) 15:49:01.21 ID:I8tYQ0f30
(第11ページ続き)

ガベージコレクタを別スレッドで走らせることができるマルチプロセッサ環境であっても、動作中アプリの
メモリイメージ(訳者注:メモリイメージと各アプリのアドレス空間との関係は、ディスクイメージとマウ
ントされたボリュームとの関係と同じ)との間で必ず通信が発生するし、それによってそのアプリの動作が
(わずかにせよ)滞ってしまうことがある。たいてい一つのスレッドしか実行できない非力なモバイルCPU
環境であればなおさらで、ユーザーインターフェースの引っ掛かりや不具合にまで発展しかねない。

660終章を訳した人:2011/08/07(日) 15:50:12.26 ID:I8tYQ0f30
(第11ページ続き)

ARCは、これとは著しく異なった価値提案である。第一に、ARCはObjective-Cのランタイムガベージコレ
クションの欠点とは完全に無縁である。というのは、全てのメモリ管理コードがあらかじめアプリケーショ
ンのコードに埋め込まれた上でコンパイルされるので、実行時に変更されることがない、つまり決定論的な
のである。メモリ管理は外部のバッチプロセスから時々実行されるのではなく、アプリケーションプログラ
ムの制御フローの中に直接組み込まれている。これによって、アプリケーションの動作が停滞することもな
くなるし、メモリの最大使用量も減らすことができる。

第二点。たいていの自動メモリ管理システムは、何らかのパフォーマンス負荷を招くものである。しかし
ARCにはそれがない。ARCによってメモリ管理に関わるメッセージ(命令)がコード中に増加する可能性は
あるが、それによる負荷増大を相殺するため、retainとreleaseが2.5倍、自動解放プールが6倍、そして何
よりもObjective-Cのメッセージ送信そのものが33%、Lionでは高速化されている。さらに、メモリ管理
メッセージを挿入するのはプログラマではなくてコンパイラであるため、それよって生成される実行コード
は、Objective-Cのメッセージを普通にコンパイルしたものと全く同じである必要がない。コンパイラは人
間よりもずっとランタイムシステムと近い関係にあるので、プログラマには不可能な(というか、そもそも
やっちゃいけない)方法でそれらのコードを最適化することができるのである。

661終章を訳した人:2011/08/07(日) 15:50:53.36 ID:I8tYQ0f30
(第11章続き)

そして最後の点。ガベージコレクションと違い、ARCはコンパイル単位ごとの設定である。アプリケーショ
ンでARCを採用したからといって、それがリンクする全てのライブラリでもARCを使う必要があるわけでは
ない。つまり、Apple製のライブラリがARCのもとで正しく動作するかどうか、プログラマが一々気にしな
くてもいいのである。それはAppleだけが気にすればいいことであるし、Appleとしてもどのライブラリを
ARCオンでコンパイルするかはケースバイケースで判断すればいい。ARCを用いたコードとそうでないコー
ドは自由に混在させることができるのだ。

662終章を訳した人:2011/08/07(日) 15:51:41.94 ID:I8tYQ0f30
(第11章続き)

Objective-Cのガベージコレクションが唯一ARCに優る点がある。それは、ガベージコレクションはオブ
ジェクトの循環参照を検知して正しく処理してくれるということだ。参照カウント環境では、もしオブジェ
クトAがオブジェクトBを参照し、さらにBもAを参照しているという場合、両者ともに少なくとも参照カウ
ント1となる。すると、AとBを参照しているオブジェクトが全てなくなったとしても、ARC環境ではどち
らもメモリが解放されない。なぜかというと、両者ともに参照カウントが永遠にゼロにならないからであ
る。

ARCでは、プログラマが手動で循環を絶ち切ることで、このような状況を明示的に解決しなければならな
い。それには2つ方法があり、一つはABいずれかの、あるいは両方の参照を解除すること。もう一つは、
これもObjective-Cの機能である「ゼロ化する弱い参照」を使うことである(弱い参照というのは、オブ
ジェクトの参照カウントを増減させない参照のこと)。例えば典型的な親子関係にあるオブジェクトであれ
ば、親が子を参照するなら子は親を弱く参照する。この場合、アプリケーションがそのどちらも参照しなく
なったとき、子の参照カウントは1になる(まだ親が参照している)が、親は参照カウントがゼロとなって
解放される。するとそれによって子の参照カウントがゼロとなり、子が解放される。これでメモリリーク
(不要なメモリが解放されずに残ってしまうこと)がなくなる。

先の「ゼロ化」というのは、あるオブジェクトが解放された際、そのオブジェクトへの弱い参照にnilが
セットされるという意味である。(ちなみにARC環境下では、オブジェクトへのポインタは全てゼロで初期
化される。)普通、オブジェクトは他からの参照が残っている限り解放してはいけない。しかし、もしそれ
が弱い参照であれば、参照カウンタには何の影響もないので、解放することができるのである。このとき、
弱い参照は自動的に「ゼロ化」(nilがセット)され、宙ぶらりんポインタ(有効な参照先を失ったポイン
タ)にならずに済む。(Objective-Cでは、nilへのメッセージ送信は何もしないのと等価である)
663終章を訳した人:2011/08/07(日) 15:52:53.95 ID:I8tYQ0f30
ARC対ソトの世界

それでは最終問題。果たしてARCの導入により、Appleはプログラム言語の抽象化という点において、
MojoやC#、Androidといった競合相手と肩を並べるところまで挽回してきたのだろうか。残念ながら、答
えは否であろう。ARCはObjective-Cでのタルいメモリ管理をほとんど引き受けてくれるが、Objective-C
の外のことは全く従来通りである。その上、モダンな高レベル言語に欠かせないもう一本の柱、メモリの
「安全性」に関してもほとんどノータッチである。

ARCをオンにしたObjective-Cは、確かにポインタのゼロ化やオブジェクトの開放を自動化するという新機
能を追加してくれる。しかしそれでも依然としてCの上位セットに過ぎないのであり、もし開発者がタチの
悪い不正ポインタをたった一個でも作ってしまおうものなら、アプリケーションのメモリ空間は簡単にズタ
ズタにされてしまうのである。他のプラットフォームには、ガベージコレクションが働き、循環参照も検知
できて、なおかつメモリも保護される、というプログラム言語がごろごろある。モバイルにしろデスクトッ
プにしろだ。中には変数の動的な型指定まで可能な言語さえある。Objective-Cは、そういった言語にはま
だ及びもつかない。

664終章を訳した人:2011/08/07(日) 15:54:00.00 ID:I8tYQ0f30
(第11章続き)

「プログラム言語の抽象度は時とともに上昇する。そしてAppleの競合相手はObjective-Cよりも抽象度の
高い言語を使っている。かたや、Appleはいつどのようにしてこの格差を埋めるのか、まだ説明していな
い。」私がこう論じてからかれこれ六年になる。ARCがJavaやC#、あるいはJavaScriptといった言語と同列
の機能だとは言えないかもしれないが、Appleが開発環境の技術的競争力を今後どのように確保していく計
画なのか、ここに至ってやっと伺い知れるようにはなった。

ARCの登場でまず明らかになったのは、埋めるべき格差が存在することをAppleは確かに認めているという
ことだ。他のプラットフォームを経験したプログラマに、あるいは学校を出たての新人にさえ「うわ、まだ
こんなことになってんのAppleの開発環境って。ださ」とか絶対思われる唯一の部分、すなわち手動メモリ
管理というやつを、とにかくまずは潰そうと、こういう戦略なのである。しかしその一方で、Appleは
Objective-Cがこれまで一貫して守り抜いてきた長所は犠牲にしようとしなかった。ARC+Objective-Cは
既存のコードやライブラリとの互換性を維持しつつも、相変わらず必要最小限の仕様で無駄がなく、速度低
下もない。場合によってはむしろ高速だったりする。

現時点では、Appleは互換性とパフォーマンスを開発プラットフォームの二本柱と位置づけているようだ。
これまでAppleはAPIと開発ツールに膨大な資源をつぎ込んできたわけで、それを守るために互換性は不可欠
だ。(SnowLeopardでさえ、ゼロ化弱参照の機能は省かれているとはいえARCが使えるようになってい
る)そして、パフォーマンスはAppleのモバイル機器のためにまだまだ有力な長所である。それは単にイン
ターフェイスの反応の良さや常にヌルヌルなアニメーションのためだけではなく、電力消費の削減のために
も重要なポイントなのだ。他プラットフォームのランタイムガベージコレクタや仮想マシンは、キャッシュ
へのアクセス集中による動作停止(キャッシュ・スラッシング)をもたらしやすく、より多くのモバイル
CPUコアがより長時間、高負荷に陥る羽目になってしまう。

665終章を訳した人:2011/08/07(日) 15:56:46.52 ID:I8tYQ0f30
(第11ページ続き)

Appleはランタイムガベージコレクションと一夜のダンスを楽しんだかもしれないが、パーティ会場からコ
ンパイル時の自動処理を連れ出して、そろそろお持ち帰りするようだ。今、Xcodeで新規プロジェクトを立
ち上げるとデフォルトでARCが有効になっている。かたやガベージコレクションがデフォルトになったこと
はかつて一度もない。この事実は、AppleがARCに本気であることを示す何よりの証拠である。(訳者注:
現時点のXcode最新バージョン4.1では、まだARCは使えない。4.2から採用される新コンパイラで使用可能
になるっぽい。)

ARCの最も興味深い点は、Appleが将来やりそうなことを教えてくれるということである。どうやらApple
は、開発者にとっての利便性や安全性を確保するため、言語に制限を加えていく方向のようだ。さらに、特
にモバイルプラットフォームでは、その辺によくあるランタイム処理よりもコンパイル時の自動処理の方が
望ましい、あるいは少なくとも同程度には効果的だと信じているらしい。

Appleの将来的なプラットフォーム計画の中に入っているように思えないのは、一つは昔ながらの意味での
仮想マシンである。理由は前述したのと全く同じで、パフォーマンスと互換性、そして電力消費量である。
ランタイムガベージコレクションも同様に、今のところは検討の対象外となった。(もっとも、ガベージコ
レクション自体が高速なパフォーマンスを妨げる、と必ずしもAppleが思っているかどうかは話が別だ。た
だObjective-CとCocoaには合わないということだ)

666終章を訳した人:2011/08/07(日) 16:15:03.22 ID:I8tYQ0f30
(第11ページ続き)

代わりにAppleが採用したのは伝統的コンパイラの最新版(Clang)であり、これはLLVMの上で動作する。
LLVMは、仮想マシンと同じコンセプトの多く(例えばバイトコードや実行時コンパイラ)をより低レベルで
サポートするフレームワークである。

以上を総合した上で考えると、将来、Objective-Cの最も高レベルな部分に関してだけメモリ管理とメモリ
保護をサポートし、一方で従来のライブラリやコードとのバイナリ互換性は維持するような、新たな言語が
導入されるであろうことは想像に難くない。このアプローチはこれまで「C抜きのObjective-C」と呼ばれて
きたものだが、実現は遠い未来の話ではない。新たな仕様を一つ一つ追加することで(ARCはその最新のも
のだ)、Objective-Cにオプショナルな(でも推奨される)機能と制約が徐々に増えていく。そして最後の
新仕様を追加する時、「これぞ新言語の誕生」と満を持して喧伝するーーこんな流れになるんじゃないだろ
うか。

Appleは、gccから脱却してより高速で高機能なコンパイラに乗り換えるため、これまでに多くの時間と労力
を費やしてきた。そして移行が完了した今、Appleは革新的な新機能のためにリソースを振り向けることが
できるようになった。今後数年のWWDCが興味深い。

(第11ページここまで)

最後の一段落がwktk。
667名称未設定:2011/08/07(日) 17:08:23.81 ID:n+ZtqAbJ0
乙!
668名称未設定:2011/08/07(日) 17:48:57.49 ID:bQWUhBVa0
ありがとうございます。
興味深く読ませていただきました。
669名称未設定:2011/08/07(日) 17:52:55.10 ID:NgPBR8V30
>>666
(´・ω・`)b GJ!
670名称未設定:2011/08/07(日) 18:38:57.82 ID:FCOsO9Xf0
SL以降のblocks拡張やGCD、clangの積極的採用がすごく興味深かったんだけど、ARCも含めての「新言語」かあ。
この辺は文中でもリンクされている「C抜きのObjective-C」http://waffle.wootest.net/2010/06/19/surpass/
を読めってことかな。
他力本願ながらこっちも是非……。
671名称未設定:2011/08/07(日) 20:03:08.88 ID:SVJnUttMP
「C抜きのObjective-C」ってSmalltalkでは……なんて思ってはいけないのだろうか
672名称未設定:2011/08/15(月) 12:25:21.96 ID:Zy1Yb8ym0
Lion本も色々出てるけど、こういう内容の本てないなあ…
こんな内容の本なら、Web全盛の今でもバカ売れするだろうに
673名称未設定:2011/08/15(月) 12:31:27.03 ID:mYUOeeKq0
バカ売れはしないだろ
674偽の神:2011/08/21(日) 16:59:11.38 ID:rzZelYK00
ttp://arstechnica.com/apple/reviews/2011/07/mac-os-x-10-7.ars/12 の翻訳です。

ファイルシステム情勢

ファイルシステムの実装は、殆どの Mac ユーザーにとって、考えもしないし、考えるべきものでもない。
しかしオペレーティングシステムの他の箇所と同じく、いずれは改善されるだろうという期待がある。
そしてあらゆる技術体系と同じく、改善の積み重ねでは満足できなくなり、新たな出発が求められる時が来る。

Mac OS X自身がそのような新たな旅立ちだった。Classic MacOSよりも少し新しいだけだったNEXTに入れ替えた、というものではあったけど。
しかし Mac OS X のファイルシステム、HFS+は、 Classic Mac OSから Mac OS Xにそのまま持ち越された物だ。
OSが再出発したときに、HFS+ は再出発しなかった。

2006年、SUNの革新的なZFSファイルシステムの移植についてAppleが公式に言及したとき、新しいファイルシステムへの期待は高まった。
翌年、Appleが認めるよりも明らかに早い段階で、Mac OS X 10.5 LeopardにZFSが含まれるとSunのCEOがアナウンスした。

そうはならなかった;LeopardはHFS+のまま出荷された。
2年後の2009年、Apple自身がSnow Leopard Serverの機能の内にZFSを挙げたが、結局はSnow LeopardのWebページからZFSに関する記述がすべて削除された。 数ヶ月後、AppleはMac OS XのZFS移植プロジェクトを休止した。
そうこうしているうち、HFS+は徐々に改善されていた。
メタデータのジャーナリング、大文字小文字の区別、アクセスコントロールリスト、任意拡張メタデータなどが追加された。
だが、ファイルシステムの基本設計が変わったわけではない。
HFS+は13歳、HFSの拡張であることを考えると25歳以上になるのだ。
1985年からすれば、ファイルシステムの技術情勢は大きく進展している。
675偽の神:2011/08/21(日) 17:00:53.25 ID:rzZelYK00
繰り返しになるが、殆どの人はファイルシステムについてじっくり考えたりしない。
もちろんファイルやフォルダについては考えている、でも、ストレージ機器内に配列されている個々のバイトデータをソフトウェアがどのようにして扱っているか、なんてのは考えていない。
ファイルストレージの核心に迫るという私の長年の興味は、無視されるか物笑いの種になっている。
「新しいファイルシステムに注目するやつなんているの?」私をあざ笑う人の台詞だ。
HFS+はうまく動いてる。保管も取り出しもバッチリだ。何か問題でも?

この侘しさに応え、HFS+が引退の期限をとうに過ぎている、その具体的理由を述べることにしよう。
私は、Appleが誰よりもこの問題を理解していると信じているが、
過去10年にわたって旧世代ファイルシステムが次世代OSの足を引っ張ってきたという不幸は継続中だ。
Lionでファイルシステムに進歩があったのか無かったのかを話す前に、我々の旧友、HFS+に厳しい目を向けてみよう。
676偽の神:2011/08/21(日) 17:02:03.30 ID:rzZelYK00
HFS+の何が悪いのか

ソフトウェアは、主立ったハードウェアをターゲットにして書かれる。
HFSが生まれた時、Macintoshの最上位モデルは800KBのフロッピードライブ、Appleが「ハイエンド」と形容したランチボックス大の20MBハードドライブ、モトローラの68000 CPUを積んでいた。
13年後、HFSはHFS+に置き換えられ、フロッピーディスクは1.44MBになり、Appleのハードドライブは最高6GBになっていた。
今からHFS+の実装の詳細を見ていくが、これらの背景を心に留めておこう。

b-treeにおいて未使用のノードを探すとき、AppleのHFS+実装は16ビット単位でデータを処理する。
なぜだ? おそらく、モトローラの68000では16ビットがネイティブだからだ。
現代MacのCPUは、256ビット幅のレジスタを備えている。

すべてのHFS+ファイルシステムで、メタデータ読み出しはバイト変換を必要とする。ビッグエンディアンで保管されているからだ。
今日のMacにあるIntel CPUはリトルエンディアンを使う;モトローラの68KとPowerPCプロセッサはビッグエンディアン。
(これのパフォーマンスコストはほんの僅かだ;まったくバカバカしい)

HFS+におけるタイムスタンプの最小単位はただの1秒。
コンピュータやディスクが遅かった数十年前はこれで十分だったが、今日では、1秒の間に何千ものファイルシステム作業(そして何億ものCPUサイクル)が実行可能だ。
モダンなファイルシステムでは、日付単位はナノセカンドまで精度が上昇している。
677偽の神:2011/08/21(日) 17:03:14.87 ID:rzZelYK00
HFS+でのメタデータ構造はグローバルロックになっている。
一回につきたった一つのプロセスしかファイルシステムを更新できない。
プリエンプティブマルチタスクと16コアCPUの時代にこれはカッコ悪い。
ZFSのようなモダンファイルシステムは複数の並列更新が可能だし、同じディレクトリのファイルに対してもそれが実行できる。

HFS+ボリュームのブロック総数は32ビット値で管理されている。
ブロックが4KBなら、最大ディスクサイズは17TBになる。
巨大に聞こえるかもしれない、しかし考えてみよう、それは3TBのハードディスクの6倍に過ぎず、現在ハードディスクの最大容量は2005年時の6倍になっていることを。
(もちろん、Appleはブロックサイズを4KBから8KBに上げることができるが、それはゲームを延長しているだけだ)

HFS+ は、大きなファイルのうち必要な部分だけを記録する機能、つまりスパースファイルをサポートしていない。
「先頭と末尾にそれぞれ数バイトしか書かれていない、1GBのデータベースファイル」を作ることを考えてみる。
HFS+では、ほぼ1GBあるゼロデータをその通りディスクに書き込む作業が発生する。
スパースファイルをサポートしたモダンなファイルシステムでは、数バイトをディスクに書き込むだけだ。

適切なバイト順(エンディアン)で書かれたメタデータ、秒よりも細かい日付精度、巨大なボリュームサイズ、スパースファイルのサポートなどは、Unixのファイルシステムでは当たり前の機能になっている。
Mac OS Xは、もちろん、Unix基盤の上に築かれている。
HFS+がclassic Mac OSからMac OS Xに移植された時、Unixファイルシステムとしてあるべき最低限の機能をサポートするため、HFS+の拡張が必要になった。
678偽の神:2011/08/21(日) 17:04:44.55 ID:rzZelYK00
それらの機能のうち幾つかは簡単に実現したが、他のものは後方互換性を損なわずに追加するのが非常に難しかった。
その最たる恐るべき例が、HFS+でのハードリンク実装だ。
ハードリンクを追跡するために、HFS+はボリュームのルートに隠しディレクトリを設け、ハードリンクごとのセパレートファイルをそこに作成している。
隠しディレクトリとはぞっとしないが、Time Machineが不必要なデータの重複を避けるためにハードリンクを使っているという実装を思い出したとき、真の恐怖が訪れる。

私のTime Machine バックアップボリュームで隠しディレクトリの内容 ("HFS+ Private Data" と名付けられているが 、"H"の前に不可視を表す . がある)を見てみると、573,127 ファイルが含まれている。
B-trees であるにせよないにせよ、50万を超えるファイルが単一のディレクトリに収まっているというのはドキドキさせてくれる。

そしてHFS+のもっとも輝かしい怠慢 - フェアに言おう、他の多くのファイルシステムにも共通する怠慢。
HFS+ はデータの完全性を気に留めない。ハードウェアを暗黙のうちに信頼している。
ハードウェアによって数ビットあるいは数バイトが反転してしまっても、HFS+は気付かない。
これはメタデータとファイルデータの両方ともがそう。
679名称未設定:2011/08/21(日) 17:12:01.11 ID:LF6J/EQM0
連続書き込み支援。Arsのレビューはリソースフォークの扱いといい、ファイルシステムみたいな基本を掘り下げてて好きだ。
680偽の神:2011/08/21(日) 17:22:04.14 ID:rzZelYK00
ファイルシステムのメタデータ構造におけるデータ破損は、ディレクトリあるいはディスク全体の読み出し不能に繋がる。
(二重の呪い。Time Machineボリュームが保持しているハードリンクファイルが格納されている"HFS+ Private Data"ディレクトリ、ここに破損の影響が及んだ場合を考えてみよう)
ファイルデータの破損は、それがまず検知できないという意味では、なお悪い。
時間が経つにつれ、それはバックアップ全体に伝播していく。
破損が発見されたときには古い赤ちゃんの写真を見てから数年後で、すべてが手遅れになっている。

しかしデータ破損はどのぐらいの頻度で起きるのか? 答えは「あなたが思っているよりも頻度は高い」だ。
データの完全性についての2010年学術論文から抜粋しよう。

41ヶ月以上経過した153万台のディスクドライブの最新の研究 〜 Bairavasundaram その他
では、RAIDの再構築中に、全体の8%にあたる40万以上のブロックでチェックサムの不一致が見られ、実際のデータ消失に繋がる可能性があった。
エンタープライズ向けディスクドライブに比べて、ニアライン向けディスクドライブはより多くのチェックサム不一致が見つかった。
詳細についてはこちらのPDFを参照のこと。
(CERNが出している別の例もある。WikipediaのZFS記事内のデータ完全性の項には、より多くの情報とリンクがある)

これらの研究はエンタープライズ用途の話題だが、今日の個人用ストレージはたった数年前のエンタープライズ向けストレージそのものなのだ(スループットではなく、容量的に)。
心に留めよう。必然的に、年を経るごとに、データボリュームは悪い状態になっていくことを。
681偽の神:2011/08/21(日) 18:00:33.19 ID:rzZelYK00
高価な置物であり信頼しているストレージ - Appleお勧めのiPhotoやiMovieを通して保管するもの - について、データ完全性をないがしろにすることの危険度は急激に高まっている。
最悪なのは、ユーザーがこの技術ギャップに対してとりうる手だてが殆ど無いことだ;
静かに進む広範なデータ破損に対して、バックアップだけが救いの手。

バックアップを止めようにも、しかし他のモダンファイルシステムにある目玉機能は手に入っていない:
漸近法、スナップショット、トランザクションアップデート、データ重複回避、その他諸々。
HFS+はAppleに仕えしものであり、おそらく設計者が想像するよりも遥かに長く使われている。
そしてApple関係の他の製品や技術にフィットするよう書かれている(例えば、Classic Mac OS、Carbon、POWERPC)。
いまや、それらが宝物だった時代は過去になった。
682偽の神:2011/08/21(日) 18:11:14.64 ID:rzZelYK00
ここから、ttp://arstechnica.com/apple/reviews/2011/07/mac-os-x-10-7.ars/13 の翻訳です。

Lionでのファイルシステム変更

やっと、核心にやって来た。
Lionで、ファイルシステムの死神にAppleは何と答えたのか? 「今日はその日じゃない」
もちろん、デフォルトでありLionをインストール可能な唯一ファイルシステムは、我々の旧友HFS+だ。
少し前に書いたように、AppleはHFS+の欠点を重大視していたが後継者の擁立が不可能になり、
その原因は後継者自身の(まれな)失態によるものだと私は見ている。
ZFSとのニアミス後、Appleのファイルシステムロードマップが再び軌道に乗るにはもう少し長くかかるようだ。

にもかかわらず、Lionでは幾つかファイルシステムの変更が行われている - それも重要な変更が、実際に。
最も大きなものは、論理ボリュームマネージャを実現するためのAppleの最初にして本物の取り組み:Core Storageだ。

Mac OS X の以前のバージョン(付け加えると、classic Mac OSも)は、
一つの物理ディスクに一つ以上のボリュームを含めることができる。
Macにディスクを接続すると、一つ以上の新しいハードドライブアイコンがFinderに現れる。
間違いなく最も多いのは、物理ディスク一つにつきボリューム一つという形態だ。
しかし、より複雑な需要を持つユーザ(例えば、レビュー目的で様々なバージョンのOSをインストールするような人)は、
ひとつの物理ディスクを複数のボリュームに分割できるという利点を最大限活用する。

ここでのHFS+の役割はAppleの命名に表れている。HFS+は「ボリュームフォーマット」。
HFS+が一つのボリューム内で複数のファイルとフォルダを管理するのと同じく、
一つのディスク内で複数ボリュームを管理している「HFS+の上位にいる何か」が存在する、というのは理にかなっている。
その通り。「パーティションマップ」と呼ばれるものがあり、
Apple パーティションマップや GUIDパーティションマップがサポートされている。
(パーティションとはボリュームで分割されたディスク領域のことで、1パーティションあたり1ボリューム。
Appleが現在のところ推しているのはGUIDである)
683偽の神:2011/08/21(日) 19:01:22.58 ID:rzZelYK00
論理ボリュームマネージャとは、伝統的なパーティションマップよりも柔軟なディスク・ボリューム管理を可能にするもの。
AppleのCore Storageでは、複数の物理ディスクにまたがって一つのボリュームを作る機能が鍵だ。

ストレージ機能群の新しい層を説明するには、わけのわからない専門用語を羅列することになる。
論理ボリュームグループの最上位層は、一つあるいはそれ以上の物理ボリュームを含んでいる。
物理ボリュームはストレージを提供する;たぶん単一の物理ディスク、ディスクイメージファイル、あるいはRAID装置。
論理ボリュームグループはゼロ個以上の論理ボリュームファミリーを出力する。
論理ボリュームファミリーは一つ以上の論理ボリュームを含んでいて、その中には空白のキャンバスが含まれていて、
- 次が最後だ - HFS+ライクなボリュームフォーマットがそこに含まれている。

すべて把握できた? 把握してなくても心配なし。
いま理解するべきなのは一つだけ、Core Storageはボリュームフォーマットの上位に来て、よりリッチな抽象化を実現するということ。
次の疑問はもちろんこれ:LionでCore Storageは何に使われている?

ZFSスタイルのプールストレージを夢想しているなら、今のうちにその幻想をぶち殺させていただきます。
ディスクにまたがるボリュームを作るためのフレンドリーなGUIは無い。
コマンドラインツールには基本機能はあるが、私が調べたところでは、Core Storageの全機能がサポートされているわけではないようだ。
LionでのCore Storageの目的は、論理ボリュームファミリーのレイヤーケーキのなかに丁寧に隠されている。
論理ボリュームファミリーが出力する論理ボリュームにはプロパティも含まれている。
Lionではそれらのプロパティセットにより、ディスク全体の暗号化が実現されている。
684偽の神:2011/08/21(日) 19:13:38.68 ID:rzZelYK00
FileVaultと呼ばれるこの機能、以前のMac OS Xにあった同名の機能とは中身がまったく違う。
以前のFileVaultは、暗号化されたディスクイメージにホームディレクトリを保管するというものだった。
これは通常動作にちょっとした面倒を生んでしまい、
FileVaultは既存のソフトウェア(Apple自身のTime Machineなども含む)に対して互換性に乏しいという悲惨な評判を獲得した。

Lion'のFileVault はホームディレクトリだけを暗号化したりしないし、暗号化されたディスクイメージを使うのでもない。
代わりに、Appleはディスク全体の暗号化を実装した。これは、ボリュームの全バイトが暗号化されるということ。
そのうえ、この暗号化はすべてのソフトウェア(HFS+も含まれる)からみて透明だ。
なぜならそれはボリュームフォーマットの上位 - アプリケーションが見ることのできない層 - に存在するから。

私は数年感サードパーティにのディスク暗号化ソフトを使ってきたが、このアプローチはとてもいい。
本当に透過的で、私が体験した互換性問題といえばOSのアップグレードに伴うものだけだった。
(LeopardからSnow Leopardに移行したとき、ディスク暗号化ソフトの新バージョンが必要だった。
OSの組み込み機能となった今では、もう問題にはならないだろう)

ディスクの暗号化を有効にするのは簡単だ。
環境設定のセキュリティとプライバシーでFileVaultのタブを開けば、有効にする手順を丁寧にガイドしてくれるし、
山ほどの警告を含んだ明快な説明もある。

スクリーンショット:FileVault のディスク暗号化

暗号化を解くにはログインパスワードの入力が必要だ。
次に、自動生成される「復旧キー」が表示され、「復旧キーの控えを安全な場所に保管してください」と促される。
これはユーザーがログインパスワードを忘れたときの最終手段だ。
このインフォメーションでは、データ消失に関する恐ろしい警告が付いてくる。
685偽の神:2011/08/21(日) 19:30:34.49 ID:rzZelYK00
スクリーンショット FileVault 復旧キー:最後の希望

ユーザーが本当に、この長い復旧キーを書き写して安全な場所に保管するだろうか?
Apple はそれを疑っており、従って次のダイアログで復旧キーをAppleが保管してもよいかどうか訊ねてくる。
デフォルトでは保管が選択されておらず、この方針はまったく正しいと思う。
殆どの方は復旧キーをAppleが保管することに同意すべきだが、
保管するのをデフォルトにすると、ヘビーユーザーやセキュリティマニアからやり過ぎだと見なされるだろう。

Appleを信頼して復旧キーを預けるなら、個人的な質問を3つ選択する必要がある。
これらの質問に回答しない限り、誰も、Apple自身さえも、復旧キーにアクセスできないと説明される。
この手の主張を以前にも聞いたことがあるが、AppleはDropBoxの過ちから学んでいると信じておきたい。

スクリーンショット:復旧キーの委託:Appleを助け、自らを助く

最後に、暗号化するディスクにリカバリパーティションが存在することを要求される。
存在していない、あるいは作成できない
(例えば、対応していないパーティションマップだったり、Boot Campパーティションが4番目以降に来ていて起動不能になっているなど)
場合、暗号化することができない。
(この不快なチェックは、一連の流れの最後でだけ行われる)

リカバリパーティションが存在する、あるいは作成できると判定されれば、暗号化を有効にするため再起動を求められる。
再起動すると、Lionのログイン時そっくりの画面
(ただし、暗号化ボリュームへのアクセスが許可されているユーザーのみが列記される)がすぐに表示される。
ユーザーを選択してログインパスワードを入力すると、実際の起動プロセスが開始される。
自動ログインを切っていても、パスワードを入れるだけで起動できる。
686偽の神:2011/08/21(日) 19:46:07.03 ID:rzZelYK00
FileVault 環境設定を見ると、暗号化プロセスが完了するまでの推定時間が表示されているだろう。
暗号化はバックグラウンドで透過的に行われる。暗号化は時間がかかるのでこれはありがたい。
プロセス進行中でも、アプリケーションの使用、ログアウト、再起動など、
暗号化プロセスに影響を与えることなく普段通りMacを使うことができる。
暗号化ボリュームへのアクセスが許可されていないユーザがシステムに居ると、ログインパスワードを入力することでそれが許可される。

ユーザーに暗号化ディスクへのアクセスを許可する
diskutil list コマンドの出力はちょっと変になった(以前のものと比較してみよう):

-----diskutil list コマンドの出力内容

単一ディスク内のOSが二つ列記されている。
片方は、2つの暗号化されていないボリューム(Recovery HDとTimex)に加えて新しいCore Storageボリュームが含まれており、
もう片方には暗号化された(うん、この場合は暗号化途中だ)ボリュームのインカネーション(化身)が含まれている。
Core Storage の特殊なリストコマンド (diskutil cs list) ではその詳細、
前の部分で専門用語の説明を見たあとなら頷ける内容が表示される。

-----diskutil cs list コマンドの出力内容

起動ディスク以外は簡単に暗号化できない。
ディスクユーティリティはボリューム暗号化の解除、暗号化パスワードの変更、
暗号化したままの再フォーマット(全データの消去)などを行えるが、消去せずにボリュームを透過的に暗号化するオプションはない。
コマンドラインツールが助けてくれる:嬉しいことに diskutil は指定したボリュームを消去せず暗号化できる。
実際、Core Storageボリュームへの変換プロセスは暗号化オプションを含んでいる。
Timexボリュームを暗号化してみよう。diskutil list の出力で disk1s4 となっているのがTimexボリュームだ。
687偽の神:2011/08/21(日) 20:04:52.18 ID:rzZelYK00
-----diskutil cs convert disk1s4 -passphrase mysecret を実行

コマンド出力が示すように、ボリュームはCore Storageヘッダに適合するよう少しだけ圧縮され、
論理ボリューム管理コンポーネントのレイヤーケーキが論理ボリュームの最下部に作成される。
(訳者注:レイヤーケーキというのは、ボリュームに付随してくる色んな領域が縦並びで表示されている様子を
洋菓子のケーキに例えている、執筆者のシャレです)
GUIから実行するのと同じくバックグラウンドで透過的なプロセスであり、再起動は要求されない。
diskutil cs list コマンドは Lion Ex と Timex 、二つの Logical Volume Group を表示し、それぞれが暗号化途中である。
各ボリュームの、暗号化されたデータとされていないデータの総計が列記されている。

---- diskutil cs list コマンドで二つの暗号化ボリュームが見える

暗号化の停止はいつでも可能だ(ディスクユーティリティ、FileVault、diskutilコマンドラインから)。
暗号化の解除プロセスもまたバックグラウンドで行われる。

暗号化プロセスでも解除プロセスでも、暗号化パスワードの変更はあまり時間がかからない。
LionのFileVaultは他のディスク暗号化ソリューションと同じく、
パスワード入力によって「本物の暗号化キーがロック解除」されるのだろうと推測している。
パスワードの変更は、本物の暗号化キー自身の暗号化あるいは解除だけを要求する。

GUIで提供されることになった暗号化機能は、機能の内実を多く露出している。
まず、完全に透過的であること。
ユーザーから見た変化は、起動プロセスの最初にログインスクリーンが現れるようになったことぐらいだ。
覚えるべきパスワードもそのまま;ログインパスワードでディスクがロック解除される。
システムにある他のユーザーすべてが同じ変化を得る。
688偽の神:2011/08/21(日) 20:36:54.85 ID:rzZelYK00
しかしログインパスワードは唯一、起動ディスクに結びついている。
着脱可能なディスクの暗号化にログインパスワードを使うと、混乱を招く。
これは、GUIでは起動ディスク以外を暗号化するオプションが無い理由になっている。
あるいは、FileVaultがモバイルユーザーに焦点を当てているということでもある。
Appleのラップトップは内蔵ドライブが一つだけで、
起動ボリュームでないディスクを暗号化するためにコマンドラインを探すようなユーザーしかパーティション分割をしないだろう。

透過的な暗号化と解除、完全なソフトウェア互換性、マニア以外にも十分安全に使えるフレンドリーなGUI
- 好ましくないわけがないだろう?
ああ、パフォーマンスが気になるのは分かる。
CPUパワーとディスク速度のアンバランスが、ディスク暗号化機能に恩恵を与える形になっている。
大抵の環境で、MacのCPUは多くの時間を空回りに費やしている。多くのディスクアクセスを含む作業では特にそうだ。

CPUサイクルの供給過剰は、暗号化あるいは非暗号化を要求する作業群をこっそりやるための強みになっている。
Intel CPUのAES命令セットを活用し、CPUの負荷をさらに低減している。
最終的に、暗号化有効時のパフォーマンス低下に一般的なユーザが気付くことは至難の業になった。
Lionのプレリリース版での体験を元にすると、旅行に持っていくMacラップトップでは暗号化を有効にしようと強く思っている。
689偽の神:2011/08/21(日) 20:52:49.69 ID:rzZelYK00
ファイルシステムの未来

ディスク暗号化は実際に動作し、基本的な論理ボリュームマネージャの機能も追加された - すべてが満足で良いことだ。
しかしファイルシステム戦線で、これらの機能は我々の導きになるのだろうか?
たぶん状況はそこまでひどくない。
以下はすべて推測だが、Appleからのファイルシステムに関する情報をかき集めた上での、今の認識だ。

Mac OS Xの歴史上で、おそらく Core Storage はファイルシステムの最も大きな変更だ。
何が行われたのか考えてみよう。Core Storage はデータ群の管理を司り、特定の論理ボリュームに築かれている。
推測では、使用領域と空き領域の追跡や、ボリュームに属するデータの記憶などを扱っている。
想像してみよう、それらのチャンク(データの塊)が独立したファイルとして本来のサイズに畳まれているさまを。
そしてボリュームの代わりに、ファイルサイズそのままのチャンクがディレクトリに属しているさまを。
すまない、拡大解釈だった。しかしもう一度言う、我々が向かわないといけないのはそういう地点だ。
Core Storageをリリースし、ファイルシステムの基本機能を実現する新しいコードとして非常にうまく働いたことにAppleは喜んでいるだろう。Appleが傾倒していて、技術的に妥当であり、少なくとも、家庭用ファイルシステムプロジェクトに展開可能な仕事だ。
ZFS以外だと、BtrfsはおそらくGNUライセンスが問題になるし、ReiserFSの将来は不確実で、
既存のモダンファイルシステムを探すよりもAppleが自分で作る可能性の方が高い。

ここ数年私が予測していたことだ。
両手を広げてZFSの到来を待っていたのだが、ニーズに合ったファイルシステムをApple自ら作ることもありえると確信していた。
この確信は続いている、しかしZFSへの浮気がタイムテーブルを数年のばしたのだ。
その間に、勇気ある魂(Z-410 Storage)がMac OS XにZFSを連れてこようと決意した。
彼らの幸運を祈ろう、しかし私は、OSベンダーがサポートする解決案をより好むだろう。
Appleよ、決闘の合図だ;いまこそリリースを。
690偽の神:2011/08/21(日) 21:17:25.05 ID:rzZelYK00
以上です。

あと、Document revisionsも面白そうなんですが、それはまた別の機会に。
691名称未設定:2011/08/21(日) 21:57:02.64 ID:CnA9dl9a0
乙です。
途中専門的でわけわからなくなりましたが(笑)
面白く最後まで読ませていただきました。
692名称未設定:2011/08/22(月) 01:15:44.21 ID:H4WP3dmv0
>>690
(´・ω・`)b GJ!
693名称未設定:2011/08/22(月) 03:08:39.87 ID:r1va4toh0
>>689
乙です。
ようやくMac OS Xにもボリュームマネージャが導入されたのか。
次はファイルシステムの番かな。
694名称未設定:2011/09/01(木) 02:12:54.67 ID:IPy9vobE0
そろそろ保守しとくか。。。
695名称未設定:2011/09/02(金) 09:23:36.43 ID:ZGDmeTyi0
>>689
乙!

確かに次あたりに新FS来そうだなぁ
696名称未設定:2011/09/02(金) 23:35:18.51 ID:5hFy2wt10
次があればな・・・
つーかiOSは(ユーザに意識させてないが)内部的に何にフォーマットしてるんだろ?
697名称未設定:2011/09/04(日) 16:07:20.28 ID:3PSaH57/0
当然HFS+かと思ってた。
698名称未設定:2011/09/22(木) 20:57:22.92 ID:TNLXcKyX0
だとするとWin番のiTunesはHFS+ドライバ(的な実装)を内包してることになる
699名称未設定:2011/09/22(木) 21:45:49.63 ID:NiRl1UlQ0
FATでしょ
700名称未設定:2011/10/07(金) 16:05:30.63 ID:KaVc0NHE0
FlashPlayer10.1(Mac版)のCore Animation対応について−Tinic Uro氏のブログ記事より
ttp://www.tonpoo.com/blog/2010/02/flashplayer10-1-mac-core-animation-tinic-uro/

Flashがアニメーションしているのでビックリしたが。
こうなっていたのか。
701名称未設定:2011/10/10(月) 22:52:59.74 ID:8dg9bL7e0
Ars Technicaのシラクサさんがジョブズの追悼文を書いていたので、訳してみました。

スティーブ・ジョブス:個人的な思い出

John Siracusa

ttp://static.arstechnica.net/assets/2011/10/mac-team-4e8d163-intro-thumb-640xauto-26240.png

子供の頃、寝室の壁に一枚の写真を貼っていた。それは初代Macintosh開発チームの写真
で、開発棟の前に百人くらいのApple従業員が集まっている。画面左の数人が「ピカソ・ロ
ゴ」を描いた横断幕を掲げていて、地べたに座った画面右の男性は赤ん坊を抱いている。最
前列の中心で、膝の上に初代Macintoshを乗せてしゃがんでいるのがスティーブ・ジョブ
ズ。黒い長袖シャツにジーンズ、足にはグレーのスニーカーを履いている。

9歳の時だった。Macintosh 128kを購入した祖父が我が家にも同じものを買わせたこと
で、私は人生が一変したのだ。祖父はMacrworld誌も購読しており、創刊号を何冊も持って
いた。私は二冊をもらって持ち帰り、一冊からMacintoshチームの写真を切抜き、もう一冊
は大事に取っておいた(どちらもまだ保管してある)。

それを何年間にもわたって繰り返し熟読した。掲載されていた技術情報や製品の詳細が無意
味になった後でもなお、穴が開くほど何度も読んだ。私が虜になったのは、Macintoshを開
発したチームであった。だからこそ、ハードウェアを写したのでもソフトウェアを撮ったの
でもない、この一枚の写真を選んで私は切り抜いたのだ。Macintoshというマシンに触れ、
そしてMacworld創刊号を読み、私は幼い心に大切な認識を刻んだ。「人がこれを作ったの
だ。」

(つづく)
702名称未設定:2011/10/10(月) 22:54:05.72 ID:8dg9bL7e0
(つづき)

Macは、私にとって生まれて初めて、何もかもが全く新しいと認識しえたものだった。それまで9
年間の人生で見てきたものは全て、自分の生まれる前からあった。というよりも、いつからともな
く、常に存在しつづけているもののように私には思えていたのだろう。しかし今、それらとは全然
違う凄いものが目の前にある。Macworld創刊号は、ごくごく小さなグループの人間がこれを作り出
すにいたった経緯を詳しく描いていた。

その事実の語りかける意味が、私の中で日に日に膨らんでいった。我々は、今あるものに縛られた
存在ではない。新しいもの、より良いものを作ることができる。そして、そのために大人数は必要
ない。人の心をすっかり夢中にしてしまうほどの新製品を創造したチームなのに、私の部屋の壁に
目をやれば、彼らは全員がそこにいた。一人ひとりの顔もはっきり見分けることができた。

では、エンジニアとアーティストからなるこの小さいチームを束ねた力は一体誰だろうか。もちろ
ん、少年のような美しさをたたえているスティーブ・ジョブズに他ならない。ジョブズはすでに
Apple Computer社の大成功によって風雲児の名声を勝ちえていたが、いまやテクノロジーの未来
を示す先導者としての役割を担い、ありえないほどに凄いものを創造するという使命を果たすため
に、外れ者の反乱軍を率いて奮闘していた。果たして、ジョブズはやってくれた。9つの少年の、
幼くも熱い両手の中に、その何よりの証拠があった。「人がこれを作ったのだ。」

時は進んで1997年。私の最愛の企業は経営的、技術的に窮地に陥り、株主や顧客の感情も損ねてい
た。一丁前の皮肉屋に育った22歳の私は、選りすぐりの人が集まっているなら少人数でもこの世
界に風穴を開けられるのだという、ロマンチックな夢からはすっかり醒めてしまっていた。あの
ジョブズのチームにだって無理だったのだ。あれほどの男でさえ、Macintoshが発売されてわずか
1年で会社を追い出されてしまったのだ。

(つづく)
703名称未設定:2011/10/10(月) 22:54:47.82 ID:8dg9bL7e0
(つづき)

私もそれまでの人生で産官学の官僚的機構と関わる経験を重ね、組織というものが大きくなると何が起きるの
か、十分に分かっていた。中間管理職と社内政治家たちが幅をきかせ始める。何か問題が起きると、その再発
を防止するために新しいガイドランや手続きが導入される。評価基準が作られる。管理職は自分たちが評価で
きないものは管理できないからである。個々の社員のインセンティブは会社の設立趣旨を離れ、むしろそれを
強く妨害するに至る。内的な動機は衰える。真に素晴らしい仕事をする能力はほとんど失われる。

しかしその後、ジョブズは私にもう一つのことを教えてくれた。彼はAppleに復帰し、そして・・・ここから
先は私が話すまでもないだろう。iMac、iPod、iTunes、Mac OS X、iLife、iPhone、iOS、iPad。ブーム。

幼い私が得た「人類は現実を変革できる存在だ」という啓示は、テクノロジーの特定分野に関する認識では
あったが、その点を除けば少年の日のありふれた知性の目覚めにすぎない。しかし、悲しいことにそれが終幕
となってしまったスティーブ・ジョブズの人生第二幕によって、無垢な心の持ち主であろうが皮肉屋であろう
が、全ての人間がルールブックを書き換えられてしまった。

(つづく)
704名称未設定:2011/10/10(月) 22:56:48.26 ID:8dg9bL7e0
(つづき)

スティーブ・ジョブズ後の世界では、大企業だからといってベンチャー企業よりも腰抜けでいられる理由は
もう存在しない。洗練、独自性、美しさの徹底的な追求、製品設計への断固としたこだわり。こうしたこと
を、何も失うものがないからこその贅沢とあざ笑うことはもうできない。Appleは世界で最も大きく、最も
成功している企業となったが、そんな今でも、9x7インチの写真に全従業員が収まってしまう会社のように
仕事をしている。

Macworld創刊号では、Macintoshチームの一人ひとりがプロジェクトについて語っている。その記事の最
後を飾るのはスティーブ・ジョブスで、いかにも彼らしく、謙遜から話を始める。「Macintoshを突き動か
す原動力は、実際に仕事をしている人たちだ。私の役割は彼らのために場所を確保し、そこを会社の他部門
から切り離して誰にも干渉させないこと」

御年二十九のご高齢、テクノロジー業界の枯れた老骨は、ノスタルジーたっぷりにMacintoshチームの行く
末を語り、記事を締めくくる。「このグループは次のバージョンを出すぐらいまでは一緒にやるかもしれな
いが、その後は各自の道を歩んでいくだろう。本当に特別な期間だけ、皆が一つに集まってこの新製品を開
発したんだ。我々は、自分たちが一生のうちにできる最良のことを、もうやってしまったのかもしれない
な」

少なくともジョブズ自身に関しては、そうではなかった。スティーブ。今まで、どうもありがとう。

(以上)

Appleのトップページが悲しいです。
705名称未設定:2011/10/10(月) 23:12:47.69 ID:eONOLBY40
ありがとう。とても感動して読ませて貰いました。
「人がこれを作ったのだ。」というくだりはとても共感します。
706704:2011/10/10(月) 23:31:42.79 ID:8dg9bL7e0
>705
ぬりがとう。

シラクサの追悼記事、オリジナルへのリンクを忘れてました。
ttp://arstechnica.com/staff/fatbits/2011/10/steve-jobs-a-personal-remembrance.ars
707名称未設定:2011/10/11(火) 00:11:03.37 ID:8Q6Ib+J40
>>701
(´・ω・`)b GJ!
708名称未設定:2011/10/12(水) 23:32:39.56 ID:F7HGAKN60
ティム・クックの卒業式スピーチ
ttp://applembp.blogspot.com/2011/01/coo.html

これぜひお願いします。日本語訳も書いてあるけど
翻訳サイトにかけただけのように読みにくいので。
709名称未設定:2011/10/25(火) 22:28:05.50 ID:9vwrOO7j0
>>708
リンク先の文はどうやら抜粋されているようなので、以下の全文の載っているサイトのを翻訳しました。
ttp://www.fastcompany.com/1776338/tim-cook-apple-ceo-auburn-commencement-speech-2010-transcript
大変拙い訳ですが、役に立てれば。ところどころ括弧内に注を入れています。
次のレスから↓
710名称未設定:2011/10/25(火) 22:29:32.88 ID:9vwrOO7j0
2010年5月14日
ティム・クックのオーバーン大学での卒業スピーチ

1
 大変名誉で光栄なことと存じます。あなた方皆さんとここにいること、私にとって実に我が家のように感じ
られる場所に帰ってきたこと、そしてとてもたくさんの大好きな思い出を思い出させる場所に戻ってきたこと
を。アップルの私のオフィスやパロアルトの自宅に来る人は誰でもすぐに気がつくことですが、オーバーンは
私の人生にとって重要な役割を果たし、私にとって多くの意味を持ち続けています。J&MやAndersのカリフ
ォルニア支店だとあなた達が考えるであろうオーバーンの重要な事柄が、私にはとてもたくさんあります。

2
 ここへ来なければならないのと同じくらいぞっとしたことですが、この場やこの州中、そしてそれ以外の多
くの人々の生活に、私達の国から起こった悲劇(リーマン・ショックのことか)が深く影響したことを知って
いるあなた方の前に、私は立っています。私はガルフ・コースト(オーバーンの近くの地名)で育ち、私の家
族は今もそこに住んでいて、そして私の考え、望みがあなた方と同じであることを知っていただきたいと思い
ます。

3
 また、ここへ来なければならないのと同じくらいぞっとしたことですが、どうしてここに来たのか、そして
どんな人物がここにいるのかということのために、私は深い謙遜の気持ちをもって、あなた方の前に立ってい
ます。格別私のために犠牲を払ってくれた両親、格別私を気遣ってくれた先生、教授、友人、良き助言を与え
てくれた人々、そして毎日12年以上も実に有意義な仕事に参加する機会を提供してくれたスティーヴ・ジョブ
ズとアップル。彼らのお陰で、私はこの人生でいる(べき?)場所にいるのです。そして私がアドバイスの言
葉を、その考えと研究が私たちの生活にはっきりと影響を与えるような才能(卒業生のことか)の前で提供し
ているということに、私は気づいています。今日の卒業のための驚くべきインスピレーションの源となってき
た、多くの両親、祖父母、そして曾祖父母までもの、苦労して手に入れられた知恵によって才能が補完されて
いるこの集団の中で、私はそう気づいているのです。

(続く)
711名称未設定:2011/10/25(火) 22:31:14.73 ID:9vwrOO7j0
(続き)

4
 だから、そのすべてを心に留めながら、少なくとも大変私の役に立ってくれたいくつかの個人的な発見をあ
なた方と分かち合いたいと思います。発見というのは、私がし続けてきた最も起こりえないような旅に基づい
ています。

5
 私の今までの人生で最も重要であった発見は、たった一つの決断、アップルに入社するという決断がもたら
した成果でした。アップルでの仕事は、私が自身について述べたどんな計画にも存在せず、しかし疑いようも
なく、それは今までで最高の決断でした。オーバーンに来るという決断のように、他にも重要な決断はありま
すが。私が高校生だった頃、オーバーン大学に入るように勧める先生もいましたし、他にアラバマ大学(オー
バーンはアラバマ州の一部)に入るように進めた先生もいました。そして、言ったように、大変明白な決断も
ありました。が、1998年の初頭に下したアップルへの入社という決断は、さして明白ではありませんでした。
もっとも卒業生諸君の多くは当時10歳だったので、1998年初頭のアップルと今日のアップルとが大きく違っ
ているということを理解はできないかもしれません。1998年には、iPadもiMacもiPhoneもありませんでした。
iPodでさえありませんでしたが、今ではiPodなしの生活は想像もできません。アップルがMacを作った時、
社は数年間に亘り売上を失っていて、存亡の危機であると一般に考えられていました。私がアップルでの仕事
を引き受けるたった数ヶ月前でしたが、デルの創設者でCEOのマイケル・デルは、アップルを立て直すために
自分なら何をするのかと公式に質問され、そしてこう返答しました。会社を閉鎖し、株主に金を払い戻す、と。
この声明のときに、マイケル・デルを有名にしたのは、他の多くの人々が信じていたことを言うための勇気を
持っているという、ただそれだけでした。

(そのうち続く)
712名称未設定:2011/10/27(木) 11:34:40.21 ID:LlYkSyGb0
追悼式のアイブの喋りをお願いします。
713名称未設定:2011/10/27(木) 17:35:31.30 ID:SZYZceH20
>712

あれ超難しい。全部は聞き取れんかった・・・
714名称未設定:2011/10/28(金) 01:44:13.97 ID:HpyszZ1M0
>>710-711
ありがとうございます!続きも気が向いたらお願いします!
715名称未設定:2011/11/20(日) 21:58:17.40 ID:RbAD19xP0
優良スレ保守
716名称未設定:2011/12/07(水) 22:04:50.44 ID:ev7tyOQ/0
英語読めないので保守
717名称未設定:2011/12/23(金) 06:38:34.39 ID:GQmTEZOT0
718名称未設定:2012/02/10(金) 17:20:19.52 ID:W6ekFHmJ0
?
719名称未設定:2012/02/25(土) 18:48:13.58 ID:7bvWtX8E0
別人だけど>>711の続き。間違ってるところは多いと思われるので突っ込んでくれたほうが有り難いです。


その頃Appleは今とは全然別の場所でした、当時の私の雇用主、コンパックは
世界で最大のコンピュータ企業でした。コンパックはAppleよりもはるかに良いだけではなく
本社がテキサスにあり、そのためオーバーンフットボールに近かったのです。
損失と利益を純粋に合理的に考えればコンパックにいるほうが良いのです、私を知る人たちも
コンパックに居たほうがいいと最善のアドバイスをしてくれました。私が相談したあるCEOは
それについて強い考えをもちコンパックを去ってAppleに行くのは愚かだと伝えてくれました。

Appleに行く決定をすることについて、私はエンジニアとしての訓練の先を考えなければ
なりませんでした。エンジニアというものは感情的にならずに分析的に多くを決定するものだと
教えられます。選択肢の中で決定をする場合には損失と利益を列挙し、どちらが良いかを決めるのです。
しかし我々の人生の中では損失と利益を注意深く考慮して決定をしても正しく思えないことは
多くあります。本能や直観に頼ることがもっと正しいとだけ思えるときーまさしく独特な手順が
正しいことだと感じるときが人生の全ての部分で何度もあるのです。そして興味深いことに、
正しいことを行うには直観は絶対に無視できないものだと人生の最も重要な決断に直面して
それを悟ったのです。
720名称未設定:2012/02/25(土) 18:56:25.31 ID:7bvWtX8E0
重大な決断を直観に任せることで、結果的に成功した人間と似たような人生のプランを進めていくという
考えには見切りをつけなければなりません。直観とはその瞬間に起こるものです、そしてもし
それに心を開けば。もしそれを聞けば貴方にとって最善の形で貴方を導いたり新しいものに向かえる
可能性があるのです。1998年前半のある日私は直観を聞きました、左脳からでもありませんし、更に言うなら
私をよく知っている人からでもありません。何故私が聞こえたのかは理解するのは難しいのです、今でも
理解しているのか分かってさえいません。ですがスティーブとの最初のインタビューの高々5分で
警告も理屈も忘れ思い切ったことをしたくなったのです、そしてAppleに入社しました。
私の直観は既に理解していました、Appleに入社することは創造的な天才の為に働き、偉大なアメリカの
企業を生き返らせることが可能な経営チームになれる一度きりの機会だったことを。もし私の直観が
左脳との苦闘に負けていれば、私は今どこにいたのかわかりません、ですが貴方がたの前に
立っていないことは確かでしょう。

これは驚くべき教訓でした。私の人生がどこに通じるのか、私は卒業においてどれほど
よくわかってなかったかを思い出します。人生のガイドとして25年分の計画が本当に欲しいと思った
自分の一部がそこにはいました。ビジネススクールに通ったときに、25年分の計画を行うため
練習さえしていたのです。この卒業の挨拶の準備をすることで、22歳の頃の自分を見つけました。
これを書いていた黄色い紙の価値も無かったと言えます。若いMBAの学生としてその頃には
それを理解してなかったのです、しかし人生というものはあなたにカーブボールを投げてくる事も多いのです。
誤解しないでください、将来について計画することは良いことです、しかしもし貴方がたが
私に似ていて、時にフェンスまで飛ぶよう全力でスイングしたいのであれば、予測可能な人生を
当てにすることは出来ないのです。しかしもし計画することが出来なくても準備は出来るのです。
偉大なバッターでも高いすっぽ抜けのカーブがいつ来るかはわかりません、ですが来ることは
知っているのです。それが来る時に行うことのために準備はできるのです。
721名称未設定:2012/02/25(土) 19:02:09.78 ID:7bvWtX8E0
直観というものはよく幸運や信頼に依存するものと同じだと考える人はかなり多いものです。少なくとも
私が知る限りではこれほど真実から遠いものはありません。直観とはあなたに開いているドア、歩むべき
ドアを伝えることが出来るのです、しかし直観はドアの反対側にあるものへの準備はさせてくれません。
このような話で、私がいつも共感する引用の1つにエイブラハム・リンカーンのものがあります。彼は
こう言いました、"準備をしていけば、チャンスは必ずやってくる。" 私はこれを常に信じてします。
それが工業エンジニアリングを学ぶために私がオーバーンに入ったこと、オーバーンに参加している時に
交替でクオーターをさせてもらったこと、ビジネスを学ぶためにデューク大学に入ったこと、
あまりに多過ぎて言えない非常に多くの仕事や任務を引き受けさせたのはこの基本的な
信念だったのです。

ビジネスをスポーツとすれば、ゲームの前にほとんどの勝利は決まっているのです。我々は機会の
タイミングをコントロールすることはめったにありません、しかし準備はコントロールすることが
出来るのです。特にこのような経済状況と、思うに貴方がたの多くが感じなければならない心配がある今、
リンカーンの引用は適切であると感じています、私も1982年に卒業した時同じような不安がありました
(そう、私は経歴ではもう時代遅れの人間なのです)。ここにいる多くの親が覚えているでしょうが、当時の経済は
今日の経済とのかなり強い類似点を持っていました。失業率は2桁でしたし、ウォールストリートの
銀行が潰れはしませんでしたが、貯蓄と貸付の危機がありました。私のクラスメイトの多くがしていたように
私も将来がどうなるのか心配だったのです。
722名称未設定:2012/02/25(土) 19:05:26.33 ID:7bvWtX8E0
しかしリンカーンにとっての真実だったものは82年卒業した我々にとっても真実だったのです、そして
今日卒業する貴方がたにとっても真実なのです。準備をしましょう、そうすればチャンスは来ます。
今までの世代がそうしてきたように、貴方はその前の世代の責任の上に立っているのです。私の世代、
そして貴方の親の世代から。そして更なるものを成し遂げ、更に進んでいくのです。あなたと
その両親のためにあるこの偉大なる場所、この偉大なる国、この偉大なる瞬間、ここにあなたがいるという
事実は貴方の準備が始まったという事実の証なのです。オーバーンで貴方が行える準備を続けてください、
そうすれば"これがその時だ"とあなたの本能が貴方に教えてくれるとき疑わずに用意出来るのです。

もし貴方が準備していれば、正しいドアが開いた時はもう一つのものが重要になってきます:
貴方の実行力が貴方の準備に応えられるものなのかを確認しなくてはなりません。
少なくとも私にとってはオーバーンの信条の2番目の文、"私は努力、大変な努力を信用します"は
ここで本当に共感し、覚えている限り私の核となる信条の一つでした。意味合いは単純なものですが
この言葉にはとてつもなく大きな威厳と賢明さがあり、そしてそれらは時の試練に耐えたものなのです。
723名称未設定:2012/02/25(土) 19:14:38.31 ID:7bvWtX8E0
時代が我々に教えてくれたものは、大変な努力もせずに成功を成し遂げようとする人間は結果的に
彼ら自身を欺き、そしてさらに酷いことに他人をも欺いているということです。私は世界で最も
エレガントで驚くような製品を作る、優れた直観的な思想家たちに囲まれるという幸運が
ありました。私たち全員にとって直観が正確な思考や努力の代わりになるわけではありません:
それらは単に導入部なのです。決して近道を通れないのです。私たちは全ての細部に注意を
払っています。好奇心が向かうところに行き、その旅路は長いかもしれませんがそれが結果有益で
あることもわかっているのです。リスクは時に失敗を引き起こしますがそれを知った上でリスクを取ります。
失敗の可能性無くして成功の可能性は無いのです。私はアルバート・アインシュタインの言葉を
思い出します: "狂気とは同じことを何度も繰り返し行いながら、違う結果を期待することである。"
まとめれば、私はこう理解しています: 直観は貴方が行う実質全てのことの中で
重大なものです、しかし骨の折れる準備や実行力が無いのであれば、それは無意味なのです。

今まで述べたように、それらは直観、準備および大変な努力の重大さにおける私の発見です。
私には、それらが貴方の人生の中で最も重要な決断のための単純な原則を生み出します: 直観を
信じましょう、そしてそれが正しいと証明しなくてはならないもの全てにおいて努力をしましょう。
724名称未設定:2012/02/25(土) 19:18:03.35 ID:7bvWtX8E0
論理に任せればおそらくここで私の意見を終わらせるように指図してくるでしょう、しかし私は何度も
論理が支配するべきではないと言っていた通りです、そして最後に貴方がたと共有するべきもう一つ
簡単な発見があります。失敗を参考にすることなく成功について話すのは誤解を生むものだと
私は考えています。人生の中で苦難や挫折、後悔を経験することなく著しい成功を収めた人を
私は知りません。過去にあった何かが将来素晴らしい仕事をすることを妨げていると思うのは
止めてください。自分自身を疑う全ての人へ、私もかつてはそうでした、ですが今日偉大な決断について
話していた時代を過ごすことで、私はそこから離れられたのです。貴方がた大勢のように、私も
人生の個人的な挑戦と失敗を多く経験してきました。しかし私の旅路で多くの歩んできた後に
気付いたのは、人生の困難な時期は過ぎていくものだというものです、そして過ぎ去った後は
我々はより強くなり、より賢明になっていくのです。よく言われる言葉があります、"これもまた
過ぎ行く"、これは私にとって真実だと分かりました、そしてそれを信じている人なら誰にでも
該当するものだと確信しています。

人生の中で向かう場所の壮大なビジョンを心に描いてください。準備し、信頼し、直観においてそれを
実行すればいいのです。人生の深い穴によって取り乱さないでください。おめでとうございます、
2010年度生、貴方がたにとって大切な日です。大切な瞬間です。貴方がたは一級の直観から
一級の教育を受けたのです。貴方がたをサポートした家族や友人にもおめでとうございます。
そして大切なこの日と同じようにオーバーンのスピリットを何週間も何ヶ月間も何年も先に携えて
行くことを確認してください。遠く離れた目標の中ではなく旅路の中に喜びを見いだしてください。
どこに向かうかは関係なく貴方自身の旅が今この瞬間から進んでいくのです、
本日このような端役を任せていただきありがとうございました。

終わり。
725名称未設定:2012/02/25(土) 19:40:34.19 ID:nzOpD58W0
>>724
(´・ω・`)b GJ!
726名称未設定:2012/02/25(土) 20:04:37.72 ID:7bvWtX8E0
Mastered for iTunes: iPod世代のためにオーディオエンジニアはどう音楽を調整するか
http://arstechnica.com/apple/news/2012/02/mastered-for-itunes-how-audio-engineers-tweak-tunes-for-the-ipod-age.ars/

物理ディスクを売らずにAppleは音楽販売においてトップになったこの時代、
オーディオエンジニアは圧縮によって音質が劣化しないよう特別に曲をマスタリングすることが
多くなってきた。オーディオマニアは一般的に圧縮音源に対価を払うことを嘲笑し、ビニール盤や
DVDオーディオのようなハイエンドなデジタルフォーマットを好むが、マスタリングエンジニアは
iTunesのアルゴリズムを通して音響の劣化を最小限にしてデジタルマスター版を作るよう
最善を尽くしている。

圧縮音源ファイルの音が改善する作業が行われてることを強調するため、Appleは近頃
iTunes Store内に"Mastered for iTunes"セクションを立ち上げた。iTunes Storeに
マスターファイルを送る際に用意されたエンジニア用の従うべき推奨ツールのセットも提供している。
"Mastered for iTunes"ラベルの資格を得るため、ファイルは出来る限り最高の解像度で送信、
リマスタリングしたコンテンツはオリジナルよりもかなり良好な音であるべきだとAppleは語っている。

これはどういう作業なのだろうか? ArsTechnicaではMasterdiskのチーフエンジニア、
Andy VanDetteと話をした、彼は最近Rushの過去の大量のカタログをリマスタリングするという
プロジェクトを終えた。作業の一部としてVanDetteは特にiTunes Storeにアップロードするために
それぞれの曲のスペシャルバージョンを作った。ピカピカのCDリマスター版に出来る限り近く
iTunesの曲を作ろうとし、かなり長い試行錯誤の作業だったと彼は言う。
727名称未設定:2012/02/25(土) 20:05:25.46 ID:7bvWtX8E0
圧縮音源の状況

iTunesから購入される全ての曲はAdvanced Audio Coding(AAC)と呼ばれる"非可逆"圧縮の
アルゴリズムを使用して圧縮されている。非可逆圧縮のアルゴリズムはとても小さいファイルサイズに
なることと引き換えに、デジタルファイルに含まれる一部情報が捨てられる。AAC(やMP3)のような
フォーマットはオリジナルの、非圧縮ファイルに忠実にあるべくどの情報が捨てられるのかについて
知性的であろうとする。平均的な聞き手には気付かせないよう周波数や高調波を省くことでこれを
しているのだ。

(JPEG画像フォーマットも写真で同じことを試みている、平均的な見る側は気付かないように
細かいところや色を省いている。高圧縮率で保存されている場合JPEGが時にボコボコに見える理由が
これだ。)

数多くの音楽業界の権威、例えばJimmy Iovine(Interscope-Geffen-A&Mのトップ)やDr. Dre、
最近ではNeil Youngなどが多くの音楽が圧縮音源で再生されていることに嘆いている、アーティストが
作ろうとした曲から"劣化"しているからだ。

"我々はデジタル世代に生きている、残念なことに我々の音楽が退化している、改善されていない"、
Youngは1月のD: Dive Into Media カンファレンスの場でそう語っている。
728名称未設定:2012/02/25(土) 20:06:27.54 ID:7bvWtX8E0
Youngと彼の支持者は非圧縮、高品質なオーディオフォーマットを業界全体の標準にしようと
試みている。ここ10年を通し音楽は普通96kHz、24bitのサンプリングで録音されており、
コンピュータの処理能力の向上やハードディスクの容量も最近ではさらに高くなっている、
24bit、192kHzのデジタルレコーディングも可能なのだ。

とはいえ標準のCDフォーマットでさえかなり低い解像度になっている、たった16bit 44.1kHzだ。
24bit、192kHzのデジタルオーディオに比べ、 完成されたCDはレコーディング作業で録音される
情報の大体15%しか保持していない。CDに入っている曲を256kbps AACの"iTunes Plus"フォーマットに
圧縮すればCDオーディオの1/5のサイズにデータがカットされる、つまり元の192kHz録音での3%だ。

"我々はAppleや他のデジタルダウンロードサービスと24bitに変えるよう作業しているところだ"、
Iovineは言う。Youngもまたモバイルデバイスまでも24bit音源を標準にするためAppleと
作業していることを認めた、だが彼はスティーブジョブズークラシックロック好きで有名だがーが
去年10月に亡くなってから進行していないことも示唆している。
729名称未設定:2012/02/25(土) 20:08:18.42 ID:7bvWtX8E0
VanDetteはオーディオエンジニアとして、ハードウェアとストレージの容量によってある日
非圧縮で24bit音源が実践的な標準になるだろうと望みを持っている。例えばデジタル音楽サービス、
HDtracksは既に最大192kHzまでの様々なサンプリングレートでの24bit音源ファイルのカタログを
提供している。しかしそのようなオーディオマニア向けのクオリティは、その高いクオリティのファイルに
入っている繊細なニュアンスを再生できるだけの高いステレオ装置を持っている人間でしか得るものは
ない。

"私はHDtracksのカタログが増えていることに励まされているよ、だけどアルバムコレクション全体を
ポケットの中に入れられるのもクールなことだ"、VanDetteは語る。iPhoneやiPodが最も共通の再生装置で
ありiTunes Storeは音楽の一番の出所である以上、事実上圧縮音源は当分の間普及しているものになるだろう。
730名称未設定:2012/02/25(土) 20:09:49.31 ID:7bvWtX8E0
長いものには巻かれろ

厳しい戦いをしたいだろうか? ならば多くの消費者相手にニッチなオーディオマニア向けのフォーマットを
利用させて、設備もアップグレードさせようと頑張ってみるといい。オーディオエンジニアはそうはしなかった、
iTunes Store向けに曲をマスタリングすることにしたのだ。

他の物理フォーマット向けのアルバムを準備するべく似たようなマスタリング処理は既に行った。
上でも書いた通り、レコーディングは基本的にデジタルの24bit、96kHzのフォーマットでされている。
だけどCDでリリースすれば16bit 44.1kHzのクオリティだ、元のソースから変換が必要になる。
エンジニアはイコライゼーション、レベル、圧縮、ノイズフィルタ、その他のパラメータを
元の素材の多くをそれらの限界に詰め込むために調整する。

(さっきの写真の例で言うなら、デジタル一眼から14bitのRAWファイルを標準の8bit TIFFファイルに
変換するのと似たような処理だ。)

またレコーディングは様々なビット深度とサンプリングレートで行われる。時に今でもヴィンテージの
アナログ機器を使って行われることもある(最近のグラミー賞でのThe Foo Fightersとかだ)。
今でもアナログはビニール盤で出されているし、一部にはハイエンドのデジタルフォーマット、
スーパーオーディオCD(SACD)やDVDオーディオ(DVD-A)などで買えるものもある。
マスタリングエンジニアは提供された元の素材ーアナログやデジタルーが何であれそれを使用し、
各フォーマット固有の強みや制限を考慮に入れて各リリースのフォーマットに最適化するのだ。
731名称未設定:2012/02/25(土) 20:14:01.58 ID:7bvWtX8E0
VanDetteは、最後の出力フォーマットと同じように元のレコーディングされた世代によっても
どうマスタリングが変わるかを説明する。Rushのアルバムの多くのマスター録音はビニール盤絶頂の
ものだと彼は言う。"当時なら出来る限りの最高のものを表に出さないようにするだろう、
エンドユーザのレコードの針は良いものではないのを知ってるからね"。

"今の多くの聞き手はビニール盤のひどいところが好きだって話す、だけどビニール盤が
全盛だったころを思い出せば、それが最高のものだったんだ"、VanDetteは言う。"'もし雑音が
無いクリアな最高のものだけがあれば'って僕らは考えた"と彼は言う、それは無駄なノイズを
生む性能が低いレコードプレーヤの趨勢に注意を払うことになる。"当時はひどいものは敵だった。
[ビニール盤の]溝を広くさせたり、ディスクの全体的なレベルを低下していくことを僕らに強いるんだ。"

CD用にマスタリングする場合ビニール盤における制限は問題ではない、そのためミックスの残りの部分を
破壊することなく低周波分と同じように全体のレベルを上げることが出来る。"古いRushのアルバムを
リマスタリングするとき、出来る限り多くの低周波分を足した、Neilのスネアの古い"ピン"って音が
くもらないよう、Geddyのボーカルが乱れないよう、Alexのギターが薄くならないよう、常に
心得てね"と彼は言う。

"これらは35年後でもかなり上手くバランスがとれたミックスだ"、VanDetteは言う。
"このクラシックなアルバムを聞き手が今も全編聴いたか確かめたいんだ、うるさ過ぎず、
鳴り過ぎず、現代っぽくなく、ね。"
732名称未設定:2012/02/25(土) 20:15:16.42 ID:7bvWtX8E0
Mastered for iTunes

iTunes Storeから購入できるiTunes Plusの曲はCDと同様16bit 44.1kHzのものを使っている、
そのため普通はCD製作で作られた同じマスターファイルをiTunesにアップロードされる圧縮ファイルを
生成するためにも使用している。しかしながら多くの聞き手は意識的には気付かないかもしれないが、
圧縮の処理によって、聴くという経験を劣化させてしまうような音を除去するか歪ませてしまう。

"Mastered for iTunesはまた別のチャレンジだ"とVanDetteは語る。"避けられないことだ、データの
80パーセントを捨ててしまえば、音は変わる。AACファイルの音源を出来る限りCDに近くする、
それが私の探求だった; CDよりうるさくなったり騙すようなものになったり鳴りすぎたりするような
ものにはなってほしくなかった。"

iTunesの曲は明らかに平均的なヘッドフォンやコンピュータのスピーカで再生されることが多いため、
一部のプロデューサーはうるさい音を作り上げるために低音の周波数を上げる傾向がある。しかし
VanDetteはそれをすることが正解ではないと言う。1つに、再生されるのは常に平均以下の環境である
保証はない。"最近ではiPodに繋げる適正な低音域のレスポンスがあるシステムもあるし、サブウーハーが
あるコンピュータスピーカもある"と彼は言う。"ヘッドフォンとかラップトップ用に低周波を足すことに
熱心な、ある有名なプロデューサーのためにアルバムをマスタリングしたんだけど。結果は車の中じゃ
聴けないようなものになってたよ。"
733名称未設定:2012/02/25(土) 20:17:24.06 ID:7bvWtX8E0
Chicago Mastering ServiceのJason Wardも、特定の環境用にマスターを作ろうとすることは
悪いアイデアだと同意している。"ここ最近の多くのヒット曲はどんなシステム上でも自分の耳には
少しの疲れを感じるし、理想からは遠いね"とWardは言う。"問題となるエンジニアのスキルよりも
音を良くするために考えるものがもっとあるんだろうけど。"

"出来るだけふさわしい再生環境を広範囲にするために物事を実現可能なレベルで良いものにしようと
しているんだ"とWardは言う。"ただ品質の悪い再生システムでもっと楽しませようとすることで、
良い再生システムを持った聞き手が不利になるような決定をしてしまうことは、唯一本当の悲劇だろうね。"

RushのアルバムのためにiTunes用のマスターを作ることは、ただ低音を上げるのではなくもっと
繊細なアプローチが必要だ。" Rushのアルバムのデリケートなミックスのバランスはボトムを"ちょっと
押す"ぐらいの事だと言える、普通に上げるんじゃなくてね"とVanDetteは説明する。"iTunesの
マスタリングのために、僕はiTunes AACアルゴリズムによって出来る損失を埋め合わせることに
集中した。大体レベル、低音、高音、パンチ、像に変化を感じた。"
734名称未設定:2012/02/25(土) 20:18:43.58 ID:7bvWtX8E0
しかし全てのアルバム、全ての曲でさえ同じように扱えるわけではない。"ライブアルバムだと
中心の像は低めなんだ、ミックスではGeddyのボーカルがローすぎてしまう"とVanDetteは言う。
"アルバム全体が一つの同じセッティングを使えるなんて稀なことだった。"

問題は? AACのアルゴリズムは"かなり癖がある"。曲を圧縮せず注意深く聴いて、非圧縮のマスターと
比べる以外に音がどう変わったかを予想する方法はない。Masterdiskの別のエンジニア、Vlado Mellerは
iTunes用のマスタリングは"真っ暗闇でベントレーを磨いているようなもの、その後間違った場所を
確認するためにライトを付けるんだ"と説明する。

"アルゴリズムがやっていることを聴くのに役立つ正確なリアルタイムツールは無い"とVanDetteは言う。
"CDに匹敵するものを得るまでは3回4回5回だってトラックを変更することは珍しくないんだ"
735名称未設定:2012/02/25(土) 20:20:58.02 ID:7bvWtX8E0
Appleはどう圧縮と闘うか

Appleは2通りの方法でiTunes Storeの曲の圧縮ファイルが良くなるよう作業している。1つめは、
エンジニアが最高のマスターを作れる手助けができるようガイドラインとツールを開発した。
非圧縮オーディオからiTunes Plusフォーマットへ変えるために使用される変換プロセスは
Appleによれば特別なものだと言う、高解像度のオーディオを32bitの浮動小数値を使って
44.1kHzへダウンサンプリング、その後直接AACにコンバートされる。この処理によって
ダウンサンプリングでよく発生するノイズとディザリングを大きく減らせる、そのためエンジニアは
直接24bit 96kHzファイルを直接使用することが出来るのだ。

高解像度なオーディオファイルを使用することは将来においてもっと重要なものになるとAppleは
考えている。"技術が進み、ネットワーク帯域、ストレージ、バッテリー寿命やプロセッサの能力が
上がることによって、我々のシステムで高いクオリティのマスターが使用可能になり貴方の曲が
将来の改善で十分活用可能になるでしょう"とAppleのiTunesのマスタリングのガイドでこう書いている。
"これらのマスターは、特にポストPCデバイスでのクラウドに移ることを考えれば重要なものになります。"

AppleはさらにAAC変換処理がどう聞こえるのか審査するエンジニアを助ける基本的なツールも提供する。
これらのツールはあらゆるWAVかAIFファイルを256kbpsのiTunes Plus AACファイルにAppleが
行っているように正確に変換する。VanDetteが好むようなリアルタイムでは動かないが、変換プロセスは
多少自動化している。またDAWソフトウェアでエンコードされたファイルとオリジナルとを比較するための
Audio Unitプラグインも提供している。
736名称未設定:2012/02/25(土) 21:14:04.38 ID:7bvWtX8E0
AppleがiTunes Store内に"Mastered for iTunes"のための単独の場所を用意する

そしてAppleはiTunes Plusフォーマット用に特別にマスタリング、リマスタリングされたコンテンツに
リンクする特別なページを作った。ユーザが探せるような簡単に識別しやすいバッジがあるわけではないが、
iTunes用に特別にマスタリングされた一部のアルバム(レコードレーベルによってアップロードされる時に
それが認識される)は説明の最初に小さい推薦文がある。"このアルバムはiTunes用にマスタリングされました。"

とりあえずiTunes用マスタリングの動向はさらにありふれたものになるだろう。火曜日に
ユニバーサルミュージックグループはU2、Bon Jovi、John Coltrane、その他のカタログと
同様、aul McCartneyとMadonnaの新しいアルバムが"Mastered for iTunes"であることを
発表した。iTunes StoreではLana Del Ray、The Decemberists、Jane's Addiction、Wilco、
Taylor Swiftの最新のアルバムが"Mastered for iTunes"として出ている。Beck、Nirvana、
Diana Krall、Herbie Hancockのリマスターアルバムもそこにあり、Pink Floydの全カタログも
そうなっている。
737名称未設定:2012/02/25(土) 21:14:42.01 ID:7bvWtX8E0
メジャーレーベルのアーティストはiTunes用のマスタリングをしたアルバムに取りかかっているものの
インディーのアーティストは未だそこに飛び込んではいない、多くの理由がコストの問題だ。
"僕らのスタジオだとiTunes用のマスタリングを頼まれることなんてないよ"とChicago Masteringの
Bob Westonは言う。"CDやLPのものと変わらないようなAACエンコードされたマスターサウンドを
作る可能性があるのは分かってる、だけど多くのクライアントにとってはおそらくそのことに金を
掛けたくないような時間の掛かる作業だろう。"

Rushのカタログのマスタリング作業は終了した、そしてVanDetteは新しいリマスターがiTunesで
購入可能になる前のレコードレーベルの最後の承認を待っているところだ。(現在購入可能な
ものは1997年にリマスタリングされたものから変換している。) 最後に、彼は時が進むに連れ
iTunes用のマスタリングのリクエストがもっと増えると考えている。

"近い将来にCDが無くなることが考えられる以上、一番有名な消費者向けのフォーマットに
向けたマスタリングはもっと普通のことになっていくと思ってる"とVanDetteは言う。"もし
AppleがーiTunes Producerで使用される同じアルゴリズムでのーもっと簡単なツールを
リリースすれば、もっと早く進むだろうね。"

終わり。勝手に訳しましたがダメなところは突っ込んでください。
738名称未設定:2012/02/25(土) 21:28:57.81 ID:nzOpD58W0
>>737
(´・ω・`)b GJ!
739名称未設定:2012/02/27(月) 10:32:39.28 ID:9SaMqZfg0

>>732の「低音の周波数を上げる」は不正確だと思う
原文だと boost bass frequencies で、
これはいわゆるバスブースト、
つまり「低音域の音量を上げる」という意味のはず
740名称未設定:2012/02/27(月) 23:02:55.86 ID:zww9Q2W00
>>724
>>737
まだ読んでないけど乙です!
明日通勤中にでもゆっくり読みます。
741名称未設定:2012/05/24(木) 12:53:07.30 ID:/oB9PVTx0
次期iPhoneが4インチディスプレイを採用するという噂についての考察
http://daringfireball.net/2012/05/bigger_display_iphone_thing_wwdc

今あるアプリも縦方向のサイズ変更にはある程度対応している
(ボイスメモで録音しながらTwitterアプリとか起動すると分かる)

もし本当に4インチになるなら
iOS6で縦サイズが重要になる機能が追加されるのではないか
通知機能強化とか

増えた領域をタスクスイッチ用にするのではないかという意見が多いが
そんなことはありえないだろう

---
長いのでものすごくはしょってるが、特に興味深いとこだけ意訳してみた
742名称未設定:2012/05/25(金) 20:56:33.01 ID:KQFwNiZI0
とはいえ画面伸ばす余地なんてもう殆どないし…ホームボタン半円形にでもするのかなぁ
743名称未設定:2012/05/25(金) 23:43:08.62 ID:hRTLN9z40
Macと同じように、Dockとタスク切り替えは統合しちゃっていいと思う
744名称未設定:2012/05/25(金) 23:53:49.87 ID:LRKAUGtW0
そんな単なる思いつきのバッドアイデアはだめだと思う
745名称未設定:2012/05/26(土) 11:14:11.25 ID:EVwf1P2A0
>>742
ヒント、MacBookProのトラックパッドでのクリック
746名称未設定:2012/05/27(日) 23:53:45.26 ID:R8A1G6kC0
ポケットにしまうようなもので面スイッチなんて実装したらとんでもないことになるな
747名称未設定:2012/05/28(月) 08:55:47.08 ID:lSZkMt0+0
>>742
ちょっと計算してみたら、横幅変えずに4インチにするには
縦を14mm伸ばさなきゃならないが
他のパーツを変更しなくてもギリギリ収まるかも
見栄えがいいかどうかは別な話だが
748名称未設定:2012/05/30(水) 22:52:43.34 ID:bBq1J+wq0
本日のティム・クックのAll Things D出演内容
面白そうなとこだけでもお願いします

Liveblog: Tim Cook's Interview at D10 Conference - Mac Rumors
http://www.macrumors.com/2012/05/29/liveblog-tim-cooks-interview-at-d10-conference/
Tim Cook at D10: "We're going to double down on secrecy on products." - Mac Rumors
http://www.macrumors.com/2012/05/29/tim-cook-at-d10-were-going-to-double-down-on-secrecy-on-products/
Tim Cook at D10: Dodges Questions about TV, Is an Area of "Intense Interest" - Mac Rumors
http://www.macrumors.com/2012/05/29/tim-cook-at-d10-dodges-questions-about-tv-area-of-intense-interest/
Tim Cook at D10: Hints at Facebook Integration, and Siri Improvements - Mac Rumors
http://www.macrumors.com/2012/05/29/tim-cook-at-d10-hints-at-facebook-integration-and-siri-improvements/
749名称未設定:2012/06/18(月) 14:06:05.85 ID:q2c6UlGa0
http://www.pcworld.com/article/257713/review_macbook_pro_with_retina_display_redefines_the_concept_of_a_pro_laptop.html
MacworldによるMacBook Pro with Retina Displayのレビューのうち
他ではまだあまり検証されてない発熱とバッテリーの部分だけ訳してみた。
元記事には各種ベンチのグラフも載ってる。

・熱と騒音
厳密なテストができる環境はないので、以下は私の主観である。
Retina MacBook Proを膝の上に載せてDiablo IIIのインストーラを動かしてみたところ、温かくはなったが不快になるほどではなかった。
熱源は底面の中央あたりで、熱はそこからあまり拡散せず、冷却ファンもあまり動かなかった。

インストール後にDiablo IIIを起動し、解像度を2880x1800に設定してプレイした。
プレイ中、冷却ファンは動作がはっきり分かるくらい音を立てていた。
そして底面の奥側、つまりキーボードの真下でGPUとCPUが内蔵されている部分がすぐに熱くなった。
あまりに熱かったので膝の上には置いておけず、机の上に移動することになった。

次にYouTubeやiTunesで1080pや720pの動画をストリーミング再生してみた。
Diablo IIIのインストール時よりは温かくなったが、膝上に載せていられないほどではなかったし、冷却ファンもあまり動かなかった。
動画の再生はスムーズで問題なかった。

最後に、HandBrakeでiPhone用に動画をエンコードしてみた。
エンコードは5分ほどで完了したが、冷却ファンはその間まるで動かず、底面も熱を持たなかった。
750名称未設定:2012/06/18(月) 14:07:16.16 ID:q2c6UlGa0
・バッテリー
Retinaディスプレイは電力を大量に消費する。
通常の15インチMacBook Proが77.5Whのバッテリーを搭載しているのに対して、Retinaモデルは95Whであり大容量になっている。
しかしAppleによると、どちらのMacBook Proも「ワイヤレスインターネットテスト」で7時間駆動だとされている。

Macworldではより厳密に、QuickTime Proをフルスクリーンにし、バッテリーがなくなるまで動画を再生し続けるという手法でテストした。
このテストではウェブブラウズなどの一般的な使い方よりバッテリーを早く消費する。

(訳注:原文ではここに持続時間のグラフ)

Retinaモデルはどちらも5時間ほどでバッテリー切れになった。
バッテリー容量の差にも関わらず、Retinaでないモデルの方が10分以上長持ちしている。
そしてそれよりさらに、2011年モデルのほうがかなり長くバッテリーが持つという結果になった。
751名称未設定:2012/06/18(月) 14:11:49.66 ID:q2c6UlGa0
以上。
Retinaでないモデルまで駆動時間が減ってるのが不思議だが、
GPUの差かな?
752名称未設定:2012/06/18(月) 17:50:15.22 ID:fApQq/7+0
Ivyってあまり効率よく無いのかな
暫くSandyで様子見しよ
753名称未設定:2012/06/28(木) 19:04:15.68 ID:90J6BtJH0
てす
754名称未設定:2012/06/28(木) 19:10:45.99 ID:jnl8KCnP0
高解像度でIPSパネルだからってのも関係してるんでない
755名称未設定:2012/07/05(木) 06:42:02.35 ID:argRuJwO0
あげ
756名称未設定:2012/08/27(月) 20:44:58.80 ID:AwPrQlIY0
あたしの趣味は映画鑑賞で、 ё型の女性には珍しいと思うけれど、 自分の力で何かを作り上げたい性格には合ってるんじゃないかな。 最近は財務にも興味があります。 いつも大事にしている言葉は『考えるより、感じろ』です。
あたしの趣味は映画鑑賞で、 ё型の女性には珍しいと思うけれど、 自分の力で何かを作り上げたい性格には合ってるんじゃないかな。 最近は財務にも興味があります。 いつも大事にしている言葉は『考えるより、感じろ』です。
757名称未設定:2012/08/28(火) 00:02:17.77 ID:AwPrQlIY0
以上、夜露死苦!
何か良い解決策はないでしょうか?
758名称未設定:2012/08/28(火) 22:36:20.26 ID:I9kanoDW0
>>756-757
ここはお前さんの詰まらんネタの翻訳代行スレではありませんので
そこんとこ夜露死苦
759名称未設定:2012/08/28(火) 22:51:00.23 ID:uckkJyA/0
>>758
ID:AwPrQlIY0は最近無差別爆撃をしている荒らしさんなので、マジレス無用
760名称未設定:2012/08/28(火) 23:12:12.39 ID:ehdmB7Yq0
【自治】忍法帖 導入論議スレ
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/mac/1345969719/
761名称未設定:2012/08/29(水) 16:13:47.03 ID:XKk/po/B0
ワタシは、1946年生まれで、星座は小犬(こいぬ)座、 血液型はBB型、はっきり言って貧乏です。 趣味は宝石集め、最近興味があるのはセントラル・ドグマです。
先ずは、こんなとこだ。
762名称未設定:2012/08/30(木) 20:21:37.88 ID:8dHBWdiw0
α型らしく単純作業をコツコツやるのが好きな性格だけど、 実は『人事を尽くして天命を待つ』って言葉が好きだ。 今は家畜人工受精士をやってるけど、 単純作業をコツコツやるのが好きなオレ様に合ってると思う。
実は筑紫哲也の影響を受けて始めました。
763名称未設定:2012/09/06(木) 22:37:50.79 ID:qIUcf0by0
それから、ラッピング以外でも、 最近は母校の近くの定食屋に行って まったりともみじ狩りするのにも凝ってます。 ちなみに、好きな食べ物は豚の角煮、嫌いな食べ物はピクルスです。 尊敬する人はシュバイツァーで、趣味のラッピングも
きっとあなたを幸せにしますよ!
764名称未設定:2012/09/10(月) 18:37:09.18 ID:+KQf2pIi0
自分ではAA型に似合わず孤独をこよなく愛する性格だと思います。 座右の銘は『どんなにつらくても、命まではとられない』です。 今はインテリアコーディネーターをやっていますが、 孤独をこよなく愛するわたくしにピッタリだと思っています。
あと、趣味の紙相撲以外でも、 最近は母校の近くの定食屋に行って激しく離婚するのも好きだな。 ちなみに、好きな食べ物は親子丼、でも、カレー茶漬けは苦手。 尊敬する人は宅八郎で、趣味の紙相撲も、 実は宅八郎の影響で始めたんだ。
765名称未設定:2012/09/13(木) 11:43:54.43 ID:DvhBKjDq0
実は筑紫哲也の影響を受けて始めました。
やっていますが、 頭を使うのが好きなわたくしにピッタリだと思っています。
766名称未設定:2012/09/13(木) 17:13:55.19 ID:DvhBKjDq0
それから、アクアテラリウム以外でも、 最近は日本武道館に行って 大胆に号泣するのにも凝ってます。 ちなみに、好きな食べ物はフグ刺、嫌いな食べ物は塩ラーメンです。 尊敬する人は小林よしのりで、趣味のアクアテラリウムも
それから、紙相撲以外でも、 最近は女子大のキャンパスに行って繊細に誤爆するのにも凝っています。 かた焼きソバは大好きですが、牛鍋は苦手です。 尊敬する人はGacktで、趣味の紙相撲も、 実はGacktの影響を受けて始めたんです。
767名称未設定:2012/10/17(水) 00:31:24.34 ID:VKPyiJTZ0
スティーブ・ジョブズ氏が1983年に行った講演の全録音が公開--驚くべき先見性 - CNET Japan
http://japan.cnet.com/sp/businesslife/35023039/?google_editors_picks=true
768名称未設定:2013/04/02(火) 14:57:55.71 ID:u3g2sgsJ0
マックは使いにくいから結構
769名称未設定:2013/04/02(火) 16:32:44.56 ID:eart2m/a0
770名称未設定:2013/04/02(火) 17:21:13.53 ID:DIIqYqKA0
新学期が始まるから中学生の荒らしもそろそろ終わりかな
771名称未設定:2013/04/16(火) 01:04:30.34 ID:7XqA838J0
Macってビデオカメラとの相性最悪なのか...

http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000305712/SortID=13817942/
772名称未設定:2013/04/16(火) 12:11:35.59 ID:7XqA838J0
iPhone板にMac勧誘スレ立てるな馬鹿

■■■ ハ ー ド ウ ェ ア 殺 し の 現 実 ■■■
皆さんはハードウェアの最適化についてご存知でしょうか?
各社ハードは基本的にWindowsでの動作を前提に設計されています。
GPU等もWindowsのDirectX向けの仕様がメインストリームです。
MacintoshはDOSV機と同じハードを流用していますが、
MacOS上ではそれらの素晴らしい機能達は死んだまま。
QSVは2年遅れて実装されましたが全く使い物にならない状態です。
Windowsであれば最新ハードのフル機能を引き出せますが、
Macでは一部非対応のままかろうじて動かしてる状態となります。
シェア差による弊害はハード主機能や性能にまで及ぶのです。
MacはAppleによる独断でマシンスペックが決められているので、
USB3.0は一年半遅れ、未だにブルーレイドライブも搭載がありません。
パソコンを色々な用途で活用しようと思ってる方は、
信者による都合の良いMacintosh勧誘に惑わされず、
これらの事実を知った上で冷静な判断をしてください。
      ハ,,ハ
      ( ゚ω゚ )
     /   ヽ   Macintoshには対応しておりません
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     / |\.\
     し'   ̄
773名称未設定:2013/10/06(日) 20:14:57.42 ID:NZH+3Nee0
そろそろ保守。
774名称未設定:2013/10/09(水) 22:25:13.40 ID:ObA1e+z40
21.5-inch iMac (Late 2013) Review: Iris Pro Driving an Accurate Display
ttp://www.anandtech.com/show/7399/215inch-imac-late-2013-review-iris-pro-driving-an-accurate-display

AnandTechの新型iMacレビューがなかなか面白かったので、スレの活性化ついでに翻訳上げます。
まずは1ページ目全訳から。


最初に告白しておこう。筆者はこの一年間、27inch iMacをメインマシンとしてきた。筆者は常に、もう少し
モバイルに頼らないライフスタイルであれば、最終的に落ち着いているだろうマシンはiMacだと言い続けてきた
(ただし勿論新型Mac Proの発表前のことであるが)。この一年間、筆者は過去最高に、正気でないレベルで
旅ばかりしていた。というわけで、iMacを使い続けたのはモバイル性のなさではなく、Appleの新しい
Fusion Driveを長旅に引っ張り出してテストしてみたいという願望からであった。

ハイパフォーマンス機にハードドライブという、圧倒的にひどいエクスペリエンスを、旅の最初だけ
サンプリングすることで覆い隠すことも普通に可能である。OSのクリーンインストール直後は、
ハードディスクは空に近い状態で、本来のパフォーマンスをフルに発揮できるだろう。Appleの
Fusion Driveは(訳註:使い続けることで起きる)避けられない性能の低下を緩和することを目的として
設計されたのだろうし、使い始めて最初の一ヶ月が経過した時点での筆者の印象派非常に良好であった。
でも、この印象はずっと続くのだろうか?

慎んで報告しよう。その印象は続いたと。本日の告白は実際には2つのパートから成る。一つは
この一年間iMacを使い続けてきたということ、もう一つはメインのストレージとしてハードドライブを
使い続けてきたこと。ま〜さかこんな告白をしようとは夢にも思っていなかったよ。

今年の新型iMacは小幅な進化だった。ディスプレイも解像度も変わらないが、シリコン系が高速化した。
802.11acに対応し、SSDはPCIeに接続されるようになった(これにはFusion Driveも含まれる)。
2013 iMacについては筆者はまず、より高速化したストレージを試してみたかったのだ。そこでまず
筆者の目を引いたのはエントリーモデルだった。Crystalwellと呼ばれるところの小さなシリコンゆえである。
775名称未設定:2013/10/09(水) 22:26:03.45 ID:ObA1e+z40
CPU:HaswellとオプションのCrystalwell

21.5inch iMacのエントリーモデルは最も手の届きやすいMacの一つである。15万円でAppleのノートを
買おうと思ったらデュアルコアになるが、こちらは65W Core i5-4570R、クアッドコアだ。4つのコアが
2.7GHzで動作し、Turbo Boost時には最高で3.2GHzまで速度が上がる。実際のところは、負荷に関係なく
ほとんどいつも3.0GHzで動作しているところを見る。3.1GHzくらいまで冒険するのを見てみたいのだが、
実質ほぼ3GHzで動作するHaswellモデルと考えて良い。

モデル名の末尾のRは特別仕様であることを示す。単にIntelの最速GPU構成(40EU/最高1.15GHz)である
だけでなく、128MBのオンパッケージeDRAMまでも手に入るのだ。これら2つの組み合わせが、新たに
名前を与えられたIntelのIris Pro 5200である。

Intel Iris Pro 5200は15inch MacBook Proでも見てみたいGPUの構成であるが、iMacに載せられた
ということで、いかなるものなのかが伺い知れる。昨年のモデルのiMacでは、AppleはNVIDIAの
ディスクリート型GPUから選んで搭載していた。でも今年のiMacでは、上位機種がすべてNVIDIA Kepler
ディスクリート型GPUを搭載するのに対し、エントリーモデルはIris Pro 5200を搭載している。この分け方は
15inch MacBook Pro Retinaディスプレイでも行ってほしいものである。我々のIris Pro 5200のプレビューでも
示した通り、最速の構成であっても、NVIDIA GeForce GT 650M(これは2012年モデルの15inch r-MBPに
搭載されている)の性能を凌駕するには至っていない。Appleのエンジニアは性能を旧型より低下させることを
殊に好まないから、GPU性能を求める向きにはNVIDIAのディスクリート型GPUを残したが、我々は一体型GPU
としてはIntelでは初めて、真にまともな選択肢を得たのである。
(訳註:従来のIntel HD Graphicsなど、Intelのチップセット一体型はそれ単体ではロクなものではなかった、
ということを暗に示しています。一方でNVIDIAの一体型はGeForce 320Mなど充分な性能のものがありました)
776名称未設定:2013/10/09(水) 22:27:14.23 ID:ObA1e+z40
一方、(訳註:Windowsの)OEM PCメーカーの行き方は全く逆を行っているようだ。彼らはIntel Iris Pro
よりもNVIDIAのローエンドディスクリートGPUを好んで採用している。コストという点では両者はほぼ同等だ
(Intelの方がわずかに有利なようだが)。NVIDIAの方が性能は上だが、Intelは省電力であること、ロジック
ボードに占める面積が明らかに小さい。おそらくIris ProはAppleの期待よりも速度がやや遅かったのではないかと
思うが、Iris ProはAppleがIntelに設計を依頼したことからも、他に転用されるのは屈辱的なことであるとAppleは
考えたのではないだろうか。加えて戦略面でも合点のいくものである。もしAppleがプロセッサ・グラフィック
だけを考えて設計をするようになったとしたら、ロジックボードと省電力設計の見直しを行うことになり、
製品のデザインそのものにも多大な影響を与えていたであろう。それは我々自身もまだ望むところではない
(訳註:昨年全面的にデザイン変更をしたばかりなのに、ということを暗に言っています)。そちらの方向に
進むかどうかは、Intelがどのくらい大胆にグラフィック重視に振れるかにもよる。

先に筆者は128MB eDRAM(コードネーム:Crystalwell)についてちょっとだけ触れた。簡単に言えば、これは
CPU/GPU両方においてL4キャッシュの役割を果たす巨大なオンパッケージメモリである。双方向で50GB/sもの
帯域幅を持ち、アクセス・レイテンシはL3キャッシュとメインメモリへのリクエストの中間くらいである。
777名称未設定:2013/10/09(水) 22:28:24.46 ID:ObA1e+z40
OS XはCrystalwellの存在を認識してはいないようだが、確かにそこにあり機能している(後述のGPU性能
テストの結果を見ればお分かりいただけるだろう)。一部の特定の負荷に関しては大容量のeDRAMの素敵な
恩恵を受けることができる。起動時、OSの主要部分はオンパッケージのキャッシュ上にも展開されると筆者は
見ているが、これはモバイル時のパワーユースにおいて特に大きく影響を受けるところだろう。残念ながら
本レビュー機はハードドライブ搭載機種であり、新型iMacは分解が簡単ではない(言うまでもなく、レビュー機に
そういう行為を行うことに関してAppleはいい顔をしない)ことで、ユーザエクスペリエンスに負の影響を
与えてしまっていた。OS Xはメモリ上にキャッシュする方法に関してはずっと長けており、本レビュー機の
iMacのデフォルトの8GBメモリ構成においてはものすごく役に立っている。メモリ上のデータやアプリに
アクセスするときは、システムは常に非常にキビキビとしていた。ベンチマークは後ほど。

OS X環境下でのIris Proのゲーム以外でのエクスペリエンスは非常に良好であった。OS X 10.8.5のSafariで
グラフィック上の問題(iCloudのタブの長いリストをスクロールする際、コンテンツがちぎれて見えた)こそ
あったものの、それ以外は良好だった。

Intelはいつもそうであるが、タダでは飯を食わせてくれない。128MB eDRAMを載せた代わりにL3キャッシュの
サイズは4MBと小さく、しかも4つのコア(さらにはGPUまで)で共有だ。この代償は実はハイエンドの
Core i7 Rシリーズでも同じであるが、L3キャッシュの容量は6MBといくらかマシだ。コア数とL3キャッシュ
容量の比はどの最近のIntel Coreシリーズプロセッサよりも悪いのだ。128MB eDRAMはこのL3キャッシュ
容量の削減を埋め合わせて余りあるものだが、今後のIntelはこの方向に進むという予兆ではないだろうか、
と筆者は考えてしまう。大容量のeDRAMがバックにいれば、小容量でレイテンシも低いL3キャッシュを
搭載する方向に進むことも理に適っているのではないかと。


2ページ目以降は後日。
778名称未設定:2013/10/10(木) 00:56:20.18 ID:skPWK9/i0
このスレの存在忘れてた
乙です
779名称未設定:2013/10/10(木) 01:13:08.96 ID:8v+zXQPj0
>>777
(´・ω・`)b GJ!
780名称未設定:2013/10/10(木) 21:54:31.68 ID:8MQs6PWx0
昨日の続き。2ページ目いきます。
ttp://www.anandtech.com/show/7399/215inch-imac-late-2013-review-iris-pro-driving-an-accurate-display/2
のグラフを見ながらどうぞ。

CPUの性能

さてこのエントリーモデルのiMacを、我々の通常のOS Xテストスイートに供してみた。筆者はデスクトップ
Macのテスト結果を山ほど持っているわけではないが、昨年のモデルの27inch iMacのものならある。
ここから敷衍して見ていこう。また、比較対象機種がほぼすべてSSD搭載機なのに対して、今回のレビュー機の
21.5inch iMacはHDD搭載機であることをまず念頭に置いて読んでいただきたい。

シングルスレッドのパフォーマンスは13inchのHaswell搭載MacBook Airとほぼ同等だ。考えてみればこれは
ちょっととんでもないことだ。この13inch MacBook AirはオプションのCore i7搭載機で、Turbo Boost時3.3GHz。
対して今回のエントリーモデルのiMacはCore i5を搭載し、Turbo Boost時3.2GHz。一つのコアに割り当てられる
L3キャッシュの容量はどちらも同じ(4MB)。Cinebenchの場合、128MBのL4キャッシュはあまり役に立って
いないようだ。

マルチスレッドのパフォーマンスとなるとMacBook Airより明らかに良くなる。今回のエントリーモデル21.5inch
iMacのパフォーマンスは、図に示す通り、私の古い2011年の15inch MacBook Proと非常によく似たものと
なっている。Core i5-4570RはIPCとTDPがより高いが、デスクトップ向けCore i5ゆえにハイパースレッディング
には対応していない。したがって4コア4スレッドだ。私の古いMacBook ProのCore i7は4コア8スレッドであり、
マルチスレッド化が進んだアプリケーションにおいて各コアの実効リソースをより有効活用できる。これは
Appleには何の責任もないことだが、Intelのラインナップのセグメンテーション戦略の副作用でもあり、
フラストレーションが溜まる話だ。
781名称未設定:2013/10/10(木) 21:55:47.76 ID:8MQs6PWx0
iMovieテストでは、昨年のハイエンド27inch iMacの方が今回のエントリーモデル21.5inch iMacより約50%
高速である。これはTurbo Boost時のクロック周波数の差と、同時に処理できるスレッドの数の差と説明できる。
それと今回のレビュー機はHDD搭載機であり、対するに比較対象はSSD搭載機であるという違いもあるのだが、
このOS X CPUテストスイートではIO性能の影響が最小限で、CPU性能に大きく依存するものである。
(訳註:それゆえHDDとSSDの違いはここでは無視してよい、ということを暗に言っています)

iPhotoのインポートテストも、ここまでのテストとほぼ同じ傾向だ。エントリーモデル21.5inch iMacは充分な
性能を有しているが、パワーユーザーは必ずや、より速いCPUを求めるであろう。

本章で最も興味深い結果を示すのはLightroomのエクスポートテストかもしれない。3.4GHz Core i7と
Core i5-4570R+Crystalwellの性能差はわずか12%しかないのだ。筆者は当初、この差の縮小はCrystalwellが
もたらしたものだと考えていた。だが、1.7GHz 2013 MacBook Airと本iMacとの差は、iPhotoにおける
両者の差とほとんど違わないのだ。そこで筆者は、ここでの結果は、Haswellのアーキテクチャ上のアドバンテージが
光るベンチマークのもう一つの例であると考えるようになった。

Photoshopでの性能も同様に良好だ。本iMacは昨年のハイエンド27inch iMacの性能に比較的近い。
(性能差は20%以内)

Final Cut Pro Xのテスト結果も特に驚くべきものではなかった。

Xcodeのテストで興味深いのは、HDD搭載機であるがゆえに、21.5inch iMacのパフォーマンスにいかに
一貫性がないかということだ。実行回数を重ねたとき、パフォーマンスは同等であったり、ビルド時間がずっと
悪くなったりした。オプションのSSDを選ぶ理由を探す必要があるのなら、このテストなどうってつけだ。
最高の性能を発揮できたときでさえ、MacBook Airよりも素晴らしく高速とは言えないことが分かる。
SSD搭載機であればパフォーマンスははるかに上がっていたはずだ。

(2ページ目は以上。続きは明後日以降!)
782名称未設定:2013/10/10(木) 22:28:12.37 ID:Rkpe/h1c0
ワッフルワッフル
783名称未設定:2013/10/12(土) 23:43:03.90 ID:3KnTSGWP0
もしかして需要ない?と思いつつも3ページ目。

GPUの性能:荒ぶるIris Pro

新型iMacはかなり良いが、今回のレビュー機に惹かれたのは、Intel Iris Pro 5200グラフィックスを初めて搭載
したマシンの一つであることだ。実は、今回のエントリー機種iMacと今年始めにテストしたIris Proには、いくつか
大きな違いがあるのだ。

我々はCore i7-4950HQ、すなわち2.4GHz 47W(Turbo Boost時最大3.6GHz)、L3キャッシュ6MB+128MBの
L4 eDRAMを搭載したクアッドコアをベンチマークテストに供した。¥138,800で購入できる21.5inch iMacの
エントリー機にはCPUのオプションが用意されていない。CPUはCore i5-4570R、すなわち2.7GHz 65W
(Turbo Boost時最大3.2GHz)で、L3キャッシュは4MBしか搭載していない(eDRAMは128MBだが)。
4570RはGPUもTurbo Boost時1.15GHzで、4950HQの1.30GHzと比べるとこれまた低い。すなわち、ここから
予想できるのは、今夏我々がテストした4950HQと比較して、今回のiMacは全般的に性能が下回っているだろうと
いうことだ。また、発売時にはAppleがIris Proに提供したBoot Campドライバーはかなり古いバージョンで、
筆者はWindowsでテストする前に最新のドライバーにアップデートしておいた。
(図:左が出荷時のドライバーバージョン、右が最新のドライバーバージョンであろう)

それでも、Iris Pro 5200のパフォーマンスは驚くほど優秀なのだ。Broadwellでは更にパフォーマンスが向上する
ことを筆者は期待しているし、その次の世代でもおそらくIntelは同様な歩みを続けるだろう。とはいえ、筆者は
Intelの第7世代グラフィックスにはダイ面積辺りの効率において確かに懸念もある。普通ならばmm^2あたりの
パフォーマンスなど気にも留めないのだが、Intelの場合、どれだけダイ面積あたりのパフォーマンスに気を遣って
いたかということを考慮すれば、確かに懸念点なのだ。
784名称未設定:2013/10/12(土) 23:43:53.27 ID:3KnTSGWP0
比較対象の中で注目すべきはGT 750Mだ。というのも昨年モデルの21.5inch iMacのエントリー機が搭載していた
GT 640Mとほぼ同等の性能だからだ。いくつかの例外を覗けば、新型iMacに搭載されるIris Pro 5200はGT 750Mと
ほぼ遜色のない性能を示している。ただし、いくつかの項目においてはかなり大きな差がある。この点については
我々は以前にIris Proのレビューを行ったときにも気付いており、いくらモバイル用がメインといえども、Intelが
NVIDIAと張り合うつもりであるなら、ドライバーの最適化に本気で取り組む必要がある。たとえばMetro。
低解像度での結果は素晴らしいが、解像度と画質を上げたときはGT 750Mの方が遙かに上だ。Sleeping Dogsも
同様だが、ここでの差の分は、高画質設定においてAA処理がONになっていることから来ているようだ。同様に
Bioshock Infiniteでは全般的に大きな差が見られる。ただし、Tomb RaiderやSleeping Dogs(AA処理OFF)では、
Iris ProはGT 750Mよりわずかに劣るだけだ。新型iMacではGT 750Mはおそらく更に高速になっているであろう。
グラフィックメモリがDDR3からGDDR5に変更されたからだ。(訳註:21.5inchの上位機種のこと)

AppleがHaswellの製品ラインナップの中からiMacのエントリー機種にIris Pro 5200を選んだ理由が、コスト優先であり
パフォーマンス優先ではないことは明らかだ。Rシリーズのハイエンドのオプションも見てみたかったのだが、
そういう選択をする人は少数派なのだろう。

これらの表は、Iris Proのパフォーマンスと、15-inch rMBPほかのディスクリートGPUの比較だが、実際の
プレイアビリティとなると何を意味するのだろうか? 筆者はOS XでBorderlands 2を1080p、画質設定を最高
(AA/AF処理ONも含め)にしてプレイしながらフレームレートをプロットしてみた。iMacのネイティブ解像度での
全体的なエクスペリエンスは非常に良好だった。
785名称未設定:2013/10/12(土) 23:45:44.21 ID:3KnTSGWP0
一度一桁台のfpsに落ち込んだ(なお、これがHDD由来なのかどうかははっきりしない)以外は、常に30fps以上で
プレイすることができた。

BioShock Infiniteにて、OS X対Windows 8のゲーム性能の比較を実際にやってみた。

OS X 10.8.5対Windows のゲーム性能 - Bioshock Infinite
1366 x 768 Normal Quality 1600 x 900 High Quality
OS X 10.8.5 29.5 fps 23.8 fps
Windows 8 41.9 fps 23.2 fps

驚くにあたらないことだが、GPUにあまり依存しない条件下では、OS XとWindowsではゲーム性能にかなり大きな
差がある。過去に一部のデベロッパが不満を漏らしていたのだが、低レベルのAPIアクセスが欠如していること、
それとOS XはDirectXをサポートせずOpenGLを用いなければならないことが原因の一部だ。その代わり、最も
GPUに依存するテストでは、OS XとWindowsのパフォーマンスはほぼ同等だ。少なくともBioShock Infinite
についてはそれがいえる。


3ページ目は以上。実は4ページ目と5ページ目こそが、訳したいという衝動に駆られた要因なのですが、うpには時間かかるかも・・・
786名称未設定:2013/10/13(日) 00:41:28.64 ID:1jaU68fJ0
>>785
(´・ω・`)b GJ!
787名称未設定:2013/10/13(日) 01:30:28.33 ID:SpHgBX7G0
乙。
Iris Proとはなんぞ?と思いつつIntelのGPUには悪いイメージしかなかったので、
詳しく調べようとは思わなかったけど、なかなかよさそうなんだね。
ディスクリートGPUが搭載されてないMac miniにこれが搭載されれば使い勝手のよいマシンになりそう。
788名称未設定:2013/10/14(月) 00:29:50.70 ID:YVw+fptA0
4ページ目行きます。

ストレージとFusion Drive

iMacは標準状態では全機種メカニカルハードドライブ(21.5inchは2.5inch、27inchは3.5inch)を内蔵している。
筆者はHDDのみのシステムを使うことを自らに課してからしばらく経つが、HDDに戻ることで、かねてから
考えていたことを再び肯定することとなった。HDDのみのシステムをはPC業界を殺してきていた、と。HDDの
エクスペリエンスはとにかくよろしくない。OS Xはよく使うデータをメインメモリにキャッシュすることにおいて
非常に良い仕事をしてきたし、今回のiMacが標準で搭載する8GBというメモリ容量はその目的には十分である。
したがって HDDのみのオプションにも、すぐに我慢はできるレベルとなった。しかしながら、筆者の考えでは
「我慢はできる」レベルを目指すのは志が低いのだ。

iMacは標準状態でHDD搭載の状態で出荷される数少ないMacの一つであり、その点では異色だ。MacBook Airと
MacBook Pro (Retina Display)は全機種SSD搭載で、来るべき新型Mac Proも同様である。AppleはiMacについて
これらの機種とは別のユーザー、すなわち大容量の単一ドライブに慣れたユーザーをターゲットとしているという
のが筆者の推測だ。

Appleは二つのドライブをユーザーに使用すること(あるいは、高速で小容量のローカルストレージと、それ以外を
全部クラウドに保存すること)を強いることなく、この問題への解決策をたぶんだいぶ前から提供している。それが
Fusion Driveだ。
789名称未設定:2013/10/14(月) 00:30:50.59 ID:YVw+fptA0
2012 iMacで筆者はAppleのFusion Driveをじっくり分析した。したがってここでは詳細に触れるのは割愛する。
高レベルにおいて、Fusion Driveは、128GB SSDと1TB/3TB HDDの上に位置し、SSDの「キャッシング」を
ソフトウェア管理下で行うソリューションだ。ここで「キャッシング」をカギカッコでくくったのは、実際には
Fusion Driveはキャッシュとしてふるまうのではなく、ソフトウェア管理下で拡張ストレージボリュームとして
ふるまうためだ。Fusion DriveはSSDとHDDの容量の合計に相当する単一のボリュームとして表示され、
どのデータをSSDに置きどのデータをHDDに置くかを、ソフトウェアレイヤーが賢く管理している。
Fusion Driveは、一台のコンピュータに小容量のSSDと大容量のHDDが搭載されているときにあなたが手動で
行うであろうことに近いことをやっている。あなたはよく使うアプリケーションをSSDに、そうでないものは
すべてHDDに保存するであろう。違いといえば、Fusion Driveはブロックレベルでストレージの管理を行って
いるのに対し、あなたはファイルまたはアプリケーションレベルでデータをドライブ間で移動していることだ。
理論的には、あなたが管理しているものがもし128GB SSDにすべて収まるのであれば、Fusion Driveは手動で
管理するSSD+HDDのハイブリッド構成と区別がつかないのだ。

実際のテスト条件下では、AppleのFusion Driveは、SSD+HDDのハイブリッド構成の中では最もSSDに近い
エクスペリエンスを得られる。理由はきわめて単純だ。AppleのFusion DriveはI/Oの圧倒的大部分をキャッシュ
するのに充分な容量のNANDを搭載しているからだ。世の他のほとんどのハイブリッドドライブでは、SSDの容量は
8GBから32GB程度だが、Fusion Driveは128GBのみだ。今年のiMacのアップデートでSSDの容量が256GBに
増量されなかったのはややがっかりだが、筆者の128GB/1TB Fusion Driveはこの一年非常に良好であった。
NANDの価格低下に合わせて、Appleが来年のモデルのiMacでSSDの容量を256GBに増量するか、あるいはその
代わりにFusion Driveを標準で選べるようにするかは興味津々である。
790名称未設定:2013/10/14(月) 00:31:53.42 ID:YVw+fptA0
個人的な好みを言えば、大容量のSSDと外付けの大容量HDD(できればThunderbolt経由)の組み合わせが好きだが、
単一のストレージが必要ならば、是非Fusion Driveを選んでほしい。昨年Fusion Driveの評価を行ったときに同様の
ことを書いたが、考えてみればこのカテゴリーに入るユーザーはさほど多くはないのだ。筆者が間違っていた。

この一年、筆者は、姉(妹)夫婦にどのコンピュータを薦めるかを検討していた友人と、ほぼ定期的に語り合っていた。
友人の姉(妹)夫婦は二人ともMacユーザーで、筆者は13inch MacBook Pro (Retina Display)を推していたのだが、
友人は少なくとも1TBのストレージは必須であり、それは内蔵のドライブでなければならないと反論してきた。
こうした理由付けも虚しく、彼らは二人とも最終的に13inch MacBook ProのHDDモデルを選んだ。筆者はそうした
人たちを説得したがる口だが、昔ながらの習慣は簡単には変えられない多くの人たちのことも理解しているつもりだ。

新型iMacでは勿論Fusion Driveを選ぶことができるが、オプション価格は2012年モデルの下位機種と比べて$50
下がった。率直に言って、iMacを購入するユーザーにとってはFusion Driveは最低限の必要条件であるべきと思う。
Appleがこれらの機種に標準でHDDを搭載する理由は理解しているが、どうせ買うなら一気にFusion Driveに
アップグレードしたくなるはずだ。

Fusion Driveを選ぶと21.5inch iMacの下位機種の価格は¥160,800に上がり、同じ価格で256GB SSDを選ぶ
こともできる。どちらを選んでも結構だが、少なくともそのどちらかは選ぶべきだ。たとえターゲットユーザーが
別のところにあったとしてもだ(訳註:一般人はHDDを選ぶかもしれないが、少なくともFusion Driveか256GB
SSDにしてほしい、ということを暗に示しています)。筆者は長年、SSDが伝統的なHDDよりいかに優れているかを
詳しく語り続けてきたので、ここではこれ以上言及しない。でもエクスペリエンスは朝な夕なに感じるものだし、
率直に言って、現代のコンピュータではSSDが必須であると筆者は言いたい。


4ページ目終わり。5ページ目は・・・明後日かな・・・?
791名称未設定:2013/10/14(月) 01:38:40.35 ID:dwT+3W1N0
>>790
(´・ω・`)b GJ!
792名称未設定:2013/10/17(木) 22:21:34.86 ID:QEwCqcQX0
5ページ目。
ttp://www.anandtech.com/show/7399/215inch-imac-late-2013-review-iris-pro-driving-an-accurate-display/5
の図を見ながらどうぞ。

ディスプレイ

今回のiMacが最初に発表されたとき、筆者は21.5inchには肩をすくめた。当時筆者は27inchのThunderbolt Display
を使っており、それよりもサイズが低い、あるいは解像度の低いディスプレイを使うなんぞ考えてもいなかったのだ。
ところが27inch iMacが昨年モデルの全くの正常進化系に見えたのに対し、筆者は新型21.5inchに興味を惹かれた。
Intel Iris Pro 5200グラフィックスゆえだ。というわけで何年か前に30inchの2560 x 1600ディスプレイを使い
始めて以降初めて、3Megapixel以下のディスプレイを使うに至ったのである。

このところノート型のディスプレイと共にどれだけの時間を過ごしたかを考えると、今こそ1080pのデスクトップ型
液晶に戻るのに適した時期はなかった。筆者は超高解像度が大好きだが、AppleがデスクトップモデルもRetina化して
21.5inchに4K液晶を(あるいは27inchに5K液晶を)投入するにはまだ時期尚早なのだ。

21.5inchを選ぶか27inchを選ぶかとなると、二つの理由が存在する。コストとサイズだ。吊るしの下位機種同士の
比較で21.5inchと27inchとでは¥51,000の価格差がある。まずこの時点で充分な価格差が存在する。サイズも
同様に理解しやすい。27inchはデスクを広く占領してしまうし、必ずしもすべての人がこの広大な画面に囲まれるのを
好むわけではないことも筆者は気付き始めていた。いすれにせよこのサイズ、この解像度をもつコンピュータに
おいては、明らかにそれに向いた市場が存在する。で、液晶の品質はそれに見合うものなのだろうか。

早い話、ほとんど完璧なのだ。
793名称未設定:2013/10/17(木) 22:22:23.55 ID:QEwCqcQX0
Brianと筆者は、同時期に取り組んでいたお互いのレビュー記事を見せ合っていた。彼は筆者に、テスト機の
ディスプレイの色の再現性の高さを示しながら、CIE色度図を送ってくれた。筆者はこのように返信した。

(図:21.5inch iMac (Late 2013) 色度図)

ここで□は理想値、それに対し○はディスプレイの表現色である。21.5inch iMacのディスプレイは箱出しの
状態でかくも正確で、キャリブレーションも一切不要なのだ。これに対するBrianの返信は、

凄いな
箱出しでこれかい?

iMacのディスプレイは我々のテストすべてにおいて極めて優秀な結果を示した。ΔEが常に2以下だったのだ。
まったくもって信じがたい。我々が持っているタブレットのベンチテストデータをちょっと拝借して、そこへ
リファレンスとして2013 MacBook Airを投入してみた。

21.5inch iMacの下位機種のターゲットユーザーをイメージングのプロとAppleが設定していたとは考えにくいが、
21.5inch iMacは仮にそうしたプロが使っても見事に使いこなせ、しかも完全に満足する出来であろう。もはや
欠けているのは倍の解像度を持つ液晶のみという状態だが、それが登場するのはもう一年以上先のことだと、
筆者は推測している。

ここで一点補足しておかなければならないのは、Appleは通常液晶パネルを複数社(通常は2〜3社)から
仕入れているということである。勿論、ロット間におけるパネルの品質の差というのも言うに及ばないことだ。
本レビュー機よりももっと優れたパネルがいくつも存在するとは思わないが、市場に出回る製品の中にはこれより
品質の悪いパネルもあることだろう。とはいえ、これまでAppleのパネルでは色の再現性に大きな差があったこと
などなかったことから、新型iMacを買ったユーザーは、素晴らしいディスプレイに出会えるだろうと筆者は断言できる。
794名称未設定:2013/10/17(木) 22:24:36.21 ID:QEwCqcQX0
5ページ目は以上。
21.5inchの液晶の色再現性の高さにびっくりという感じでしょうか。

6ページと7ページはさほど面白いわけではないのですが、ここまで来た以上全部やっちゃいます。
後日になりますけどねw
795名称未設定:2013/10/17(木) 22:31:24.35 ID:YHsvAUWS0
とても参考になります。
796名称未設定:2013/10/18(金) 01:59:33.28 ID:PgcSWXEe0
ワッフルワッフル
797名称未設定:2013/10/20(日) 20:52:38.53 ID:41shN2190
さーて残り全部一気にやっちゃいますよ。6ページと7ページ。

WiFiとIO

新型iMacは2013 MacBook Airに続いて802.11acをサポートするようになった。だが、MBAの
実装方法とは異なり、iMacの場合は3アンテナ/3ストリーム構成であり、更に高いパフォーマンスを
発揮できる余地がある。802.11ac対応の新型AirMac Extremeとの組み合わせでは、最高1300Mbpsの
リンク速度で通信することができた。とはいえ最高速度で通信を行うためには厳しい条件があり、
AirMacが非常に近くにあること、またそのAirMacが物理的にiMacよりも高い場所にあることが
必要であると言えそうだ。

AirMac Extremeと2013 iMacとの組み合わせでは、レンジは全く信じがたいくらい優れたもので
あった。直近の旅行に発つ前に速度と距離の関係をプロットしている時間はなかったが、この両者の
組み合わせはこれまでテストしたどのWiFiよりもレンジとパフォーマンスに優れていたと言える。
(訳註:評価の確定には)もう少し時間を共にする必要があるが、この点においては全く感銘を受けた。

OS X 10.8.5では、Appleは802.11acの実使用上存在していた若干のパフォーマンスの問題の修正を
行った。筆者は10.8.5にアップデートする前に、iPerfを用いて素晴らしいパフォーマンスを得ることが
できたが、実使用上では、同一ネットワーク上にあるMac間でのファイルコピーの速度は802.11n上
でのそれを超えることは一度もなかった。
798名称未設定:2013/10/20(日) 20:53:38.82 ID:41shN2190
10.8.5アップデートではある程度この問題の対処が進み、AFPでファイル共有を行ったときのコピーの
速度を~330Mbpsまで引き上げた。現状のソフトウェアにおいて問題への対処を部分的に行うという
のは、ソフトウェア会社にとっては珍しいことではない。特に、間もなく根本的な解決策をリリースする
場合はそうだ。ここで行われていることに筆者は疑いを持っていたので、iMacとソース機(13inch MacBook Pro retina)の両方にOS X 10.9 (Mavericks)をインストールしてみた。

13inch rMBPはThunderbolt/GigE経由で接続し、iMacは同一ネットワーク上で802.11ac経由で
接続した。ではまず、iPerfを用いてUDPとTCPのパフォーマンスを見てみよう。

UDPのピーク性能は829.8Mbps。同じ条件でTCPのテストを行うと553Mbpsまで落ちる。では
実際のファイルコピー速度はどうだろうか。ピーク性能は720Mbpsまで上がったのを確認したが、
筆者のネットワーク環境では平均ファイルコピー速度は~500Mbps止まりだった。

Gigabit Ethernet経由の有線接続の方がより高い転送速度を確実に得られるが、802.11acだって
(特に距離が短い場合は)非常に良好である。802.11acの本来の性能を発揮するにはMavericks
の登場を待たなければいけないが、その時はもうすぐそこまで来ているのだ。

それ以外のIOに関しては昨年のモデルと同一だ。USB 3.0 × 4ポート、Thunderbolt 1.0 × 2ポート、
Gigabit Ethernet、SDXCカードリーダー、3.5mm音声入出力ジャックを備えている。
799名称未設定:2013/10/20(日) 20:54:29.66 ID:41shN2190
シャシ
Appleは昨年iMacを刷新し、エッジ部分に限ってはiPhone 5/5sやiPad miniよりも薄くなった。勿論、
エッジを薄くしても中央部分が大きく盛り上がっていては何の意味もない、と多くの人が指摘していた。
内蔵バッテリーに割くスペースが不要であることを考慮すると、十分な冷却が行われてさえいれば、
シャシの容積を減らすことは、純粋なデザイン上の冒険であった。ディスクリート型GPUを積んだ
21.5inch iMacについては分からないが、本機の65W Haswell + Crystalwellは高負荷時においても
発熱の問題は一切見られなかった。

軽負荷時、および本レビューの執筆中にCinebench R15テストを繰り返しても、iMac内蔵の唯一の
冷却ファンは~1400 RPMでわずかな風切り音を奏でるだけであった。Intelがこのマイクロプロセッサの
アーキテクチャのターゲットをノート型に定めていることの副次的な効果の一つが、この65Wの
デスクトップ用のプロセッサの冷却が楽であるという点である。筐体が非常に薄い15inchのノートと
同等のパフォーマンスを21.5inch iMacのシャシで行っていることを心に留めていただきたい。

内容積を大きく減らしてもなお、27inch iMacは持ち歩くには嵩張りすぎている。だがこれは21.5inch
iMacには当てはまらない。本体重量はわずか5.68kg(これは小型の犬や大型の猫と同じくらいである)
と軽量で、「ほぼ」ポータブルであると言える。本レビューの執筆中、筆者は様々な場所(机、写真撮影場所、WiFiのテスト中など)へ持ち歩いたが、本機がいかにコンパクトにできているかをすぐに実感
した。特に、デフォルトの状態では、一緒に運ぶ必要があるケーブルは、上手く角度のついた電源
ケーブル一本だけなのだ。

数年前に購入した24inchのCPUテスト用モニターと並べてみるのもまた面白い。この2台は解像度が
同一で、それでいてiMacの方はディスプレイの質が上なばかりか、Haswell PCまで内蔵しているの
だから。
800名称未設定:2013/10/20(日) 20:55:20.20 ID:41shN2190
最後に

AppleはMac史上最強のラインナップを有し続けている。来年のBroadwellは更に素敵な何かが来ること
を筆者は期待しているが、現状のHaswell Macでも昨年モデルと比較して正常進化の道を歩んでいる。

iMacのデザインは美しい。ベゼル部分の薄さに満足しているかと問われるとまだ確信は持てないが、
それ以外については、Appleが2012年に行った刷新の結果には満足している。特に21.5inchモデルでは
コンパクトさは全くもって素晴らしい。それは軽量型液晶TVのコンパクトさによく似ている。
コンパクト設計の有り難みは動かすときにのみ実感するし、たとえ滅多に動かす機会がなかったとしても
あって損はないものだ。

本レビューでは触れなかったが、内蔵のワイヤレスも良好だ。802.11ac経由でのファイル転送性能が
500Mpbsに達した(ただし近距離かつMavericks環境下だが)ことと合わせると、iMacは本当に
ケーブル1本で済むし、それでも充分満足できるものだ。新型802.11ac AirMac Extremeを使えば
ワイヤレスのレンジは更に良好だ。

iMacの液晶の質は箱出しの状態でも既に信じがたい素晴らしさだ。画像編集のプロでさえも、ふらっと
Apple Storeの実店舗に入って、21.5inchのエントリー機を買って持ち帰っただけで、素晴らしい
エクスペリエンスが得られるのだ。更なる高解像度を期待したいが、4Kのパネルはまだまだ安くない。
(27inchの5Kパネルについても言うに及ばず、だ。)

筆者はどちらも標準状態では触っていない。¥22,000のオプションのFusion DriveあるいはSSDの
おかげだ。このオプションは必須だ。Fusion Driveは触りたくなる唯一のハイブリッドソリューション
である。単一のボリュームが必要ならば、是非Fusion Driveを選ぶべきだ。
801名称未設定:2013/10/20(日) 20:56:19.03 ID:41shN2190
21.5inch iMacのエントリー機はCPU性能も非常に良好だ。パワーユーザー、特に高度にスレッド化
された負荷をかけるユーザーは上位機種を選びたくなるだろうが、ライトユーザーなら、この基本構成
でも充分なシングルスレッドのパフォーマンスを味わえることだろう。

21.5inch iMacのエントリー機は、グラフィック一体型チップセットとしてこれまでにない良好な
グラフィック性能を有している。OS X上でのIris Proは(ゲーム以外)良好で、ディスクリート型
グラフィックスではないことには気付かないレベルだった。

21.5inch iMacのエントリー機は発熱の問題もない。Core i5-4570RがTurbo Boost時に3.0/3.1GHz
で定常的に動作していたが、テスト中に内蔵のファンが1400RPMを上回ることはなかった。
全般的に、21.5inch iMacは非常にコンパクトで、低発熱・低騒音のコンピュータだ。21.5inch iMacは
Macのデスクトップ機を求めるすべてのユーザーに自信を持ってお薦めできる。ただし、Fusion Drive
かSSDは選んでくださいね。


おしまい。
802名称未設定:2013/10/20(日) 21:11:08.78 ID:9EpOfSox0
乙です
803名称未設定:2013/10/20(日) 21:17:01.86 ID:riiKMewb0
ワッフルし続けた甲斐が有ったというものだ。
お疲れさまでした。
804偽の神:2013/11/05(火) 00:04:57.51 ID:x2CWnrea0
ars technicaの10.9解説記事から、タグの項を低品質翻訳しました。
ttp://arstechnica.com/apple/2013/10/os-x-10-9/8/

タグ
ひとめ見て、Finder ラベルが「タグ」に変わっているのが分かる。
確かに、ファインダーのメニューや環境設定では「タグ」が使われていて、「ラベル」はどこにもない。
Finderのいろんな箇所で見られたらラベルの表現方法もまた変化している。
ファイル名またはフォルダ名(または、リストビューでの一列すべて)をハイライトする代わりに、名前の後ろにカラーのドットが表示されるようになった。

画像:Finder Tags display: colored dots replace Mountain Lion's whole-row highlights.

タグに関してだけ話をすると、10年前に Panther がラベルの表示を塗りつぶしにしたことからくる見た目の混乱を遂に解決してくれた。
しばらくFinderにとどまったあと、タグがラベルとまったく同じというわけではないことを発見するだろう。
ファイルのタグを青から緑に変えようとして、例えば、UIでは何が起こっているか丁寧に説明してくれる。

画像:Multiple Tags can be applied to a single file.

ひとつの項目が複数のタブを持つとき、Finderは複数の重なったドットを、新しく加えた順に最大3つまで表示する。

画像:Multiple Tags as displayed in the Finder: the three most recent Tags are shown as dots.

注意深い観察者なら、Finderのコンテクストメニューにあるカラードットの列の上にある "Label:" テキストに気が付くだろう。
Macでは常に、「…」の付いたメニューは次の入力プロンプトにつながる。
それを選ぶと、テキスト入力フィールドにそったカラードットのリストを持つポップオーバーが現れる。
(同じ機能をFinderツールバーメニューの "タグを編集" または ファイルメニューの "タグ…" から呼び出せる。)
805偽の神:2013/11/05(火) 00:06:44.32 ID:x2CWnrea0
先へ進もう。
テキストが既に存在するタグ名に合致すると、returnキーを押すことでタグが追加され、元の入力欄に戻ると新しく追加されたタグが現れている。

画像:The Finder Tags popover: add an existing Tag by clicking on it or typing its name.

存在するタグに合致しない何かを入力してreturnすると、新しいタグが作られる。
既にファイルに付与されているタグの名前を入力すると、そのタグはタグリストの最後に移動される。

画像:The Finder Tags popover: create a new Tag or move an existing Tag.

Finder環境設定の"タグ"は、新しく作ったタグに色を割り振る方法を提供する ー 方法が直感的ではないけれど。
(答え:タグ名の左のサークルをクリック) 7色からしか選べず、色も変えることができない。
ひとつ以上のタグを同じ色に使うことができる。

画像:The devious puzzle box that is the Finder's Tags preferences.

ウインドウの下部に分かりにくいドラッグアンドドロップエリアも存在する。
上のテキストが動作を説明しようとしているが、下部にあるカラードットにラベルが欠けているので混乱を起こしている。

タグのリストを表すカラードットの横線はFinderのファイルメニューとコンテクストメニューで表示される。
タブの名前を見るには各カラードットにポインターを置く。
ドットの上のテキストがいま起きていることを述べていて、リストの一番上から一番下へドラッグすると、マウスボタンを離してドラッグを完了するまで何が起きているかを述べたテキストが表示されている。

率直に言って、ユーザーインターフェイスが壊滅状態だ。まだ各ラベルの右にあるチェックボックスの話もしていない。
これらは何をするものだと思う? (残念、マウスオーバーしても説明は出ない)
驚きを台無しにしてあげよう。
ボックスをチェックすると、Finderのサイドバーにタグが現れるのだ;チェックを外すと現れない。
806偽の神:2013/11/05(火) 00:09:17.88 ID:x2CWnrea0
そしてまだ不思議なものが残っている。
不確定なチェックボックス(例えば、チェックマークの代わりに水平線が入っている場合)が何を指すのか想像してみよう。
(ああそうだ、マウスオーバーしても説明は出ない!) ギブアップ? 私もギブアップしかかった。
その答えはこうだ。
10.9でどのファイルにも付与したことのないタグを最初に付与すると、それが自動的にFinderのサイドバーに現れるのだ(しかも最上位に)。
しかしユーザーがそれを求めない限りは、環境設定ウインドウにおいてチェックボックスにチェックマークが表示されない;変わりに水平線マークが表示される。
想像は当たっていたかい? ありがたいことに、OSの運命 - あるいはFinderの - は、この環境設定ウインドウひとつで決まりはしない。
しかし安易な仕事であり、ゴチャゴチャもいいところだ。

Finderとタグの統合の残りの部分については、より洗練されている。
Finderのサイドバーでタグを選択すると、そのタグに関わる全ファイルについてのSpotlight検索が起動する。
(私の知る限り、サイドバーから複数のタグを選択する方法はない;タグがセットされているものすべてを検索するにはSpotlightを使う) サイドバーでタグをドラッグすると並べ替えができる。
Finderのサイドバーでタグを選択しておいて、そのウインドウにファイルをドラッグするとそのタグが付与される(検索が更新されてウインドウに表示される)。
通常は、同じサイドバーが開く・保存ダイアログに現れる。
標準の保存ダイアログはタグを入力または変更する新しいフィールドを備えている。
便利ではあるが、人によっては混乱するだろう。フィールドが空のときは、すぐ上にあるファイル名フィールドと見た目がそっくりだ。

画像:Add tags when saving a document―just make sure you enter them in the correct field.
807偽の神:2013/11/05(火) 00:10:02.82 ID:x2CWnrea0
このそっくりなテキストフィールドのせいで、ファイルを保存するときに何度かギョッとしたことがある。
初心者がタグフィールドにファイル名を入力してしまい、続いて出るエラーメッセージを理解できないという光景が容易に想像される。
Lionで導入された書類バージョン用のタイトルバーポップアップメニューでもタグを編集できる。

画像:Move over, versions. Tags now get pride of place in the title bar pop-up menu.

旧式の "移動…" コマンドは、iCloudフォルダ、お気に入り、装置、最近の場所、そして一番下に "その他…" を含むポップアップメニューに置き換えられた。
書類バージョンの機能はタイトルバーポップアップメニューからのほか、ファイルメニューの "バージョンを戻す…" からもアクセスできる。
808偽の神:2013/11/05(火) 00:13:04.70 ID:x2CWnrea0
ここからは、ttp://arstechnica.com/apple/2013/10/os-x-10-9/9/ の翻訳です。


タグの実装

OS Xにおけるファイルシステム・メタデータは恐ろしく凸凹な道を辿っている。
哲学面と技術面の両方の理由により、NeXTからの派生物はClassic Mac OSの遺産であるメタデータを歓迎しなかった。
代替案は、なし。

いまや、そんな決定は古代の歴史だ。
動物の名前のごとく、ファイル名にファイルタイプ情報を挿入する習慣から抜け出せていないが、最後には、ファイルシステムメタデータは10.4で予見された通りに降臨する。

Mac OS X 10.4 での転換点は、arbitrarily extensible file system metadataのサポートを追加したことだ。
ファイル名だけでなく、いくつかの日付、アクセス権や所有権などもある。
現在は、arbitrary nameと値のセットを加えることでファイルにいろいろな情報を付与することができる。

access control listsやTime Machineのような目玉機能のローレベル実装に使われているこの機能の、初めてにして最大の受益者はOS X自身だ。
Mavericksでも、タグの機能は同じメカニズムだろうと予測するのが普通だ。
思った通り、そうだった - 予想とは異なるやり方で。
そこに取りかかる前に、どのようにしてレガシーなラベルメタデータが保管されているかを考えてみよう。
809偽の神:2013/11/05(火) 00:15:01.92 ID:x2CWnrea0
ラベル

ラベルの登場は、1988年のSystem6まで遡る。
AppleがFinderとファイルシステムの両方を創ったときから、Finder Infoと呼ばれるファイルシステムメタデータにラベルが保管されていた。
この構造体はFinderに役立つ情報を含んでいて(たいていはbit fields に格納されていた - おいおい、1988年だぞ)、ラベルカラーは3bitで保管されていた。

もし1988年のファイルシステムの細部が今日のMacを志向していたとしたら素敵なことだろう。
悲しいかな、OS XはFinderラベルが創られたときと大体同じファイルシステムを使い続けている。
Finder Info構造体はファイルシステム内で相変わらず古い場所と形式を保っている。

現代に目をやると、OS XにおいてFinder Infoは com.apple.FinderInfo と名付けられた "偽物の" 拡張attributeを通して開示されている。
HFS+ボリュームの拡張attributeを読み書きするコードは、attribute名がcom.apple.FinderInfoかどうかを確認して、そうであればファイルシステムから実際のHFS+ Finder Infoレコードを読み出す別のコードに処理を分岐する。
(リソースフォークは、attribute名がcom.apple.ResourceForkのときに似たような方法を通して開示される。)

つまるところ、xattrコマンドでFinder Infoを見ることができる。この例では、"赤色" ラベルがファイル名Helloに付与されている。

% xattr -p com.apple.FinderInfo Hello
00 00 00 00 00 00 00 00 00 0C 00 00 00 00 00 00
00 00 00 00 00 00 00 00 00 0C 00 00 00 00 00 00
その 0C ビットパターンが赤色ラベルを表す。
Finder Info内ではラベルカラー用にたった3bitしか割り当てられておらず、すなわち最大7色が限界だった(001から111まで。000はラベルなしを表す)。
赤色は色番号 6: 0x0C はバイナリで 1100 となるが、最後のビットはラベルのビットフィールドではない。
残りは 110 で、10進法で表すと「6」だ。
810偽の神:2013/11/05(火) 00:18:23.77 ID:x2CWnrea0
タグ

カラーに割り当てられたタグがファイルに付与されるとき、上記で述べた形でラベル情報はFinder Infoに書き込まれ、タグはMavericks以前のシステムと互換性を一部保つ形にされる。
色の付いたタグがさらにファイルに付与されると、ラベル情報は最も新しく付与されたタグを反映する。
もしタグに色が割り当てられていないときは、ラベル情報は変更されない。

実際のタグ情報は個別に分離された拡張attribute、com.apple.metadata:_kMDItemUserTagsに保管される。
(私の知る限り、これは "普通の" 拡張attributeであり、com.apple.FinderInfo や com.apple.ResourceFork のようなレガシーHFS+メタデータの代理品ではない) この例では、"緑色" と "赤色" ラベルがファイル名Helloに順番に付与されている。
811偽の神:2013/11/05(火) 00:20:20.30 ID:x2CWnrea0
% xattr -l Hello
com.apple.FinderInfo:
00000000 00 00 00 00 00 00 00 00 00 0C 00 00 00 00 00 00 |................|
00000010 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 |................|
00000020
com.apple.metadata:_kMDItemUserTags:
00000000 62 70 6C 69 73 74 30 30 A2 01 02 57 47 72 65 65 |bplist00...WGree|
00000010 6E 0A 32 55 52 65 64 0A 36 08 0B 13 00 00 00 00 |n.2URed.6.......|
00000020 00 00 01 01 00 00 00 00 00 00 00 03 00 00 00 00 |................|
00000030 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 19 |............|
0000003c
予想された 0C ビットパターンが Finder Infoにあり、これは最後のタグに割り当てられた "赤色" だ。
タグのメタデータASCIIダンプは、バイナリ形式の property listにおける秘密のbplist列から始まっている。
バイナリ形式のproperty listを理解できるhexエディタとテキストエディタの助けを借りて、タグのメタデータの内容を明らかにしよう:

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple//DTD PLIST 1.0//EN"
"http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
<plist version="1.0">
<array>
<string>Green
2</string>
<string>Red
6</string>
</array>
</plist>
二つのタグ名、GreenとRedが追加順に並んでいて、10進法のラベルカラー値(緑色は2、赤色は6)が添えられている。
812偽の神:2013/11/05(火) 00:22:30.00 ID:x2CWnrea0
property list内のタグ情報の形式は実に奇妙だ。
あなたが見ているのは幻ではない;10進法のラベルカラー値とタグ名とが、Unixの改行キャラクタ (0x0A) によって分割されている。
なぜ<string>と<integer>に分離して保管するかわりに単一のstrings値に納めたのか、私には想像もつかない。
(ファイル拡張子での出来事を気にしたのだろうか?)

カラーが加えられていないタグはただ文字列だけで、改行コードもラベルカラー値も存在しなくなる:
...
<array>
<string>Green
2</string>
<string>Red
6</string>
<string>Essential</string>
</array>
...
タグごとにひとつの拡張attributeを使うのではなく、単一の拡張attributeにタグ情報が格納されているのを発見したときは最初驚いたが、Spotlightの検索とインデックス作成がどういう仕組みかを考えるとなるほどと思える。
mdlsコマンドはタグ情報を以下のキーで表示する:

% mdls -name kMDItemUserTags Hello
kMDItemUserTags = (
Green,
Red,
Essential
)
タグのラベルカラー値はSpotlightのメタデータには渡されない;タグ名だけが保管される。
813偽の神:2013/11/05(火) 00:24:29.26 ID:x2CWnrea0
レガシーなラベル情報はMountain Lionまではずっと同じで、カラー値だけがSpotlightに渡されていた:

% mdls -name kMDItemFSLabel Hello
kMDItemFSLabel = 6
この実装詳細は深遠であり些細な事柄でもあるように見えるが、ユーザー体験の大元に影響がある。
レガシーなラベルシステムから来る、変化のない7種類の整数カラー値。つまり後方互換性が与えられているわけで、なぜタグが7色しか色を使えずその色も変えられないのかの理由もそれだ。

タグの値にplain strings(ただの文字列)を使うのは、共有ファイルにおいて正確に表示するために必要だからだ;すべてのMacがタグ名を読み込んで表示させられるように。
しかしそれぞれのタグ名に結びついた色は、システムごとにバラバラだ。
もし複数のユーザーが "Hot" という名前のタグを作り、しかし違う色を選択すると、ファイルに付与されるタグのメタデータに書き込まれる整数カラー値も異なるものになる。
"Hot" ラベルの付いたファイルを見るときは、ファイルに付与されたタグメタデータに保管された色ではなく、ユーザーが "Hot" タグにあてがっている色を見るだろう。

各ファイルのメタデータにタグ名と色を保管することはつまり、タグの色を変更すると、そのタグを持つすべてのファイルの整数カラー値を更新する必要が生じるということになる。
もちろん、これは現ユーザーが変更権限を持つファイルに対してだけ行なわれる。
時間のかかる作業になる可能性もある;Maverickではタグの色を変更中にプログレスバーが表示されることがある。
タグの名前変更も同じ作業であり、注意ダイアログも同じものだ。
814偽の神:2013/11/05(火) 01:50:19.43 ID:x2CWnrea0
このシステムには二律背反するところが数多くある。
タグのメタデータが、Finderやそれ以外で表示される色と常に一致しているわけではない。
タグ名と色の変更がタグを使っているすべてのファイルに伝播することはないだろう。
ファイルに付与されたタグの順番により、Mavericks以前のシステム上で見えるラベルカラーが決定される。

これらのどっち付かずな状況が通常の使用状態ではまれであることを期待しよう。
いくつかの作業では、タグのデータ保管実装は正規化に少しは寄与する。
例えば、タグ名とカラーが、「各ファイルのメタデータ」という単一の場所に保管されている場合、タグ名とカラーの更新は線形関数ではなく定数時間で済ますことができる。
不幸なことに、共有ファイルについての、タグのメタデータ保護および表示はもっとずっと難しい - いくつかの場面では不可能になる。

後方互換性を支持し、パフォーマンスとストレージ効率が最悪になる場面があることを押し切った、不完全なシステムをAppleは選んだ。
最後に、私はそれについてAppleを非難することはできない。
しかしTigerにおけるUTIの問題や実装効率といった、横たわる茨の路にAppleが果敢に取り組むところも見てみたいと思うのだ。
815名称未設定:2013/11/06(水) 00:15:55.19 ID:hJ1Phxwc0
すばらしく乙
後でじっくり読むよ

もしよければ、他の所も読んでみたいなー
816名称未設定:2013/11/06(水) 01:30:52.11 ID:lyFelE7d0
ars technicaの訳、定期的に上がるけど同じ人かな?乙です
817シラクサ好き:2013/11/12(火) 18:49:50.90 ID:1EIizvTW0
ars technicaのMavericksレビュー(byシラクサ氏)から、Sprite Kitの項目を訳してみました。

Sprite Kit

http://arstechnica.com/apple/2013/10/os-x-10-9/21/#sprite-kit

去年、アップルは Scene Kit というフレームワークを導入した。いわば3D版Core Animationである。これ
らのおかげで、以前ならOpenGLとかGPUアクセラレーションを使ったコーディングと聞いただけで声上げ
て逃げ出してたようなプログラマーにとっても、グラフィック関連の開発が取っ付きやすいものになった。

Scene Kit、私自身はずいぶん興奮させられたんであるが、まだ登場からわずか1年ということもあって、
Mac開発者コミュニティ全体に火をつけるまでには至っていないようだ。知る限りでは、Scene Kitを活用し
た著名なMacアプリはDelicious Library 3だけだ。

http://cdn.arstechnica.net/wp-content/uploads/2013/10/[email protected]
(Delicious Library 3は仮想の棚に並んだ書籍や映画作品を3Dで描いている。ハイライトさえも3Dだ)

バーチャル棚の上のブツにちょっとした重量感を与えたりキラッとさせたりするために3Dを活用するのは、
実に控えめでイイ感じな使い方だと私は思うのだが、全く逆の感想を耳にしたこともある。たぶん、3Dモデ
ルによる描画は2Dよりも好みが分かれやすいのだろう。

Scene Kitは3Dゲーム開発に使えないこともないが、本来の目的はゲームではなく、通常のMacアプリケーシ
ョンで3Dモデルや3D効果を使いやすくするためだ。3Dをアプリに活用すること自体がそもそも良いことな
のか悪いことなのか、議論はあるだろうが、そこはともかくとして、少なくともScene Kitが所期の目的を果
たしているとは言えるだろう。Delicious Library 3はその好例だ。

(つづく)
818シラクサ好き:2013/11/12(火) 18:51:09.51 ID:1EIizvTW0
(つづき)

Mavericksには、Sprite Kitというフレームワークが含まれている。これは明らかにScene Kitと同系統であ
る。Appleでどちらの開発が先に始まったのかは分からないが、これらのフレームワークのクラスに付けられ
た名称を見ると、あることに気づく。Sprite Kitはクラスの接頭辞が“SK”であるのに対し、Scene Kitのクラス
は“SCN”なのだ。

スプライトというのは、背景領域の中を自在に移動させ、操ることができる独立した2D画像のことである。
初代ファミコンのゲームをやったことがあるなら、そこで見たはずだ。画面中を動き回るプレイヤーキャラ
やアイテム、そして敵は全てスプライトである。

お分かりだろう。Sprite KitはMacアプリケーションでこのような2Dスプライトを使いやすくするためのもの
だ。おいちょっと待て、それってCore Animationがもうカバーしているんじゃないか、という声もあるだろ
う。しかし違うのだ。Core AnimationとScene Kitは普通のアプリが対象だが、Sprite Kitはゲームのためだ
けに設計されたフレームワークなのである。

ゲームでは、普通のアプリケーションとは全然違うことが要求される。アプリでアニメーションが使われる
のは何かの表示切替えの時だけだが、ゲームは絶えずアニメーションしている。一画面内で同時に動きまわ
る要素の数もずっと多いだろう。それに、ただスライドして出てきたりフェードイン・アウトしたりするだ
けのシートやダイアログボックスとは違って、ゲーム内で動く要素は相互に作用を及ぼし合わないといけな
い。

(つづく)
819シラクサ好き:2013/11/12(火) 18:52:42.66 ID:1EIizvTW0
(つづき)

Sprite Kitは2Dゲーム開発のために必要な道具一式を提供する。スプライト同士の相互作用を処理するための、
衝突判定機能つき物理エンジン。自在な拡大・縮小・変形機能。Core Imageフィルターやパーティクル効果の適
用。

一人称視点のゲームシステムに使える隠面処理機能、それにベクター図形やテキストをゲーム画面に表示できる
機能もある。なんとビデオ映像をスプライトにしちゃえたりもする。しかも普通のスプライトと同じくあらゆる
表示効果や変形、物理効果を適用できる。そして、全ての機能はObjective-CのAPIから呼び出すことができるの
だ。これは、よくあるゲームエンジンのための低レベルな(=マシン語に近い)C/C++コードよりも、段違いに
使いやすく抽象化されたものだ。

しかし、コードを書く作業はゲーム開発のほんの一部にすぎない。これをよく分かっているアップルは、さらに
一歩進んで、統合開発環境XcodeにSprite Kit専用の機能を追加した。Xcodeは、複数の画像ファイルを自動的に
組み合わせて、巨大で効率がいいテクスチャー集合体(Texture Atlas)を作ることができる。また、パーティク
ル効果エディターも統合されている。パーティクル効果の作成や調整といえば、これまではパラメーターを一々
いじっては再コンパイルして、という煩わしい作業だったのだが、それが視覚的な楽しい経験に変わる。

http://cdn.arstechnica.net/wp-content/uploads/2013/10/[email protected]
(リアルタイムな視覚的インターフェイスを使って、Xcodeの中でSprite Kitのパーティクル効果を作成・編集す
ることができる)

最後に念のため付け加えておくが、Sprite KitはOS XでもiOSでも使うことができる。ここまで大規模でありなが
ら2Dゲーム制作にしか使えない、しかもMacのためだけのフレームワークを開発するとか、ありえません。さす
がのアップルもそこまでアホではない。

(つづく)
820シラクサ好き:2013/11/12(火) 18:55:15.40 ID:1EIizvTW0
(つづき)

古参のゲーム開発者だったら、こういう「あなただけの2Dゲーム作れます」的な、Appleお仕着せのツールキッ
トなど鼻で笑うかもしれない。すでに自前のスプライトエンジンくらいCやC++で書いてあるだろうし、マルチ
プラットフォームでの大規模なゲーム開発の一環として素材の作成・供給ラインを独自に組んでいるだろうから
だ。

しかし何と言っても、iOSで凄いゲームが作りたい小さな開発チームにとっては、Sprite Kitは強力な後押しにな
るだろう。しかも、もし注意深くコーディングすれば、同じゲームのMac版をほとんど追加作業なしに作れると
いうボーナスまでついてくるのだ。

そして、古株開発者にもぜひ言いたい。もしアップルの開発者アカウントを持っているなら、だまされたと思っ
てWWDCのセッション502、「Sprite Kit導入編」を見てみてほしい。Mac・iOSのためにスプライトを使って高
品質なゲームを作るのがどれだけ楽になったか、絶対に感銘を受けるから。「見たけど何とも思わなかった」な
んて言えるもんなら言ってみろって、マジで。

私にとって、去年のWWDC最大のサプライズはScene Kitだった。こんなに楽しくて凄いフレームワークが発表
されるなんて誰も想像してなかったのだから。Sprite Kitはそれよりも予想のつきやすいものではあったが、同じ
くらい大したものだ。Scene Kitよりも広く活用されたらいいと思う。

(おわり)

ヤバい、Sprite Kitヤバい。ヤバいのでageます。
821シラクサ好き:2013/11/12(火) 19:09:46.53 ID:1EIizvTW0
Sprite Kitの訳、実は2箇所自信がありません。

1."There’s a ray casting system for game mechanics based on line-of-sight"
→「一人称視点のゲームシステムに使える隠面処理機能」

・・・とやりましたが、"based on line-of-sight"ってこういうことでいいんだろうか。誰か3Dゲーム
プログラマの人いませんか。

2."Not even Apple is foolish enough to create a framework this extensive for the sole purpose
of creating 2D games for the Mac."
→「ここまで大規模でありながら2Dゲーム制作にしか使えない、しかもMacのためだけのフレームワー
クを開発するとか、ありえません。さすがのアップルもそこまでアホではない。」

・・・「いかにfoolishなアップルとはいえ、そこまでfoolishではない」ということなんですが、シラク
サ氏が「アップルはfookish」という前提を置いたのは何が理由なんだろうか。

他にも問題があったら突っ込んで下さいな。
822名称未設定:2013/11/12(火) 22:27:15.15 ID:JGSr95OV0
2はジョブズの"Stay hungry, stay foolish."に掛けているのかな?
823シラクサ好き:2013/11/13(水) 00:19:25.55 ID:VN2x2ie70
>>822
そ  れ  だ  !
824名称未設定
>>821
乙です。
Sprite Kitってそういうものだったのか…

ちょっと公式ドキュメントに当たってみたら
ray casting についてはこちらに記述がありました。
https://developer.apple.com/LIBRARY/IOS/documentation/GraphicsAnimation/Conceptual/SpriteKit_PG/Physics/Physics.html#//apple_ref/doc/uid/TP40013043-CH6-SW32

2Dのフレームワークなので隠面処理とかの話ではありませんね。
「敵は自キャラを発見すると攻撃開始する」みたいな処理をしたいときに
敵と自キャラの間に遮蔽物があるか判定するような用途が想定されています。

元記事の文脈だと訳しにくいですが
「ゲームメカニズムに視線を組み込むためのレイキャスティングシステム」
くらいが妥当でしょうか。
「レイキャスティング」は日本語に訳されてるのを見たことないので
そのままでいいでしょう。

ただし原文の表現もちょっと不正確で、
レイキャスティングは衝突判定の一種であって
視線専門システムでないことは訳注しておきたいところです。
(発射した銃弾が何に当たったか、みたいな処理にも使える)