【iTunes】アップル、日本でも音楽配信開始へ15

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 そこが知りたい −CD時代、音楽配信で終わる?-

 米アップルコンピュータの携帯音楽プレーヤー「iPod」がヒットするなどパソコンで楽曲を試聴、購入できる
インターネット配信市場が日本で拡大の兆しを見せている。CDの時代は終わりを告げるのか。コロムビア
ミュージックエンタテインメントの広瀬禎彦CEO(最高経営責任者)に聞いた。
 --アップルが今春音楽配信サービスを日本で開始する。
 「わが社もアップルに楽曲を提供する方針だ。iPodはデザインが人気だが、音楽の聞き方はMD(ミニディスク)
とさほど変わらない。革新的なのは購入方法。三千円のアルバムを買わなくても、好きな曲だけ一曲単位で
購入できる」
 「価格も下がる。現在日本の音楽配信は著作権料を含めて一曲百五十−三百円だが、最終的には欧米
並みの一曲百円程度になる。日本でも米国のクレジットカードを持っていれば米国のサイトで購入できる。
国内の配信価格も欧米の水準に収れんせざるを得ない。CDより安い配信のユーザーが急増するだろう」
 --CD市場は六年前に比べ三分の二に縮小した。CDから配信へと世代交代が進むのか。
 「CD低迷の最大の理由は携帯電話、DVD(デジタル多用途ディスク)など娯楽に費やすおカネの使い道が
多様化してることだ」
 「CDはレコードに対し音、操作性、収納性の面で圧倒的に優位だったから五年で世代交代した。配信は
目に見えるモノがない。CDはモノとしての価値を高めることで配信とは違う価値で共存できる」
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 「将来の姿がはっきりするのは二〇〇七年ごろ。昨年の日本の音楽市場における配信の割合は二%弱
だが、毎年倍増すれば、〇七年に十六%になる。消費者向け商品は十五%が分岐点。そこで新旧商品が
バランスを保つのか、新商品がもっと増えるのか見えてくる」
 --レコード会社の経営モデルは変わるのか。
 「音楽ビジネスの本質は権利ビジネスだ。CD以外に活用の幅を広げなければならない。例えば携帯電話
には着うた、DVD売り場には歌手の映像を収録した音楽DVDを投入する。音楽配信も含め『出口』を増やす
ことが重要になる」
 「問題は日本には欧米と違いレンタル店があることだ。レコード各社は消費者が配信で試聴、その後に
CDレンタルを利用するような事態を危ぐしている。その前に配信の利点を踏まえた新しい収益モデルを
考えなければならない」
 「『一発当たれば、残りがこけても大丈夫』という発想はもう限界。1つの大ヒットより、多くの作品を幅広く
売る必要がある。ネット配信を使えば、新曲に対する消費者の反応を見てCD化することもでき、その分
リスクを軽減できる」 (後略)