Mac関連ネタを凄い勢いで翻訳するスレ・4

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550さい
Macworld Daily News
Friday - October 29, 2004
ジョナサン・アイブ、デザインを語る
By Jonny Evans

 めったに人前に姿を見せないAppleのインダストリアルデザイン担当副社長、
ジョナサン・アイブがロンドンのデザイン・ミュージアムに現れ、Appleと彼の
デザイン・キャリアについて率直に語った。
 アイブ−iMac、iPod、PowerBook、iBook、PowerMacなどAppleの全ての
製品をデザインしたチームを率いている人物−は英国(Chinford)生まれで、
ニューキャッスル・ポリテクニックで学んだ。アイブは今週の始めにニュー
キャッスルで過ごし、スタッフや学生と話をした。
 「とても多くの学生が僕にデザインのムーブメントとテクノロジーについて尋ねて
くる−でもそういった事柄というのは常に変化しているものだ」と
アイブは聴衆に語った。そしてデザイナーとしての成功は「フォーカスとケアにある」
と信じていると口にした。
 アイブは彼の学生時代を振り返った。「僕はよく物事を放り出し、それからもう
一度取り組み始めていたように思う。そうした方がもっといいものになると信じて
いたからね。大学ではすごく頑張っていた」。
 「もしもあなたが本当にやり続けようと思っているなら、もしも本当に好きなら、
そのことが基本なんだと僕は思う」とアドバイスした。

Chinford チングフォード 《London boroughs の一つ Waltham Forest の
 一区域; London の北北東にあたる》
ポリテクニック 科学技術専門学校《大学レベルの総合技術専門学校;
 1992 年に university として認定され, この名は公式名としては廃止された》
551さい:04/10/30 16:18:30 ID:nA2gnsCw
ケアという責務
 アイブのディテールへのケアと注意は製品にAppleらしさを吹き込んでおり、
企業としてのAppleは「お金を稼ごうとはしていない、それはいいものを作り
出そうとしているんだ」と彼は言った。「僕たちはいいものを作りたいという思いを
支えるためにお金を稼いでいる」と強調した。
 「それはフォーカスに戻っていくことなんだけど、僕たちが直接に責任のある
物事で、やれることはいくらでもあるように思える」。
 彼は、デザイナーとして、フォーカスを維持することは絶対に重要だと付け加えた。
「デザイナーっていうのは本来好奇心が強くて、これとかあれとか、別のこととかを
するのが大好きだ。だから僕たちはフォーカスするんだ」。
 Appleのフォーカスはシンプルさを維持することだ。「僕たちのやろうとしている
ことは出来うるかぎり最高の製品を作り出すことで、もし僕たちがそれをうまく
やれれば、会社はお金を稼げる」。
 彼はAppleのCEO、スティーブ・ジョブズが帰ってくる前の時代を振り返り、
こう述懐した。「Appleにおいて目標が転向して、会社が何十億と失った時のことを
覚えている。1つの四半期で僕たちは20億ドル近くも失った」。
 ジョブズは、ご存知のように、Appleに復帰し、デザインチームは「彼が戻って
きたその日からiMacに取りかかり始めた」とアイブは言った。
 元Apple CEOジョン・スカリーは時折、自分がAppleのiMac開発を指揮したと
主張している。アイブはそれを否定した。「僕はいろんなことを聞いたよ
−全部作り話だ」。
 めったに見せない皮肉をこめて、彼はこう加えた。「もちろんスティーブ・
ジョブズが帰ってくる前にも、僕たちはたくさんのiMacやiPodを持っていたよ、
紙の上にはね」。
552さい:04/10/30 16:31:37 ID:+A1Hi9fO
フォーカスとシンプルさ
 Appleとアイブはそのディテールへのこだわりで知られている。「シンプルさは、
僕たちがどんなふうに製品を作り出すかへのケアを物語っている」と彼は言った。
「どれだけ大変だったかは分かりやすくはないだろうけど」。
 「シンプルなのはデザインチームでもなく、技術チームでもなく、この会社なんだ、
会社がケアしているからなんだ」。
 彼はノートブックに関する彼のチームの仕事について語った。「僕たちがノート
ブックを開発していた時、それを開けた時にディスプレイがちゃんとディスプレイで
あるように、本当に、本当に、本当に一生懸命やった」。
 市場にある多くのノートブックがディスプレイを1インチもある写真立てみたいな
ハウジングの中に収めていたり、ディスプレイの周りに操作ボタンを置いている
一方で、Appleのシンプルさへのフォーカスは、顧客が経験することへの彼らの
ケアをこっそりと伝えている。PowerBookを開けた時の経験のシンプルさですら、
開発に当たっての「些細なことではない」のである。
 「あなた方のおそらく誰も気付いていない事が1つある」とアイブはデザイン・
ミュージアムの聴衆に語りかけた。「ノートブックを開けたところにディスプレイが
バランスを保てるように、基本的にばねを使ったクラッチを開発するのに僕たちは
本当に本当に一生懸命やった。それは僕たちが多くの時間を費やしたことの1つで、
だから製品は他の何よりもはるかにいいものになった」。
553さい:04/10/30 16:32:24 ID:+A1Hi9fO
信念
 費用へのケア。「時々途中で、この小うるさい懸念を抱いて、『他の誰かが本当に
気にするかい?』って思うことがあるかもしれない」とアイブは言った。
 問題は困難だけれども、それを解決するのは−例え異なるチームに渡ってのこと
だとしても−「政治的にじゃない」。
 Appleの他のチームは「こういった事柄を僕たちが思っているように大事なこと
だと考えている」とアイブは言った。「僕はそれが好きだ」と付け加えた。
 「僕たちは全員本当に本当に一生懸命働いて、本当に困難な解決を追い求めている、
だから僕たちは良い製品を作れるんだ」と彼は言った。
 「僕が信じることの出来る企業で働くということが、僕にとっては以前よりも
もっと重要なことになってきている」と彼は言った。

 これは昨晩デザイン・ミュージアムで行われたアイブの講演のレポートの
短縮版だ。完全なレポートは11月18日に配付される、Macworldマガジンの
Mac Expo特集に掲載される予定である。