low-k絶縁体を採用した、新G4が出ると言うニュースす。
http://www.siliconstrategies.com/story/OEG20030602S0003 Motorola低誘電率絶縁体を0.18ミクロンプロセスに採用し20%の性能向上を達成
Semiconductor Business News
2003.6.2 東部時間 AM 6:40
テキサス州オースチン発。本日、Motorolaは0.18ミクロンSOIプロセスにlow-k絶縁体を
組み合わせることに成功し、既に3ヶ月に渡って量産を行っていたことを公表した。同社
はこれまで0.13ミクロンプロセスからow-k絶縁体の採用するとしていた。
Motorolaはこの新技術をPowerPC G4 (7455および先頃発表された7457)を含むPowerPC
の製造に既に投入しており、20%の動作クロックの向上を達成しているという。Motorolaに
よるとこの新しい製造プロセスは動作クロックの向上だけでなく低消費電力と高い歩留まりと
信頼性を実現しているという。
Motorolaからは同社がAppleに供給しているPowerPCの動作周波数や消費電力の詳
細についての情報は得られなかったが、low-k絶縁体の効果の一例としては1GHzの
プロセッサが1.2GHzで動作するようになったという。
更にMotorolaは数週間のうちにlow-k技術を0.13ミクロンCuプロセスに導入することを
予定している。
「当社は18ヶ月でPowerPCの動作周波数を2倍に向上させることを目標にしている。
今年の第3四半期には0.13ミクロンプロセスに移行する予定で、PowerPCの動作周波
数は2GHz台に到達する。しかも消費電力はだいたい20W程度だ」とMotorolaのMOS13
工場のデバイス製造部長のDirk Wristersは語る。「もし消費電力の制限がなければ、
さらに高クロックを達成することも可能だ。」
>144,145のネタを見比べると……
モト必死?
「MotorolaはCuプロセスを採用した最初の半導体メーカーの一つだ。この経験がlow-k
材料を採用するに当たって役に立っている。それに比べると他の会社は多くの新材料
を一気に採用しようとして苦労しているようだ。当社は1999年からCuプロセスを採用した
製品を出荷しており、Cuプロセスにまつわる多くの問題は解決済みだ。この結果low-kの
問題だけに集中することができた。」とWristers氏は語った。
半導体用のlow-k絶縁膜は、過去数年に渡って精力的に研究が行われてきた分野だ。
誘電率kが小さいほど信号ライン間の静電容量を小さくすることが可能になり、トランジスタ
のスイッチング動作を高速化/低消費電力化することができる。しかしながら、新材料の
採用とそれに伴う装置の複雑化、low-k材料の信頼性の確保が困難であることから、実際に
量産に成功した会社はほとんど無かった。
「多くの困難から、一部の会社は0.13ミクロンでのlow-k材料の採用をあきらめて、90
nm世代に持ち越すようだ。」とWristersは語る。
MotorolaはApplied Materials社の開発したlow-k絶縁膜"Black Diamond"を採用するこ
とで成功したようだ。このプロセスはSiCOH膜を絶縁体として利用する。
「当社は有機材料やCVDなど、あらゆるlow-k技術を検討した。その結果、皆さんもご存
知のようにApplied Materials社と提携することにしました。」とMOS13工場のプロセス担当
者のVictor Wang氏は語った。
0.18ミクロンから0.13ミクロンの世代でMotorolaは"Black Diamond"で一定の成功を収め
たようであるが、90nm世代では再び変化があるかもしれない。Wristers氏によれば、
Motorolaは現在PhilipsおよびSTMicroと共同で次世代プロセス技術の開発をフランスの
Crollesで行っている。「Crollesの3社連合は現在、Trikon社のlow-k絶縁体を検討してい
る。」とWristers氏は語る。ウェールズのNewportにあるTrikon Technologies社は"Orion"
と呼ばれる新しいlow-kプロセスを開発している。
「90nmプロセスで更に誘電率の小さい材料を採用するため、我々は様々なlow-kプロセス
を評価している。Trikon社のCVDプロセスはその中で最有力だ。」とWang氏も語った。