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786競馬ネタ小説(三分の一)
SP 「古畑任三郎 VS ウインガー」(ウインクリューガー)

父の産駒として初めてG1を勝ったウインクリューガー(以下ウインガー)だったが以降は低迷から抜け出せず。
愛する牝馬・スティルインラブは先に繁殖入りしてしまい、寂しく現役を続けるもなかなかうまくいかない。

ある日、ウインガーはスティルに会いに行くついでにアドマイヤグルーヴのところにも寄る事にした。
スティルの同期で、エリザベス女王杯を連覇するなどした良血馬、彼女も今は繁殖入りしている。
アドグルの部屋を見つけたウインガーが近付いていくと、中から話し声が聞こえた。
電話でもしているのだろうか、そう思った瞬間のことだった。
「今考えると、私の3歳時ってとっても恥ずかしいわよね。大人しくしてれば3冠獲れたわよ、絶対」
「というか、あんなのに全部獲られてるって言うのが不思議でしょうがないわよね、世代の恥だわ」
彼女はスティルの悪口を言っていたのだ。愛する牝馬が密かに侮辱されている。
ウインガーは激しい憤りを覚え、今すぐにでも殺してやりたいとも思ったが、
その時はただ立ち去る事しか出来なかった。

その頃、ウインガーは別の殺害計画を立てていた。
同父の中で2頭目のG1馬であるメイショウボーラー、彼はは同じく低迷するも復活の兆しを見せており、
代表産駒の座をどうしても守りたいウインガーは同じく同父のディープサマーと協力してボーラーを殺害する。
更にボーラーと同厩のアルビレオがたまたまその現場を目撃し、口封じの為に殺される。
787競馬ネタ小説(三分の二):2006/10/12(木) 18:23:53 ID:F3FmJTP3
白井厩舎のOP馬2頭が被害者となったため、大半は厩舎への恨みによる事件と考え、
ウインガーとサマーは「アルビレオが現れたのは運が良かった」と考えていたが、
古畑だけは「標的はボーラーだけで、アルビレオは巻き込まれただけではないか。
犯人はボーラーの存在が気にくわなかった人物だろう」と推理。
これを知った途端、サマーは弱気になり自首すると宣言するも、それを許さないウインガーに殺される。

サマーが殺された事により、今度は「タイキシャトル産駒の実績馬が狙われている」という説が浮上。
しかしこうなると先の古畑の推理は的中したことになるが、それならウインガーも狙われる側と考えるのが普通だ。
「僕も危ないのかもしれませんね。一応シャトル産駒のG1馬ですから(笑)」
「それはそうかもしれません。・・・次の被害者が出たら大変だ、護衛をつけておきましょう」

古畑は今泉と西園寺を2人もしくは1人ずつでウインガーの護衛に付かせる事にした。
「これでもう安心だ」そう思ったのも束の間、ウインガーは大事なことを思い出す。
もう1頭、彼にとって憎らしく、消えて欲しい馬がいた。愛する女性の悪口を言っていたアドグルである。
彼女を消さなければ気が済まない、しかしあの刑事のことだ、ヘタに1人になったと知ればどう疑われるか分からない。
788競馬ネタ小説(三分の三):2006/10/12(木) 18:24:53 ID:F3FmJTP3
その時の護衛は今泉1人だけだった。ウインガーはキャロットジュースを冷蔵庫から出し、
「これ・・・いかがですか?」
「えっ、良いんですかっ?」
「護衛して頂いているお礼ですよ」
「悪いなー、じゃあ頂きますっ」

・・・数分後、今泉は爆睡していた。それも当然、ジュースに睡眠薬が混ざっていたのだ。
ウインガーは意を決してアドグルの元へ向かった。凶器をしっかり所持し、
いよいよ彼女の馬房が目の前にと思った時、ウインガーは凍りついた。古畑が彼女と話していたのだ。

「・・・おや?クリューガーさん、こんなところで何を?」
「・・・あー・・・・・・・・・彼女、元気かなぁって・・・」
「あれえ・・・今泉君はどうされたんですか?」
「あー・・・眠っちゃったんですよ彼。いつも護衛して頂いて、
 雑用にも使っちゃったりしてたんで、疲れてたんじゃないかなあ。なんか起こすのも悪い気がして・・・」
「あのバカッ、すみません本当に」
「いえいえ・・・」
「そうだ・・・クリューガーさん、ちょっとお話よろしいですか」
「・・・良いですよ」
「ではここで話すのも何なので、外の方に出ましょうか」

※このドラマはフィクションであり、古畑任三郎は架空の刑事です。