楔は解けた

話を聞いてくれ
聞いてくれるだけでいい

高２の、つまり今年の５月。

俺はお世辞にも格好が良いわけではないし、性格も悪い。だから新しいクラスではほとんど友達はいなかった。

常に１年の時の友達と話していて、女子となんて絶対に会話しなかった。

「あの、相談があるんですが」

教室で、初めて女子に声をかけられた。

俺は女子に話しかけられることなんて滅多に無かったから、動揺していた。

「相談？俺に？」

「はい」

相手は、同じクラスの女子だった。その友達も一緒だった。

「ここでは話せませんので、場所を変えても良いですか？」

「ああ、うん」

俺と、その女子二人は場所を誰も通らないような廊下の端っこに変えた。

正直、「告白か？」と心を踊らせなかったと言えば嘘になる。
だけど、「相談」と既に言われたからそれはないと思った。

「あの……私彼氏がいるんですが……」

「ふうん」

やっぱり、告白ではなく、本当の相談らしい。

話を聞くと、彼女には付き合っている男がいるが、最近彼氏が冷めてきているのか、態度が素っ気無いらしい。

彼女は、もし彼氏が自分のことがもう好きではないならば、付き合う意味はあるのか、と相談してきた。何で俺に？

「こういう事は、俺なんかに相談するよりも彼氏さんと二人きりで話すべきことなんじゃないかな」

俺はこう答えた。だが、彼女は何も言わなかった。

「……彼とそんな話をすることって今まで無かったから……」

俺としては、「甘えんな！そんな大事な話もできねぇぐらいなら付き合うんじゃねぇ！」と怒鳴ってやっても良かったのだが、とりあえずなるべく優しい返事をした。

「……じゃあさ、相手が冷めてんのか直接聞けばいいんじゃない？」

「……聞くのが怖い」

「……」

俺は呆れた。

そこでやっと、その子の友達が口を開いた。

「お願い、力になってあげて」

「力になる分には構わないけど、計画性も無く振り回されるのは御免だよ？」

俺は本音を言った。本心だった。

「彼に……聞く……」

目の前の女子は、つぶやいていた。その友人は、下をずっと向いていた。

「…力になれるなら力になります。俺が必要なら連絡を下さい」

とりあえず電話番号とメルアドを教えた。向こうのは聞かなかった。別に聞く必要もなかったし、興味が無かったから。

それから、彼女(相談して来た方)と俺は仲良くなった。
彼女の友達(以下、友人)とも仲良くなった。

彼女とは相談を重ね、次第に仲良くなり、親友という仲になった。彼女(以下、親友)は、彼氏がいるのにも関わらず俺と仲良くした。親友だったから。

一緒に花火したり、一緒に勉強したり、一緒に帰ったり……

親友と俺は、本当に親友だった。

「お前、〇〇(俺の名前)と仲良いよな。俺より〇〇の方が大事なのか？〇〇を信じるのか？」

親友は、彼氏に唐突に言われた。あまりにも突然過ぎだった。

「約束しろ。もう二度と〇〇に関わるな」

親友は俺との交流を遮断された。
そして、親友と彼氏の仲は、険悪になった。

友人が、放課後俺と親友に言った。

「親友、彼氏さんと付き合い続けるか、別れるか決めなよ」

親友は前々から、彼氏がわからなくなったと別れようかということを仄めかしていた。

彼氏と別れるか、別れないか。
決める時がきた。

俺は口を開いた。

「……もし付き合い続けるならば、俺はもう親友に関わらない」

その彼氏は嫉妬深いから、付き合い続けることになったら、俺は邪魔な存在になる。

また新たな問題が起こる。俺はもう必要無くなる。相談ごとだって、彼氏にすればいい。

付き合い続けるならば、俺は親友と二度と会話しない。

別れるならば、これからも相談を受け続ける。

簡単な話だった。

親友は何も言わなかった。
彼女はいつも優柔不断だった。相談ごとをされる度に、「お前はどうしたい？」といつも返すが、「わからない」と返された。

今回もだった。

「……わからない」

「……自分で答えを見つけられない場合は」

「え？」

「俺はアンタを見捨てる」

「え……やだよ……」

ここで答えを出せないなら、これから先も何か答えを出せるわけがない。
だから、答えがでなく、いつものように優柔不断なままならば、見捨てることにした。

「……」

「……あと３０分以内に決めろ」

「……」

「……俺は蝉が鳴きやむ季節までダラダラとした相談に乗る気は無い」

「……」

「あと……２９分……」

時間は流れていった。

あっという間だった。
あっという間に３０分が過ぎた。
結論は出ないまま。

「……３０分」

「……わからない」

「……お前は」

「うん？」

「彼氏と付き合え」

「……」

「お幸せに」

俺は、無言で親友を後にして、帰宅した。

そして今帰宅した。

すごいわかりにくいけど、こんな感じ。

早い話、今まで仲良かった親友が、急にいなくなってしまったってだけの話。

親友とももう話す気もないし、もとの仲に戻る気も無い。

でも、なんかどうしようもなく悲しい。寂しい。切ない。

そんだけ。
話を聞いてくれた人いたら、ありがとう。

女が決めれるわけねーじゃん
お前が決めろよ迷惑になっても仲良くしたいのか邪魔だと思って去るのか

>>15
俺はどんな形になろうと親友には幸せになってほしい

だから、彼氏と親友は俺という邪魔な存在がいなくなったから、仲良くやっていって欲しいんだ

親友にとって、それが一番幸せなんだと思って

ロビーは二十歳になってからだぞ

>>17
ゴメン
でも悲しくて、虚しくて、どうしようもなくて、泣きそうだったから気が紛れるかと思って書いてみた

チラシの裏すまん

ざっと読んだけど、30分てなんだよオイ。
短すぎるだろ。

相手に決めさせるが猶予は30分てさ、君は鬼かと。

>>14
あーこれ今日の話なのか。

> 今まで仲良かった親友が、急にいなくなってしまった

ほっときゃ向こうから半泣きで電話くるから安心して待ってろ。

たとえ電話が来ても、電話に出ないつもり

電話に出たら、また振り出しに戻ってしまうから

キミの存在程度で険悪になる仲なんてたかが知れているわけで
それを「親友にとって、それが一番幸せなんだ」てのはいかがなものかと
その女が男が居れば他に何もいらないって類のヤツでないなら、嫉妬深い男なんて最低以外の何者でも

ところで一体何が解けたって言うんですか？

わさび

>>23
くさび【楔】
[意]Ｖ字形をした木・鉄の道具。物事と物事とをつなぎ合わすもの。

よく読んでないけど男女間に友情は存在するかとかいうベタな内容？

>>22
だけど親友はまだ彼氏の事が好きらしい

彼氏さえいれば、俺なんて必要ないと思って

セックスしたの？

>>28
セックスなんかするよりも、一緒に話す方が楽しい

してない

ますますよくある話じゃないか
馬鹿な女と嫉妬深い男ってお似合いだと思うゼ！

>>30
だけど、俺の日常の一部だった親友がいなくなった悲しみがまだ抜けない

一番の馬鹿は俺なんです

どうせﾔﾂﾗはそのうち別れるじゃろ
ｶﾞｷの話やね
とりやえずﾁﾐは謝っとき
ﾜｼの予想やと
久し振りに会う成人式あたりでｾｯｸすることになるやろう

>>32
謝るって、何を？

きさんはｶﾞｷじゃ
彼氏もｶﾞｷじゃけど
ﾁﾐには「なぁなぁ」っちゅう言葉を授けちゃろう

友人からメールが来た。

一応今日の結果報告。
彼氏を選びたいって気持ちはハッキリしたんだけど、君が居なくなる事については納得できないと言ってる。だから今にでも考えが揺らぎそうな状況です。

との事。
考えが揺らぐって一体何なんだろうか。

簡単な話彼氏に話を付ければいいじゃんかね
友達という事を信用してもらえば問題ないじゃんね