女子高生コンクリ殺人事件を映画化【上映反対】

今回の件は、誰も見てないものを見てないままに批判すると、先入観が妄想を呼び、他人の妄想が自分の妄想と
まざりあって、実態とかけ離れた要素に対して憎悪をかきたてられ、ヒステリックな反応や行動をおこしてしま
う、というよい実例になりましたね。
２ちゃんねらーは、もうちょっと冷静で、リテラシー能力が高い人が多いかと思ってたのに、非常に残念です。
（少数の人だけが騒いでいる可能性もありますが）

下のページを見てください。
http://movie.maeda-y.com/movie/00316.htm
＞前置きが長くなったが、そろそろ映画『コンクリート』の中身について書くとしよう。登場人物の設定やストーリー、
＞虐待の内容は、おおむね事件どおりとなっている。一部で心配されているような、エログロ趣味を前面に押し出した不
＞謹慎なものという印象はない。宣伝やキャスティングの方はともかく、中身はそれなりに真面目に作ったのだな、とい
＞う感じは受ける。

＞結論として、『コンクリート』はとても中途半端な作品だ。人々をあっと言わせる新たな視点や解釈は全くない。
＞無難な切り口で事件を描く事で、まず見た人々の批判を避け、特殊な性的趣味の人々を意識したようなキャスティ
＞ング＆宣伝方法で売っていこうという色気を、完全にユーザーに見抜かれた痛々しい映画作品だ。
＞これでは上映中止もやむを得まい。

映画の内容は、「あっと言わせる新たな視点や解釈」がなくて、「無難な切り口で事件を描」いてるのだから、
これは、なんの問題もないわけです。
「特殊な性的趣味の人々を意識したような」「エロ残虐シーンだからだめ」というなら、まだ理解できないこと
もないですが、上のページでは、被害者を不当におとしめるような描写は指摘されていません。
それなのに、主役の子が気に入らないってだけで上映中止しろっていうのは、厨な人以外は「結局、てめえの好
き嫌いだけかよ」ってなりますね。
嫌いというだけなら見なければいいのです。

また、もし、宣伝方法に問題があると感じられるなら、宣伝方法を改善させればよいだけの話です。作品そのも
のを埋もれさせる必然性はまったくありません。
そういったことから、一番最後の引用文では、「これでは上映中止もやむを得まい。」と言っていますが、これ
は最後のところだけ文章に筋がとおっていないということがよくわかります。

そもそも、テラ銭を取る映画やビデオ作品で、しかも、年齢制限がついた作品の中で、事件を興味本意で語ろう
がどう語ろうが、そんなものは、人の勝手なのです。
事件に対する批評や考え方が、自分の考えているもの・想像しているものと違うからといって、「上映するな・
ビデオ発売するな」というのでは、問題に対する理解はせまいところにとどまってしまいます。
（たとえば、この事件は、当初、被害者に大きな非があったという報道（＝事件に対する批評）が主流なようで
したが、のちに加害者の残虐さが強調されるようになりました。
もし「被害者に非がある」と信じこんでいる人が、あとの報道を封じこんでいたら、どうなっていたでしょうか）
「嫌なら批判すればいいし、見なけりゃいい」ですむ話です。

ましてや、この映画は、被害者を侮辱しているという報告はないですし、犯人が逮捕されて（賛否あるでしょうが）
「後悔する」というところまで描かれているのですから、真似するから禁止しろ、という単純な批判も成り立ちません。
さらに、批評性（フィクション性という意味も含めます。フィクションによって、批評が明確になるのですから）
をもって事件を語ることが被害者の名誉を傷つけるというのなら、新聞や週刊誌はもちろん、２ちゃんねるで事件
の概要を広めることすら被害者の名誉を傷つけることになります。

以上で、この事件の上映中止やビデオ公開には、正当性がないことがわかってもらえればいいのですが。
というか、そもそも、騒いでる人が、こんな長い文章を読んでくれるか、という疑問がありますが、なるべく正確
にやろうとするとある程度長くなってしまうのは仕方ないですね。