( o^v^o) ネギま!DE バトルロワイヤル (・∀・ )
2−13
和美は朦朧とした意識の中で、上に乗っかった男の体重を感じていた。ハァハァと
荒っぽい猫上の吐息が聞こえる。女を憎むこの男でもどうやら性欲までは捨てきれないようだ。
和美が横に視線を転がすと、無造作に投げ捨てられたベルトが見えた。猫上のスラックスを
拘束していたものである。そのベルトが外された途端、彼の抑えていた性欲まで解き放れて
しまったかのようである。
猫上は彼女の唇には目もくれず、和美のブラウスのリボンを解き、胸のボタンを両手で
大きくはだけさせた。2、3のボタンがブラウスから外れてそのまま地面に転がった。そして
間髪言わさず、開いた胸に手をねじ込んできた。そしてブラジャーの谷間の部分を掴むと
強引に上に向かって引き上げた。その反動で、ブラが引きちぎられてクラスNo.4の豊満な
胸が露わになる。すっかり暗くなった雑木林の中で、その白い乳房は闇夜に浮かぶ月のような
エキゾチックな神々しさを思わせる。その白い肢体が、むせ返るような木の香が充満する
林の下草に転がされて乱暴に取り扱われていた。
普段は活発で気丈である彼女だけに、この泥まみれの情交になすすべもなく耐えているのは
ことさらに痛々しかった。猫上との格闘でほとんど一方的にいたぶられ、もはや抵抗する
気力を失ってしまっているのだ。
(ああ、ジャーナリストになる目標も今となっては儚い夢だなぁ・・・)
和美は他人ごとのようにぼんやりとそう思っていた。この獣のような交わりが終わったらすぐに、
用済みになった私はゴミ屑のように殺されるのだろう。もはや、抵抗する気力も
残されてはいない―――
「うぁっ・・・・・・」
猫上が強い力で両手で胸を揉みしだく。女体をいたわる様な優しい愛撫ではなく、
乱暴で雑な荒々しい揉み方だった。揉むというよりは、揉み潰すというような感触だった。
猫上が和美に対してこれっぽっちも“愛しい”という感情など無く、刹那的に一時的な
欲望の捌け口の対象としかみていないのは明白だった。
猫上は単調に揉むだけでは飽きたのか、今度は舌を伸ばしてその大きな乳房には似合わない、
小さなピンクの先端をねちっこくなめ回し始めた。本来なら脇腹や乳輪などからじっくり責めて、
ギリギリまでじらすところなのだろうが、猫上には和美を感じさせてあげようなどとは
これっぽちも思っていない。ただ、自分の欲望が満たせればいいのである。また、
プロポーションの整った快活な美少女を、自然の中で獣のように一方的に犯すのは、
彼にとって、ある意味で「女性全体への復讐」という特別な意味合いもあるのかもしれない。
猫上は舌を引っ込め、歯を立てて乳首に噛み付いてきた。
「・・・ひぃっ」
和美は苦悶の表情に顔をしかめる。しかし、手のひらや唇から流れ出る血の方が気になって、
脳がそれぞれの痛みを個別に判別するのが不可能になりつつあった。
「痛い・・・・・・やめてよ、や・・・・・・めてって」
それでも和美は決して聞き入れられない無駄なお願いをする他なかった。猫上の目は、
もはや狂気の色合いを帯びギラギラしている。当然、和美の呼びかけに答える気配も
無い。
突然、今まで和美の背を無造作にまさぐっていた猫上の右手が外れた。それは後ろの
ポケットに伸び、次の瞬間彼の手にはコルトパイソンが握られていた。猫上は恍惚とした
表情を浮かべにやついていた。
「・・・・・・な、何をするっていうの」
失意のうちに成すがままにされていた和美もさすがに身体を固くして身構えた。
(コイツ、もう私を殺す気なのか?胸を揉んだだけで・・・アソコには何もしてないってのに)
殺されるのは半ば諦めていた和美だが――抵抗の手段が残されていない以上、数十分以内に
運良く誰かが通りかかって猫上の魔手から和美を解放してくれない限り助かる見込みは無い――
それは猫上が、自分の秘部に怒張を挿入して彼女の中に欲望を吐き出してからだと踏んでいた。
(もう、運命の瞬間が来るのか。あーあ、死にたくないなぁ・・・)
体のあちこちから感じる痛みによって、彼女の精神力はガタガタに崩されており、
死ぬ間際に最後の抵抗をする気力もなく、必死の話術によって命乞いをするだけの頭の
回転もはや期待できなかった。
そんな和美の胸中を察してか、猫上はおもむろに口を開いた。
「安心しぃ、まだあの世に逝くのは早いで――」
そう言って猫上は和美の左側の乳房の側面に銃を当て、彼女の身体の面に水平方向に
銃を放った。眼前で火薬と血飛沫が同時に弾け飛ぶ。
「うああッ。う、うああああぁ・・・・・・ひぃ」
なんとこの狂人は、女の美の象徴である乳房を、横から銃弾で打ち抜いたのである。
銃弾は貫通せず、左胸の脂肪の中にとどまったらしい。あまりのおぞましさに、気丈な
和美も絶望から涙を流した。
「も、もぉう許してよ・・・・・・はぁ・・・いっそのことひと思いに殺して、楽にしてよぉ」
和美は喉から声を絞り出した。和美は今になって猫上の歪んだ真意を完全に悟った。
この狂人は、自分の性的欲望を満たすためというよりも、女である自分に最大限の
苦痛を与えることが目的だったのだ。だから、肉体的だけでなく精神的にも、
犯して侵していぢめようというのだ。女にとってかげかえの無い大事なものの一つ
である乳房を、死なないように垂直ではなく水平に横から撃って、破壊して傷物に
するという行為はそう考えないと説明できなかった。彼にとっては女のプライドを
ずたずたにすることが最優先なのだ。それは死よりも恐ろしいことだった。特に彼女は、
15才にしては豊かな胸を持ち、付き合った男からも綺麗な形をしているねと誉められる
ような自慢の胸だったから。事実、和美は毎晩風呂上りの際に鏡の前で自分の美乳を
映して飽きもせず誇らしげに見とれる習慣がある程で、その内部に銃弾を打ち
込まれたまま生かされるというのは、なおさら苦痛なのだ。
和美が自慢だった美乳との別れの感傷にひたる暇もなく、猫上は下腹部に左手を這わせ、
スカートをめくりあげ、下穿きを引きずり下ろした。さすがの和美も白い頬を桜色に
紅潮させずにはいられなかった。いくら処女ではないとはいえ、和美もまだ15才の
女子中学生に過ぎない。付き合ってもいない男子に、大自然の中で秘めたる割れ目を
まじまじと眺められては、赤面しない方が無理な要求だった。
猫上は、感嘆の溜息をついていた。性格に似合わず少々控えめかと思われる恥毛は、
それでも一方向に揃って、彼女の女の性を優美に主張していた。女を目の敵にしている
彼も、彼女の恥部の誇り高さを認めずにはいられなかった。
(俺が普通の男だったら、狂喜乱舞しただろうがな・・・)
猫上は今になって、この女を殺すのは少しおしいような気もした。が、すぐさま我に返った。
そう、普通の男にとって憧れの存在である女性器は、彼にとっては忌むべき汚れそのもの、
憎しみの象徴のはずだった。
猫上は本人の意に反して色っぽく男を誘う秘裂には目もくれず、小豆を覆う包皮を向き、
生赤いクリトリスを外気に晒した。辺りに甘酢っぱい淫臭がほのかに漂う。
猫上は無造作にその肉豆をつまみあげた。
「あううっ」
和美は全身に電流が走ったような快感を覚えた。これは彼女の身体が深層で待ち望んで
いたことだった。不本意ではあるが、強烈な性感によって、全身のあちこちを襲う痛みを
忘れてしまいたかった。しかし、その淡い望みもすぐに打ち砕かれた。なんと、あろうこ
とかこの鬼少年は、クリトリスに爪を立てたのである。
「ヒッ・・・・・・ひぃっ」
猫上は病的な笑みを浮かべつつ、グリグリと小豆に爪を立て押し込んでくる。肉豆が
充血し、ついに粘膜が切れて出血を始めた。
「いたい、痛いよっ!止めて、ぁああああああああーーー」
もはやこうされては、いくら女性の最大の性感帯の一つとはいえ、快感よりも痛みの方が
はるかに勝る。和美は身をよじって猫上の腕の中から抜け出ようとした。
「あぁっ・・・・・!!・・・あひぃ」
その途端強烈な往復ビンタが飛んだ。忘れかけていた唇の痛みが再び戻ってきた。
苦悶のその目は既に虚ろで、出血した唇だけが荒い息を繰り返していた。
猫上の異常なまでの猟奇性は、もともと持っていた女性への負の感情に加えて、
原始時代より受け継がれた男性の闘争本能――通常は同性に向けられる――が法律という
たがが外れたことにより開放され、さらに女性への嫌悪から否定して抑え込もうとしてきた
性欲が暴発したことが複雑に絡み合って暴走しているのだ。などと、和美はちゃっかり冷静に
分析してみた。将来思い描いている新聞記者の仕事らしいことをやってみるという、彼女の
この世への未練だった。もっとも、今さらそんな客観的な分析をしたところで何もならないのだが。
猫上は自分のトランクスを脱ぎ降ろした。まだ黒ずんでいない若々しいピンクの肉棒が
顔を出した。決して大きいとはいえないものの、その肉茎の側面は、何本もの充血した
血管がくねくねと脈を打ち凶悪にそそり立っていた。痛みの苦痛ばかりで膣内があまり濡れて
いなかったので、挿入された肉棒は和美の下腹部に切り裂くような痛みを与えた。
和美は再び身体をねじって逃れようとしたが、みぞおちに再び強烈なパンチを食わせられた。
抵抗することを諦めた和美は、ぐったりと地面に横たわりながら涙を流して
苦悶にたえ続けるしかなかった。その時、目の前に見たことも無い情景が浮かんできた。
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教室のようなつくりをした一室が見える。前には黒板とピアノがあって、部屋には無数の
椅子が置いてある。小学校に上がったばかりとおぼしき子供達がめいめい好きなところに座り、
友達とゲームやままごとに興じている。どうやら、幼児や小学校低学年の児童が使う、
児童センターの一室のようだった。母親が仕事などで帰りが遅くなる家の下校帰りの子供達を、
数時間の間預かって遊ばせておく公営の施設だった。
幼い和美は部屋の片隅でうずくまる少年を見つけた。和美は親の都合でこの地域に転入してきた
ばかりなので、ほとんどの子供と面識が無い。周囲を見渡したが、職員のお姉さんは席を
外しているようだった。和美は彼に近寄った。
彼はどうやら同学年のようだった。名前に見覚えがないが、名札から隣の小学校の2年生だと
分かった。和美は必死に慰めようとしたが、少年は泣きやまない。
「親父・・・親父ぃ・・・・・・なんでやぁ」
少年はうわ言を呟くだけで和美の声には答えようとしなかった。
そのうち、職員の保母さんが来たので、和美は保母さんに任せて、ピアノの方へ駆け寄った。
そして、何曲か自分の覚えてる曲を満足げに弾いたあと、家へ帰ろうと立ち上がった。
ふと顔を上げると、先程の少年が職員のお姉さんに頭を撫でられながら、不思議そうな目で
さっきまで和美が弾いていたピアノをみていた。
情景が移り変わって、少し遅い夜の食事風景が浮かんだ。たまたまつけていたTVのニュースで、
交通死亡事故の速報が流れる。茶碗を片手に和美の母は呟いた。
「やだ、この近くじゃないの!?」
父親が煮物に箸を伸ばしながら答えた。
「ああ、しかし無茶な運転をするよなぁ・・・。和美も道路に出る時は気をつけろよ」
「うん、わかった」
和美は子供心に思った。
(事故で死んだこの人といい、さっきの男の子といい、世の中には不幸な人がいっぱいいるんだなぁ)
和美は自分で使った食器を洗い場に運んだ後、母親をつかまえてこう言った。
「決めた。お母さん。あたし、新聞記者になる」
「えぇー?ピアノの先生になるのは止めんのぉ?」
「うん。あたし、記者さんになって、世の中からかわいそうな人がいなくなるようにするの」
スーツから普段着に着替え、入浴の準備をしていた父親がこう言った。
「和美ぃ。それはいい夢だぞ。お父さん、応援しちゃうぞ」
そう言って彼は幼い娘を抱きかかえて、“高い高い”をしてあげた。
「うん、あたし絶対なるよ」
小学生にもなっての“高い高い”への照れ隠しに和美はこぼれんばかりの笑顔を
綻ばせた。
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(あれはいつのことだったっけ・・・)
もう和美には物事の判別がつかなくなりつつあった。今脳裏に浮かんだ情景が、
過去の思い出なのか、それとも脳内麻薬が作り出した幻影なのかも分からなかった。
全身の感覚が鈍くなり、麻痺しつつあった下半身に男の黒い欲望がドクンドクンを
放出されるような感覚を覚えた。おそらく猫上が自分の中で果てたのであろう。
だが、もう和美にはそんなことはどうでも良かった。早く楽になって逝きたい、
和美の願いはもはやそれだけであった。
猫上は立ち上がりズボンを穿いた後、コルトパイソンを握って呟いた。
「さて、用も済んだし、そろそろお別れの時間やな」
躊躇わず彼は引き金を引き絞り、続けざまに二発撃って、彼女の頭をぶち抜いた。
ピチャッと少年の顔にはねた血液を手で拭うと、猫上はその場を早々に立ち去った。
さすがの狂人も、もはや一個の物体となった白い遺骸の側にいると、吐き気を
催さずにはいられなかったのだろうか。
あちこち傷つけられボロボロになった白い裸体の周辺に鳥が舞い始めた。
虐待中苦悶に歪んでいたその顔も、今は心なしか微笑んでいるように見えるのは
筆者の目の錯覚なのかもしれない。