( o^v^o) ネギま!DE バトルロワイヤル (・∀・ )
1 :
ネギ・スプリングフィールド:
V´ _ヽ /!
V´ _ヽ //
V´ _ヽ __i { __ , -一ァ'
V´ _ヽ / Y´ _ ` く
V´ _ヽ , ' i 、 、ヽ、 \
V´ _ヽ / / , _l ヽ ヽ ヽ ヽヽ
V´ / / / // i lト、 ヽ ヽ ヽ ', ', この国はすっかりダメになってしまいました。
ヾ / // / // | lヽヽ ヽ ヽ l l ', .そこで今日は3−Aのみなさんに
. 〉' // /! /il !i l ヽ ヽ i l | ! ト! ちょっと殺し合いをしてもらいます
/ハ |i l il il,.-- 、i | ヽ'へ i | ! iリ !
ヽリi l |i| ,ィ=、ヽ ,.=、、レl il !
〃リ{ ヘ {i |__.」 l.___! i}/ }リ
〃´ ̄ ̄ ̄《 ヽ .i (⌒)⌒(⌒) l_,ノ⌒ヾ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
il |ヾ /´ヽ、. r =┐ ,. ' ヽ ノノ li
|| / ヾ〈 \. ヽ. ノ / レ'ハ. ||
ヾ 〈 \ ヽ 〈 ` ー ´ 〉 / 〉. ||
ヾ___,ハ ヽ、 i || i , '" ハ.____〃
2 :
爆頭 ◆I2wz967WrQ :04/02/05 18:35 ID:jL9trl9m
|┃三,.、 ,r 、
|┃ ,! ヽ ,:' ゙;
|┃. ! ゙, | }
|┃≡゙; i_i ,/
|┃. ,r' `ヽ、 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|┃.i" ゙; < 次スレはまだ立たないのか!
|┃:!. ・ ・ ,! \____________
| (ゝゝ. x _,::''
.______|┃= ,::`''''''''''''''"ヽ.
|┃ | r';
|┃ ゙';:r--;--:、‐'
|┃≡ ゙---'゙'--゙'
ガラッ
3 :
名無しさん:04/02/05 18:35 ID:+k+aCHgQ
ノ ヘ
(● ´ ひ ` ● )
'∀' 軟骨
4 :
名無しさん:04/02/05 18:35 ID:XIByac7a
俺はF組だから関係無い
,. ---:,‐
/::::,. '´
_____ /:::::∠. ::-─‐- ._
 ̄ `` ー- 、:::::::::`丶|::::/::::_::::::::_,ニ =-/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
, -=‐っ,:と;=´,二三::丶、 | 先生!私の武器はなんですか!!
. /::::::::::://.:.,. '´..:., :-‐:::::::::::ヽ,. ヽ─y────────────── ,-v-、
,. ':::,::::::'フト::/.:..:/. ::.:/..::..:._,.-::::::トヽ / _ノ_ノ:^)
. , '::/'::::;:,':::jy:::ィハ::ィ;:_::,. -= ¬'::イ::i::! / _ノ_ノ_ノ /)
/::/,.'::/:i::::i!:ィ;ソ:/,. ヘ´ .l:::::l:::i::! / ノ ノノ//
'´ /,ィ´::;イ'7ァ/,'/'イ‐ァ,、, ', |:::::!:::|‖ ____/ ______ ノ
/ ク::://!i i::リ/ 丶-' ` , ュ !::::i|::l l! _.. r(" `ー" 、 ノ
. // !:// .|::ト|::'/' , !'ラi.ノ::::/l:::! _. -‐ '"´ l l-、 ゙ ノ
. i' |!:,' |:iリi!:;ハ. u r‐-、_ ` ` ´ソ:::,' レ __ . -‐ ' "´ l ヽ`ー''"ー'"
!// !∠レ 丶、 l / , ','::,.' ' /`゙ ーァ' "´ ‐'"´ ヽ、`ー /ノ
/ ヽ、 ン 、_ ,.´ ' ´ ':/ / / __.. -'-'"
./:::::::::::: \! ' l / . -‐ '"´
6 :
名無しさん:04/02/06 00:37 ID:ptF41a05
日付が変わってIDが変わったとたんにコテを出す非でありました
スレ立てたのお前なんだろ、糞スレ立てんな、死ね
ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・
その時突然聞きなれない電子的な音が鳴りはじめた。
クラスは騒然となった。皆、音の発生源を特定しようと周囲を慌しく見回した。
ガチャガチャッ
一人の男が慌しく立ち上がった。
>>6であった。
彼の首には見たこともない奇妙な金属製の首輪が巻かれており、
その正面中央部のランプが断続的に点滅していた。
音の発信源はどうやらそこのようだ。
血相を変える
>>6 「お、おい・・・な、なんなんだよ、コレ・・・」
>>6は周りの女生徒らに哀願するように問いかけた。
誰も答えようとはしない。近くにいた佐々木まき絵(女子16番)に近づいた。
「な、なあ?佐々木・・・」
「しっ、知らないよっ、そんなのっ」
ガッ
次の瞬間、
>>6が見たのは眼前の天井、そして宙を泳ぐ自分の身体だった。
「うわぁっ」
ドタッ
鈍い音がして
>>6は教室の隅に叩きつけられた。
腰の痛みを我慢しつつ、視線を前に向けると、背を向けて教室の反対側に走り去る
まき絵の後ろ姿が見えた。
(・・・まき絵、突き飛ばしたのか?俺を)
彼女がそんなことをするなんて、ショックで
>>6は呆然とした。
その醜態を新しい担任となった外人教師の子供が冷笑していた。
(クソッ!このガキ。ぶッ殺してやる!!)
>>6は足を引きずりながらも、この謎の少年教師につかみかかろうとした。
「うあっ」
ネギ・・・と呼ばれるその少年教師まであと一歩というところで
>>6は前につんのめった。
必死に態勢を立て直そうとしたが教卓の過度に右肘をぶつけた。
ネギの横にいた専守防衛軍兵士に足を引っ掛けられたらしい。
(この、クソッタレが!)
そして立ち上がる間もなく、首に冷たい感触が触れた。
おそる、おそる首を回すと・・・銃口(コルトM733コマンド)が彼の喉元に突きつけられていた。
全身を硬直させる
>>6。ゴクっとつばを飲み込んだ。
それを尻目にネギは壇上に躍り出てクラス全体によく通る声で言った。
「それからー、言い忘れましたけどぉー。皆さんの首に巻かれてある首輪。
これは皆さんの体内パルスを随時モニターしていてぇー、先生からは皆さんがどこにいるかぁ、
手に取るように分かります。この中には爆薬が詰められていてー、不審な行動を取ったりぃー、
禁止エリアに入るとぉー、あ、禁止エリアについては後で詳しく解説しますけどぉー、
そうした時に爆発するようになっていまーす。爆発したらぜーったいに、助かりませーん」
賢そうな顔でわざと冗長に言ったそのセリフは、特に
>>6には、ことさたイヤミに聞こえた。
「そうだ。ちょうどいいですねぇー、ここに良い実験台がいますしぃー。」
ネギはそういって手元にあったリモコンを――まるでTVのそれだった――
>>6の方向に向けて
ピッとスイッチを押した。
ピッピッピッピッ・・・
ネギがリモコンを操作した途端に、断続的に鳴っていた
>>6の首輪の電子音の間隔が
早くなった。前よりも小刻みになったその単調で耳障りな音とともにランプが激しく点滅した。
「鳴り始めてからー、3分以内にぃー、爆発しまーす。首との間に鉄板を挟んだりしてもー、まず
助かりませーん」
そうネギが言い終わらないうちに専守防衛軍兵士はネギの胸倉を掴んで
>>6を投げ飛ばした。
転がる
>>6は教室の中央にうつぶせになって倒れた。
「ちくしょううちくしょうちくしょう、なんだってんだよ一体、クソ、あ、ああ、あああああー」
「皆さん気を付けた方がいいですよー。首輪の爆薬は結構強力なのでー、
近くにいたら巻き添え食いますよー」
まるで他人ごとのように、むしろその状況を楽しむような口調でネギは冷たく言い放った。
ざわっ。ネギのその一言でクラスの空気が変わった。
皆、おそるおそる後ずさりして
>>6から離れようとする。
「おい!助けてくれよ?なぁっ、俺を――俺を見殺しにすんのかよっ?」
>>6は大声で女生徒達に向かって叫んだ。が、誰も彼を相手にしようとはしない。
そうしている間も首輪の不快な電子音のペースは上がっていく。額から汗が噴出すのを感じる。
とうとう溜まらなくなった
>>6は教室の端に固まっている女生徒達めがけて走り出した。
「うあ、うあああああーーーー」
「キャー」
「こっち来ないでよーーー!」
クラス内は騒然となった。皆、
>>6から出来るだけ離れようと逃げる。
>>6は逃げ遅れた宮崎のどか(女子27番)をようやくのことで捕まえた。
のどかは何も言えずただ首を振るばかりだった。
「なあっ!?宮崎、なんで逃げるんだよっ!俺を、俺を、」
ドスッ。
不意に脇腹に衝撃を感じ、
>>6はその場に崩れ落ちた。
倒れる瞬間に綾瀬夕映(女子4番)が聖拳突きの構えを取る姿が見えた。
そして耳元でぼそっと呟くくぐもった声がした。
「ごめんなさいです・・・」
喉の奥から酸っぱいものがこみ上げる。
「ぜぇっ・・・ぜぇっ・・・」
額を押さえて
>>6は立ち上がった。
数秒間失われていた視力もようやく戻ってきた。
そして化け物でも見るかのように、周囲を見渡した。
真っ先に宮崎のどかと彼女の肩に手をかける綾瀬夕映の姿が飛び込んできた。
「ごほっ・・・」
思わず大振りの咳をする
>>6 血か胃液が出るかとおもったが、何も出なかった。
「どうして・・・だ」
>>6にはあの小さな身体でこれだけの威力を持った聖拳突きをしたそのことよりも、
あの綾瀬夕映が自分にそれをしたという、その事実にただただ驚いていた。
「それがお前の、お前の友情ってやつかよ!・・・宮崎のために、俺に一人で死ねってかよっ!」
思わず怒鳴り散らした。夕映はのどかを助けるために、俺を攻撃したんだ。こんちくしょう!
夕映はばつがさすがにばつが悪そうに
>>6から目をそらした。
のどかはただただ震えるばかりだった。あまりに突然のことでまだ状況の変化が飲み込めていないのだろう。
そんな彼女らに誰も責めるような視線は向けなかった。
むしろ、
>>6に対して同情と侮蔑の入り混じったような視線を向けていた。
ピ、ピピ、ピ、ピピ――
首輪の音が早くなる。もう、1分もしない内に爆発するだろう。
もう
>>6はクラスメートの誰も信じられなかった。ただ、彼女一人を除いては。
(みんな、悪魔だ。可愛い女達だと思っていたのに、化け物の、本性を現しやがって・・・)
意を決して、
>>6は窓際に佇む柿崎美砂(女子7番)の元へ駆け寄った。
そして彼女に取りすがった。
「なぁ、美砂。俺は、俺は、俺はお前を信じてるぜ?だって、俺達はいつも、いつも、
一緒だったじゃないか?なぁ、返事してくれよ!美砂っ」
>>6は美砂の肩を揺さぶった。が、美砂は
>>6と目を合わせようとしない。
「嘘だろ?お前まで。なぁ、嘘だと言ってくれよ!だって、俺達恋人同士じゃないか?
それに、お前の、お前のおかげで、ゴホッ・・・うっ」
再び喉から胃液がこみあげてきた為
>>6は一瞬言葉を失った。が、胸に手をあて
拳を握り締めて、吐き出すように言葉を続けた。
「俺・・・が、ここにいられるのも、お前がしてくれたからじゃないか!?なぁ?
お前が頑張ってくれたから。この学校を共学にするって署名を・・・俺と一緒のクラスで、
・・・べ、勉強したいからって・・・だから、こうして、新学期から3人の男子生徒を受け入れて、
さ、ささ、34人の、新生3−Aが、誕生して、だから、その、お前・・・なら」
「俺は、た、た、たのし、かったぜ?お前と・・・一緒。いろんなとこ、行けて・・・
グ、ふぅ。・・・は、原宿で、あ、ああああ、アイス食べて、お前のほっぺたに付いたアイスを俺が、
手、ててててですくってやった、お前、照れて笑ってて、その・・・か、可愛かった、ぞ?
その後、映画館に行って、ホラーがみみみ、見たい俺とラブロマンスが見たいお前で
ケンカしたっけ?な、なぁ?い、いい今までのは、全部う、嘘だったのかよっ!?」
「ごめん・・・」
美砂は顔を横に向けたまま目を閉じてそう一言いい放つと、息も絶え絶えになった
>>6から
そっと離れた。追いすがろうとする
>>6 しかしその前に、犬上小太郎(男子1番)が立ち塞がった。
「いつまでも、女に迷惑かけとらんで、さっさと死ねや」
そう言って小太郎は
>>6を足蹴にし、再び
>>6は教室中央に転がった。
ピーーーーーーーッ
つんざく様なけたたましい電子音が教室に一杯になり響き、
パン!と弾けるような音がして、
>>6の首から閃光が放たれ、血液が一面に飛び散った。
「キャーーーー」「いやぁーーーーーー」
クラスのあちこちから女生徒の金切り声が上がる。
「静かにぃー!」「静かにしろー!!」
専守防衛軍兵士達が動揺する彼女達を沈めようと叫ぶ。
5分程して、ようやくざわめきが落ち着いてきた3−A。ネギは再び話を続けた。
「えーと、いいですね?不穏な行動を取ったら
>>6みたいなことになりますんで。
気をつけて下さい。」
そう言ってネギは一端話を止め、白のチョークで黒板に文字を書き始めた。
B R V
黒板にはそう書かれた。
コホン。可愛らしくすました顔で咳払いをした後、少年は続けた。
「最近ー、治安が良いと言われたこの国でもー、犯罪が頻発するようになってきましたぁ。
殺人、強盗などの凶悪犯罪もぉー、年々増加の一途を辿っていますぅ。
これは何でだと思いますかぁ。国民のぉー、モラルが低下してきた結果ですー。
人間のぉー、モラルってのはぁー、一朝一夕で形成されるもんじゃありませんー。
特にぃー、大人になってからはぁー、なかなか更正できるもんでもありませんー。
そこでぇー、この国の偉い人たちはぁー、皆で集まって相談してぇー、新しい法律を
作りましたぁ。」
「 バ ト ル レ イ プ ! ! 」
「えー、皆さんも知ってると思いますけどぉー、新世紀教育改革法、新世紀テロ対策特別法に続くぅー、
国民のぉ、特に青少年のぉー、風紀を正す意味でのぉー、新法案ですぅー。新世紀性道徳等風紀保護法。
通称BRV。そこでぇー、今日は皆さんにぃー、この法律に基づいた、ちょっとしたゲームをしてもらいます。
ハイ!注目ぅー」
「注目ー!!」「注目ぅーー!!!」
専守防衛軍のけたたましい声が教室に鳴り響く。もう夕方になりかけている教室の外がライトアップされる。
3−Aの生徒達は、全員窓側に寄って、外を眺めた。照らされた校庭――いつも通っている麻帆良のものではない
――には、配置された十数名の専守防衛軍兵士達と1台のヘリ、4台の戦車、そして、
たくさんの体格の良い男達が皆ボクサーパンツ一枚で整列していた。
「皆サーン!見えますかぁー!?あそこにいるー、人相の悪い男性達はー、我が大東亜共和国選り選りのぉー
鬼畜達でーす。全部で百人いまーす。彼らはぁー、強盗や強姦でぇー、収容所にいるー、凶悪犯罪者でもありー、
皆、とても運動神経がぁー高いですぅー。そしてー、とってもキレやすくぅー、暴力的ですぅー。」
生徒達、特に大半を占める女生徒達の間に不安な空気が広がった。
皆、お互いの顔を見合わせながらネギの言葉を見守っている。
「ゲームのルールは簡単ですぅー。100人のぉー、鬼畜達からぁー、最後までぇー、逃げ切れたらぁー、
優勝ですぅー。優勝者はぁー、すぐにお家にぃー、帰れますぅー。」
生徒達に動揺が広がる。神楽坂明日菜(女子8番)がクラスを代表して質問する。
「ネギ、これってどういうことよ!?ちょっとあんた、悪い冗談なら、私怒るわよ?ねぇあ・・・」
ネギの隣にいる専守防衛軍兵士が明日菜に向けて銃を構える。さすがの明日菜も口を噤まざるを得なかった。
「はいはい、アスナさん?質問はぁー、説明が最後まで終わってからにして下さいー。」
いつもと違う他人行儀なネギの態度に明日菜は慄然とした。
ネギはそんな明日菜をみるとクスっと侮蔑したような笑みを浮かべ、続けた。
「この島はぁー、無人島でぇー、ついでに絶海の孤島になっていてー、泳いで逃げるのは不可能ですー。
まぁ、西側の海岸からぁ3km離れたところにぃー、小島がありますがぁー、大して意味はありませーん。
それからぁー、みんなを追いかけることになる鬼畜達にはぁー、この島では刑法が適用されないことをー
伝えてありますぅー。つまりー、鬼畜達の中にはぁー、異常な性癖を持った者もいますのでぇー、
運が悪けりゃ殺されちゃいますぅー。」
18 :
名無しさん:04/02/06 15:01 ID:xjg3TdLB
で、続きは?>非ファソ
19 :
名無しさん:04/02/06 16:25 ID:/fVlrJqj
続き書け(;´Д`)ハァハァ
20 :
名無しさん:04/02/07 01:54 ID:BtwkWuXr
前半は写しだが、後半はオリジナルか…
21 :
名無しさん:04/02/07 15:42 ID:OsUcrnSr
o(^ー^)oワクワク
ネギのその一言で、クラスの中に陰鬱な空気が漂った。
私達は、この島で、恐ろしい男達に奴隷のように犯されるかもしれない。
その可能性は高いだろう。相手は100人の鍛えられた鬼畜達、対する私達は、
その大半がか弱い女子中学生なのだ。しかも向こうの人数はこちらの3倍以上。
そして、この、変貌してしまった少年教師が言うことには、私達は陵辱されるだけではなく、
殺される可能性もあるということだ。刑法が聞かないということは、
それはすなわち無法地帯ということだ。人を殺してもお咎めが無いという異常な状況。
普段ニュースを見ている一部の生徒は、かつてTVでみたアフリカや中東の無政府状態になった地域の惨状を
思い出していた。まさか、自分達がそんな状況に置かれるなんて。
そんな生徒達の絶望を知ってか知らずか、ネギ先生――もう、先生と敬称をつけるのも汚らわしい、くそったれ
――は、まるで他人ごとのように能天気な口調で説明を続ける。
「ではぁー、皆さんが逃げ回る舞台となるこの島について説明しまーす。
この島はぁー、さっきも言った通りぃー、無人島でぇー、名前を獄門島と言いまーす。」
「獄門島っ!?」
何人かの生徒が思わず、叫んだ。
コクリ。ネギは無言で縦にうなずいた。
心なしか、彼の目がいやらしく光ったような気がした。嘗め回すかのように生徒達全員を見渡す彼の目の光は、
強姦の恐怖に脅える少女達の心模様を想像して、楽しんでいるかのように思えた。
それはとても10才の少年とは思えない、ドス黒いざらつきのある目だった。
私達は今、10歳の少年に眼鏡ごしに目で犯されているというのか・・・
「あのぅ・・・ネギ先生、この島には何故そのような物騒な名前がついているんですの?」
部屋の後方に立っていた長身の女生徒、雪広あやか(女子29番)がおそるおそる尋ねた。
彼女の顔は当惑していた。憧れていたネギの豹変振りに戸惑いの色を隠せないようだ。
「うーん・・・」
少年教師は気だるそうに頭を掻いた。
話の腰を折られたことに不快なのか、今までの間延びした口調から淡々とした抑揚の無い喋り方に変わった。
「・・・ゲームとは直接関係ないので、簡単に説明すると、この島は江戸時代から続く、流刑所だったんです。
当時は拷問島と呼ばれていました。当時は、江戸城下に潜入して幕府転覆工作を行っている疑いのあるもの、
つまり、外様大名の間者、今で言うスパイですね、そうした者をここに隔離して、どこの藩の者か、
また活動の概要を徹底的に拷問して吐かせようとしていたんです。もっとも、そうしたことは通常は、
江戸で行いますんで、江戸で拷問してそれでも口を割らなかった者をここに連れてきてじっくりと
いたぶるんです。この島には薄気味の悪い大グモもいますし、最近は絶滅しかかってますけど、
めずらしいサソリもいます。このサソリの毒がまた強烈で、これを盛られた囚人は、ゆっくりと
ゆっくりと悶えながら24時間以上かけながら死んでいくんです。毒が回っている間は、全身の五感がより
鮮明になって、あまりの苦しみから気を失うかと思ってもすぐにまた目が覚めてのた打ち回るんですね。
幕府直属の拷問係は囚人に対して、解毒剤が欲しかったら口を割れ、と最後の揺さぶりをかけるんです。
忠誠心の高い間者もこれでたいていは吐いてしまったそうです。もっとも解毒剤があるというのは嘘で、
せっかく自供してもその囚人は助からないわけで、まぁ幕府からすればご苦労さんってとこなんでしょうけど」
そう言ってネギは笑った。屈託のないその無邪気な笑いに、生徒達はゾッとするものを感じた。
「まぁでもそれは江戸時代の話で、明治になってからは拷問島ではあまりにも陰惨すぎるんで、
獄門島に島名を変えたそうです。僕としては、大して変わらないような気もしますが。
まぁそれは置いといて、その頃からはこの島はスパイの最終留置場から、一般の凶悪犯の
収容所に変わったんです。元々、島には看守とその家族が住んでいましたが、本土から移住してくる人も増えて、
農業、林業、漁業、あと小規模ですが、観光業などにもたずさわる者が出、人口も1000人を超えました。
ちなみに皆さんが今いるここは、島の子供達が使っていた中学校だったところですが、
窓から外を見てもわかる通り、結構な数の集落跡が見えるでしょう?ここは島の南東部ですが、
一番開かれていた場所なので、大半の人はここに住んでいました。」
「一方の刑務所はというと、島の西側にあります。この島は、南北に約6km、東西に約8kmの、
正方形に近い形をしておりぃー、島を東西に分ける形でぇー、南北に長い丘陵地帯がありぃー、
西部と東部を4:6ぐらいの比率に分断していまーす。まぁー登って超えられないことはぁないです
けどぉー、登ってる時に鬼畜達に下からパンツをのぞかれないようにして下さぁーい」
ネギの口調がさっきまでの能天気な感じに戻ってきた。本質的には、話すのが好きなタチなのだろうか。
しかしその発言は女生徒達への性的なからかいに満ちていた。強姦されて処女を奪われるかもしれないという
中で――既にヴァージンを捨てた生徒はほんの数名だった――パンチラを見られるか否かを問題にしている
時ではないだろう。相手が10才の少年とはいえども、少女達の中にはほのかな殺意を抱く者すら現れた。
26 :
名無しさん:04/02/07 19:25 ID:OsUcrnSr
∩
( ⌒) ∩_ _グッジョブ !!
/,. ノ i .,,E)
./ /" / /"
_n グッジョブ!! ./ /_、_ / ノ'
( l _、 _ / / ,_ノ` )/ / _、 _ グッジョブ!!
\ \ ( <_,` )( /( ,_ノ` ) n
ヽ___ ̄ ̄ ノ ヽ |  ̄ \ ( E)
/ / \ ヽフ / ヽ ヽ_//
27 :
名無しさん:04/02/08 16:10 ID:nSFDch0Y
ちゃんと完結させろよ!!w
【東京都小笠原村硫黄列島獄門島】 ,,,,,_
_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,---┬'″ `~゙゙'''''ァ-,,,、
,,―¬''''''''"゙゙゙゛ │ ゙l ^''r,,
_,,-‐′ 林 l゙ │ 崖 .`'i、
'ヶ | .| G .゚ヽ,,,,,,,,,,,,,,,,,_
] A l゙ { H `~''''ー,,、
゙l 小川と滝 ,i´ .,r″ 崖 `゙'''¬―i、
゙l, ,l゙ 丘 .,r" 茂みと ,l゙
_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,、 ‘-, 林 / / 岩場 J ,/
,r'" `,! ヽ | F .| I 見通しの良い ,r″
ヽ / │ l゙ │ 畑 ,l゙
,| | | 廃工場 / 陵 ゙l K l゙
.,i" 小 | l゙ B | | 小学校 |
| | ,/′ ゙l | 防 L |
,l゙ 島 | ,i´ | .| 体育館 |
,l゙ ゙l | 砂 林 ,l゙ 地 ,i´空 林 体育倉庫 ゙l
. .r'" │ 〕 C ,i´ │ M N ゙!,
. !、 X ._,,,,-┘ ゙l 浜 洞 │ ,l゙壕 `'ーx,
\ .,i´ ,! 窟 l゙ 丿 神社 民家群 ヽ
`゙'''''''―''"゜ ,i´ D l゙ / 群 O |
丿 牢屋跡 l 帯 .,/ 林 林 │
,i´ ,i´ ,i″ Q |
,,i´ 丿 | 村の倉庫 R ゙l、
/′ ,l° l゙ P ヽ
丿 林 _,,,|_,,,,,,__,,,/ 林 ヽ
/ ”゛ U `i、
/ ,l゙
,/′ E S T V l゙
,,/ 民家 ,,¬、、 砂 中学校 |
丿 ,--,,r‐'" `゙'-、,,,,,_、 _,--ー-、,,、浜 民家群,,,,i´
│ ,/ `゙゙` `'-、 軍基地 _,ノ
{ _,,,,,,,,,r'" `'-, 民家群 W ノ゚^
―--,,,,,,,,_ _,,,,―ー'''''''"″ ヽ、 ,,,,,,,,,,,,,,,,,,-‐′
 ̄゛ `'ーi、,,,r'"
ネギはポインターを手にとって、教卓の上に飛び乗り、そこに座りながら説明を再開した。
「これはー、この島の概略地図でーす。後でゲーム開始時に皆さんにも配布しますんでー、
安心して下さーい。これが今行った南北を分断する丘陵地帯ですねー。ここを乗り越えて
東西を行き来するためにはぁー、島の最南端の丘陵でない低地帯を通るかぁー、
険しい岩だらけの坂を登るしかありませーん。まぁ探せばなだらかな場所もありますんでぇー、
各自探してみて下さーい。おっと、私語はいけませんよっ?
>>6と同じような目に遭いたいんですか?」
そう言ってネギは一緒に逃げようと相談していた明石裕奈(女子2番)と和泉亜子(女子5番)を牽制した。
「さてー、皆さんがいるのがぁー、島の南東、ポイントVの中学校でーす。もっともこの島はぁー、
1982年以降住民がいなくなってしまって無人島と化していますんでぇー、当然ながら廃校でーす。
島の北東部のポイントLにはぁー、同じような小学校がありぃー、そこはここよりも幾分大きいでーす。」
「それから海岸線ですがぁー、島の西部と南部はみての通り砂浜になっていますがぁー、
北部、北東部のあたりは切り立った崖になっていますのでぇー、自殺したい人はそこでして下さーい。」
釘宮円(女子11番)――彼女は教室の中央に近いところに立っていた為、死んだ美砂の彼氏の返り血を
浴びていた――は思わずネギに飛び掛ろうとした。が、すんでのところで美砂に引き止められた。
彼女の目は、「今はダメ」と言っていた。本当は彼女が一番辛いはずなのに。
「丘陵地帯の東側にはぁー、浅めの洞窟がたくさんありますんでぇー、一時しのぎの隠れ場には最適かも
しれませーん。半分以上がぁー、戦時中に作られた防空壕でーす。鬼畜の方々とHする時はぁー、
灯りを消して?なんて言う変わりに防空壕でHしよっ♥って誘ってみてもイイ思い出に
なるかもしれませんねー。さすがに太陽や月灯りの下でー、まじまじ大切なところを眺められながら
Hするなんて恥かしいでしょうからねぇーあはは」
もはやこれは煽りだ。その場にいた者達はそう思い始めていた。ネギ先生はわざと私達の
神経を逆撫でするようなことを行っている。なぜ?私達の義憤を駆り立て、鬼畜達との
戦いをより激しくさせるように仕向けるため?それをモニターごしに見て、兵士どもと
卑猥な冗談を交わしながら楽しもうとでも言うの?
「それからぁー、西側にはぁー、数は少ないですけどぉー、深い洞窟がありまーす。
あっ?今誰か、そこに逃げ込めばいいじゃんって思いませんでしたっ!?
それは皆さんの勝手ですけどぉー、あんまりお奨めはしませーん。
鬼畜から逃げたいばっかりにあまり奥深くに立ち入らない方が僕はいいと思いますけどー。
中はまるで迷路のように入り組んでいてー、島民達すら普段は近寄らなかったそうでーす。
もしそこで迷子になってもぉー、多分誰も助けてくれませーん!洞窟の奥深くで干からびて、
誰にも発見されず永遠のミイラとなるのがいいのかー、1/30の確率で生涯が保証される
可能性をかけて戦うのがいいのかー、各自判断してみて下さーい」
「最後にぃー、気になってる人も多いと思いますけどぉー、島の西部に小島がありまーす。
そこに逃げ込んで時間稼ぎをするのもいいかもしれませんけどぉー、一番近いところでもぉー、
2.5km離れているのでぇー、波も高いしー途中で溺れ死んでしまうかもしれませんよぉー」
「さーて、少し長くなりましたがぁー、島の説明は以上でーす。基本的には中学生の女の子がまともに戦って
勝てる相手ではありませんからぁー、とにかく逃げて逃げて逃げまくることになるかとは思いますがぁー、
腕の自信がある方はぁー、あえて逃げずに戦ってみても健康的でいいですねぇ。僕も戦う女の子は大好き
ですしぃー。でも鬼畜サン達を怒らせちゃって殺されちゃっても文句は言わないで下さいねぇー」
その言葉を聞いて、一部の生徒がピクリと反応した。そうか。今まで逃げることばかり考えていたが
戦うという手もあるのだ。一対一の戦いに持ち込むことが出来れば、いくら体格の良い鬼畜とはいえ、
長年培った我が武術をお見舞いして返り討ちにしてやることはできるだろう。
楓、クー、超はネギからあまり目立たないように互いに視線を交わした。
刹那は、窓際で震える木乃香の背を見つめながら、傍らの剣の鞘を握り直した。
「それからぁー、みんなを追いかける100人の鬼畜の方達はぁー全員ポイントWから出発しますがぁー、
皆さんの出発地点はバラバラでーす。一人一人ヘリで運んでー、ランダムに島の各地に振り分けまーす。
これはぁー、最初から仲の良い人達同士が組んで行動していても面白くないからでーす。
せっかくの機会なんでー、偶然近くにいた普段は喋らないお友達とも親睦を深めてみて下さーい」
「スタートしてからの集団行動は自由でーす。通常のBRゲームと違ってー、お友達同士と殺しあう
必要はないのですからぁー、警戒の必要もあまりなくスンナリと仲間探しが可能かとは思いますがぁー、
集団行動にも一長一短ありまーす。鬼畜さん達にはぁー、皆さんの写真付き名簿とー、一人一人の生徒が
今どこらへんにいるか分かるようなハンディGPSを渡してありまーす。まぁ精度は1マス500m四方とぉー、
精度を荒くしてありますんでぇー、手に取るように皆さんの隠れ場所が分かるわけでもありませんから
安心して下さーい。それでもだいたいの場所はつかめますんでぇー、美人の子の近くにはぁー、
当然ながら鬼畜さん達がたくさん寄って来ると思いまーす。だから男性にとって魅力的に見えそうな友達との
団体行動は控えた方が賢明かもしれませーん。単独行動した方がぁー、目立ちにくくぅー、最後まで貞操を
守れる可能性は大でーす。でも逆にー、たった一人でいる時に運悪く鬼畜サンの集団に遭遇してしまったらぁー、
まず勝ち目はないでしょうからー、やっぱり集団行動していた方がいいかもしれませんねー」
明日菜は周囲の生徒を見回していた。このBRゲームは、仲間を作る時に必要以上に警戒して
相手を厳選する必要はない。それでも全てのクラスメートが完全に信用できるかというと
勿論そんな簡単な問題ではないだろう。誰かを罠にはめて、自分以外の者を先に鬼畜に強姦させるような
卑劣なマネをする者が出る可能性は否定できない。それでも、声をかけた途端にいきなり発砲されるような
ことはないだろう。もっとも勝利条件は、最後まで生きていて、かつ鬼畜に陵辱されていない者ということだから、
クラスメートを殺すという戦略も成り立ちうるのだけど。それでも、生徒同士での殺人への衝動は、
普通のBRゲームに比べ大幅に弱まることは想像できた。なぜならば、理論上はただ逃げ回っているだけで、
優勝できる可能性があるのだから!
そうなると、積極的に皆と合流するよう努力すべきだった。少なくともバカレンジャーや
図書館探検部の面々は信用できる。それからエヴァンジェリンも味方に加えることができれば百人力だ。
特に楓ちゃんや茶々丸さん、クーちゃんや桜咲さんを仲間に加えることが出来れば、鬼畜100人を倒すだけではなく、
情勢によっては、こちらから共和国専守防衛軍基地を奇襲することも可能かもしれない。
こんな未来のある女の子の青春を踏みにじるようなゲームは絶対に許されるべきではない。
不安材料はネギが完全な敵だということだ。エヴァンジェリンを味方に加えてもネギが敵では
魔法が相殺されてしまうかもしれない。しかし、信じられない。これがあの生意気だけど、
思いやりのある優しい少年と同一人物なのだろうか?目の前にいるあいつは本当にアイツ?
今までのは全て演技だったのだろうか?それとも催眠術でもかけられている?あるいは、偽者?
ほんの半年前までは想像だにしなかった可能性が次々と脳裏に浮かんできた。
この数ヶ月で明日菜の世界に関する常識は180度変化していた。この世界には魔法があり、
魔法使いがたくさんいて、何が起きても不思議ではないということを。
でも、私には頭の中に次々と浮かぶ推測を確かめる手立てはなかった。
だが、彼女ならわかるかもしれない。そういう思いもあって、明日菜は
エヴァンジェリン.A.K.マクダウェル(女子26番)の横顔を見つめて驚いた。
まるで、動じていない。エヴァはクラスの中でも一番落ち着いて見えた。それは当然だろう。
彼女は鬼畜に囲まれても、魔法をお見舞いしてやればいいのだから。
他のクラスメートの様子も窺う。絡繰茶々丸(女子10番)、龍宮真名(女子18番)、
超鈴音(女子19番)、那波千鶴(女子21番)、ザジ・レニーデイ(女子31番)、
このあたりのメンツは比較的事態を冷静に受け止めているように見える。
同じ冷静でも柿崎美砂や桜咲刹那(女子15番)の目には、なにか決意めいたものが
感じられた。彼女らは今何を考えているのだろう。自由に会話が出来ないのがもどかしい。
逆に、和泉亜子、近衛木乃香(女子13番)、鳴滝史伽(女子23番)、
宮崎のどか(女子27番)、村上夏美(女子28番)あたりはかなり取り乱している。心配だ。
明石裕奈と春日美空(女子9番)は顔色が悪く、意気阻喪の様相を呈していた。
普段明るい彼女達だけに余計に痛々しい。
長谷川千雨(女子25番)は――予想はしていたがやはり――手が小刻みに震えていた。
「今回のゲームの制限時間は長めの一週間でーす。もっともー、このBRV方式のゲームもぉー、
今回で通算14回目に当たるわけですがぁー、今のところ制限時間いっぱいまで使った例は
ありませーん。だからぁー、みんなをヘリから降ろす時に渡すデイパックの中にも、
食料は三日分しか入っていませーん。足りなかったら、お友達にもらうかぁー、鬼畜サン達から
奪い取って下さーい。ポイントVおよびポイントWはゲーム開始以降30分後には生徒の皆さんとっては、
禁止エリアになりますがぁー、鬼畜サン達は出入り自由で毎日政府から食料が支給されまーす。
食欲を満たしたら性欲も!これが新生BRの精神でーす。皆さんはー、共和国女子(新田などの邦人教諭は
このことを大東亜ナデシコという。ゴロが悪いったらありゃしない、クソが)の名に恥じないようにー、
明るく、楽しく、元気良く、鬼畜サン達の魔の手から貞操を守り抜いてくださーーい!」
もはや、ネギの言葉には説得力も糞もなかった。クラスのあちこちからため息を押し殺したような吐息が漏れる。
「それから今回のゲームは武器のあたりはずれが激しいでーす。ない人には本当になにもありませーん。
でもアタリの人にはー、かなり強力な銃火器などを用意してありまーす。もちろん、鬼畜サン達も
専守防衛軍顔負けの武装をしていますがぁー、これで体力の劣る女子が身体を鍛えた男性陣と
戦うにあたってのハンデを軽減してくれると思いますぅー」
前方に進んでスクリーンの地図を注視していた朝倉和美(女子3番)は、それを聞いてやれやれというような
かぶりを振った。どうせ、共和国政府のやること、鬼畜達が有利になるように仕向けるに決まっている。
機関銃で武装したマッチョどもに、女子中学生が拳銃一丁でどう立ち向かえって言うのよ。
「それからぁー、禁止エリアについてはぁー、軍の基地付近が30分後に禁止エリア指定されますがぁー、
それ以降のことは決まっていませーん。もし止むを得ない事情などにより追加指定する場合は、
こちらからアナウンスしますがぁー、原則的に多用はしないものと思って下さーい。理由はぁー、
鬼畜サン達が皆さんを積極的に追い回してくれるので、通常のBRのゲームのように、無理矢理移動させて、
戦いを引き起こす必要がないからでーす。良かったですねぇー」
「はーい。僕からの説明は以上でーす。質問ある方いますかー!?あっ、桜子さん。」
「先生!何でうちのクラスが選ばれたんですかっ!?いいんちょみたいなすごいお嬢様もいるのに?」
椎名桜子(女子17番)がいつものようなほがらかな調子で問う。もっとも、無理にとりつくろったような、
空元気みたいな感は否めなかった。
ネギが答えようとする前に、あやかが口を挟んだ。
「関係ないですわ!家柄なんて。そりゃあ、桜子さんは私に比べて、お下品で、成績も良くないですけど、
そんなことで人間の価値は変わりません。だから、私も国民の一人として抽選に当たったからには、
正々堂々と受けてたつ義務があると思いますわ」
皆は感嘆した。雪広あやかは他の生徒とは住む世界が違う、国内でも有数の大富豪令嬢であるにも関わらず、
お嬢さま独特の見下したようなイヤミらしさがなかったし、まぁ多少タカピーなところはあるのだが、
それでも悪気はなく、誰とでも分け隔てなく付き合う、そんなところが皆に好かれる理由だった。
だからこそみんなは信頼して、彼女にクラス委員長を任せているのだ。
そんな清涼とした空気を割って入るかのようにネギが口を開いた。
「はーい。いいんちょさんの言った通りでーす。皆さんわかりましたかぁー。これが法の下の
平等ってやつでーす。国は国民一人に対して生まれとかそういうことで差別しませーん。
選挙権は税金をいくら払ったかに関わらず、一人一票ですよねー?それと同じでーす。
別に僕は人間は生まれながらに平等に創られているなんて机上の空論の理想を振りかざすつもりは
ありませーん。努力した者がそうでない人と比べてより報われるというのも、それはそれで
当然のことです。これが機会均等です。要は、同じ条件の元で土俵の上に立って競争してー、
そこで勝負しようって話でーす」
「他に質問がある人ーー!」
クラスがしん・・・となった。このまま、質問攻めを続けていれば、私達がこの世の地獄を見る時間を
少しでも遅らせることができるだろうか?しかし、こんな時に限って的を得た質問がなかなか
思い浮かばないものである。女生徒達はお互いの顔を見つめ合った。
今、ネギから聞きださなければいけない情報は何なのか。
そのよどんだ沈黙が30秒程続いた後、廊下側に腰掛けていた大河内アキラ(女子6番)がゆっくりと
手を上げた。極度の緊張で研ぎ澄まされた精神によって、その動作はまるでスローモーションのように見えた。
ネギは無言で手を杓った。質問を許可する、という意なのだろう。アキラが口を開く。
「先生、私達は何故通常のBRT方式のバトルロワイアルではなく、バトルレイプなんですか?
先月もT方式のゲームは通常通り実施されているようですが?」
間髪入れず、ネギが実に爽やかな笑顔でもって答える。
「それはー、この学校の大半の生徒が女生徒だからでーす。大河内さんは新聞を読んでいませんかー?
去年末施行の改正BR法には、『女子校並びに女子生徒数が全校の8割以上を占める共学校には、
BRV方式を適用することを認める。その判断は原則として、文部科学大臣が行うものとする。』
という条文が加えられたんですよー。もっともー、今でも大半のゲームは旧方式を採用していますんでー、
あまりTVで取り上げられることはないからー、知らないのも無理もないかもしれませんがー」
柿崎美砂は苦虫を噛み潰したような表情でネギを睨みつけた。マスコミは取り上げないんじゃない。
報道することが出来ないのだ。おそらく、政府当局からはBRV方式のゲームに関しては、
一切報道するなという報道管制が布かれているはずだ。女生徒達を、100人の凶悪な囚人が追いかけ回して
陵辱を繰り返すというバトルレイプは、生徒同士を殺し合わせる本家・バトルロワイアルよりも
ある意味で衝撃的なものだ。そして大半が男性で占められている軍幹部はともかく、
一般国民、特に女性は内心反感を示すだろう。
娘を持つ父親とて同じことだ。同じ娘が殺されるでも、同年代の若者に撃たれて死ぬのと、
社会のゴミの囚人達に、孤島の山中でボロクズのように犯されて殺されるのでは大きくその意味が異なるからだ。
一般大衆の反感を恐れて、国民の情報をコントロールしている、政府の犬どもめ。
法案が出された当初、反対していた女性活動家が軽犯罪で別件逮捕された。数日後、
国家転覆のテロ活動に従事していたと自供し――美砂はこれが嘘の自白、つまり当局の情報操作と
推測している、なぜならその後彼女は国家思想改造所ではなく、共和国貞操教育所に強制収容されたからだ
――無期刑によって投獄されている。彼女の逮捕を契機に新聞、TVからバトルレイプに関する記事が消え、
現在は地方紙の3面の片隅に小さく載るだけとなった。美砂の自宅には、ペンパルから送ってもらった、
その地方紙の切抜きが一枚ある。2月7日付けの長野日報である。
――6日、改正BR法による新方式BRVの第4回戦闘実験が決行された。対象となったのは統一信濃大付属
女子中学3年F組の女生徒達。会場は島根県隠岐島沖の孤島。42時間のゲームの末、優勝したのは
同校の吹奏楽部長でもある月宮あかりさん(14)。その他、生存者4名は、釧路にある共和国第7貞操教育所に
収監される身通し。優勝したあかりさんは、優勝賞金で家族に夢のマイホームをプレゼントすると笑顔で語ってくれた。
・・・いわゆる三行記事だった。ゲームの内容がバトルレイプであることは、一切書かれていなかった。
「もう質問はないですかぁー?それではいよいよゲームを開始しまーす!」
「待って!」
間髪入れず明日菜が質問をする。それは先程からずっと考えていた疑問だった。
「もし、・・・もし、私達が100人の鬼畜全員を殺すのに成功したら、その時はどうなるの?」
既に明日菜はそれを念頭に入れて考えていた。楓やエヴァ、桜咲さんと協力して、
鬼畜達に真っ向から挑むつもりだった。だからこそ今ここで、聞いておかなければならない
ことだった。
ネギは意外そうに目を丸くした。
「ほう?アスナさんは戦うつもりですか?随分自信があるんですねぇ?まぁ、
運良く鬼畜達全員を倒したとしても、優勝者は一人だけです。それ以外の生存者は、
全員貞操教育所に収監されます。もし鬼畜サンが全滅してしまって、複数レイプされていない
生徒がいる場合、優勝したかったら同性同士で犯しあうって下さい。制限時間内に
相手の膣から出血させ、かつ彼女をイかせることが出来れば、鬼畜に犯されたのと
同様な扱いとします」
明日菜は膝を落とした。結局、このゲームは私達を友達同士で争わせようってことでは
変わりはないのね?やはり、政府軍を攻撃するしか・・・
「ネギ君・・・」
明日菜とのやりとりを悲しそうに見ていたまき絵が呟いた。
「ねぇ・・・嘘だよね?嘘だって言ってよ!ねぇってば!」
叫ぶまき絵を一瞥して、ネギは一言フッとため息を返すと踵を返し、彼女に背を向けた。
「ネギ君・・・私は、ネギ君信じてるよ!?だって今までいっぱいいっぱいみんなで思い出作ってきて、
それで、ネギ君が私たちをこんな目に遭わせるわけないって・・・だってネギ君は・・・」
「まき絵・・・」
裕奈の制止を振り切ってまき絵はまくし立てる。
「そうだよ!これは、ネギ君の冗談なんだよ!先生方がみんなでグルになって私達を
びっくりさせようってんでしょ?ネギ君がそんなことするはずないもん!
ねぇ?・・・・・ねぇ、修学旅行のアトラクションなんでしょ?全部、みんなの
お芝居なんでしょ?ねぇ、ねぇ、答えてよっ・・・」
皆は黙っていた。この国で、BRゲームを知らない中学生はいない。
私達がBRゲームに巻き込まれてしまったのはもう動かしようのない事実だ。
例え、その方式が聞きなれないものであっても。
そして、もしまき絵の言う余興だとしたらあまりにも手が込み入り過ぎてるし、また
極めて悪趣味な冗談で、笑いようにも笑えない。
「・・・嘘だよ。嘘って行ってよ、ネギ君。今までの・・・わたし、たちは・・・・・・だから・・・」
「まき絵、もう止めて」
裕奈が泣きじゃくるまき絵を抱きとめた。
そして、顔を上げずに床を見つめながら抑揚のない声で言った。
「・・・・・・始めて下さい」
それを聞いてネギはにっこり微笑んだ。
「それではいいですね!じゃあ皆さん一人一人スタート地点に配置しますんで、
ヘリに乗って下さい!!」
こうして、悪夢の宴が開始されたのだった・・・
〜第一部、強姦ゲーム〜 終
【新たな死亡者】
男子3番 柿崎美砂の彼氏(
>>6)
残り33名
49 :
名無しさん:04/02/09 21:02 ID:0cj5bPeT
ワロタ
俺なら四葉と逃げるなw
50 :
名無しさん:04/02/10 19:01 ID:cFhhw0nK
エヴァをどうレイープするのか見物だな
51 :
名無しさん:04/02/11 20:47 ID:WzvqMOcm
キタ*・゜゚・*:.。゜(゚∀゚)゚・*:.。゜゚・*!!!
52 :
名無しさん:04/02/14 08:18 ID:Hp4b8gGs
サボってんじゃねえぞ非ファソ
背中に銃を突きつけられ連行されながら明石裕奈は歩いていた。
冷静にならなきゃ、冷静にならなきゃ、呪文のようにそう繰り返す自分に気付き我にかえる。
こう唱えていること自体、自分が正気を欠いていることの現われだ。焦ったら、やつらの思うツボ。
できるだけの情報を集めようと、裕奈は周囲の様子をじっと観察した。
校庭のような開けた場所――実際人が住んでいた頃は中学校の校庭として使われていたのだろう
――にヘリが数十台並んでいる。全て同じ型のようだ。
クラスメート達が連行されている。自分と同じように、背に銃を突きつけられて黙って歩く者、
半狂乱で取り乱し、兵士達に抱きかかえられながら強引に引きづられている者。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん、わたし――」
鳴滝史伽だった。裕奈が歩いている左後方10m程の所にあるヘリの中に押し込まれている。
「あ、安心しな、ボクが必ず迎えに行くから!」
たどたどしい言葉ながらも、裕奈のやや前方を歩いている姉の風香がそれに応答する。
子供っぽくても、一応お姉ちゃんなんだな。そうして、鳴滝姉妹のやりとりをかたわらで聞いていた裕奈は、
ふと、一つの重要な思いが脳裏によぎった。
そうだ、仲間――
私もゲーム開始時早々に出来るだけ早く誰か友達と合流しないと。逃げるにしても戦うにしても
仲間がいた方が心強い。最悪、鬼畜に犯されるとしてもその場に誰か友達が一緒にいてほしい。
一人で山中で捕まって、鬼畜どもに乱暴される自分の姿を想像するとおぞましさのあまり身の毛がよだつ。
同じ辛い目に遭うならみんなで一緒に合った方が幾分かマシだった。
これからヘリで運ばれて皆バラバラの場所に配置される。できれば親しい友達と早く合流しておきたい。
まき絵、亜子、アキラ―― 10秒程かかって裕奈は彼女らの位置を捕捉した。誰がどのヘリに乗って
どの方向に飛んでいくか、可能な限り押さえておくつもりだった。
兵士達は裕奈に止まれの合図をした。目の前のヘリが私を輸送するヘリなのだろう。
一人の兵士が、テールローターやメインローターを回してプリフライトチェックを行っている。
背中を押されて裕奈は機内に押し込まれた。輸送用のV-107、一人を輸送するには少々大きすぎるような
気もする。シートベルトを締めるよう指示され、それに従った。
機内には機長と裕奈、そして彼女を監視する二人の兵士が乗っていることになる。
機長の手が上に伸び、一瞬ドキッとする。カチッと音がしたので何かのスイッチをいじったらしい。
ブレーキの解除だろうか?そして今度は前方中央にある別の黒いスイッチを上に上げた。
スイッチの上にON、下にOFFと書いてあるので、ONにしたことになる。機長はいったん顔を上げ、
素早く今ONにした右隣に刺さっているキーを右に回した。ここらへんは車と多少似てるかも?
と思った矢先ブゥゥゥン・・・と背後からエンジンが響く。父の運転する車よりも数倍うるさい。
ドアが閉まり、しばらくその状態でいる。離陸しないのだろうか?そう思っていると、
前方でアキラを乗せたヘリが飛び立った。裕奈は自分の乗ったヘリが早く飛び立つよう祈った。
まき絵と亜子は今ヘリに乗せられたところだった。
機長は右に突き出しているレバーを右手で握ったまま、左にあるレバーを徐々に上に上げ始めた。
腰に機体が浮き上がる感触がじかに伝わってくる。思わず力んでしまう。これから先に起こることを考えて
下半身に神経が集中していたのだ。下着の中がじんわりとした汗でにじむ。
仲間の位置を再度確認しようとして、外を見ると、既に機体は離陸しているようだった。
見た目高度は約2m付近で浮いたままその位置で静止状態を保っている。もちろん機内には揺れが伝わってくるが。
アキラの機は高度を上げ、移動を始めた。まき絵と亜子の機は裕奈のと同じ状態に入ったようだ。
それを見ると、実際には地面との間は1m程しか開いてないようだった。
「うわっ」
機体の高度が上がり始め、それと同時に身体が前方に倒れそうになる。前方に傾斜した状態で
ヘリは前方斜め上方に向かって上昇を続けていく。下の景色が次第に遠くなっていく・・・
高度100m当たりまで上昇したところで、ようやく機体が水平になって少し楽になった。
今のところ、先に発進したアキラは同じ方向に向かって飛んでいる。亜子もやや後方だが、なんとか見える範囲にいた。
それにしても綺麗な眺めだった。この高さからだと島の輪郭が見える。亜熱帯気候の典型的な島である
この獄門島は、もう少し本土に近ければ良質のリゾート地になっただろう。こんな鬼畜ゲームではなく、
観光でくるならば、美しい島であっただろうに――
「あっ・・・」
自分達の置かれた境遇から一瞬離れて空からの景色に見とれていた裕奈だったが、すぐに現実世界に
引き戻された。まき絵の乗ったヘリが、左後方に向けて急旋回したのである。そしてその方向に向かって
真っ直ぐ飛んでいく。方向で行くと島の南西方向になる。一方自分達は相変わらず島の北西の方に向かって、
移動を続けていた。この辺で降ろされなければ、まき絵とのゲーム開始後の合流は難しくなるだろう。
裕奈の願いも空しく、まき絵を乗せたヘリは小さくなり、視界の端に消えてしまった。
まき絵――。これで彼女との合流の望みは薄くなった。なんとか、亜子とアキラのヘリを捕捉し
続けていることが救いだった。二人の乗ったヘリから目を離さないようにしなくては。
下を見ると小さな建物が見えた。民家だろうか?そういえば飛び立った地点の中学校付近以外では
建物をみなかったような気がする。小さくてよくわからないが、プレハブのようなしっかりとした造りにみえた。
裕奈の右隣を並んで飛んでいたヘリが降下し始めた。中に誰が入っているかは分からない。
だが、その中の彼女のスタート地点はこの辺りになるのだろう。中学校からそれ程離れていないため、
彼女は早い段階で鬼畜と遭遇せざるを得ない。そう思うと少し胸が痛む。誰かは分からないけど、
気をつけて――。裕奈は自分よりも早く危機に陥るであろう彼女の無事を祈った。もっとも彼女がスタート直後に
北へ全力疾走して鬼畜達と反対方向に逃げれば少しは時間を稼ぐことはできるだろうが・・・
そういう見方をすると、一番運が良いのは、ヘリによって、南西の鬼畜スタート地点からなるたけ遠い地点に
運ばれることなのだ。もちろんそれほど広い島ではないし、最大限に離れてもいつかは鬼畜が
やってくるだろう。が、島の北西の端に降ろされれば距離的に考えて、少なくとも三時間の間は身に危険が及ばない。
実際、裕奈のヘリはその通り、北西方向に向けて移動していた。その点では多少の余裕が持てるといっていい。
鬼畜と遭遇する前に友人達と合流して対策を練る時間はありそうだ。逆に、中学校の近くですぐに
降ろされた者の運命は悲劇そのものだろう。降ろされて30分後には第一の犠牲者となってしまうかもしれない。
機体は島の中央を縦断する丘陵地帯上空にきた。丘陵と言っても小さな島のこと。思っていたよりは、
なだらかなように見える。目算で計ってった感じでは、おおよそ標高50m程度だろう。
まだ彼女の乗る機体は降下する兆しはない。そう思って彼女はハッとした。
あれこれ思案することに集中しすぎて、亜子の機を見失ってしまったのだ。
周囲を見渡すと、自分のヘリとまだ併走している機は7機だった。このうち、前方の1機がアキラのだから、
残り6機のうちの1機に亜子が乗っているだろうか?それとも自分達とは別れて別の方角へ飛んでいってしまったのか?
ヘリの機種が同じだけに分かりにくい。しかも、夕陽が落ち、視界が暗くなりつつある――
しまった。取り返しつかないことをしてしまった。動揺を隠せない様子の裕奈に、背後から兵士が声をかける。
「どうした?友達が乗ったヘリでも見失ったか?」
そう言って兵士はニヤリと笑った。
裕奈は愕然とした。自分の考えを見透かされたというそのことよりも、それを全く咎めようとしない
兵士達の態度に。それは、友達同士で合流してみんなで協力し合ってせいぜい頑張れよ。
と、そんな政府の余裕のあざけりのように思えたからだ。つまりそれは、過去のプログラムにおいて、
クラスメート同士協力し合うことがゲームの支障に全く繋がらなかったということを暗に示していた。
女子中学生が何人集まって頑張ったところで、鬼畜達の前には到底力が及ばなかったいうことか・・・
「そろそろ着陸だ。心の準備をするように」
背後で兵士から兵士の声がした。
「これがお前の地図と食料が入ったデイパックだ。降りた後に渡す。」
裕奈が顔を上げると、他のヘリが自分よりやや高い位置にいた。あまり感覚がないが、
あきらかに降下していっているようだ。はるか後方に先程越えた丘陵地帯が見えた。
注意しなければ気付かない程だが、機体がやや前傾姿勢になっている。
高度30mまで降下すると、機長は右手に掴んだサイクリックスティックを引き上げた。
そして、左手に掴んだピッチレバーをわずかに上げる。機体が離陸直後とは逆に、やや後方側に
傾いた。思わずベルトを手を握り締める。裕奈はかなり前方に離れてしまった大河内アキラが乗った
ヘリの位置を最後に確認し、目をつぶった。降りた後ではもう捕捉しようがない。
地面すれすれの所でいったん静止したあと、彼女の乗った機は大地に着陸したのだった。
_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,---┬'″ `~゙゙'''''ァ-,,,、
,,―¬''''''''"゙゙゙゛ │ ゙l ^''r,,
_,,-‐′ 林 l゙ │ 崖 .`'i、
'ヶ | .| G .゚ヽ,,,,,,,,,,,,,,,,,_
] A l゙ { H `~''''ー,,、
゙l ↑ 小川と滝 ,i´ .,r″ 崖 `゙'''¬―i、
゙l, 06 ,l゙ 丘 .,r" 茂みと ,l゙
_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,、 ‘-, 林 / / 岩場 J ,/
,r'" `,! ヽ 02 | F .| I 見通しの良い ,r″
ヽ / │ l゙ │ 畑 ,l゙
,| | | 廃工場 .? / 陵 ゙l K l゙
.,i" 小 | l゙ B .↑ | | 小学校 |
| | ,/′ ?←05→?゙l | 防 L |
,l゙ ゙l | 砂 林 ? ,l゙ 地 ,i´空 林 体育倉庫 ゙l
. .r'" │ 〕 C ,i´ │ M N ゙!,
. !、 X ._,,,,-┘ ゙l 浜 洞 │ ,l゙壕 `'ーx,
\ .,i´ ,! 窟 l゙ 丿 神社 民家群 ヽ
`゙'''''''―''"゜ ,i´ D l゙ / 群 O |
丿 牢屋跡 l 帯 .,/ 林 林 │
,i´ ,i´ ,i″ Q |
,,i´ 丿 | 村の倉庫 R ゙l、
/′ ,l° l゙ P ヽ
丿 林 _,,,|_,,,,,,__,,,/ ←16 林 ヽ
/ ”゛ U `i、
/ ,l゙
,/′ E S T V l゙
,,/ 民家 ,,¬、、 砂 中学校 |
丿 ,--,,r‐'" `゙'-、,,,,,_、 _,--ー-、,,、浜 民家群,,,,i´
│ ,/ `゙゙` `'-、 軍基地 _,ノ
{ _,,,,,,,,,r'" `'-, 民家群 W ノ゚^
―--,,,,,,,,_ _,,,,―ー'''''''"″ ヽ、 ,,,,,,,,,,,,,,,,,,-‐′
 ̄゛ `'ーi、,,,r'"
※16=フライト直後、裕奈がまき絵のヘリと別れた地点。まき絵機はその後西方向へ。
※05=裕奈が亜子を見失った地点。同機の進行方向も不明。
※02=明石裕奈着陸ポイント。
※06=自機が降下している時に、最後にみたアキラのヘリがいた地点。進行方向は北。
※W=鬼畜軍スタートポイント。
62 :
名無しさん:04/02/15 03:02 ID:A8X4lt5A
冗長すぎなきがする
もう少しまとめられないか?
裕奈が降り立つと兵士が彼女の方にデイパックを投げてよこした。
そして、何事もなくヘリが飛び出とうとしていた時――
ヘリの無線に割れるような音声が割り込んできた。
「こちら田島二尉、作戦本部、応答願います。」
少し遅れて、別の声が聞こえる。
「こちら本部、手塚三佐だ。何があった?」
どうやら、別のヘリと本部の交信らしい。裕奈を運んできた兵士達が無線の音量を上げる。
裕奈もそれを聞くためにヘリに近づいた。兵士達にそれを咎める様子はない。
「ポイントC方面に向けてに輸送中の女子12番、古菲なる生徒が我々にヘリ内で抵抗を示しました。
どうやらヘリをジャックしようとしたようです。射殺しますか?」
「現在位置は?」
「ポイントPです。高度150フィート。」
「こちら側の損害は?」
「横山二尉が、彼女がポケットに隠し持っていたハサミで切りつけられましたが、交わした為無傷です。
その後暴れましたが、計器類にも異常はありません。現在私と二人で羽交い絞めにしています。」
「そうか、わかった。で、彼女に支給予定の武器は何だ?」
「中国製カラシニコフU.S.S.R. AK47/V型です。」
「・・・それはまずいな。離陸直後に撃ってくるかもしれん。よしわかった。彼女に武器は支給するな。
それから、足を一発打って負傷させ、地面に放り出せ。殺す必要はない。」
「武器を抜き取ってデイパックを渡すのですか?」
「いや、地図も食料も渡す必要はない。それからこの無線を他の生徒達も聞いているかもしれないから、
彼女を降ろす地点は変更せよ。暗号化した信号を二分後に送る。以上」
交信が終わったらしい。裕奈にデイパックを投げた兵士が口元を不適に歪めさせつつ笑う。
「はっはっは。聞いたか?軍に無謀な抵抗を示した者がいるらしいな。バカなガキだ。
お前は少しは賢そうだから、良く考えて行動しろよ?じゃあな」
「・・・・・・くーふぇ」
裕奈がそう呟く否や、ヘリは飛び去った。彼女はヘリが見えなくなるのを待って、デイパックを
開けた。中には先程、中学校だった建物の教室の中でネギに見せられた地図と同じものが入っていた。
それから、食料。乾パンとりんご。ハム、ソーセージ。果物の缶詰が数ビン。ミネラルウォーター。
錠剤も入っている。下痢止めと、頭痛・生理痛薬だった。黒い袋につつまれてズシリと重い物が入っている。
開けてみると、ポンプアクション式のショットガンが入っていた。これが私の武器らしい。BR法推進委員会作成の
簡易取扱説明書には、『レミントンM870ウイングマスターコンバットショート』と書かれていた。
裕奈は装弾を開始した。いつ敵が現れるか分からないので、早めに臨戦態勢を築いておいた方がいい。
しかしこの長さではポケットにしまえない。どうせなら、トカレフみたいな小型拳銃が良かったのに。
それでも銃火器があるだけマシだろう。贅沢は言っていられない。そもそも、銃など握ったこともない自分が
これを使って敵と交戦するというとからして、信じられなかった。
裕奈はデイパックを左肩にかけ、右腕にショットガンを構えるとアキラのヘリが飛んでいったと北の方角に向けて
移動を開始した。
2−2
神楽坂明日菜は壁づたいに移動していた。右手には、岩石質の丘陵地帯がある。
島の中央を縦断するというそれだった。ライトをつけて地図を確認する。これに沿って移動すれば、
少なくとも方角を間違うことはない。
彼女のスタート地点は、北端の崖からそう遠くない、草原地帯だった。傍らには幾つかの
岩石が転がっている。この場所は、鬼畜達のスタート地点からちょうど南北反対側にあるので、
しばらく時間が稼げる比較的良い場所だったが、あえて彼女は南下することにした。仲間を見つけるためである。
今もこうしている間に、誰かが鬼畜どもの餌食になっているかもしれないのだ。だとしたら、
なおさら急がなきゃ。彼女らを救わねばならない。
しかし彼女の移動速度は遅かった。右手に引きずる金属質の棒のせいである。政府から明日菜に支給された
武器は何の変哲もない無駄に重いだけの鉄パイプだった。何度も捨てようとしたが、他に武器もないので、
これを携帯したまま――正確には地面に引き摺りながら――行軍していた。もし、腕力のない誰か別の生徒に
これが支給されていたら、おそらくその生徒はまず間違いなくこれを放棄しただろう。怪力の明日菜だからこそ、
なんとか実用に耐えそうな武器だった。
明日菜は裕奈のように選り好みせず、基本的には出会った友達誰とでも協力しようと考えていた。
特に男子生徒は心強い戦力になるだろう。犬上小太郎、そして、彼と一緒に転校して来た白ランの
クールな男の子、猫上十朗太。明日菜は一学期にいった京都の修学旅行の際の、関西呪術協会の刺客としての、
彼らの勇猛果敢な戦いぶりを思い出した。あの戦いのあと、彼らは明日菜達と和解し、その後学園の
男女共学化とともに麻帆良に転校してきたのだった。彼らとエヴァンジェリンや桜咲さんも加えれば、
かなり強力なチームになる。鬼畜達とも十分に戦えるはずだ。
「ゲホッゲホッ」
急に咳き込む声が聞こえたので、明日菜は身を硬くした。
誰――?腰をかがめて周囲をそっと窺うが、誰の姿も見えない。
鬼畜は彼らが徒歩で行軍してくる限り、こんな島の北部には到達していないはずだった。
咳は前方の方から聞こえた。明日菜は用心しながらゆっくりと前進していった。
岩陰に人影を認めて再び立ち止まる。忘れもしない、あの髪型は・・・
白人特有の髪の色をした少年が岩の陰に倒れていた。
「ネギ―――!?」
明日菜は鉄パイプを地面に置いて、少年の傍らに駆け寄った。
2−3
エヴァンジェリン.A.K.マクダウェルは林の中を歩いていた。彼女に支給された武器は大型の斧だったが、
彼女はそれを放棄した。10才児の彼女の身体にはとても持ち運べるシロモノじゃなかったからだ。
デイパックの中には食料だけ。それも半分ぐらい捨ててきてしまった。
ヘリに乗っている時と、降ろされた直後、彼女は得意の魔法を発動して、二度に渡って自分を運んできた
兵士達を攻撃しようとした。しかし彼女の意に反し、二回とも魔法は発動しなかった。
呆然とする彼女を無造作に降ろし、ヘリは暗い空のかなたへ消えていった。
彼女はその理由をずっと考えていた。可能性は一つしか考えられない。何者かが島全体に結界を張ったのだ。
結界内では、魔法使いの魔法を無効化してしまうというタイプの。魔法が使えないエヴァは、もはや一人の
無力な少女に過ぎない。
エヴァはその犯人を考えた。ネギだろうか?いや、そんなはずはない。彼は確かに優秀だが、
彼一人でこれほどまで大規模な呪文が使えるはずがなかった。第一、この私の魔力を封じているのだ。
サウザンドマスターですら一人では無理だろう。と、いうことはかなりたくさんの数の魔道士が
敵側についているのは間違いない。
以前より、本格的な魔女狩りに乗り出しつつある共和国政府の追及を逃れるために、
専守防衛軍の特殊部隊に志願して、自ら積極的に同胞に牙を向ける裏切り者の魔法使い達の
存在は聞いていた。そうした連中が、今回のBR作戦指令本部にも待機しているというのか。
暗い林の中を歩きながら考えた。私は、私は、このまま死ぬのだろうか?それとも、
鬼畜達に強姦されて恥を晒したまま生き残って何十年も、貞操教育所に入れられるのだろうか?
いや、やはり消されるだろう。政府にとって、自分達に従わない魔法使いの存在は邪魔なだけだ。
この魔法陣がまさか大東亜共和国中に張り巡らされてるわけはないし、輸送中に私が魔法で暴れたら
やっかいだからだ。奴らは間違いなく、この島で私を消す。
だんだん心細くなってきた。サウザンドマスターの顔が浮かび、次いで茶々丸の顔が浮かんだ。
「結局、お前とは再会できないままだったな。・・・私は、お前との約束を守れそうもない」
エヴァはサウザンドマスターと最後に別れる時に交わした気恥ずかしい約束を思い出していた。
そう、私は彼に誓ったのだ。お前とまた会える日まで、私は絶対に他の男と交わらない!
おそらく、その約束は破られる。自分の意思とは関係なく、凶悪無比な淫獣達によって。
私には彼らに対抗する手立てがない。100年余の人生の中で、彼女は何人もの男と交わった。
しかし、最後にことを行った時から、もはや20年以上の歳月が流れていた。男をイかせるテクも
とうの昔に忘れてしまったし、もはや彼女は処女同然だった。月日は彼女を確実に臆病にさせる。
この辺は、ある意味で引き篭もりの心理に通ずるものがあった。
昔、普通に人とコミュニケーションが出来た人間が、しばらく外に出ないことによって、
次第にそれが億劫になり、ついにはその感覚を忘れてしまう。現代の病理だった。
エヴァの心の中には、明日菜や裕奈が考えたようにクラスメート達みんなで合流して、
ともに戦うという発想がなかった。第一、信頼できる友達がいない。こちらが信用しても、
向こうが受け入れてくれるかわからない。茶々丸をのぞき、エヴァにはクラス内に
友達と呼べる者がいなかった。ハカセとは表層的な付き合いに過ぎない――
なぜかふと和泉亜子の顔が浮かんだ。あいつは今どうしているだろうか?そういえば、
出発した時は相当混乱していたな。
「でも、なぜ私はやつのことを・・・」
自分でも理由がわからなかった。だが、私は茶々丸の次に、亜子に親近感を抱いている。
前回会話したのは。そう、ネギと対立していた頃、風邪で学校を休んだ日だ。あの日私は彼女に
ぼうやへの伝言を頼んだのだ。二言三言言葉を交わしただけだが、エヴァはよくそのことを
覚えていた。彼女はほとんど会話すらしたことのない私の身を気づかってくれた。
それは、保健委員として亜子が日常から心がけているお愛想だったのだが、
普通の友情に飢えているエヴァにとっては、それが特別なものに思えたのだ。
「・・・ふん、バカバカしい」
エヴァは自分で自分の想いを否定した。百戦練磨の真祖である私がなんで、たかが14のガキに
想いを馳せねばならんのだ。冗談じゃない、私は――私は――
言葉とは裏腹に目から透明の水が流れ落ちた。会いたい、誰かに、会いたい。
このままこうしているだけで、自分の身体が、心が何もかも透明になって、
抜け殻になってしまうような気がした。長い年月の間、サウザンドマスターに置いてけぼりを
食わされ、彼女の心はすっかり弱ってしまっていた。加えて闇。普段は慣れているはずのそれが、
魔法が使えないだけで、ことさら大きく見えた。闇は大きな口を開けて、
いたいけな獲物を屠ろうとしている。彼女の心からは遠い昔、自由奔放暴れまわっていた頃の
何事も恐れぬ大胆不適さが失せていた。
「茶々丸・・・ちゃちゃまる・・・私を、たすけて――」
エヴァはそういってデイパックを放り出し、暗い地面にうずくまった。
2−4
朝倉和美は林の中を小走りで移動していた。急がなければ。私が唯一生き残る道は、多分それしかない。
幸いにして、自分のスタート地点はBR作戦指令本部の近くに決められた。これは千載一遇のチャンスだった。
他のクラスメートであれば、おそらく鬼畜達の拠点に近い、自分のスタート地点を嘆いたことだろう。
しかし、彼女は違っていた。当初から彼女はこのプログラムから脱出するつもりだったのだ。
その為には、ゲーム開始後30分以内に、すなわち中学校&基地付近が禁止エリアに指定される前に、
そこに辿りつかなければならなかった。もっとも、正確なゲームの開始時間は、全員がスタート地点に配属
されてからだ。遠方に運ばれた一部の生徒は、まだヘリの中だろう。つまり、実際には私が降ろされてから、
40〜50分程度の余裕があるはずだ。
運動部でないにしては、彼女は運動神経が高かった。多分、10分もしない内に、その目的地に
たどり着けるだろう。この林を抜ければすぐに軍基地の前に出る。
「みんなには悪いけど、私は生き残らせてもらうよ」
そう言って、彼女はほくそえんだ。我ながら素晴らしいプランだ。しかも運にも恵まれていた。
校舎から出る時、彼女は偶然にもその部屋を見つけたのだ。そこはBR担当の技官達の控え室だった。
それは、中学校の脇に配置されていて、元からこの島にあった旧民家を改修したものなのだろう。
そのオンボロ小屋に数名の技官が詰めているのを見た。マスコミ志望の和美には襟章をみただけで
兵士の身分がわかる。彼らはおそらく予備要員で、生徒側からハッキングなどの攻撃を受けた時に
――事実、過去のプログラムではそうした事故がなんどか起こった――初めてその役回りが回ってくるのだろう。
政府としても、過去の事例から学習し、ハッキングを防ぐよりは、起こった時に迅速な対応が出来ることを
優先するようになった。知識のある優秀な生徒が、通信回線から侵入を試みることを、
100%予防することは不可能だ。だとしたら、それを予防するよりも、起こった都度それに対処して、
反撃の目を潰してしまえば良い。その方が合理的だし、特例措置で軍の技官候補生として
徴用してやっても良いからだ。本部から少し離れた所に数名の技官が待機しているのは
そうした理由からだった。
今までのプログラムの実績からして、優勝者以外にこのバトルレイプゲームでで生き残れるのは多く
ても5人程度。それ以外は銃撃戦か強姦後に殺されるかによって、死亡している。生き残った者も
優勝者以外は、貞操教育所に強制収用されて、奴隷のような数十年を過ごすのだ。それでは女としての
人生は死んだも同然だった。
だからゲームに巻き込まれた以上、優勝しなければまともな人生は送れない。しかし、和美は
自分が優勝するとは思えなかった。確率は1/30以下。多少の小細工でうまく立ち回ったとしても、
勝てる可能性はどちらにしろ低いだろう。確かに和美は自分の頭脳に自信はあったが、彼女同様、
頭の冴えるクラスメートは他にもいる。また、運悪く鬼畜に遭遇したら、彼ら淫獣達の毒牙にかけられて、
執拗な色責めにヒイヒイ言わされたあげく、なぶり殺しされるのがオチだった。冗談じゃない。
そう考えると、このゲームに正攻法で挑むのは、賢い方法とは言えない。何か別の方法を考え出して、
ここから脱出する方が可能性は高かった。
彼女が考えたのはこうだ。30分以内に、基地周辺が禁止エリアになる前に技官のいる隔離小屋に
接近する。そして技官の一人をおびき出し、身体を使ってでも彼を口説き落とし、首輪を外させる。
首輪を外した後、いったんは島のどこかに隠れ、機会をみて彼に助け出してもらうのだ。
その時、軍の掃海艇のどこかに忍び込んでもいいし、あるいは、ゲーム終了後に
改めて迎えに来てもらうのも良い。毒ガスを散布される恐れがあるが、
海か洞窟に逃げれば、生き残れる可能性は大いにあった。
問題はどうやって技官を納得させるかだ。悩ましい現役女子中学生の全身から放たれる輝くばかりの
健康美を見せつけてやるのはもちろんだが、それだけでは軍人を裏切らせる動機付けとしてはやや弱い。
しかし彼女には勝算があった。
第一に技官の忠誠心は、一般軍人に比べて比較的弱いということだ。彼らはどちらかというと、
能力を買われて雇われた派遣社員みたいなものだ。日々厳しい肉体訓練に励んでいる一般兵士達とは、
軍に対する考えそのものが違うはずだ。彼らは、自分の身の安全が保証されるならば、躊躇わずに
軍規に背くようなこともしてみせるだろう。そもそも彼らのような教養のあるホワイトカラーは、
一般に、軍のような閉鎖的な縦割り社会に疑問を持つものなのだ。
第二に、軍の技術者は独身率が相対的に高い。女子中学生から求婚されたら、嬉しくないはずはないのだ。
概して、恋愛下手な彼らにとって、若く健康的で利発な女を嫁にもらえるならこれほどの幸運はない。
もちろん、脱走者と公式に籍を入れるのはまずいから、内縁の妻となるか、海外に亡命して、
そこで式を挙げようと口説き落とすつもりだった。もちろんその場限りの演技で。さらに、
最近の少子化や女性比率の低下――兵士たちの慰安所としての共和国貞操教育所が本格稼動し始めた
ことによる――によって、若い女性の数が減少していることも独身男性が増えていることも、
和美の計画を成功させる大きな要因になっていた。
第三に、最近は首輪をはずされることはめずらしくなくなってきたということだ。公にはされていないが、
ここ最近のゲームではプログラムが10回行われたら、その内1回ぐらいは生徒の誰かが首輪外しに
成功していた。だから、首輪が外れたからと言って、当局が技官の謀反をばかりを疑うということは
ない。査問は行われるだろうが、彼が知らぬ存ぜぬを貫き通せば、そんなにしつこい取調べは
受けないはずだ。
もっとも、本来普通の中学生の中に政府の技術力を結集した首輪を独力で外せる者など、
そうそういるはずがない。彼らが成功しているのには、社会的な要因があった。
ネット上で、首輪の外し方を載せた文書が出回っているのだ。
当初、政府から流出した首輪の技術情報は、幾つかのホームページに掲載された。それは、ほとんどが
海外ドメインだったが、そこそこのコンピューターの知識があれば、国内からもアクセスできた。
そこで、共和国政府は、海外政府に圧力をかけてそうしたサイトを閉鎖させた。それにより、
この文書流出騒ぎは一件落着するかに思えた。しかし、2002年に開発された第四世代P2Pソフト
“FreeSuper”によって、政府の規制の網に引っかからない匿名ネットワークが構築されてからは、
情勢がガラリと変わった。
どうやら、この“FreeSuper”を開発したのは、台湾在住の元共和国人民であるらしい。共和国首脳は
台湾政府に非公式に彼の身柄引渡しを求めたが、受理されなかった。曰く、ソフト自体に違法性は
ないため、身柄引き渡しには応じられないという返答だった。
それを機に国内でも“FreeSuper”が流通し始め――台湾のサイトにアクセスできる者が限られていたため
公衆トイレなどに、国内の活動家がCD-Rを放置し、それを拾った人々が家に持ち帰ってソフトを使うという
経路で――FreeSuperは爆発的に普及していったのだ。
そして、共和国政府の方針に反対する言論活動は主にそのP2Pネットワーク上のBBSに移っていった。
和美もそのソフトを起動してみたが、政府を罵倒するたくさんのスレッドで溢れかえっていた。
(中には、バトルレイプで優勝した歴代女子生徒の萌えスレなんてのも存在していたが・・・)
そのソフトのおかげで、そこそこ知識のある中学生ならば、首輪の技術情報を事前に
知ることが出来るようになった。政府もその度に、新たなセキュリティを施した首輪を開発するのだが、
またそれに対抗してその情報が匿名ネットワーク上に流れるのだ。これは、軍関係者内部にも、
BRに疑問を持っている裏切り者が紛れていることを示していた。一度、事前に中学生達に
自分たちが次回のBRプログラム対象者だという情報が漏れ、生徒達が修学旅行を集団欠席するという
事態すら起きた。
これらの事実を踏まえた上で、彼女は結婚を餌に技官の一人に迫り、制服のスカートをチラチラさせて、
スラリと伸びた形のよい大腿を見せ付ける。そして潤んだ瞳でこう語りかけるのだ。
「お願い、私の首輪を外して・・・」
そうやって、首輪を外させれてしまえば後はこっちの思うツボだ。位置を捕捉されることもないし、
禁止エリアへの立ち入りも自由だ。
そう思って先を急いでいた所に、パァンと一発の銃声が轟いた。和美のすぐ脇にあった木の枝が火花を散らして
サクっと折れ、地面に落下した。彼女はギクっとして歩みを止め振り返った。
「よう、姉ちゃん。そんなに急いでどこ行くんや?」
猫上十郎太(男子2番)が、右手に構えたコルトパイソンの銃口をこちらに向けながら、
枝の上に立っていた。トレードマークの白ランで身を包み、くぼんだ三白眼のような目が
こちらを見下ろしていた。彼の口元は不自然に歪んでいた。
2―5
綾瀬夕映は北東の岬にいた。眼下は切り立った崖になっていて、荒い波が容赦なく岩場に
叩きつけている。海の向こうには何も見えなかった。地平線まで暗い海原が延々と続いていた。
どうやらここが孤島だというのは本当らしい。
このまま下に飛び降りてしまえば、このゲームからすぐさま開放されて、天国に逝けるだろう。
彼女が昔読んだ小説の中に、恋に破れて岬から飛び降りる主人公がいたのを思い出した。
私も、そうしようか。
数秒考えたが、夕映は崖に背を向け、内陸部に向かってゆっくりと歩み始めた。ここで私が死んでも
何もならない。ハルナが、そしてのどかが危険な目に遭っているかもしれないのだ。友達を見捨てて、
一人楽な道に逃げるなんて、そんなのは私のポリシーに反する。
そして、腰ベルトのポケットにくくりつけたブローニング(ハイパワー9ミリ)を取り出した。
右手で腰からそれを抜き、小さな手で強く握りしめ、頭上に掲げる。この銃が私を守ってくれる。
そして、みんなを――
「私は――戦うです・・・」
夕映は鬼畜達との徹底抗戦を決意した。3−Aの絆を思い知らせてやる。彼女の表情の変化は乏しかったが、
その眼差しは図書館島で見せたのと同じようにメラメラと燃え上がっていた。
自殺なんてしてる場合じゃない。
既に13発の弾丸を込めたブローニングを腰ポケットに戻すと、岬を背に駆け出した。
彼女が去った岬では、より一層激しく荒れ狂う波頭が、岩礁を節々まで洗いつくしていた。
2−6
「こっ、こないでっ!! 来ないでよ!・・・き、きたら撃つよっ!?」
椎名桜子は林の中で絶叫していた。そのヒバリのような声は林の隅々までよく届く。
腰溜めに構えた銃先が震える。
彼女は運が悪かった。彼女のスタート地点は、中学校から数百メートルしか離れていない雑木林の中だった。
ヘリはそこには着陸できなかかったので、パラシュートでデイパックとともに投下された。そして、
荷物を確認し、支給された武器――マイクロウージー9ミリ――の取り説を読んでるうちに、敵襲を食らったのだった。
彼女の周囲は完全に十数人の鬼畜達に押さえられていた。もはや逃げ道がない。
最初は、彼女を素手でやり込めてしまおうと考えていた鬼畜達だったが、彼女の手に握られている
サブマシンガンを見て戦法を変えざるを得なかった。彼らは一端散開し、桜子と距離を取ってから、
再び彼女を包囲した。そして数発の威嚇射撃を行った。乾いた音がして、桜子の足元の土が爆ぜて舞い上がった。
強姦するなら、生け捕りにしなければならない。殺した後に死姦したところで――大部分の鬼畜にとって
――味気ないからだ。だが、銃火器で武装した娘を捕らえるのは骨が折れる。
桜子はそれを威嚇射撃とは取らなかった。彼女は、本当に自分を殺そうとして撃ったのだと思った。
もはや、ためらってる暇はない。彼女は周辺にマイクロウージーを向けてトリガーを引き絞った。
カタタタタッ、とミシンのような機械音がして、木の影に隠れていた一人の鬼畜に命中した。
彼はピエロのような踊りを踊ると、地面にもんどり打って倒れた。
「おい、上杉!!」
鬼畜の一人が叫んだ。彼らはプログラムのもう一方の参加者として臨時に集められた烏合の衆であり、
仲間同士の連帯意識は薄かったが、それでもこの二ヶ月間、寝食をともにして訓練した仲間なのだ。
「ちくしょう、クソ尼が!」
「もうブッ殺しちまえ!」
鬼畜達は殺意を剥き出しにしてきた。せっかく甘酸っぱい生娘の秘奥を味わえるチャンスがあるのに、
いつまでも一人に拘って死ぬぐらいなら、目の前の女は射殺して、別の武装していない獲物を探した方が
賢い選択だった。刑務所の中で長い禁欲生活を強いられている鬼畜達にとって、現役女子中学生を
合法的に襲えるチャンスなど、そうない。だとしたら、こんなところで犬死などしていられない!
鬼畜達は装備したイングラムで応戦した。パラララ・・・と音がして、桜子は腹の辺りに無数の
ボディブローを食らったような衝撃を感じた。
「わぁぁああああーーーー」
錯乱した桜子はウージーをフルオートにしてめくらめっぽう撃ちまくった、木の皮が弾け、
火炎の花が咲き、鬼畜達がさっと身を伏せる。桜子は両手でウージーを抱え、連射したまま
鬼畜達に突撃して行った。面食らった鬼畜達は、一瞬どうしていいか迷った。
鬼女――可愛い顔が醜く歪み、もはや女子中学生のものとは思えなかった。
死を覚悟した者の決死の突撃は、さすがの鬼畜達すら戦慄させるものだった。
桜子は口の奥からごぼごぼ溢れ出てくる血を吐きながら、目の前に立ち尽くす鬼畜達に向かって踊りかかった。
「うああああーー」
この雑木林は地形に凹凸があり、鬼畜達はそれぞれ窪みに伏せながらイングラムで応射してくる。
頭にヘルメットを被り、小穴で伏せているため、桜子の放つ弾丸は鬼畜達にはなかなか命中しない。
両腕から力が抜け、フルオートの衝撃に耐えられなくなった桜子は銃身を放り出した。
銃身は跳ね上がり、ミシンのような乾いた断続音が続く。制動を失ったウージーの予測不能な、
最後の連射に顔面を打ち抜かれた鬼畜――斉藤と言った――から血しぶきが飛び散り、
桜子や他の鬼畜達の頬にはねた。
桜子はよろめき左側に向かって倒れた。もう、立ち上がる気力がない。
ぱぱぱ。何度目かのイングラムのその音を、脳神経が処理する前に、彼女は何も感じなくなっていた。
三浦という鬼畜が後方から彼女のこめかみにとどめの銃撃を叩き込んだのだった。
彼はかつて専守防衛陸軍に属していた元軍人だった。
全てが終わった雑木林には、火薬の匂いが充満していた―――
【新たな死亡者】
椎名桜子(女子17番)
残り32名
【鬼畜側被害】
銃撃戦により2名死亡
残り98名
2−7
神楽坂明日菜はネギの姿をした少年を抱き起こした。苦しそうだ。
急いでデイパックを取り出し、彼に飲ませる。咳き込みながらも水を飲み干し、
ようやく、目を開けた。彼の目は明日菜の顔を認めたようだ。
「あれ・・・?アスナさ・・・げほっ」
「ネギ?ちょっとあんたどういうことよ!?なんであんたがこんなところで
倒れてるのよ?あんたはBRの作戦本部にいたんじゃなかったの?」
「・・・臨海学校の最後の日、しずな先生に呼ばれてタカミチが泊まってる部屋に行ったら、
そこは、・・・ま、っくらで・・・突然背後から頭を殴られて・・・で気付いたら狭いところに・・・げほっ」
そういってネギは咳き込む。明日菜はおデコに手を当てた。体温が低いような気がする。
ネギの背中をさすりながらこう言った。
「・・・大丈夫?無理して話さなくてもいいよ?」
「だ、大丈夫です。はぁ。そ、それで、狭い所に押し込められた僕は、そこは暗くてどこか分からなくて、
遠くからタカミチとしずなの話し声が聞こえるんだけど、僕は猿轡をはめられてて、声が出せなくて、
その内また意識が遠のいてきて、その次に目が覚めた時にはここに倒れていたんです。」
「・・・・・・」
ようやく、事情が飲み込めてきた。ネギがおかしなことに巻き込まれたのは、秋の臨海学校の
最終日、つまり昨晩だ。彼の話が真実なら、一日近くにわたって監禁されていたことになる。
「さっき、教室で私達にBRの説明をしたのはあんたじゃないのね?」
ネギの目を真っ直ぐみつめ、確認のためにそう問う。
「説明・・・?BR・・・? な、んのことですか??」
やはりネギは知らないらしい。ということは、さっきのネギはおそらく魔法か何かで変装した偽者か。
そして、高畑先生としずな先生はどうやら今回のBR戦闘実験作戦本部要員らしい。
「高畑先生・・・」
信じたくなかった。が、信じなければならなかった。彼らと、政府軍と私は戦わなきゃならない。
敵側に回ったタカミチへの情念を吹っ切らなければならなかった。
彼女の強い決意を支えたのは目の前のいたいけな少年の姿だった。こんな幼い子供すら、
プログラム遂行のための道具にしてしまう、奴らのドス黒い魂胆に心の底から嫌気がした。
「・・・立てる?」
明日菜はネギに手を貸し、彼を立ち上がらせた。本当はもっと、ネギを休ませてあげたいのだけど、
既に狂気の戦争は始まっている。ここに長居している暇はなかった。
幸い、ネギの身体の調子は思ったよりも良いようだった。最初動けなかったのも、一日近くに渡って
猿轡をはめられ、閉じ込められていたことによるものだった。
明日菜は手短に今日自分たちの身に起こったこと、バトルレイプのことなどについて説明した。
その内容は10才の少年に聞かせるにはあまりに過酷なものではあったので、多少オブラートは聞かせたが、
賢い少年は明日菜の言うことを理解した。
「それで、アスナさんは戦うんですね?」
「もちろんよ!降りかかる火の粉は払いのける!あったりまえじゃない」
その自信たっぷりのアスナの表情に、ネギは思わずくすっと微笑まざるを得なかった。
アスナさんらしいや。こんな状況下でもしっかりしてるんだ――
「・・・・・・そうですね、僕もできるだけなんとかしてみたいと思います」
「あ、そうだ。あんた魔法使ってなんとかならない?いくら相手が武装した男たちでも、しょせん一般人。
あんたの魔法なら御茶の子さいさいでしょ?取り合えず私の身体を強化してよ」
「ハイ!」
ネギは元気良く返事して、明日菜の仮契約カードを取り出し、呪文を詠唱する。
「ミニストラ・ネギイ・カグラザカ・アスナ!シス・メル・パルス・ベル・ゲントゥム・
オクトーギンタ・セクンダース!!」
・・・しかし明日菜の身体には微塵の変化も現れない。
「ねぇ、どうしたのネギ?」
「変ですアスナさん!ま、魔法が使えなくなってるんです・・・」
「えっ!?」
二人の顔から血の気が引いていく―――
ネギがもう一度魔法が使えるか試そうとしていたその時、
島中に設置されたスピーカーからまがまがしい声が聞こえ始めた。
「皆サーン。悲しいお知らせですー。たった今、記念すべき二人目の戦死者が出ましたーーー!
女子17番、椎名桜子さん、死亡!ちなみに彼女はレイプされなかったようでーす。
勇猛果敢に鬼畜達と銃撃戦を見事に演じて名誉の戦死を遂げましたーーー。
鬼畜側にも2名の死者が出ましたーー。いやぁーなかなかやりましたねぇー桜子さんはーー!
皆さんもこれぐらいは頑張って下さいねーーー!?」
ネギとアスナは顔を見合わせた。
2−8
たくさんの計器類とディスプレイに囲まれた部屋の中でタカミチはタバコを吸っていた。
銘柄は“ワイルドセブンスーパーライト”。こう見えても、彼は低タール派だった。
彼が腰掛ける中央の席からは、ディスプレイの全てが見える。一応全権の指揮は
彼の手中にあった。そもそも3−Aを今度のプログラム対象クラスにするために、積極的に
軍関係者に働きかけたのが他ならぬタカミチ自身だった。
シュー、と自動ドアが開き、しずなが入ってくる。彼女はタカミチの傍らに腰掛けて、
ディスプレイを眺める。
「アスナちゃんはネギ先生と合流したようね」
「そのようだな・・・ところで、僕の演技はどうだった?」
「うーん。姿も声もネギ君そっくりだったけど、キャラが違いすぎじゃないかしら?」
「ははは。まぁそう言われると思ったよ。だが、あれは余興みたいなもんだからな」
「怖い人・・・」
しずなはさり気なくタカミチの手に自分の手を重ねる。
「君は、バトルレイプというこの新BRプログラムを正直どう思う?女性として、
やはり抵抗はあるかい?」
「ふっ。いいむしろ気味だわ。あの娘たち、影で私のことを年増だの売れ残りだの垂れ乳だの、
さんざんコケにしてたのよ。痛い目見るぐらいが丁度いいわ。若さしか取り得がないくせに」
女性の嫉妬心は恐ろしい。改めてタカミチはそのことを痛切に感じるのであった。
「こんな私のことあなたはどう思う?怖い女だと思ったかしら」
タカミチはタバコを灰皿で消して、しずなの顔を見つめる。
「いいや、魅力的だよ。僕もケツの青いガキには辟易していたところなんでね」
周囲で兵士達が慌しく走り回る中、タカミチとしずなは手を取り合った。
「これが、僕達の第一歩だ――」
「タカミチ先生・・・」
「僕ら魔法使いは共和国内で厳しい立場にある。だが、先手を売って軍に今の内から軍に協力しておけば
安泰だ。軍も、魔道戦士部隊の編成を急いでいる。」
「つまり、あなたは、軍にポストを求めるために3−Aを売ったと?」
「そう、君のために。僕達の輝かしい未来のために」
「あなたらしいわね。でも、そんな所が私を虜にしてやまないのかしら?」
しずなはタカミチにウインクしてみせた。
「来月には、総統陛下率いる国民党と民和党の圧倒的多数の賛成で魔女狩り法案が可決される。
国内の魔法使いの8割は殲滅されるだろう。」
「・・・・・・。」
「黙ってても、ネギ君やエヴァンジェリンは消されるんだ。神鳴流の子らはどうなるか分からないが。
どちらにしろ、特殊能力を持った人間の行動には大きな制約がつくことになるだろう」
「・・・そして、あなたはそれに手を貸す。そして私も」
「そう。それこそが僕らの唯一の自由への道だ。二人の生き残りをかけた」
「・・・ついていくわ、あなたに。例えそれがどんな棘の道だとしても」
「僕も誓うよ。神に背を向けても僕は君を永遠のものにする」
二人は作戦司令室で熱い口付けを交し合った。
、、.:.._、
..:.......,,,,,,------、:.`'广 ^^''!`-、:
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.ミ ↑ 小川と滝 、 丘 ...,ノ茂みと 崖`':‐ぃ、,,,,,、
'i、 06 " ,,i´ 岩場 04 l゙
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│ 小 l | 廃工場 .j′ .′ 小学校 |
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│ 島 , ,! 林 .| ..,! 空 林 体育倉庫 │
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、″ 民家 --: --´ `ヽ、..,_ .,,.、--.、 00 民家群 _、.′
│ 、/ `゙^ `':. 軍基地 :..ノ
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`:〜・´
>>93-94 ※00=鬼畜軍スタートポイント。
※16=フライト直後、裕奈がまき絵のヘリと別れた地点。まき絵機はその後西方向へ。
※05=裕奈が亜子を見失った地点。同機の進行方向も不明。
※02=明石裕奈着陸ポイント。
※06=自機が降下している時に、最後にみたアキラのヘリがいた地点。進行方向は北。
※12=古菲がハイジャックに失敗した空域。
※26=エヴァンジェリン現在地点。
※03=和美・十郎太遭遇地点。
※04=綾瀬夕映スタート地点。
※17=椎名桜子玉砕地点。
※08=明日菜・ネギ合流地点。
96 :
名無しさん:04/02/16 22:09 ID:dcKP5FWi
地の文の視点は、ブロックごとに固定すべきじゃ?
>めくらめっぽう撃ちまくった
あと、これは差別用語なw
>>96 >地の文の視点は、ブロックごとに固定すべきじゃ?
すいません、言ってる意味が良く分からないので、解説お願いできませんか?
地の文・・・?これは、どの文のことを指して言ってるのでしょう。
あと、ブロックごとに固定・・・?ということは、キャラごとの移動に合わせた視点ではなくて、
島々の隅に張り巡らされた政府の監視カメラから見たような描写にすべきということ?
本家バトロワの1か2でそういう描写ありましたっけ?
98 :
名無しさん:04/02/17 01:31 ID:8TBBxhz3
>地の文
会話以外の状況描写などの文。
>ブロックごとに固定
この場合レスごとかな?
その中で、著者の目で状況を説明している地の文と、
キャラ語りの心情の地の文が混ってるとよろしくないのでは、ってこと。
具体的には
>賢い少年は明日菜の言うことを理解した。
>「もちろんよ!降りかかる火の粉は払いのける!あったりまえじゃない」
>その自信たっぷりのアスナの表情に、ネギは思わずくすっと微笑まざるを得なかった。
>アスナさんらしいや。こんな状況下でもしっかりしてるんだ――
その自信〜 は第三の視点なのに、次の
アスナさん〜 はネギ視点の文になってる、ってだけ。
あまり気にならないけど、長く続けるなら、
どうかな?ってだけだから気にするな。
>>98 なるほどー参考になりましたです。
じゃあ、今後は、心情描写は()で閉じるといいのかな?
----------
賢い少年は明日菜の言うことを理解した。
「もちろんよ!降りかかる火の粉は払いのける!あったりまえじゃない」
その自信たっぷりのアスナの表情に、ネギは思わずくすっと微笑まざるを得なかった。
(アスナさんらしいや。こんな状況下でもしっかりしてるんだ・・・)
----------
↑こんな感じでしょうか?一般的に。
長い線――で振り分けるってのもアリですかね?↓
----------
賢い少年は明日菜の言うことを理解した。
「もちろんよ!降りかかる火の粉は払いのける!あったりまえじゃない」
その自信たっぷりのアスナの表情に、ネギは思わずくすっと微笑まざるを得なかった。
――アスナさんらしいや。こんな状況下でもしっかりしてるんだ・・・
----------
>>99 いーんじゃねえの。自分が好きな方でやってくり。
ついでに100はもらったみゃ
101 :
名無しさん:04/02/26 11:05 ID:uscS9Sl+
良スレage
ああ、せっかくなので批判とか矛盾とかガンガン指摘して下さい。
その方が燃えます。
ぶっちゃけ、
>>6で煽られなかったら何も書かなかったと思う。
多分、僕はマゾなんだと思う(あーキモイキモイw)。エロパロの時もそうだった――
| |_|ヽ
| |。`ハ
>>102 |_|MO) よし、がんばれ!
|橘|'⊂〉
| ̄|コ=|
| |~∪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
104 :
名無しさん:04/02/27 14:04 ID:Uu+7zy6j
最近見ないと思ってたらひーちゃん、SS書いてたのか
鬼畜に特厨を出せ
2−9
「待ちなよ!どこ行く気っ!?」
柿崎美砂は、突然立ち上がった釘宮円(女子11番)に声をかけた。
「どこって決まってるじゃん!桜子のカタキを討ちに・・・」
円は血相を変えて振り返る。
二人はつい数分ほど前に、ネギの声で――実際はネギの声色を真似たタカミチだが、
彼女らはそれを知らない――桜子が死んだという放送を聞いたのだった。
二人は偶然にもスタート地点が非常に近かった。すぐさま合流し、近くで見つけた
島の倉庫に陣取り、拠点作りを着々と進めていたところだった。最初に出会えたのが一番の
親友同士ということもあったし、見つけた倉庫もなかなか丈夫そうで、立て篭もるには
もってこいのような気がした。仮眠を取ったり、雨をしのげる建物を確保しておくことは、
体力の消耗や衛生環境、そして精神の安定にとっても重要なことだった。この島では
基地周辺をのぞき、家屋等建物の数は限られている。そんなこんなで、彼女達は他の生徒と
比べて表情が明るく、一筋の希望の光を見出していた。
(なんとかなるかもしれない。頑張んなきゃ。)
(ここを拠点にして、みんなと連絡を取り合って・・・)
桜子の悲報は、そんな楽観ムードを一気に消沈させた。
(よりにもよって、最初に殺されたのが桜子なんて・・・)
倉庫の入り口を堅めるバリケードを造っていた二人だったが、その手は既に止まり、
お互い数分間黙ったままだった。いや、何を口にしていいか分からなかったのかも
しれない。
美砂は頭をフル回転させていた。円をこのまま行かせてはならない。
(行かせたら最後、もう円にも会えなくなってしまう・・・)
「わかったよ円!私も戦うわ。だけど・・・もうちょっと待って。
もっと仲間を集めてから――」
「だめだよ。美砂」
円は美砂の言葉を途中で遮った。
「たぶん・・・仲間集めはあんまりうまく行かないと思う。美砂は、
目の前で助けを求めていた彼氏を見殺しにしてしまったから。」
「あ―――」
美砂は、先程ネギ(の偽者)に首輪を爆破されて殺された“かつて自分の恋人だった男”
の死に様をまざまざと思い出した。ほんの、数十分前の出来事を・・・
「知ってたのは私だけだったよね、美砂が夏休み前にあの男と別れたって・・・」
「・・・・・・」
「みんなは今でもあんた達が恋人同士だと思ってたはず。その恋人をつき放したあんたの
行動をみんなはどう受け取っただろうね」
「彼氏を見殺しにした冷たい女――」
美砂は視線を落とした。
「あ、ごめん。美砂」
美砂が顔を上げると、円の表情には後悔の色がありありとみて取れた。
「ごめん、ちょっと言い過ぎたよ。美砂を責めるつもりはなかったんだ。
私は、あんたと彼が別れた経緯をよく知ってるから、さっきあんたが取った行動も
理解できるよ。嫉妬深くて粘着質で独占欲が強くて。別れたら別れたでさ、
美砂だけじゃなくあたしや桜子の携帯にまで電話かけてきて、まるでストーカー
みたいだったもんネ。私だって、美砂の立場だったら同じ行動をとったよ」
「でも、あいつはアイツなりに・・・その、私のこと・・・
ただ、考え方が合わなかっただけだから――」
円が、死んだ美砂の元彼を悪く言ったのは、罪の意識に苛まれているだろう美砂自身
のことを気遣ってのことだとは分かっていたが、美砂は一言言わずにはいられなかった。
確かにとんでもなく迷惑な男だったが、彼女への好意は本物だった。それを美砂は
汲み取ってあげたかったのだ。彼の異常なまでの猜疑心や別れた後のストーカー行為には
悩まされ続けていたが、それと同じくらい、彼と過ごした楽しい思い出も抱えていた。
だから、彼には毅然とした態度がとれなかったのだ。
しかしこうした女性側の弱腰の姿勢はストーカーに幻想を抱かせ、その行為を
エスカレートさせる要因にもなりうる。
「ああ!ごめん。私、混乱してて。美砂を傷つけるつもりはなかったのよ。ただ、
警戒心が強いヤツは私達の仲間になりたがらないかもしれない。それが言いたくて・・・」
「バカ、わかってるわよ。私達・・・・・・親友じゃない」
美砂は円の目を真っ直ぐに見つめ微笑んだ。だが円は、そんな美砂の視線につかの間の
笑顔で答えたかと思うと、キリッとした険しい表情で、支給された自動拳銃――ベレッタ
M92F15――を握り直した。
「それに、仲間に加えたとして、そいつが美砂のことを信頼してなかったら、あんたが
寝首を掻かれるかもしれない。だから、私は、相手にもよるけど、仲間集めには反対。
それにもう、クラスメートが黙って犯られていくのは見過ごせない」
美砂は、円の表情の中に固い決意の色をみてとった。円は人一倍正義感が強く、
一本槍なところもあり、こうと決めたら譲らない節がある。こうなったらもう、
彼女を止めるのは難しい。だが、無謀な特攻をさせる訳にもいかなかった。
「・・・わかったわ、円。でも、その前に見せたいものがあるの」
そう言って美砂は倉庫の隅まで歩いていった。そして壁に立て掛けられていた
ドラグノフ狙撃ライフルを手に取り、右肩を重心にして構えた。左手で、
円に退くように合図をする。円が銃先から外れたことを確認し、人差し指をトリガーにあて、
照準器を軽く覗いて、引き金を絞った。
ドンと鈍い音がして、銃口が火を噴いた。美砂が立っている場所と反対側の壁に
穴が開いたようだ。円は美砂の真意が掴めず、怪訝そうな顔で彼女の言葉を待った。
美砂は黙ってドラグノフを肩から下ろし、元あった場所に立て掛けると、
撃った方向の壁に向かって歩いていった。そして銃痕を確認すると、
「来て」
と後ろを振り返らずに言った。
円が美砂の近くに駆け寄ると、美砂は満足げな口調でこう言った。
「見てよ。ドラグノフをこの距離から撃っても貫通していない。この倉庫の壁、
思ったより頑丈みたいよ」
「ということは、ここに立て篭もって戦えば・・・」
「うん。相手が例え10人でも互角に戦えるよ」
二人の顔に、消えてきた光がよみがえってきた。
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112 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/02/28 14:01 ID:W9oXSWHc
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※00=鬼畜軍スタートポイント。
※16=フライト直後、裕奈がまき絵のヘリと別れた地点。まき絵機はその後西方向へ。
※05=裕奈が亜子を見失った地点。同機の進行方向も不明。
※02=明石裕奈着陸ポイント。
※06=自機が降下している時に、最後にみたアキラのヘリがいた地点。進行方向は北。
※12=古菲がハイジャックに失敗した空域。
※26=エヴァンジェリン現在地点。
※03=和美・十郎太遭遇地点。
※04=綾瀬夕映スタート地点。
※17=椎名桜子玉砕地点。
※08=明日菜・ネギ合流地点。
※07=美砂・円が立て篭もることにした島の倉庫。
(*'-'*)ワクワク
115 :
名無しさん:04/02/29 21:56 ID:pMu81X+b
ハァハァ
116 :
名無しさん:04/03/01 16:48 ID:ZGgxIzTb
続きまだぁ?
スレスト
118 :
名無しさん:04/03/03 13:45 ID:Pu5oMzEd
まだ一人もレイープされとらんではないか(怒
2−10
朝倉和美はごくりと唾を飲み込んだ。冷たい眼と口元に薄ら笑いを浮かべた少年――
元関西呪術協会刺客、猫上十朗太(男子2番)――がこちらに銃口を向けながら、
ゆっくりと歩いてくる。この距離ではもう逃げられない――
猫上は再び同じ問いを発した。
「なあ?姉ちゃんよ。なんでそっち向こーとるんや。そっちは鬼畜達のスタート地点やで?
狼の群れに突っ込むようなものやん」
和美はとっさの受け応えに窮した。
(真意を悟られるのはまずい・・・邪魔が入れば入る程、計画が成功する望みは薄くなるな)
実際は鬼畜達のスタート地点をわずかに迂回して、やや東寄りの技官控え室――控え
小屋と言った方が適切かもしれない――に向かっていたのだが、さすがにそこまでは
気付かれていないようだった。
「き、き、鬼畜達の盲点をつくんだって。あいつらだって、私らが自分達から遠ざかるように
逃げてくと思うじゃん?だから私は裏を掻いて敵の懐にもぐりこもうってわけさ。
灯台下暗しって言うじゃんよ。は、はは」
「ふぅん・・・」
猫上は納得したような素振りを見せた。
(急ごしらえにしては、我ながらうまい言い訳を考えついたもんさね、ふふっ)
「じゃ、じゃあそういうことで。あんたも、う、うまくやりなよっ。バーイ」
そう言って和美は猫上に背を向け、再び走り出そうとした。が、
「おい、ちーとばかし待てや」
先程とはうって変わった棘のある声が後ろから投げつけられた。
和美はいきなり背中に氷を入れられたかと思った。
「な、何・・・?まだ、なんか――」
声はつとめて冷静さを装ったつもりだが、声が裏返ってしまった。
「おい、お前言っとることがおかしやないか。鬼畜達はGPSちゅうもん持っとるんやろ?
精度が荒いとは言え、お前が基地周辺とどまってりゃあ、あいつらには一目瞭然やないか」
さすがの和美も生きた心地がしなかった。額から汗が噴出してくる。
「なあ、お前俺に嘘ついとるやろ?正直に言えや。殺されたいんか?」
コルトパイソンを突きつけられたままそう脅されては、もう嘘をつき続ける訳には
いかなかった。観念した和美は、猫上に自分の計画を白状することにした。
(こ、こうなったら、彼も仲間に引き入れるしかないね)
全てを聞き終えた猫上は――既に銃は降ろされていたが、セーフティーロックは
外されたままだった――侮蔑したような表情を浮かべ、一言つぶやいた。
「嫌な女やな・・・お前」
しかし和美は意に介さず、素の表情に戻って彼の耳元でささやいた。
「ねぇ、2人でこのゲームから抜け出そうよ。技官落としたら、私のだけじゃなく
あんたの首輪も外すように掛け合ってあげるからさぁ」
「そうか。やけど、聞いた話やと、この首輪は確か盗聴されてるんやなかったのか?
BR作戦指令本部に筒抜になってしもたんやないか?」
「その点は心配いらないよ。随分前のプログラムで。生徒側が首輪の盗聴機能を逆用して、
低周波攻撃を仕掛けたことがあったからね。それ以降、盗聴機能は外して
位置情報だけ送ってるって噂だよ。」
「そうなんか・・・」
「ね?私と組みなよって」
「いりまへんよ」
そういうや否や、猫上はコルトパイソンを和美に突きつけた。今度は距離がすぐ近くだったため、
その銃先は、和美の喉下にあった。
「ちょっ・・・・・・」
「俺はな、お前みたいな女が一番嫌いなんやね。したたかでずる賢くておのれの利益しか考えて
おらへんような。まぁ女なんてみんなそないなもんやろな。俺はこないなルックスやから、
そこそこモテるが、どいつもこいつも見てくれがええ彼氏をゲットして友達に自慢したい
だけやろ。そないなドス黒い魂胆が透けて見えてむかつくから、一端はOKしてやって、
その後こっぴどく捨ててやってるわ。」
「・・・あんた、女の子が嫌いなの?」
「ああ、嫌いやね。女なんかみんな信用してへんよ。したらこっちがバカみっからな。
俺は男友達にしか気を許さないちうわけや。」
猫上の言葉には凄みがあった。
まずいな、と和美は思った。猫上はどうやら女とういう存在そのものを毛嫌いしている
らしい。いや、毛嫌いという表現では生易しい。女という性全体への憎悪といった
ところか。彼の心の闇は深いようだ。だがそうだとすると、ある意味では、こいつは
鬼畜達よりたちが悪い。鬼畜達は女が好きだから少女達に襲いかかってくる。だからこそ、
交渉の余地があるのだ。こちらがスンナリと身体を提供してやれば、命ぐらいは助けてくれる
かもしれない。相手の嗜虐心をそそらないように注意しながら、うまくやつらのサディズムの
発現を抑えるような微妙な仕草、素振りを心がければ。彼らの最大の目的は性欲を処理する
ことであって、女を殺すことではない。
だが、目の前の少年はそうはいかない。こいつが女を襲うとすれば、それは性欲のためよりも、
女そのものに対する復讐のためだ。何をされるか分からない。あまり想像したくはないが、
プログラムの間の行いに対して刑法が適用されないことを考えると、それこそ殺人に
手を染める気になってもおかしくない。猫上は女を人間として見ていないのだから、
女を殺すことについて感じる良心の呵責なんてわずかなものだろう。はっきりと今言えることは
――猫上が女を見境なく殺しまくる程の恨みを抱えているかはともかくとして――彼が、
女生徒達にとって、そして和美にとって間違いなく危険な存在であるということだ。
和美は、自分のプログラム脱出計画はさておいて、まず目の前に差し迫った“猫上十郎太”と
いう危機を回避しなければならなかった。ここで選択を誤れば――ゲームからの脱出に成功する
どころか――鬼畜にではなくクラスメートに殺されてしまいました!という無様な結末で
自分の人生が終わってしまいかねない。あーあ、短い青春だったなぁ。
「ほら、どないしたんや?命乞いせーへんのか?」
猫上は相も変わらず冷淡な表情でそう言い放った。口元だけが不自然に歪んだ笑みを
形造っている。もはや、迷っている時間はなさそうだ。彼の怒りの矛先を自分から交わし、
心を揺さぶってやらないといけない。ただし、刺激しすぎて自暴自棄にさせてしまわない
ように注意しないと。
(まずは、女に対してそこまで強い嫌悪を持つことになった経緯を探らなきゃね。
キッカケになった事件がなんかあるはず・・・)
和美は口を開いた。
「あんたが女の子を嫌いになった直接の原因は何なの?まさか、物心がついた時から
女嫌いだった訳じゃないっしょ?」
「じゃかあしい!なんでそないなことお前に訊かれなかないかんの」
和美はスゥっと息を吸い込んだ。身の縮まる思いだ。
「ごめん・・・」
(あぶな、質問方法まずったか。気をつけないとね。)
それでも和美は質問責めを続けなければならなかった。話すことがなくなれば猫上は
和美を殺す気かもしれないからだ。なんとかして、彼の女性に対する憎しみの根本原因を
突き止め、彼の心に、女を殺すことへの迷いや躊躇いを生じさせてやらなければならない。
「でも、私は知りたいんだよ、あんたのこと。それに、あんたがいくら女が嫌いだっていっても、
あんただって女がいなけりゃこの世に生まれてなかったんだよ?あんたにもお母さんは
いるんでしょ?」
「母親なんかおらへんよ」
「なぬっ!?」
「俺が5才の時、家の外に男作って家出ていってしもたんや」
「てことは・・・・・あんたんち、父子家庭だったの!?」
「いや、親父も俺が7才の時死によった。車で山道を走っててな。ガードレールに突っ込んで
崖から転落してお陀仏や。飲酒運転でな、時速140km出しとったんやと。無理ないと思うわ。
山道やのにな。」
「・・・・・・」
「親父はええやつやったよ。やけど“あの女”が家を出て行ってからはすっかり人が変わって
しもたんや。毎晩酒浸りになって。ほんで結局最後には、あないなことに―――。
親父を殺したんはあの女なんや!!」
(はっはーん、そういうことか。母親の不倫がきっかけで孤児になったから、女や性というものを
憎んでるってわけか。それなら・・・ん?)
和美は、猫上が自分の身の上話に夢中になって、いつのまにかコルトパイソンの銃口を下に
下ろしていることに気付いた。少しは彼女にも運が向いてきたようだ。
「あんたの気持ちはわかるよ。細かい事情は私は知らないけどさ、確かにあんたの母親は
酷かったかもしれない。だけどさ、それだけで女の人全てがみんなそうだって決め付けちゃう
のもどうと思うんだけどなー」
「それだけやねぇよ!」
猫上は吐き捨てるように言った。
「孤児になった俺はひたすらピアノに打ち込んだんや。他にすることがあらへんかったからな。
同級生たちともたまには遊んだりしたが、やつらのする事なんて幼稚で退屈やったねん。
楽譜の中には、“エリーゼのために”やら“金髪のジェニー”やら“渚のアデリーヌ”やら、
男が女を想って書かれた曲がぎょうさんあった。俺は母親のこともあって、女を愛するなんて感情
理解できなんだわ。やけど、できることなら理解したいとは思ってはいたんや。これらの曲を弾く
ことで音楽家達の、女への想いが、俺の中にも入ってくるんやないか、そう思って、
俺は一心不乱に鍵盤を弾き続けたちうわけや。おかげでめきめきと腕は上達した。
小学5年の時、堅物で口数の少ない野島信吾っちゅう俺の音楽教師に進められて、地元の音楽
コンクールに出たんや。そこで俺は最優秀賞を取った。その頃から俺は、周囲から将来の天才
ピアニストとして、もてはやされるようになった・・・」
「・・・・・・」
「中学に上がって、俺は、幼稚園時代一緒やった来栖川詩織に再会したんや。入学式の翌日、彼女は
俺に告白してきた。ほんで数日の内に、他にも何人もの女に告白された。俺が思っとった以上に
“天才少年”としての俺の名は地域で有名やったらしい。結局、他のは全部断って、
彼女と付き合うことにしたねん。」
銃を下ろし、斜め下を見ながら語り続ける猫上は和美は冷静に観察していた。最初は身の上話を
嫌がっていたこの男も、質問の仕方によっては饒舌になるらしい。
「俺達の関係は順調やった。ほんま、楽しかったわ。俺は父親が死によってから始めて女に心を
許した。音楽家が楽曲を通して伝えたかった女への憧れ、恋愛の美しさについて分かった
ような気がしとった。俺は中1ながらも、将来この女と結婚することになるんだと信じて
疑わなかった」
突然、軍基地の方角からパァンを打ち上げ花火のような音が聞こえた。2人が振り向くと
どうやらそれは信号弾のようだった。
BRゲームが、ヘリを使って生徒それぞれをばらばらにエリア内に配置するシステムが
確立してから、この信号弾が上がるのが全ての生徒の輸送を完了したという合図
になっていた。1人1人の生徒にとってのゲーム開始は、自分がヘリから降ろされた直後から
だったが――近くで降ろされた生徒は先にスタートできるため時間がより多く取れるという
メリット、遠くまで運ばれた生徒はゲームの初期段階では比較的安全というメリットが
ある――禁止エリアの基準となる標準時間は、最後の生徒がスタート位置についてから
カウントが開始される(ちなみに今回最後に降ろされた生徒は、ヘリ内でトラブルを
起こした古菲だった)。もっとも、鬼畜が桜子と銃撃戦を繰り広げるなど、局所的には
ゲームは回り始めているのだが。
和美に許された残り時間は少なくなりつつあった。正味30分の間に、猫上をやりすごし、
軍基地に近づき、技官を1人捕まえて口説き落とさなければならないのだ。
猫上は信号弾が上がった方角の空を見上げていたが、再び視線を落として話を続ける。
「あれは夏休みの終わり頃のことやった。詩織と2人でUSJにいったんや。一日中
クタクタになるまで遊んで騒いで夜のイルミネーション見ながら初めての口付けを
交わしたねん。・・・ほんで、夜も遅うなっとったから、俺は彼女を家まで送って
いかないかん思てな。駅前の路地のビルの裏で、俺らはチンピラに絡まれてしもたんや。」
「やつら、彼女に乱暴しよってからに、しゃあないから俺はそいつらに殴りかかって・・・。
結局、しまいには通りかかったおっちゃんに警官呼んできてもろて、助かったんやけど。
けど、俺の右手の指はやつらに踏まれた衝撃で骨まで砕けてしもた。手術の後、医者からは、
日常生活には支障はあらへんけど、プロのピアニストとしてやっていくのは無理やって――」
和美は計画の修正を余儀なくされていた。最初は、まず適度に色っぽい格好になって――
ブラウスのボタンをはだけさせたり、スカートをわざと枝に引っ掛けたりして少し破いたりして
――技官小屋の裏手にある男子便所の前で座って、いたいけな少女に見えるようにシクシクと
泣き真似でもして技官の同情を誘ってから、首輪を外してくれるよう時間をかけて
説得するつもりだったが、この残り時間では、そんな悠長なことはやっていられないかも
しれない。
「そやけど、俺はそれでも良かったんや。ピアニストとしての未来は失ったねんけど、
もっと大事な彼女守るためやったねんさかいな。けど2週間後、詩織は突然俺に別れを
切り出してきよったんや。俺はあまりにも突然のことでどうしてええか分からなんだ。
詩織とはそれっきりで、悶々と登校する日々が続いた。そんで、10月になったある日、
俺はついに見てしもうたんや――」
和美は、技官小屋を武器でもって強襲する腹を決めていた。今から5分後にこの猫上から
逃れられたとして、技官小屋の前に辿り着くには、もう5分はかかってしまうだろう。
と、すると技官の謀反説得に割ける時間はわずか10数分。いくら和美の知略と美貌を
もってしても、さすがにその短時間で口説き落とせる自信はなかった。こうなったら
技官を武力でもって脅して、強引に首輪のロックを解除させる方法しかない。しかし、
そのためには武器――猫上十郎太のコルトパイソン――を奪わなければならない。
「詩織、あの尼・・・校舎の裏で2年のサッカー部主将と乳繰りおうてやがったんや!」
猫上は、その時の光景を思い出した。
------------------------------
一日の授業が終わり、掃除当番だった猫上はゴミ袋を校舎の裏手にある収集所に
運んでいた。彼が校舎の裏への角を曲がろうとしたところ、聞き覚えのある声が聞こえた。
彼は、ゴミ袋をかたわらにそっと置くと、角から首を出して向こうを覗いてみた。
そこには、来栖川詩織と2年のサッカー部キャプテン・東条一平が向き合っていた。
(詩織・・・・・・!?なんで、東条なんかと一緒におるんや)
猫上は黙って様子を窺うことにした。二人の間には独特な空気が漂っていた。
「驚いたよ、詩織ちゃん。俺も春から君のこと気になってたんだ。2年男子の間でも、
今年の1年にはすごい可愛い娘がいるって、君の噂でもちきりだったしね」
東条は東京出身で、サッカーをやるためにこの名門・大阪永徳中学に入学してきたの
だった。雰囲気から察するに、詩織が東条に告白した直後の場面に出くわしてしまった
ようだった。
「うふふ、嬉しいわぁ。ウチも先輩のこと、ずっと前から好きやったの」
詩織は東条の腕にすがりつき、甘えるような目で東条の顔を見上げる。
(う、嘘やろ!?詩織―――)
猫上は驚きのあまり、息もできなかった。
「でも、どうしてなんだい、詩織ちゃん。君には彼氏がいたんじゃないの?
確か、一年の天才ピアニストの・・・」
言葉とは裏腹に、東条の太い腕が詩織の肩に伸びる。
「あかん、言わんといてよ。ややこしなるわ。もうええんや、あんな男。
ピアノ以外取り得なかったし、ウチ、もうあいつに興味なんかないねん。」
(なっ、なんでやあぁぁ、詩織いぃぃぃーーーー)
猫上は壁の影で手のひらに爪を食い込ませた。
詩織は東条の脇腹に顔をうずめ、練習で汚れた彼のユニフォームに、その淡い
ピンク色の唇でなぞるように口付けをした。
「ああ・・・・・・詩織ちゃん、俺の力で君を全国大会に連れていってあげるよ――」
東条はぼんやりとした表情で、かすかにリンスの香りが残る少女のストレートの
黒髪を優しく掻きあげた。
「嬉しい・・・大好きやァ、せんぱぁい♥」
男の手が少女の肉付きのよい双臀に伸び、スカートの上から腰まわりをまさぐり
始めたのを見届けた猫上は、持ってきたゴミ袋をその場に放置したまま、無言で
その場から走り去った―――
------------------------------
猫上は顔を上げて和美を睨みつけながら叫んだ。
「俺はあの時誓ったんや!もう2度と女なんて信用せえへん。・・・それから俺は、
女ども見返したる思って、最強の男になることを決意した。雑誌みて服から
髪型から整えて、イケメンと言われるようになった。ケンカに負けへんように、
道場にも通った。勉強も頑張った。全ての分野でトップを取れるような
万能な男になったんや。そのうち、詩織のやつが寄り戻そうと言い寄って
きはったけど、もちろん追い返してやったわ。そんな中、関西呪術協会から
お声がかかったんや。・・・天職やった。研ぎ澄まされた五感、抜群の身体能力、
培ったあらゆる知識を総動員して俺は関西呪術協会でも指折りの刺客となった。
標的は主に男やったけど、たまには女も仕留めた。そん時の快感はほんま、
最高やったでぇー!」
「・・・・・・・・・ッッ」
「ドブネスミみたいな淫売どもはみんなぶっ殺してまえばええんや。このプログラムでは
合法的にそれができるんやからな。願ったり叶ったりや!」
和美は躊躇していた。2度にわたって、こっ酷く女に裏切られた少年の心は、
その場しのぎの表層的な慰めではとても修復できない程に歪んでしまっている。
こうなったら―――
「で、でもっ・・・!あんたの親友の犬上のことはどうなのさっ!?彼が宮崎と
付き合ってんのはあんただって知ってんでしょーがっ!」
「小太郎もあほやな。売女に誘惑されてるだけやってのに、気付かなんだわ」
「何言ってんのよ。宮崎はそんな子じゃないって!目を覚ましなよっ」
「はんっ!お前なんかに説教なんかされとうないわ。俺は宮崎みたいにウジウジブリブリ
した女が一番頭来るわ。男の本能を刺激して、『可愛いー!守ってあげたーい!』っちゅーふに、
思わせるためのしたたかな戦略なんやろ。裏で何考えとるかわかったもんやない・・・」
猫上がそう言い終わる前に和美の手が素早く動いた。驚いた猫上が顔を上げたところ、
彼の肩口にアイスピックが深々と突き刺さっていた。
「な、ななな、何すんねんワレェ!・・・」
腕の力が抜けた一瞬の隙をついて、和美は猫上の右手からコルトパイソンをもぎ取った。
彼の股ぐらに蹴りをかまし、身体を反転させて、間合いを取ろうと背を向け―――
「うあっ」
突然、和美の全身に脱力感が襲い、彼女は地面に崩れ落ちた。執念の猫上が
和美の弱筋に手刀を叩きこんだのだった。意識が朦朧とする中で和美は、
猫上が股ぐらを左手で抑えつつ、鬼のような形相で立ち上がるのを見た。
(ああ、終わったんだね。私の運命―――)
猫上は和美が取り落とした銃をゆっくりと拾い上げると、引き攣ったような笑みを
浮かべた。
「はぁっ・・・はぁっ・・・このあばずれ、、、ただ殺すだけじゃ足りないな。どないしよか」
猫上はニタリと笑うと、和美の右手を取り掌に銃口を押し付け、迷わずに引き金をしぼった。
パン!と乾いた音がして、猫上の頬に血飛沫がピチャッとかかった。
「あぁあああーーーーっ!」
たまらず和美が悲鳴をあげじたばたと暴れる。猫上は表情一つ変えず、和美のみぞおちに
拳を叩き込む。
「・・・がはっ」
和美が腹を抑え咳き込む。すかさず少年は少女の左手を取り、やはり掌の真ん中に銃口を当て
引き金を絞る。再び周囲に血飛沫が撥ね散る。
「ひぁ、いああああーーーっっ」
纏わりつく和美の身体を蹴飛ばし、地面でのたうち回る彼女の手の指を足でぎゅうぎゅうと
踏みつける。そう、あの日猫上自身が、チンピラ達にされたように――
「ぎゃあぁあああああーーー」
和美は髪を振り乱して身をよじりまくる。しかし、その動きはもう弱弱しい。
猫上は恍惚とした表情で、哀れな少女を見下ろす。
「これでもう、銃を撃つことはできないねんな」
猫上の満足げな言葉が、和美の意識の片隅で響く。
「はっ・・・はっ・・・たす、けて・・・殺さな・・・ああ」
和美の視点は宙をさまよっていた。少年は彼女の頬に足蹴りをくわえる。
「ほはっ、・・・・・・ぁ・・・うぅ」
もはや肩で息をするだけの蝋人形に、少年はおもむろにまたがった。
「・・・ほな、楽しませてもらいましょか」
舌なめずりをしつつ、猫上は彼女のブラウスの胸元に手をかけた。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
…。_| ̄|○
マガジン今週号見たら、猫上十郎太(関西呪術協会の白髪の少年、仮名)のキャラが
予想したのと違いすぎだ・・・
一応想定してたのが、一人称は俺で、関西弁で、クールだけど言葉遣いは乱暴って感じの
少年だったんですよー。これだと、
>>119-136で書いた僕の猫上のキャラは、赤松先生の描く
本編ではむしろ犬上小太郎の方に近いかも。小太郎から無邪気さ(素直さ)をなくしたら
こんな感じになりますよね?うーん
てことで、皆さんにアンケート幾つかお願いしてもよろしいですか?
1、猫上十郎太(仮名)のキャラ設定について
ア、本編に合わせる必要はない。オリジナルキャラにしろ。
イ、本編に合わせて性格、喋り方を修正すべき。
ウ、いっそのこと小太郎と取り替えてしまえ!
ここより、萌え統や本スレでアンケート取ったほうがよくね_?
このスレの存在を知らねー奴多いだろうし
1:ア
3:上位から千雨、パル、朝倉、エヴァ、夕映、明日菜、のどか、茶々丸(ワラ、楓、刹那
4:上位から、四葉、クーフェイ、ハカセ、さよ、あの運動部のツンツンアタマ
141 :
名無しさん:04/03/07 16:20 ID:9+Z57HhH
千雨レイプがあれば文句は無い
ぶっちゃけそろそろ潮時なんでは
>>139 本スレは怖いのでちょっと・・・
あと、萌え統とかよりも、このスレ巡回してくれてる方を優先したいです(o^v^o)
>>140 >1:ア
他に意見が出ないようなので、そうします♪
>>140-141 ありがとうございます。参考にさせていただきますー!
>>142 かもしれませんね。ちょうどリアルで忙しい時期と重なってるので、どうしてもペースが…。_| ̄|○
いつかは完成させたいんですけどね(´・ω・`)
もし、ここが落ちてしまったらネギま板の僕の公式スレあたりで発表します。
暇な方はニヶ月に一回ぐらいチェックしてやって下さい。
ていうか本当はここ、僕のスレじゃなくて、ネギまとBRをフュージョンさせたネタの総合スレみたいに
したいと思ってるんですけど、雰囲気的に無理かな?まぁ
>>1さん次第ですけど
2−11
夕刻の黄昏と調和するかのように、小高い岸壁から落ちる滝の音が間断なく聞こえてくる。
悪夢のようなこのゲームには全く似つかわしくない美しい自然のハーモニーだった。
たった今、超鈴音(女子19番)は破いたブラウスを包帯代わりに、親友・古菲の足の
応急処置をしたところだった。彼女の話では、ここに運ばれてくるヘリの中で兵士達に抵抗
しようとして、足を銃で撃たれたとのことだった。彼女がここにくるまで座って途方にくれ
ていたという。
二人がいる地点は島の北端に近い、丘陵地帯の西側の斜面の下の小川のそばだった。
5m程の高さの岩場から水が流れ落ち、細い滝を形造っている。そしてその水飛沫が
ギリギリかからないぐらいに離れた場所の岩肌に、負傷した古菲の背をもたれさせて、
超が看病を行っているのだった。
傷口からの血液の流れはまだ止まっていなかったが、適度にきつく巻いたその布で、
数分以内にとりあえずの止血はできると思われた。滝の水は綺麗に済んで見えるので、
あの水で傷口を洗ってもいいかと考えたが、見ず知らずの島でのこと、どんな病原体が
潜んでいるかも分からないので、止めておいた。ただ、デイパックの中のミネラルウォーターは
わずか2gである。おそらく亜熱帯に属するこの高温多湿の島では、脱水症状を免れるために、
衛生面のリスクは侵してでも滝の水を飲まざるを得ない状況になるかもしれない。
「クー、もしかして武器だけじゃなくデイパックも支給されなかったアルか?」
「・・・そうアル」
古菲は消え入りそうな声で答えた。足を怪我し満足に歩けそうもない状況下で、
武器も食料すら支給せず放置するとは、なんという残酷な制裁であろうか。死ねと
言っているようなものである。悪趣味な放置プレイだとでも言うのだろうか。
運良く超が通りかからなかったらどうなっていたことだろう。
それはさておき、超はこれからどうしたものかと試案していた。弾丸は膝を直撃
している。膝蓋骨や半月板が損傷しているかもしれない。これでは歩けないのも無理は
ない。迷った末、超は切り出した。
「ワタシ、助けを呼んでこようと思うアル」
「チャオ・・・?」
「クーを背負って移動してもいいアルが、それでは襲われた時ひとたまりもないネ」
確かにデイパックを持ったまま、同い年の人間を背負って険しい道を移動するのは
生易しいことではない。移動速度は極端に遅くなるし、万一敵に襲われたらとっさの
対応ができない。
「・・・・・・ワタシを、置いてっちゃう・・・アルか?」
「最初は・・・そこら辺に生えてる木でクー用の松葉杖でも作って、それで一緒に行こうと
思ったアルが、ワタシ、これから丘陵地帯を越えようと思ってるネ。だから・・・」
超は裕奈と同じように、ヘリの窓から他の多くのヘリが島の北東部へ飛んでいくのを
見ていた。つまり、滝が落ちてくる小崖を上って続く丘陵地帯を越えて島の東側に出れば、
クラスメートに遭遇する可能性が高いということだ。できれば古菲を担ぎながら安全に
移動するために、2人以上の仲間が欲しいところだった。一人に古菲を支えてもらって、
もう一人が古以外の3人分のデイパックを運び、武装した残りの一人が周囲の警戒に
当たりながら、安全な家屋か洞窟まで移動するという段取りだ。
より多くの仲間を見つけるためには、東に向かわなければならない。しかし、そのためには
丘陵地帯を越えなければならない。平地ならともかく、岩山を上り下りするのでは、
急ごしらえの松葉杖も役立たないだろう。
「ワタシの荷物置いていくアル。食料や水が入ってるから好きに使っていいアル。
武器も置いていくアル。出来るだけ早く戻ってくるネ。」
そう言って超は、支給された22口径のデリンジャーを古菲に手渡した。
「この銃は照星も照門もついていないから、ちょっと不便アルが・・・一応上下2連発撃てるネ。
ハンマーを起すとトリガーがとびだすアル」
足が折れて動けない分、この武器で超が戻るまで自分の身を守れ、ということだった。
「でも、チャオは、丸腰で大丈夫アルか?」
「大丈夫アルよ。ワタシ、身体ピンピンだし、得意の中国武術が役に立つアルよ!」
「・・・・・・わかったアル。ワタシ、チャオを信じて待ってるアルね」
「ワタシ戻るまで、出来るだけここにいて欲しいネ。もし誰か他の友達に会って、
その子らとどこか別の場所に行くことになったら、置手紙でも置いてくアル。」
「わかったアル」
「出来るだけ早く戻ってくるネ。あと、ここは島の北端に近いアルから、距離から計算すると、
二時間は鬼畜が着かないアル。それ以降は、用心して岩の影でおとなしくしてるアルよ?」
古菲はまだ不安そうな面持ちだったが、猫のような上目遣いでコクリと無言で頷いた。
「じゃ、また後で」
古菲を笑顔で見届けると、超は南側に向かってかけ出した。100m程走り、登りやすそうな
場所を見つけると、超は砂と草に覆われた岩石質の斜面を登り始めた。
超がいなくなったと同時期に、夕刻の闇が深くなってきた。滝周辺は木がまばらで
見通しが良いため、まだ淡い夕光の明度が保たれているいるが、周辺の雑木林の中は、
夜のように暗くなっているだろう。闇の中に一人ぼっち、おまけに足を負傷してほとんど
歩けない――古菲は徐々に取り残されたような孤独感が心を支配し始めた。
古菲は気付いていなかった。一人の少女が滝の上に佇みながらこちらを見下ろしていること
を。いや、古菲だけではない。あの超もだった。随分前から彼女は微動だにせずに、ただじっと
二人を眺めていたのだった。彼女の目は死んだ魚のように座っていた。
2−12
開始当初の喧騒もどこ吹く風といったところで、今や作戦本部司令室の面々は暇を
もて余していた。生徒側が不穏な動きを見せない限り、教師達も兵士達も口でも開けて
モニターを眺めてさえいればいいのだ。仕事があるのは、死亡発表の放送を行うタカミチと、
生徒や鬼畜の動きを逐一記録する軍の記録係。そして計器類に異常がないか監視する技官達だった。
もっとも放送を行うのはせいぜい数時間おきだったし、記録係や技官達も3交代制で大部分は
待機要員だった。
ちなみに本部の組織構成は、タカミチが総司令、しずなと新田が副指令で、学生時代に
情報処理技術者の資格を取得した瀬流彦が、情報処理班の班長、つまり技官達を統括する
最高責任者であった。歴代BR法には、“シビリアンコントロール”の条文があり、
全プログラムにおいて、教員達の下に軍人達が配属されるような指揮命令系統を作ることが
義務付けられている。もっとも、これも名目的なものに過ぎず、教師の選抜は軍関係者が
BRゲームを忠実に遂行してくれそうな者をリストアップして、その中から任命される訳で、
――あくまでも教育の一環として行っているという――国民向けのプロパガンダに過ぎない。
たかが数日後に解散される臨時作戦本部内での話である。教師側のメリットはたかだか数万円の
特別手当が支給されるぐらいだった。教諭達がBR遂行を妨げるような行動を取れば彼らはもちろん
拘束されて、軍人達が指揮を代行するだけの話である。形だけの文民統制であった。
ただ、“プログラム”の主旨に反しない限り、教諭達にはそこそこ自由な裁量と権限が
与えられている。特に専守防衛軍に人脈をもっている高畑タカミチには、兵士達も一目置かざるを
えない。生徒達各々のスタートポイントや支給武器を決めたのもタカミチである。年配の新田を
差し置いて、タカミチが総司令に抜擢されたのはそんな経緯がある。プログラムが終わった後も、
麻帆良学園内での彼の影響力は強くなっていくだろう。
タカミチ達4人には、士官クラスの軍人達と同様、この数日間を過ごすための個室が与えられて
いた。それぞれ(中学校の)音楽準備室や美術準備室を改造した粗末なものだったが、基地の
共同宿舎内に寝泊りしている兵士や鬼畜達より明らかに優遇されていた。
タカミチが周囲を見渡すと、仕事がなくて退屈した兵士達が、将棋や麻雀に興じていた。
もっともバトルレイプ式のゲームの場合、後半戦になるとかなり淫猥な光景が各地で展開
されるため、独身の若い兵士達は――実際問題として妻子持ちも同じことなのだが――画面に
釘付けになる。しかし、現在のところ鬼畜と生徒同士の接触はまだほとんど起っていなか
った。一部で生徒が接触してグループが出来たりしているようだが。
ちなみにかつて首輪に仕掛けられていた盗聴機能は諸般の事情で現在は外されているため、
和美と猫上の小競り合いは当初分からなかった。生態パルスをモニターしているため、
接触して数十分後に朝倉和美の生体反応に異常を確認したため、彼らの接触が仲間グループ
結成ではなく、対立という結果になったことが推測できたが。
支給武器から、和美側の圧倒的不利が推測される。
「それにしても・・・・・・随分意図的にみんなを配置したのね」
中央の大画面を見ながらしずなはタカミチに同意を求めた。
「ああ、BRの醍醐味は生徒同士を戦わせることだからね。明石君と大河内君、
柿崎君と釘宮君、古君と超君の位置が近いのは偶然じゃない」
「え?そうだったの。でも、おかしいわ。仲良し同士を最初に遭遇させたら、
彼女らはペアを作っちゃうんじゃない?」
タカミチは兵士が用意してくれたコーヒーを手に取った。
「それが狙いだよ。彼女らが一人で歩いている時に、誰か別の生徒と出会ったら、
鬼畜怖さが優先されて、あまり信用できないクラスメートでも妥協してペアを組むだろう。
その後、自分の親しい友達に会ったらどうする?仲の良くないあの子でも大丈夫
だったんだから、親友だったらなおさら安全だ。そうやって大グループが出来るだろう。
最終的にはクラス全体が一つのグループにまとまるかもしれない。それじゃあつまらん」
タカミチはテーブルの傍らに置いてあったボールペンを手に取り、くるっと回転させて
みせた。
「ということは、最初から親友同士をくっつけて小グループをつくらせて、
小グループ同士での疑心暗鬼を起こさせようって寸法ね?一人でいる時は不安の方が勝るけど、
何人かでグループを作って安心を得たら、猜疑心の方が強くなる。でも、
そんなにうまくいくかしら」
「いろいろ手段はあるさ。例えばゲーム後半になったら今回のゲームの優勝者は
2人に変更しますとアナウンスするとかね。改正BR法案ではゲームの運営について
ある程度柔軟な権限が指揮官である総指令に認められている。それに、こちらのいいように
撹乱してくれる伏兵も用意している。彼女らが戦わなきゃいけない敵は100人の鬼畜だけじゃ
ないってわけだ。埋伏の毒ってやつだね」
「ふぅん・・・・・・」
タカミチはコーヒーカップを置くと、立ち上がった。
「悪いがちょっと小便行ってくるよ」
「あらいやだ、そんなこといちいち報告しないでいいわよ」
しずなは白い顔を桜色に染めながら笑った。
廊下を歩きながらタカミチの将来設計を漠然と考えていた。
(このプログラムが終われば、僕は麻帆良の学年主任に推薦されるだろう。木乃香クンを
故意に優勝させて学園長に恩でも売っとけば次期学園長の座は確実だが、そこまでの介入は
軍に申し訳が立たないな・・・)
すれ違った兵士がタカミチに敬礼の姿勢を取る。タカミチは軽く会釈した。
(ゲームの内容は、特に問題が出ない限りどうでもいい。それよりも、同僚の扱いだ。
新田と瀬流彦には恩を貸しを作っておきたいな・・・)
タカミチは男子トイレにたどり着いた。ジッパーを開きおもむろに用を足す。
亀頭の先端からカウパー氏腺液が尾を引くような線を描いて落ちた。
(やれやれ・・・我慢汁が出ちまったか)
タカミチは苦笑した。しずなにはああ言っているが、彼は女子中学生の身体にも十分興味が
あったのだ。
(・・・・・・ん?)
タカミチは銜えていたタバコを、あやうく便器内に落とすところだった。大便用の個室から、
ハァハァと喘ぐような息の音がかすかに聞こえたからである。どうやら個室で兵士の誰かが
鬼畜に追い回される女子中学生を想像してマスターベーションでもしていたらしい。
タカミチがトイレに入ってきたから、一時中断せざるを得なかったというところか。
(こいつは悪いことをしたかな?)
タカミチはジッパーを閉め、手早く手を洗うと、そそくさとトイレから立ち去った。
司令室に戻って室内を見回すと、相変わらず新田が席を外していた。
(ははーん。もしかしたらさっきのは・・・・・・)
何を思いついたのか、タカミチは基地内連絡用のマイクを取って周囲に聞こえない
程度の小さな声で二言三言誰かに指示をした。そして、別の館内放送用のマイクを
取って今度は大きめの声で言った。
「えー高畑です。新田先生、新田先生。至急、BR作戦司令室にお戻りください」
しずなが何事かとこちらを見上げる。タカミチはその視線に意味ありげな笑みで
返した。
2分程して、新田が小走りで司令室に戻ってきた。顔が赤い。うっすらと額に汗を
かいている。おまけにズボンのマラの部分が盛り上がっていた。タカミチの感は
間違っていなかったようである。
「で、何ですか高畑先生?私にご用ってのは」
平静を装っているが、新田の息は上がっている。
「他でもありませんよ。先生にちょっといい思いをさせてあげようと思いましてね」
新田はタカミチが何を言っているのか分からなかった。タカミチは、鼻で笑うと、
扉の向こうに向かって声をかけた。
「君たち、入りたまえ」
タカミチが声をかけると、扉の向こうに控えていた4人の兵士達が司令室に入って
きた。他の兵と違って、彼らは恐ろしく体格が良かった。肩に光るマークから、
“レインジャー”と呼ばれる精鋭部隊とわかった。彼らは全国の専守防衛軍兵士の
中から、特に体力と忠誠心に優れたものを選抜して、特殊目標の攻撃・奇襲攻撃や
後方攪乱などの目的のために、14週間の厳しい猛訓練を受け、その過程に全て
合格した猛者達で占められる。彼らは飢餓耐久、格闘技、山岳や海上での潜入、偵察、
暗殺、脱出、ゲリラ無力化、地理・地政学など、あらゆる方面の戦闘訓練を終了した
文字通りの“戦闘のプロフェッショナル集団”であった。
そんな猛者が4人も近くに立つと、タカミチや新田もさすがに小さく見えた。新田は
突然の大男達の登場に少々面食らっているようである。後ろに控える一般兵士や下士官達も、
憧れのレインジャーに羨望の眼差しを注いでいた。
「やぁ、特厨クン。久しぶりじゃないぁ」
タカミチが表情を崩しながら、レインジャーの一人に話しかけた。その男は身長175cm余りと、
他の3人よりやや小柄だったが、彼らの態度から、この4人のリーダー格の階級のようだった。
体重もみた感じでは100kg近くありそうだ。そしてその重量の殆どが鍛え抜かれた筋肉によって
占められているのだった。
「お久しぶりです。いやぁ・・・まさか、先生が今回のBR作戦総司令だとは驚きましたなぁ」
タカミチは特厨と呼ばれたレインジャーの一人と旧知の間柄のようだった。
「僕が軍に提案したんだよ。今度のBR対象クラスはうちの学校からどうですかってね。
特厨クンは最近どうしてんの?」
「おかげで今年一尉に昇格しましたよ。一個小隊の指揮を任せられるようになりました」
「そりゃおめでとう。出世したなぁ特厨クンも」
タカミチは特厨と呼ばれるレインジャーの隊長の肩をポンポン叩いた。
「高畑先生、一体どういうことですか?」
事情が飲み込めない新田が問いかけた。
タカミチは頭を掻きながら答えた。
「いやぁ、失礼しました。えーと、しずなクン、悪いけど席を外してくれるかな?」
「え?・・・ええ」
しずなは怪訝そうな顔をしたが、すんなりとタカミチの指示通り動いた。
しずなが司令室から出たところでタカミチは新田に切り出した。
「実は新田先生がこのゲームに参加したいようだったから、その許可を僕の名で今から出そうと
思ってたんですよ。でも、もし先生にもしものことがあったら困るでしょ?だから、この特厨
クンら4人のレインジャーを先生の護衛につけようと思ってね」
「なっ・・・・・・わ、私は別にそんな・・・」
「我慢しなくていいですよ新田先生。さっきトイレで・・・してましたよね」
タカミチは新田の股間を指差した。
「・・・・・・っ」
新田は赤面して下を向いた。
「このゲームは全て僕の責任の元で動いています。僕が許可を出した以上、新田先生は何も
咎められることはありませんよ。思う存分女子中学生とイイ思いをしてきて下さい。
彼女らは今は“生徒”ではなく一介の“戦士”なんですから。遠慮はいりませんよ」
そう言ってタカミチは新田の胸中を透かしたような笑みを浮かべた。
「なっ、なんてことをっ・・・!?正気ですかっ、高畑先生?」
そのやりとりを見守っていた瀬流彦が横から口を出した。まだ20代の盛りで教育に対して
一番情熱を持っている年頃である。
「何か僕のすることに異論でもありますか?瀬流彦先生」
「い、いえ・・・・・・」
しまったという後悔の色を浮かべ瀬流彦は押し黙った。
「で、どうなさいますか?新田先生。バトルレイプの担当教官になるなんて、一生に一度あるか
ないかですよ。奥さんと離婚してこっちの方もだいぶご無沙汰なんじゃないんですか」
タカミチは新田の耳元で露骨な心理的揺さぶりをかけてきた。年下とはいえ、軍との
パイプを持ち学園内でも新田を超える権力を持つタカミチの言葉を、無下に断る訳にも
いかない。タカミチに強引に誘われて仕方なく生徒を毒牙にかけたという、自分への言い訳が
出来るような巧妙な罠だった。
(そうだ。高畑君は今は総司令。上司の命令でやるんだから私に何も非はないのだ)
新田は強引に自分を納得させると、タカミチの顔を見ず言った。
「わ、わかりました。お言葉に甘えさせていただきます」
タカミチは嬉しそうに、背後に控えているレインジャー達に向き直って言った。
「それじゃぁ、特厨クン、新田先生の警護をヨロシク!」
「はっ!」
特厨以下4名のレインジャーは右手で敬礼のポーズを取った。
そして新田は戦闘準備のため、レインジャーに付き添われてひとまず臨時の特設個室に
戻っていった。
タカミチは上機嫌にそうに彼らの背中を見送ると、瀬流彦の方を振り返った。
瀬流彦は気まずそうに俯いている。
「僕だって瀬流彦先生の言い分も分かりますよ。でも、この法律制定の精神を忘れて
もらっちゃ困るなぁ」
「そ、そうですよね。よく考えてみたらBR法のおかげでこの国の今があるんです
よね。はは、私もちょっと言い過ぎました。さ、先程の発言はなかったことにして下さい」
瀬流彦はせいいっぱいの愛想笑いを作って答えた。その笑顔は引き攣っっている。
「わかってもらえて良かったよ」
「で、では、私もちょっと部屋に引き取らせてもらいます。部屋のTVで、歴代のバトル
レイプのビデオで見てオナニーでもしようかな?なんちゃって、ははは」
瀬流彦はそう言って足早に司令室を立ち去った。
瀬流彦と入れ違いに入ってきたしずなを視界にみとめると、タカミチは彼女に手振りで
こちらに来るように言った。彼女がタカミチの元に来ると、周囲の兵士にも聞こえない
小さな声でそっと耳打ちした。
「瀬流彦は危険分子になるかもしれないな。万一の為に、彼の動向に気をつけてくれ」
「・・・わかったわ」
タカミチはしずなのポケットに何か小さな物体を忍び込ませた。しずなはそれを
自分の手で確認すると、タカミチの頬にそっと口付けをして、司令室から出ていった。
教員連中がいなくなった司令室の中で、タカミチは“ワイルドセブン”をまた一本
取り出しジッポで火を付けた。すぅーっと一杯に吸って煙を思いっきり吐き出してみた。
「やれやれ、先生方のおもりも楽じゃないねぇ・・・」
2−13
和美は朦朧とした意識の中で、上に乗っかった男の体重を感じていた。ハァハァと
荒っぽい猫上の吐息が聞こえる。女を憎むこの男でもどうやら性欲までは捨てきれないようだ。
和美が横に視線を転がすと、無造作に投げ捨てられたベルトが見えた。猫上のスラックスを
拘束していたものである。そのベルトが外された途端、彼の抑えていた性欲まで解き放れて
しまったかのようである。
猫上は彼女の唇には目もくれず、和美のブラウスのリボンを解き、胸のボタンを両手で
大きくはだけさせた。2、3のボタンがブラウスから外れてそのまま地面に転がった。そして
間髪言わさず、開いた胸に手をねじ込んできた。そしてブラジャーの谷間の部分を掴むと
強引に上に向かって引き上げた。その反動で、ブラが引きちぎられてクラスNo.4の豊満な
胸が露わになる。すっかり暗くなった雑木林の中で、その白い乳房は闇夜に浮かぶ月のような
エキゾチックな神々しさを思わせる。その白い肢体が、むせ返るような木の香が充満する
林の下草に転がされて乱暴に取り扱われていた。
普段は活発で気丈である彼女だけに、この泥まみれの情交になすすべもなく耐えているのは
ことさらに痛々しかった。猫上との格闘でほとんど一方的にいたぶられ、もはや抵抗する
気力を失ってしまっているのだ。
(ああ、ジャーナリストになる目標も今となっては儚い夢だなぁ・・・)
和美は他人ごとのようにぼんやりとそう思っていた。この獣のような交わりが終わったらすぐに、
用済みになった私はゴミ屑のように殺されるのだろう。もはや、抵抗する気力も
残されてはいない―――
「うぁっ・・・・・・」
猫上が強い力で両手で胸を揉みしだく。女体をいたわる様な優しい愛撫ではなく、
乱暴で雑な荒々しい揉み方だった。揉むというよりは、揉み潰すというような感触だった。
猫上が和美に対してこれっぽっちも“愛しい”という感情など無く、刹那的に一時的な
欲望の捌け口の対象としかみていないのは明白だった。
猫上は単調に揉むだけでは飽きたのか、今度は舌を伸ばしてその大きな乳房には似合わない、
小さなピンクの先端をねちっこくなめ回し始めた。本来なら脇腹や乳輪などからじっくり責めて、
ギリギリまでじらすところなのだろうが、猫上には和美を感じさせてあげようなどとは
これっぽちも思っていない。ただ、自分の欲望が満たせればいいのである。また、
プロポーションの整った快活な美少女を、自然の中で獣のように一方的に犯すのは、
彼にとって、ある意味で「女性全体への復讐」という特別な意味合いもあるのかもしれない。
猫上は舌を引っ込め、歯を立てて乳首に噛み付いてきた。
「・・・ひぃっ」
和美は苦悶の表情に顔をしかめる。しかし、手のひらや唇から流れ出る血の方が気になって、
脳がそれぞれの痛みを個別に判別するのが不可能になりつつあった。
「痛い・・・・・・やめてよ、や・・・・・・めてって」
それでも和美は決して聞き入れられない無駄なお願いをする他なかった。猫上の目は、
もはや狂気の色合いを帯びギラギラしている。当然、和美の呼びかけに答える気配も
無い。
突然、今まで和美の背を無造作にまさぐっていた猫上の右手が外れた。それは後ろの
ポケットに伸び、次の瞬間彼の手にはコルトパイソンが握られていた。猫上は恍惚とした
表情を浮かべにやついていた。
「・・・・・・な、何をするっていうの」
失意のうちに成すがままにされていた和美もさすがに身体を固くして身構えた。
(コイツ、もう私を殺す気なのか?胸を揉んだだけで・・・アソコには何もしてないってのに)
殺されるのは半ば諦めていた和美だが――抵抗の手段が残されていない以上、数十分以内に
運良く誰かが通りかかって猫上の魔手から和美を解放してくれない限り助かる見込みは無い――
それは猫上が、自分の秘部に怒張を挿入して彼女の中に欲望を吐き出してからだと踏んでいた。
(もう、運命の瞬間が来るのか。あーあ、死にたくないなぁ・・・)
体のあちこちから感じる痛みによって、彼女の精神力はガタガタに崩されており、
死ぬ間際に最後の抵抗をする気力もなく、必死の話術によって命乞いをするだけの頭の
回転もはや期待できなかった。
そんな和美の胸中を察してか、猫上はおもむろに口を開いた。
「安心しぃ、まだあの世に逝くのは早いで――」
そう言って猫上は和美の左側の乳房の側面に銃を当て、彼女の身体の面に水平方向に
銃を放った。眼前で火薬と血飛沫が同時に弾け飛ぶ。
「うああッ。う、うああああぁ・・・・・・ひぃ」
なんとこの狂人は、女の美の象徴である乳房を、横から銃弾で打ち抜いたのである。
銃弾は貫通せず、左胸の脂肪の中にとどまったらしい。あまりのおぞましさに、気丈な
和美も絶望から涙を流した。
「も、もぉう許してよ・・・・・・はぁ・・・いっそのことひと思いに殺して、楽にしてよぉ」
和美は喉から声を絞り出した。和美は今になって猫上の歪んだ真意を完全に悟った。
この狂人は、自分の性的欲望を満たすためというよりも、女である自分に最大限の
苦痛を与えることが目的だったのだ。だから、肉体的だけでなく精神的にも、
犯して侵していぢめようというのだ。女にとってかげかえの無い大事なものの一つ
である乳房を、死なないように垂直ではなく水平に横から撃って、破壊して傷物に
するという行為はそう考えないと説明できなかった。彼にとっては女のプライドを
ずたずたにすることが最優先なのだ。それは死よりも恐ろしいことだった。特に彼女は、
15才にしては豊かな胸を持ち、付き合った男からも綺麗な形をしているねと誉められる
ような自慢の胸だったから。事実、和美は毎晩風呂上りの際に鏡の前で自分の美乳を
映して飽きもせず誇らしげに見とれる習慣がある程で、その内部に銃弾を打ち
込まれたまま生かされるというのは、なおさら苦痛なのだ。
和美が自慢だった美乳との別れの感傷にひたる暇もなく、猫上は下腹部に左手を這わせ、
スカートをめくりあげ、下穿きを引きずり下ろした。さすがの和美も白い頬を桜色に
紅潮させずにはいられなかった。いくら処女ではないとはいえ、和美もまだ15才の
女子中学生に過ぎない。付き合ってもいない男子に、大自然の中で秘めたる割れ目を
まじまじと眺められては、赤面しない方が無理な要求だった。
猫上は、感嘆の溜息をついていた。性格に似合わず少々控えめかと思われる恥毛は、
それでも一方向に揃って、彼女の女の性を優美に主張していた。女を目の敵にしている
彼も、彼女の恥部の誇り高さを認めずにはいられなかった。
(俺が普通の男だったら、狂喜乱舞しただろうがな・・・)
猫上は今になって、この女を殺すのは少しおしいような気もした。が、すぐさま我に返った。
そう、普通の男にとって憧れの存在である女性器は、彼にとっては忌むべき汚れそのもの、
憎しみの象徴のはずだった。
猫上は本人の意に反して色っぽく男を誘う秘裂には目もくれず、小豆を覆う包皮を向き、
生赤いクリトリスを外気に晒した。辺りに甘酢っぱい淫臭がほのかに漂う。
猫上は無造作にその肉豆をつまみあげた。
「あううっ」
和美は全身に電流が走ったような快感を覚えた。これは彼女の身体が深層で待ち望んで
いたことだった。不本意ではあるが、強烈な性感によって、全身のあちこちを襲う痛みを
忘れてしまいたかった。しかし、その淡い望みもすぐに打ち砕かれた。なんと、あろうこ
とかこの鬼少年は、クリトリスに爪を立てたのである。
「ヒッ・・・・・・ひぃっ」
猫上は病的な笑みを浮かべつつ、グリグリと小豆に爪を立て押し込んでくる。肉豆が
充血し、ついに粘膜が切れて出血を始めた。
「いたい、痛いよっ!止めて、ぁああああああああーーー」
もはやこうされては、いくら女性の最大の性感帯の一つとはいえ、快感よりも痛みの方が
はるかに勝る。和美は身をよじって猫上の腕の中から抜け出ようとした。
「あぁっ・・・・・!!・・・あひぃ」
その途端強烈な往復ビンタが飛んだ。忘れかけていた唇の痛みが再び戻ってきた。
苦悶のその目は既に虚ろで、出血した唇だけが荒い息を繰り返していた。
猫上の異常なまでの猟奇性は、もともと持っていた女性への負の感情に加えて、
原始時代より受け継がれた男性の闘争本能――通常は同性に向けられる――が法律という
たがが外れたことにより開放され、さらに女性への嫌悪から否定して抑え込もうとしてきた
性欲が暴発したことが複雑に絡み合って暴走しているのだ。などと、和美はちゃっかり冷静に
分析してみた。将来思い描いている新聞記者の仕事らしいことをやってみるという、彼女の
この世への未練だった。もっとも、今さらそんな客観的な分析をしたところで何もならないのだが。
猫上は自分のトランクスを脱ぎ降ろした。まだ黒ずんでいない若々しいピンクの肉棒が
顔を出した。決して大きいとはいえないものの、その肉茎の側面は、何本もの充血した
血管がくねくねと脈を打ち凶悪にそそり立っていた。痛みの苦痛ばかりで膣内があまり濡れて
いなかったので、挿入された肉棒は和美の下腹部に切り裂くような痛みを与えた。
和美は再び身体をねじって逃れようとしたが、みぞおちに再び強烈なパンチを食わせられた。
抵抗することを諦めた和美は、ぐったりと地面に横たわりながら涙を流して
苦悶にたえ続けるしかなかった。その時、目の前に見たことも無い情景が浮かんできた。
------------------------------
教室のようなつくりをした一室が見える。前には黒板とピアノがあって、部屋には無数の
椅子が置いてある。小学校に上がったばかりとおぼしき子供達がめいめい好きなところに座り、
友達とゲームやままごとに興じている。どうやら、幼児や小学校低学年の児童が使う、
児童センターの一室のようだった。母親が仕事などで帰りが遅くなる家の下校帰りの子供達を、
数時間の間預かって遊ばせておく公営の施設だった。
幼い和美は部屋の片隅でうずくまる少年を見つけた。和美は親の都合でこの地域に転入してきた
ばかりなので、ほとんどの子供と面識が無い。周囲を見渡したが、職員のお姉さんは席を
外しているようだった。和美は彼に近寄った。
彼はどうやら同学年のようだった。名前に見覚えがないが、名札から隣の小学校の2年生だと
分かった。和美は必死に慰めようとしたが、少年は泣きやまない。
「親父・・・親父ぃ・・・・・・なんでやぁ」
少年はうわ言を呟くだけで和美の声には答えようとしなかった。
そのうち、職員の保母さんが来たので、和美は保母さんに任せて、ピアノの方へ駆け寄った。
そして、何曲か自分の覚えてる曲を満足げに弾いたあと、家へ帰ろうと立ち上がった。
ふと顔を上げると、先程の少年が職員のお姉さんに頭を撫でられながら、不思議そうな目で
さっきまで和美が弾いていたピアノをみていた。
情景が移り変わって、少し遅い夜の食事風景が浮かんだ。たまたまつけていたTVのニュースで、
交通死亡事故の速報が流れる。茶碗を片手に和美の母は呟いた。
「やだ、この近くじゃないの!?」
父親が煮物に箸を伸ばしながら答えた。
「ああ、しかし無茶な運転をするよなぁ・・・。和美も道路に出る時は気をつけろよ」
「うん、わかった」
和美は子供心に思った。
(事故で死んだこの人といい、さっきの男の子といい、世の中には不幸な人がいっぱいいるんだなぁ)
和美は自分で使った食器を洗い場に運んだ後、母親をつかまえてこう言った。
「決めた。お母さん。あたし、新聞記者になる」
「えぇー?ピアノの先生になるのは止めんのぉ?」
「うん。あたし、記者さんになって、世の中からかわいそうな人がいなくなるようにするの」
スーツから普段着に着替え、入浴の準備をしていた父親がこう言った。
「和美ぃ。それはいい夢だぞ。お父さん、応援しちゃうぞ」
そう言って彼は幼い娘を抱きかかえて、“高い高い”をしてあげた。
「うん、あたし絶対なるよ」
小学生にもなっての“高い高い”への照れ隠しに和美はこぼれんばかりの笑顔を
綻ばせた。
------------------------------
(あれはいつのことだったっけ・・・)
もう和美には物事の判別がつかなくなりつつあった。今脳裏に浮かんだ情景が、
過去の思い出なのか、それとも脳内麻薬が作り出した幻影なのかも分からなかった。
全身の感覚が鈍くなり、麻痺しつつあった下半身に男の黒い欲望がドクンドクンを
放出されるような感覚を覚えた。おそらく猫上が自分の中で果てたのであろう。
だが、もう和美にはそんなことはどうでも良かった。早く楽になって逝きたい、
和美の願いはもはやそれだけであった。
猫上は立ち上がりズボンを穿いた後、コルトパイソンを握って呟いた。
「さて、用も済んだし、そろそろお別れの時間やな」
躊躇わず彼は引き金を引き絞り、続けざまに二発撃って、彼女の頭をぶち抜いた。
ピチャッと少年の顔にはねた血液を手で拭うと、猫上はその場を早々に立ち去った。
さすがの狂人も、もはや一個の物体となった白い遺骸の側にいると、吐き気を
催さずにはいられなかったのだろうか。
あちこち傷つけられボロボロになった白い裸体の周辺に鳥が舞い始めた。
虐待中苦悶に歪んでいたその顔も、今は心なしか微笑んでいるように見えるのは
筆者の目の錯覚なのかもしれない。
〜第ニ部、摘み取られた夢〜 終
【新たな死亡者】
朝倉和美(女子3番)
残り31名
【鬼畜側被害】
なし
残り98名
、、.:.._、
..:.......,,,,,,------、:.`'广 ^^''!`-、:
,/'"゙゙″` " ゙、崖゙'ヽ
,_''`` 林 丶 、′ .`'i、
.,i´ l゙ ..,! 08 ``¬''''''ー-:.、
.ミ ↑ 小川と滝 、 丘 ...,ノ茂みと 崖`':‐ぃ、,,,,,、
'i、 06 12" ,,i´ 岩場 04 l゙
...__,,,,,,,,,,,,,__ `、 林 /19→ .,` .."
,ー` `',! ゙‐ 02 ` .l゙ 畑 ,、"
゚、 ″ 'i、 ,! 陵 .| .
│ 小 l | 廃工場 .j′ .′ 小学校 |
..,i´ .: l゙ | | 防 ..|
` .: ,‐` 05 .{ ヽ 体育館 . |
│ 島 , ,! 林 .| ..,! 空 林 体育倉庫 │
..,/ | | 砂 、" 地 ./ `、
..| :,,,,/ 、 ノ ..: / 壕 "、,,、
176 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/03/11 01:12 ID:3tQd/KR8
..ヽ、 .,‐′ | 浜 洞 ,! ,ノ 神社 民家群 ゙‐
.``:'―ー‐" ,` 窟│ 、 群 l
.″ ." 帯 _ノ 林 |
/ 牢屋跡 / .,'" 07 林 |
,″ ,` .,! 村の倉庫 ゙l、
,、′ . 丿 .." 12 03 <
.″ 26 .ィ┴‐丶―‐` ←16 林 :-、
./ 林 、"
,‐ 17 |
,、‐` ,−、 砂 浜 中学校 ,
、″ 民家 --: --´ `ヽ、..,_ .,,.、--.、 00 民家群 _、.′
│ 、/ `゙^ `':. 軍基地 :..ノ
│ : .,,,,,、-: `゜ `'',、民家群 ,、゛
`"'一-、:,,,,.: ::‐''"`: : ヽ,_ ,.、---::ー'"`
`:〜・´
※00=鬼畜軍スタートポイント。
※16=フライト直後、裕奈がまき絵のヘリと別れた地点。まき絵機はその後西方向へ。
※05=裕奈が亜子を見失った地点。同機の進行方向も不明。
※02=明石裕奈着陸ポイント。
※06=自機が降下している時に、最後にみたアキラのヘリがいた地点。進行方向は北。
※12=古菲がハイジャックに失敗した空域。
※26=エヴァンジェリン現在地点。
※04=綾瀬夕映スタート地点。
※17=椎名桜子玉砕地点。
※08=明日菜・ネギ合流地点。
※07=美砂・円が立て篭もることにした島の倉庫。
※12=古菲現在地点
※19=超鈴音現在地点と移動方向。
※03=朝倉和美死亡地点。
毎度乙。
(o^v^o)モジャー
>>137でもいいましたが、猫上十郎太のキャラについて、
45時間目に登場したような、月のような繊細な美少年とイメージすると
言動に違和感あると思います。
42か43時間目のシネマ村で1コマだけ出てきた(柱の影からニヤついてた)時の
猫上の方が近いかも。
美形だけど近寄りがたい鋭さを持つ、シリウスのような猛々しい青年という設定です。
他作品のキャラ等で言うと、
・ジャンプコミックス・「幽々白書」の飛影
・ジャンプコミックス・「ダイの大冒険」のヒュンケル
・18禁ゲーム・「AIR」の国崎往人
・花とゆめCOMICS・「八雲立つ」の布椎闇己
・花とゆめCOMICS・「ぼくの地球を守って」の紫苑
・実写では、「KinKi Kids」の堂○光一(w
みたいなのをイメージしています。(o^−’)b
180 :
1:04/03/12 00:28 ID:HwAnx+Y1
完結させるまで保守させていただきますよ。フフフ…
181 :
目黒ゑびす ◆RC04/GZfx2 :04/03/12 00:29 ID:UX2Hgb35
JBBSでやればいいじゃn
182 :
阿藤怪 ◆AK4448090. :04/03/12 00:31 ID:ZKPhWA6f
/ミ ̄' ヽ、 ______________
| ノ 二 <(● /
>>180 | /(● 、>、| < ウザい!
| @ノ -=ヲ ノ \
\ヽ__ ,ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
183 :
黄砂フキン ◆NYzTZnBoCI :04/03/12 00:35 ID:9Pe3FSvb
(ゎ゜〜゜ぉ)<なんとなく面白いので可。
ネギまと切り離した、全く別の話と思い込んで読めばそこそこ。
>>179 勝手に名前作っちゃってるお前は相当イタイ。
が、原作と切り離せば大丈夫なので続けて。
読点の位置をもう少し考えれば読み易い文になるぞ。
始めから読んだよ。結構面白い。完結まで長いだろうけどがんがれ〜
もっと抜きどころを増やせ
非ファンさん、猫上のような美少年より醜く汚い野郎に強姦されるほうがエロいですよ
>非
つまんね。文章力つけて出直して来い。
実力のない同人作家を信者がマンセーしてるだけの糞スレにすぎんな、ここは。
削除マダー
なんでロビーに来てまで非のオナニーなんて見なきゃいけないんだ?
しかもつまんねえし。
マンセーしてる奴も書いてる奴ももうちょっと他の文章読んでこい。
ネギまのエロ小説が読めればなんでもいいんだろ
これが小説と呼べるかどうかは疑問だがw
>>190-193 そういうレスは非にとって逆効果だぞ。
勝手に『僕の文を酷評してるのは、才能のない糞名無しのひがみだ。ひがまれるほど僕の文は凄い。』
と勘違いして思い込んじゃうから。
具体的にどこが悪いか指摘してあげよう。
そうした方がこのスレの為にも、非の文章力の為にもなるから。
寒いコテハンは叩かれるというのは2chの基本です。
便宜の為(スレの番号とか)のコテハンはともかく、
ただ目立ちたいだけのコテハンはこれより以下の文章を肝に命じておいて下さい。
まず、人の話を聞くのが苦手な方、2chの空気を読む自信の無い方、2ch用語を
ハッキリと知らない方は控えめに名無しで書き込んでいたほうが無難です。
もしそれでもコテハン名乗るよ!という方、
板の住人から貶されても叩かれても文句は言えません。
氏ねとか引っ込めなどと言われても相手は複数かつ名無しです。
言動に責任のない名無しさんに逆らっても良い事はほとんどありません。
害基地・厨房認定されるだけです。大人しく引っ込んでおきましょう。
名無しのみなさんとあなた(コテハン)が対立した場合ですが
「コテハンも名乗れない名無しのクセに何言ってんの?」
等のような事を思われるかもしれませんが、
コテハンを名乗って背負わなくてもよい責任を負っているのは
名乗り始めたあなたの責任です。お忘れなく。
基本的に面白かったり空気の読める方なら大歓迎ですよ。
ちなみに……コテハンで書き込んで、特に面白くも無いネタを書かれる場合ですが、
コテハンであると余計に寒く感じます。
それを複数回するだけで2chではウザがられる可能性があります。
あとネタスレで「みんなも書き込もうよ!」とか一つ一つ感想を書くようなマネは
絶対にすべきではありません。みんなでネタを楽しんでるのであって、あなたの
ために書いているのではありません。
他にも2ちゃんねるを利用している方がいることをお忘れなく。
寒いコテハンは叩かれるというのは2chの基本です。
便宜の為(スレの番号とか)のコテハンはともかく、
ただ目立ちたいだけのコテハンはこれより以下の文章を肝に命じておいて下さい。
まず、人の話を聞くのが苦手な方、2chの空気を読む自信の無い方、2ch用語を
ハッキリと知らない方は控えめに名無しで書き込んでいたほうが無難です。
もしそれでもコテハン名乗るよ!という方、
板の住人から貶されても叩かれても文句は言えません。
氏ねとか引っ込めなどと言われても相手は複数かつ名無しです。
言動に責任のない名無しさんに逆らっても良い事はほとんどありません。
害基地・厨房認定されるだけです。大人しく引っ込んでおきましょう。
名無しのみなさんとあなた(コテハン)が対立した場合ですが
セックスまだー?
「動くぞ……」
音夢の両脇に手をついて覆い被さり、正常位の体位になった。
「え? 兄さんちょっと待っ……ああぁっ!」
俺は音夢の言葉には耳を貸さず、再びピストン運動を再開する。
最初から最高速で腰を振り、何度も何度も音夢の中の感触を味わう。
「あっ、くぅ、んんっ! そ、そんな激しいと……ああっ、くっ……私また……」
グチュッ、ジュプッ、といきり立った肉棒で音夢の中をかき混ぜる。膣壁と肉棒の激しい摩擦で、
精液と愛液の混合した液体が泡立ち、さらに白濁した液体へと変わっていく。
「私……またイっちゃ……ああぁぁっ……!」
また音夢は達し、膣圧が高まると同時に、俺の射精感も高まってくる。
それでも俺は今度は腰の動きを止めず、膣圧と膣腔のヒダの感触を堪能する。
「ああっ、んんんっ……! ダメ……気持ち良すぎて……んっ、ああっ!」
動く度にイクんじゃないか?と思えるほど、音夢は何度も達する。
/巛_《__《_||_》_》__》__》__》__》ヽ、
/彡/ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽミヽ、
/彡/,,,,,,, ::::::: ,,,,,,, ヽミヽ、
// ━━━┛ヽソ┗━━━ \ミl
/| ((( ___> <___ ))) |ミミ >> あれ非ファソさん
彡 | = -==・=-/| ̄|ヽ-=・==- = |ミミ 続きまだ?
//  ̄ ̄ ,__,  ̄ ̄ |ミミ、
彡/ .. (●ii;;:ii●) ヽミミ
彡( )\
/l;;:: .. -<二二>- ;;;;lミミ
彡ヽ;;:: ヽ::;;;;;;;;;;;;;:: / ;;/ミミ
彡ヽ;;;::: :::::::::::::: ;;; ;;;;/ミミ
/ミ|丶;; :::: ;;;;; /|ミ\
川|;;;;;;\ /;;;;;;|川
|;;;;;;;;;; \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ;;;;;;;;;;|
>>201 ま、ある意味、赤松が枠を組んだものの、本人は持て余し気味のマンガの設定を、
ウチらで何とかリフォームして使ってやろうっていう結構な試みなワケで、それなりに期待してる。
3−1
ガタッ・・・段差につまづき、少女は倒れた。尻餅をついて彼女は畳に右手をついた。
暗くて周囲の様子が把握しづらい。懐中電灯を持ち直し辺りを照らす。部屋の中は
カビ臭いがそれほど汚くはない。二十年も人が住んでいない廃屋にしては、ずいぶん
綺麗だ。よく分からないが、手入れが行き届いているようだ。埃を払って掃除したら、
普通にすぐ居住できそうな感じだった。
宮崎のどか(女子27番)は軍基地の東の集落の最東端にいた。
無人となった廃屋を物色し、良さそうな隠れ家を探しているところである。
鬼畜達のスタート地点から近いため、最初は北に走って逃げようかとも思ったが、
集落の北は浜から続く乾いた砂地になっており、まばらに草が生えるのみの大地は
月明かりに照らされて見晴らしが良すぎた。1km程走れば雑木林にたどりつけるのだが、
鬼畜達が近くにいれば林にたどりつく前に発見されてしまうかもしれない。
どちらにしろ、GPSを持った彼らは島のどこにいても追ってくるのだし、
身を隠すものが少ない自然の中よりは、集落群の中に隠れていた方が発見されにくい
と彼女なりに判断したのである。
玄関にわらじの切れた下駄が一足落ちている。左手は家屋と繋がった納屋のような構造で、
床は石でできており、壊れた冷蔵庫が放置されている。電源コードは切れていて中に何も入っていない。
たった今つまずいた数十センチの木製の段差を上がると、正面には台所があった。床は木の板で
できており、流しは乾いていて、割れた皿の破片が散らばっている。木製の食器棚は空で
中には蜘蛛の巣が張っている。水が出るかと思って蛇口をひねる。が、当然のように水は出ず、
蛇口は回す時の抵抗感なしに、キュルキュルと空回りした。
「きゃっ」
突然蛇口からボトッと黒い塊が落ちた。のどかは驚いて懐中電灯を取り落としてしまった。
心臓が高鳴る。流しから身を引いて、床に転がった懐中電灯におそるおそる手を伸ばす。
(ゴ、ゴキブリ、かな・・・?)
あまり気が進まなかったが、彼女は再び懐中電灯で流しを照らした。虫は嫌いだが、今はどんな
些細な情報も取りこぼさない方がいい。なんとなくそう思った。
「あれ、いない・・・」
蛇口の下には何もなかった。気のせいだったのだろうか、それともカサコソと移動してしまった
のだろうか?また後でばっと目の前に出てこられても心臓に悪いなぁ。
水が出ない以上、流しは何の役にもたたなそうだし、ゴキブリか何かがいるみたいで気持ち悪いので、
彼女は玄関から入って右手側の畳のある部屋に移動した。
入ったときは真っ暗だったが、目がなれてきたせいか屋内がうすぼんやりと見えてきた。
和室の障子の外から薄い月明かりが入ってきている。部屋の中央に囲炉裏があり、焼け焦げた墨が
残っている。障子は色あせていたが穴は一つも無かった。その代わりに畳があちこち破れてささくれ
になっている。隅の一角に凹んでいる部分がある。どうやらかつてTVが置かれていた場所らしい。
天井を照らすと、真ん中にゴルフボール大の穴があり、そこからちぎれた電源コードが伸びていた。
ここに何がしかの照明器具が繋がっていたのだろう。玄関側と振り返ると、入り口の上の壁に
大きな掛け時計が埋まっていた。針は2時13分の位置で止まっていた。
この畳の部屋は居間のようだ。
居間の奥にはもう一つ部屋があり、そこもやはり畳の間になっていた。居間との間に障子で
敷居をすることができる仕組みのようだ。障子は脇に寄せられ、二つの部屋の間は最初から
開いていた。深呼吸してから、のどかは暗い奥の部屋へ歩いていった。
そこは寝室のようだった。左手前に仏壇が埃を被っている。なぜ置いていかれたのだろう?
仏壇の隣に木製の本棚と小さな机があり、やはり埃を被っていた。右側は居間と同様、やはり
窓になっており、内側に障子があり外から直接部屋がのぞけないようになっている。
のどかは窓と反対側の壁を照らした。そこには一枚の掛け軸がかかっていた。
「何、これ・・・?」
掛け軸には一体の生き物が描かれていた。猿に似ているが、全身に毛がない。
全身が茶色っぽく、顔だけが赤らんでいる。鼻は丸く腫れたように大きく、
口から歯が前に突き出しており、小さな目は黄色く濁ってこちらを見据えている。
頬の部分が油っぽくてかっており滑らかだが、目の周りには深い皺が刻まれていた。
その表情は獲物を威嚇しているようでもあり、にやついているようにも見えた。
しかし何よりも不可解なことは、腕が四本ついていることだった。焼け焦げたように
黒く細長い四本の腕・・・。その奇怪な猿が草原の中で四つん這いになり、顔だけを
こちらに上げているのだ。
「変なの・・・」
空想画だろうか。少なくとも地上にこんな生物はいないはずだ。それにしても、
いつ描かれたものだろう。色がふんだんに使ってあるから明治頃かな?
※のどかが足を踏み入れた民家・簡易見取り図
_______
| |風呂 |
|流 台 便所 |______
――|し 所 |____|仏 掛軸 |
納  ̄  ̄| |壇 |
屋 玄関 居間 寝室 |
―‐‐| | | .|
|引き戸 |―――┴――――|
のどかは自分の置かれた状況を思い出し、はっと我に返ってデイパックを置いた。中から
おそるおそる拳銃を取り出す。コルトガバメント45口径。彼女はその冷たい銃身を抱きしめた。
「小太郎君、夕映、どこにいるの――」
のどかは半泣きでか細い声を上げた。どうしてこんなことになってしまったんだろう。
遅かれ速かれ鬼畜達は自分を見つけて襲い掛かってくる。できれば隠れてやり過ごしたい
のだが、うまく隠れていられるか自身がなかった。暗い廃屋に一人ぼっちという事実も
彼女の不安を加速させる。せめて傍らに誰か友達がいてくれたら。
(どうしよ、どうしよう、うちに帰りたいよう・・・)
静寂の中ザッザッと音がした。のどかはびくっと顔を上げ息を殺してあたりの様子を窺う。
少し離れた場所を人が歩いている・・・!足音から判断するに、相手は複数いるようだ。
(クラスの誰かかな・・・?それとも―――)
少しして響くように野太い男達の話し声が聞こえてきた。のどかの淡い望みは断ち切られた。
足音の主が鬼畜達であることはほぼ間違いようだ。
(そんな・・・もう来たの・・・?)
のどかはがばっと身を起こして立ち上がった。どこかに隠れなきゃ。そのためにこの家に入った
んだから。のどかは部屋の中を見回したが、隠れられそうな場所は仏壇の後ろぐらいしかなかった。
震える手でデイパックを抱え、仏壇の後ろに回ろうとした。が、隙間が10cmぐらいしかない。
(どうしよう。このままじゃ隠れられないよぅ・・・)
額から汗が噴出してくる。時間がない。仏壇を手前に引いて隙間を作らないと。
のどかはデイパックを置いて、両手で仏壇を抱え、引っ張った。
ズズ・・・
仏壇を畳の上で引きずる音がやけに暗闇に響いた。のどかは全身が縮み上がりそうになった。
(き、き、き、聞こえた・・・?)
のどかはおびえた顔で窓の障子の向こうを見た。ザッザッという足音は止まっていた。
聞こえてしまったのかもしれない。ここに私がいることが気付かれてしまったかもしれない。
(ああぅ・・・あ、あ、あああ)
10秒程そうして呆然としていただろうか。のどかはイチかバチか空いた仏壇の隙間にデイパックと
拳銃を抱えて隠れた。
(お願い・・・見つかりませんように―――お願い、お願い)
壁と仏壇の隙間で胎児の姿勢で縮こまるのどか。
どれだけ時間が経っただろうか。そのままの状態で、のどかはひたすら目を閉じて息を殺していた。
静寂が夜を支配していた。先程からずっとそうしているが、何も変化はない。鬼畜達は諦めて
別の場所へ行ったのだろうか?
時計を見ると、時刻は19時10分。仏壇の裏に隠れたのは19時ちょっと前だからまだ10分ばかりしか
経っていなかった。しかしのどかにはその10分が永遠の時のように長く感じられたのだ。
(助かったのかな、私・・・)
少し気持ちがリラックスしてきた彼女はほっと一呼吸しようとした。
その刹那――
ガ ラ ガ ラ ガ ラ ・・・
おもむろに家の引き戸が開けられ、数人の人間が入ってきた。
のどかは脂汗でじっとりと濡れた手を握り締める。
(怖い、怖いよ、助けて夕映、小太郎くん)
「おい、これ・・・」
「ほほう。こいつは愉快だなぁ」
玄関の辺りから男達の卑しい笑いが聞こえてきた。
「見ろよ。ご丁寧に靴が揃えて脱いであるじゃねーか」
「げっへっへ。肝心な所が抜けてるなぁ、お嬢ちゃんは」
「すぐに見つけてやるから待ってろよ。うはは」
(しまった――どうしよう・・・)
のどかは玄関に学生靴を脱ぎっぱなしにしていたのを思い出した。
気が動転していて今まで忘れていたのだ。隠れる前に取りに行ってくれば良かった。
「おーい、みんなー!女はこの家にいるぞーっ!!」
鬼畜の一人が外にいる仲間達に向かって声を張り上げた。
「おいおい、マジかよ」
たちまち玄関には10数名の鬼畜達が集まった。
「早く見つけちまおうぜ」
「おうよ。この狭い家のどっかに隠れてるんだろ?」
鬼畜達が台所や居間に土足で上がってくる音が聞こえる。
あまりの恐ろしさにのどかは息が出来なかった。
「お嬢ちゃーん?隠れてても無駄だよー。早く出て追いでー」
「優しくしてやるから心配しないで出て来いよー」
「嘘付くなよお前、どうせSM楽しむ気なんだろ?」
「ばーか。言うなよお前。お嬢ちゃんがびびっちゃうじゃねぇか」
「びびってる女はいいぜ。そそられるものがある」
「変態か、お前はw」
「そりゃ、お互い様だろーが」
鬼畜達は風呂や便所、納屋にあるものをあちこちひっくり返しては練り歩く。
のどかは拍動する心臓の音が彼らに聞こえやしないかと気が気でなかった。
「うりゃあ!」
鬼畜の一人が居間の窓に蹴りをかまし、窓を割った。
「こらぁー早く出てこねぇと、ひでぇ目に合わせるぞ?」
パリィン!
別の鬼畜が台所のガラスの食器戸棚をナックルパンチで破壊した。
「出て来いっつってんだろ!ぶち殺されてぇのかよ!!」
民家を荒らしまわる鬼畜達の狼藉ぶりに、のどかは頭が真っ白になっていた。
(いやぁ・・・いやぁ・・・)
そしてとうとう鬼畜達が寝室にやってきた。
「残るはこの部屋だけだな。」
「おい、そこ・・・」
鬼畜達は部屋の片隅に置かれた仏壇に視線を集中させていた。
(ああ・・・見つかっちゃったよぉ)
目をぎゅっとつぶり、恐怖に打ち震えるのどか。
「見ぃーつけたぁ!」
鬼畜の一人が仏壇を少し引っ張った。
急に隙間が広がりバランスを崩したのどかは、デイパックを取り落とし、畳の上に
転がった。闇の中から白い片足がなまめかしく浮かび上がった。
鬼畜がその細い足に手を伸ばした。
「いやぁっ!」
のどかは反射的に身体を引っ込め、銃を持って再び仏壇の裏に隠れた。
鬼畜達に緊張が走り、彼らがパッと後方に飛び退く。
「おい!この女も銃持ってるぜ!」
「またかよ!クソッ、面倒くせぇな」
二人の鬼畜は、窓を突き破り、縁側の下に伏せた。別の鬼畜三人は居間に飛び、
柱や壁の影に隠れた。居間にはイングラムを構える鬼畜達がさらに三人いた。
「おい、今度は殺さないようにしようぜ!」
「ああ、生きたまま桜子ちゃんとHできなかったのは勿体なかったからな」
淫獣は仏壇の影の少女に向かって猫撫で声をかける。
「お嬢ちゃんよ、銃をこっちによこしな」
「いっ・・・嫌です。出てって、出てってよぉ!!」
パン!
鬼畜の一人が、銃弾を仏壇に向けて放った。別の鬼畜も天井に向けて撃つ。
パン!パン!
仏壇に飾ってあった釈迦像の首が飛び、天井の板の破片がパラパラと落ちる。
「いやぁ!止めてっ!」
「死にたくねぇなら、銃をこっちによこせ」
「うぅ・・・やだぁ・・・・・・」
パン!パパン!ドパパパ・・・
鬼畜達は誰もいない壁や天井、床に向かって銃弾を次々と打ち込む。
ガシャァン!
机が弾け飛び、掛け時計が落下した。
のどかはありったけの声を振り絞って叫んだ。
「わ、私っ・・・!戦う気なんてありません!だから、助けてっ!」
銃声が一時的に止む。
「よし、それなら銃をこっちに投げてよこせ!」
「あぅぅ・・・」
数秒ためらった後、のどかは震える手でコルトガバメントを仏壇の影から
力なく放り投げた。
「ほほう」
最前列にいた鬼畜がそれを広い、鬼畜達に安堵のため息が広がった。
「おい、安全装置解除されてねーじゃねーかよ!」
「なんだ、拍子抜けさせやがるぜ」
「まぁいい、やっとお楽しみの時間の始まりだな」
鼻息の荒い猛者達は、じたばた弱々しくもがく少女を仏壇の裏から引きずり出した。
、、.:.._、
..:.......,,,,,,------、:.`'广 ^^''!`-、:
,/'"゙゙″` " ゙、崖゙'ヽ
,_''`` 林 丶 、′ .`'i、
.,i´ l゙ ..,! 08 ``¬''''''ー-:.、
.ミ 小川と滝 、 丘 ...,ノ茂みと 崖`':‐ぃ、,,,,,、
'i、 06 12" ,,i´ 岩場 04 l゙
...__,,,,,,,,,,,,,__ `、 林 /19 .,` .."
,ー` `',! ゙‐ 02 ` .l゙ 畑 ,、"
゚、 ″ 'i、 ,! 陵 .| .
│ 小 l | 廃工場 .j′ .′ 小学校 |
..,i´ .: l゙ | | 防 ..|
` .: ,‐` 05 .{ ヽ 体育館 . |
│ 島 , ,! 林 .| ..,! 空 林 体育倉庫 │
..,/ | | 砂 、" 地 ./ `、
..| :,,,,/ 、 ノ ..: / 壕 "、,,、
218 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/01 18:52 ID:JaCVX+ml
..ヽ、 .,‐′ | 浜 洞 ,! ,ノ 神社 民家群 ゙‐
.``:'―ー‐" ,` 窟│ 、 群 l
.″ ." 帯 _ノ 林 |
/ 牢屋跡 / .,'" 07 林 |
,″ ,` .,! 村の倉庫 ゙l、
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.″ 26 .ィ┴‐丶―‐` 林 :-、
./ 林 、"
,‐ 17 ↓ |
,、‐` ,−、 砂 浜 中学校 →27 .,
、″ 民家 --: --´ `ヽ、..,_ .,,.、--.、 00 民家群 _、.′
│ 、/ `゙^ `':. 軍基地 :..ノ
│ : .,,,,,、-: `゜ `'',、民家群 ,、゛
`"'一-、:,,,,.: ::‐''"`: : ヽ,_ ,.、---::ー'"`
`:〜・´
※00=鬼畜軍スタートポイント。
※05=裕奈が亜子を見失った地点。同機の進行方向も不明。
※02=明石裕奈着陸ポイント。
※06=自機が降下している時に、最後にみたアキラのヘリがいた地点。進行方向は北。
※26=エヴァンジェリン現在地点。
※04=綾瀬夕映スタート地点。
※17=椎名桜子玉砕地点。
※08=明日菜・ネギ合流地点。
※07=美砂・円が立て篭もることにした島の倉庫。
※12=古菲現在地点
※19=超鈴音現在地点と移動方向。
※03=朝倉和美死亡地点。
※27=宮崎のどかが潜伏していた民家。
※矢印=鬼畜軍団進行路。
鬼畜10数匹では助からんな、のどか。
まあ、本編の援軍組の設定能力+共同戦線張らせたら
それこそ鬼畜皆殺しエンドでも成立しちゃうけどw
221 :
名無しさん:04/04/04 11:52 ID:yIPSHv2y
続きに期待。
222 :
名無しさん:04/04/04 12:39 ID:5c5woRI5
メグいる?
削除依頼出しといて
223 :
名無しさん:04/04/04 14:04 ID:pg2BSevZ
何このスレッド
224 :
目黒ゑびす ◆RC04/GZfx2 :04/04/04 22:07 ID:8Hmc9xJ4
3−2
超がいなくなって一時間あまり経つ。古菲はぼんやりと、変わらずに飛沫を上げる滝の音を
聞いていた。時刻は既に19時を回り、辺りはめっきり暗くなってしまった。月明かりが唯一の
今の彼女の心の支えだった。
「超・・・・・・早く戻ってくるアル」
古菲は力なくそうつぶやいた。人も建物もない、暗い土手でただ一人座っているしかないというのは、
中学生の女の子にとってとても心細いものだ。古菲はすっかりしょげ返っていた。
「ん?」
何気なく滝に顔を向けた古菲は驚いて目を大きく見開いた。なんと、滝の中に二つの黄色い光の点が見えたのだ。
まるでそれは獣の両目のようだった。
「あ、あ、あ・・・」
古菲は身体をすくませた。今まであまり考えていなかったが、そういえばここは亜熱帯の無人島だった。
野生の獣がいてもおかしくない。古菲は足をばつかせて逃げようとした。普段の古菲なら、得意の中国拳法で
狼だろうとライオンだろうとヘッチャラなのだが、片足を負傷してほとんど使い物にならなくなった今、
肉食性の獣に襲われたらひとたまりもない。
「あ・・・そ、そうアル!超から預かった銃があったアルっ・・・・・・」
古菲は慌ててデイパックからデリンジャーを取り出した。そして滝の方にむける。
「あ、あれ?・・・・・・おかしいアルね」
古菲が再び滝を見たときには、先ほどの黄色い光は消えていた。
「き、気のせいだったアルか?・・・・・・い、いや・・・・・・そんなはずないアル」
世の中に目の錯覚は腐る程あるが、暗がりの中で光の点を見て、それが目の錯覚だったなんてことは、
あまり考えにくい。
古菲は息を殺して周囲を見回した。だが、辺りには獣はおろか、光の点も見当たらなかった。
「・・・・・・ホ、ホタルの光・・・・・だったアルか?」
まだ不安が完全に消えた訳ではなかったが、取りあえず危険は迫ってないと思い、ほっと一息ついた。
が、次の瞬間、
ビ ュ ウ ウ ッ
古菲の目の前を一陣の強風が吹きぬけ、彼女は思わず両手で顔を覆った。
「うわっ・・・なんアルネ!?」
風が止み、古菲が目を開けると、そこにはザジ・レニーデイ(女子31番)が黙って佇んでいた。
「な、なんだ?ザジアルか・・・・・・脅かさないでほしいアル」
しかしザジはまばたき一つせずじっと古菲を見つめるだけだった。見つめられるのが
照れくさかった古菲は、会話を切り出そうとして、大事なことを思い出した。
「あ、そういえば、ザジな。もしかして、このへんに何か得体の知れない生き物が
潜んでるかもしれないんアルよ。ウチら気をつけた方がいいかもしれないアル」
だが、ザジはそれに答えず、右肩に乗せた小鳥に目をやり、左手を差し出して手の甲に小鳥を
乗せ換えた。
「ザジ・・・・・・?」
ザジが左手をくいっと上に動かすと、パッと手の上の小鳥が飛び、そして古菲の頭にちょこんととまった。
「わっ!」
古菲は反射的に小鳥を手で払った。驚いた小鳥はバサバサとはばたいて、再びザジの右肩に
戻った。
古菲が顔を上げると、ザジがじろりとこちらを睨んでいた。
「あ、ご、ごめんアル。私・・・・・・鳥アレルギーアルから・・・・・・」
古菲がその言葉を言い終わらない内に、ザジの髪の毛がシュルシュルと伸び、古菲の首に
巻きついていた。
「ザ・・・・・・ザジ・・・・・・何する・・・・・・アルね・・・・・・?」
古菲はザジに抗議しようとしたが、喉がつぶれてうまく声が出せない。そうこうしている内に、
古菲は宙吊りにされ、首に巻きついた髪の毛が喉に深く食い込んできた。
(こ、このままじゃ窒息してしまうアル・・・・・)
そう思った古菲は、左手を喉と首の間にこじ入れ、右手に力を込めて、ザジから自分に伸びている
髪の毛の束に向かって、思い切り手刀を振りかぶった。
ザ シ ュ ッ
髪の束がちぎれる音がして、古菲は地面に落下した。古菲が腰をさすりながらザジの方をみると、
ザジの髪は恐ろしく長く伸び、いくつかの束になって、イカの足のように、空の方に伸びて揺らめいていた。
「ザ、ザジあんた、何者アルかっ!?」
古菲は叫んだ。ザジはその問いかけに咆哮でもって答えた。
「ウオオオオオオオオーーーーーーーーーーーン」
地獄から響くような低い唸りは、古菲に話し合う余地がないということを悟らせるには十分だった。
寡黙な普通のクラスメートだと思っていた彼女は、人間とは呼べない異形の存在であることは
間違いなかった。つまり、得体の知れない化け物ということだ。
古菲は超から預かったデリンジャーを探した。しかし銃は、古菲から見て、ザジのいる場所のさらに
向こう側にあった。あそこまで銃を取りにいくこうとすれば、その前に、ザジの髪の毛によって再び
襲われるだろう。古菲はザジに背を向けて逃げることにした。
「・・・・・・・・・!!」
後ろを振り返ると数十羽のカラスが地面にとまっていた。その目はらんらんと黄色く光っている。
どうやら、今のザジの咆哮を聴いて集まってきたらしい。古菲はザジとカラスに挟まれてしまったようだ。
前進も後退もかなわないと知った古菲は痛む足を押さえてケンケンしながら、滝の延長にある小川に
飛び込もうとした。だが、川岸まで行ったところで、カラスの大群の襲撃を受けた。
「あぁああーーーー、やめるアル、カラス達やめるアルよっ!?」
鋭いくちばしが次々と古菲の全身に突き刺さる。古菲は身をよじりながら、手足でカラスを1羽1羽、
追い返した。しかし焼け石に水だった。カラスの数が多すぎる・・・・・・!!まるでピラニアいる川に飛び込んだ
哀れな子牛状態だった。肉がえぐられ、肘からは骨が露出していた。全身に激痛が走り、自分の血液の臭いを
鼻で感じた。このままじゃ、内臓までえぐられる―――――
「馬蹄崩拳!!!」
古菲いちかばちか、全エネルギーを込めてカラスの群れに必殺技を放った。凄まじい衝撃波で、
カラス達は皆吹き飛び、古菲はかろうじて生きながらえたようだった。
古菲は血を吐きながら、ザジを睨みつけた。
「カ、カラス達を操っているのもザジアルね!私を殺す気アルか!?」
しかし、古菲が虚勢を張れたのもそれまでだった。全身へのダメージが大きすぎて、古菲はばたりと
地面に崩れ落ちた。息も絶え絶えになりがら、なんとか顔を上げると、ザジの周りを青白い炎のような
オーラが取り巻き、その周りを竜巻のようなつむじ風が舞っていた。
(と、とどめをさすアルか・・・?)
古菲は戦慄した。もはや、二度目の馬蹄崩拳を放つ体力は残っていなかった。両手を使って
なんとか小川の方へ這っていこうとしたが、気づくと足にザジの髪の毛が絡みついてきた。
「・・・・・・っ!」
ザジの身体から青白い光が長い髪の毛を伝わって流れ、古菲の身体を直撃した。
「ーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
全身に流れる高圧電流の苦しみに言葉にならない叫び声を上げるザジ。
数秒後、激しい電気ショックの嵐が止んで、古菲は虚ろな瞳で空を見上げた。だが、
空にはもうザジの姿はなかった。意識も朦朧とする中で、古菲が最後に感じたのは、
遠くから自分の名を呼ぶ声だった。だが、古菲の聴覚はそれが誰の声なの判別する力を
既に失ってしまっていた。
(きっと超アルね・・・・・・)
ぼんやりとそう思い、古菲は地面に横になった。少しして、古菲は暖かい腕に抱きかかえられた。
「超、遅かったアルよ」
古菲はつぶやいた。もはや目を開けることも叶わなかった。だが、大好きな超の腕の中で死ねるなら
それでいい、と古菲は思った。
古菲を抱きかかえた女は、古菲を揺さぶって問いただした。
「ねぇ、誰にやられたの!?くーふぇってばっ!」
古菲は最後の力を振り絞って答えた。
「ザジアル。超も気をつけるアルね、まだこの辺にいるかも・・・・・・」
そう言って古菲の首はだらんと下に垂れた。
* * * *
明石裕奈(女子2番)は呆然としていた。叫び声がしたので言ってみれば、そこには全身ボロボロに
なった古菲が倒れていた。抱き起こして聞いてみれば、やったのは鬼畜ではなく同じクラスメートの
ザジだという。まさか、あのザジが!?
「くーふぇ・・・・・・?ちょ、ちょ、ちょっと・・・・・しし、しっかりしなよっ!」
だが、彼女の脈拍は既に止まっていた。
「ひぃっ・・・・・・」
古菲の身体を放り投げ、傍らに置いたショットガンを手に取ると、裕奈は無我夢中で走り出した。
周囲に散らばるカラスの死骸に何度も足をつまずきそうになるが、それでも裕奈は走り続けた。
一刻も早くその場から離れたかったのだ。とてもじゃないが、古菲の死体を埋葬するゆとりなど
なかった。
(こ、殺される・・・・・・に、逃げないと、私も・・・・・・ザ、ザジに)
喉がカラカラになり、結わえた髪の毛が汗で額に張り付いてもそれでも裕奈は走り続けた。
狂気は進行していた。敵は鬼畜だけではないのだ。このゲームではクラスメートでも、
敵になりうるのだ。それは初めから薄々感づいていたものの、あえて頭の外にやっていたことだった。
だが、もう、認めざるをえなかった。距離からして、鬼畜が島の北端のこの場所にたどりつくには
まだ早すぎるし、何よりも古菲自身が明確に加害者の名を述べたのだ。だが、それより何よりも
裕奈が一番恐ろしかったのは、古菲の殺され方だった。ザジはどうやって古菲の身体をあそこまで
ズタズタにしたのか?いったいあの場所で何があったのか?それに、カラスもたくさん死んでいた。
想像がつかない。そして、想像したくもなかった。
裕奈は暗い雑木林に入るのは避けて、小川沿いをつたい、西に向かって走り続けた。
古菲の惨殺現場に、デイパックを忘れてきたのを思い出したが、今さらあの場所に取りに戻る気はなかった。
今の彼女の所持品は、唯一、胸に抱きしめたショットガンだけだった―――
【新たな死亡者】
古 菲(女子12番)
残り30名
【鬼畜側被害】
なし
残り98名
3−3
スカートの布越しにアスファルトの冷たい感触が伝わってくる。
長谷川千雨(女子25番)は体育館の倉庫の中で、キーボードを叩いていた。
ウィンドウの右下の通信アイコンが「電波強度弱」を示していた。
「アイスワールド・・・」
彼女はクラスでは目立たない普通のメガネッ娘であったが、裏の顔を持っていた。
そう。ご存知ネットアイドル「ちう」としての顔である。「ちう」にはたくさんの
ファンや非ファンがついていたが、今そのファンの一人のアイスワールドなる男とコンタクトを
取っていた。
千雨はいわゆるインターネット通信を行っているのではなかった。この島には
携帯電話回線が通っていないので、いくら千雨の知識を持ってしてもネットワーク通信を
行うのは物理的に無理である。千雨が今やっているのは無線LANを利用した、
コンピューター同士のPeerToPeer接続であった。アドホックモードとも言う。
一つの回線を複数の端末に振り分けて、無線インターネット通信を行う一般的な
インフラストラクチャモードと違って、アクセスポイントを介さずに端末同士が
直接データをやり取り出来るのが特徴だ。
当初、千雨は正直絶望していた。こんな絶海の孤島に投げ出されてバトルロワイアルなんて、
どう行動すればいいのか全く分からなかったのだ。千雨はクラスから浮いていて、
クラスメート内に親しい友人もいないし、仲間になって一緒に行動しようと声をかける
勇気がなかった。そもそも、仲間を作ることが得策なのかどうかもはっきりしない。
* * * *
そもそもこのゲーム参加者の運命は三通りある。一つは優勝してそのまま家に帰ること。
そのための条件は、自分以外の全ての生徒が死ぬか、もしくはレイプされていなければならない。
二つ目は、レイプされた後、鬼畜達の温情により、殺されずにすむこと。このバトルロワイアルは、
生存者の数には制限を設けていないからだ。毎回のゲームで、数名〜10数名の少女が、レイプはされても
殺されずに済んでいる。ただし、この場合、優勝者と違って、家に帰ることは出来ず、
僻地にある共和国貞操教育所に女奴隷として強制収容される。通称“兵士達の肉便所”である。
政府は公式には認めていないが、巷の噂では、この牢屋に収監されると、専守防衛軍兵士達がかわるがわる
やってきて、毎晩のように性的な奉仕をさせられるという。しかも一旦収容されると、
ほんの一握りの者をのぞいて、10年以上そこから出て来れないのだ。短期間で釈放されるためには、
その女の家族が、権力者とのコネクションを有しているか、多額のワイロを送って口利きをするしかなかった。
親戚や親しい友人に、政府高官と人脈がある者か、資産家がいない場合、その女は年をとって
性的魅力を失うまで待たないと、釈放されないのだ。平凡な家庭の娘にとって、貞操教育所に
収容されることは、“女としての青春”を失うことに他ならなかった。
元々この施設が出来たのは、女性テロリストを減らすためだった。政府にとって、女性テロリストの
存在は脅威だ。戦う女性闘士の姿は、多くの男達をふるい立たせる。1人の女テロリストが、
何人もの男性テロリストを生むのだ。共和国内務省の分析によると、初め弱小組織だった70年代の反政府組織
“東亜赤軍”が、設立数年後には、政府に首都戒厳令を発令させる程の国際テロ組織に飛躍した背景には、
名目的に組織のトップに立っていた軽信房江という1人の女子大生の力が大きかったという。彼女の
凛々しい勇士に惚れ、全国から組織入り志願者の男達が集まってきたというのだ。事実、軍人達の中にも
彼女のプロマイドを持ち歩いたり、彼女に銃を向けるのをためらう兵士がいた程だ。
反政府組織の拡大を防ぐには、女性テロリストを増やしてはならない。そのための貞操教育所設立は、
大きな政策効果を上げた。貞操教育所の存在は、若い女性達に恐れられ、そのために女性の犯罪率が
5年間でマイナス43%と激減したのだ。秘密警察を使った調査でも、反政府系非合法組織における
女性構成員の頭数が、過去の調査と比較しても2割程度減っているという。
それだけではない。貞操教育所が出来てから、専守防衛軍兵士に志願する男達が急増したのだ。
数十年間、専守防衛軍への入隊希望者は伸び悩んでいた。それは、徴兵制を敷いておらず全兵士を
志願制で集めるこの国にとっては、大問題だった。政府は毎回予算を投入し、入隊希望係――「お兄
ちゃん、カツ丼食べない?」が口癖のあのオッサン――を大増員して、駅前でのキャンペーンなどに
努めてきたが、それでも定員が全て埋まる年は皆無だった。だが、貞操教育所設立の翌年、
専守防衛軍への入隊希望者は、なんと採用予定枠の200%を超えたのだ。おかげで、膨大な数の予備役
兵が生まれることになった。彼らの下心は見え見えだったが、特に不都合な点はなかった。
既存の兵士達の忠誠心も上がり、とうとう今年、軍規違反で処分された兵士は、この半世紀で初めて、
100人を割った。
とにかく、この悪名高き“貞操教育所”システムは、独裁体制を維持しようとする体制側にとって
極めて都合の良いものだった。だが、その犠牲になる若い女達にとってはたまったものではない。
10年、あるいは15年もの間、薄暗い地下房に幽閉され、毎日見知らぬ兵士達に犯され続ける毎日
というのは、女性としての死刑宣告に等しい。特に千雨達3−Aの少女達はまだ年若いため、
釈放されるのは、最悪の場合、20年以上も先になるかもしれないのだ。早期釈放の望みがあるのは、
実家が財力のある委員長か木乃香ぐらいのものだろう。
死ぬよりはマシとはいえ――死んだほうがマシと思う娘ももちろんいるだろう――優勝せずに生き残ると
いうのは、とても満足のいく結果ではない。だが、優勝を諦めるなら、これしか選択肢は
ないのだ。
そして第三の道は、ゲーム中で死ぬことである。クラスメートに殺されるか、鬼畜達に襲われて
レイプされた後に殺されるか(これが死に方としては最悪だ)、鬼畜達に銃で撃たれてレイプ
されずに殺されるか(椎名桜子がそうだった)、あるいは自殺するかである。それ以外の
非人的要因、島にいる動物に襲われて殺される可能性等もあるが、まぁ確率的には除外して構わない
だろう。
そして第三の道については、考える必要はないだろう。レイプされるより死ぬのがマシなら、
たった今自殺すればいいだけのことだから。千雨はまだ死にたくなかった。もちろんレイプもいやだが、
死ぬよりはマシだと思った。そして何よりも、1/30の確率で優勝できる可能性も残されているのだから。
そこまで話を整理して、千雨は誰もが同じように行き着くであろう結論に達した。まずは優勝を狙おう。
そして優勝が果たせなくても生き残れる道を探ろう。第一希望は優勝。第二希望はレイプされはするが、
殺されずにすむこと、だ。あってならないのは死ぬことだ。
その前提に基づいて、今後の自分の行動を考える。優勝するために最も賢い選択肢はなんだろうか?
それはもちろん、クラスメートを殺すことである。分母を減らせば減らすほど、自分が最後まで
レイプされていない一人になる確率が上がる。優勝を積極的に狙うには最良の選択肢だった。
だが、この戦略には三つの欠点がある。第一に、味方が一人もいないということ。クラスメート30人と
100人の鬼畜全てを自分の敵に回すという選択だからだ。優勝する可能性は最大だが、死ぬ確率も
最大だった。クラスメートに殺されるかもしれないし、鬼畜に殺されるかもしれない。
第二に、千雨の武器はくだものナイフだった。誰かからまず銃を奪わないと、この作戦が成功することは
まずありえない。だが果物ナイフだけで、銃で武装した相手から銃を奪うのは並大抵のことではない。
相手の警戒を解いて不意打ちするしかないのだが、千雨のようにクラスで浮いているようなタイプは、
どちらかというと、警戒をもたれやすいタイプだ。
第三に、倫理的な問題がある。いくら自分の将来のためとはいえ、そんな簡単に自分が人を殺せるとは
思わなかった。頭では殺すべきと理解していても、身体がついてこないんではないか。千雨は土壇場で
自分が本当に殺しをやってのけられるのか、自信がなかった。
もっと消極的な方法もある。クラスメートに刃は向けず、一人で逃げ回り続けるという選択肢だ。
これなら、クラスメートと戦う必要はなく、鬼畜達にさえ捕まらないように逃げていれば、
最後には優勝できるかもしれないのだ。自分が逃げ回っている間に、他のクラスメート全員が、
死ぬか、少なくともレイプされるかしてくれれば。この方法は良心がそれ程痛まない代わりに、
かなり成り行き任せだった。この戦法で優勝できる確率は、そのまま単純に1/30ぐらいだろう。
鬼畜に見つかってしまった場合、レイプされた後、命だけは助けてもらえるか。それは、鬼畜達の
胸三寸で決まる。
ここまでは仲間を作らず自分一人で行動することが前提の作戦である。クラスメート達と合流して
仲間をつくった場合のメリットとデメリットを考えてみた。
仲間がいる場合の最大のメリットは、ユニット単位での武力増である。1人で遭遇した場合、
相手の鬼畜がたとえ1人であったとしても、(くだものナイフでは)全く勝ち目がないどころか、
逃げきることも難しいだろう。だが、仲間と共に武装して固まっていれば、少人数の鬼畜相手なら、
戦って勝てるかもしれない。鬼畜に捕まることはレイプだけではなく、殺される危険もつきまとうから、
チームをつくって協力して戦って、勝てるなら鬼畜を倒してしまえばいい。それは、一人では
とてもできないが、複数人数でなら可能なことだった。
そして仲間がいる場合のデメリットは、獲物が倍増することによって、鬼畜に襲われるリスクが
増えるということである。鬼畜達は一人一人がGPSを装備しており、女生徒達の居場所の概略が
わかるようになっていて――精度が粗いため細かい位置までは分からない――さらに顔写真付き
名簿も渡されているため、基本的には近くにいる可愛い子を狙って探すのだ。だから、美人だけど
弱い娘と組むのは愚作である。逆に仲間にするべき相手として理想なのは、戦闘力が高くて――
あるいは強力な武器を支給されている――かつ、ブスな女と組むべきなのだ。見た目が可愛いが
弱そうな、宮崎のどか、近衛木乃香、佐々木まき絵などは組むべき相手としては不適である。
また少人数グループのユニットを作るのも賢いとは言えない。例えば4人チームをつくったとして、
その4人で有効に戦える敵鬼畜の数は――所持する武器にもよるだろうが――1人かせいぜい2人までだ。
鬼畜達も数人〜十数人単位のユニットを作ってそれぞれ行動していると思われる。女生徒達が武装している
ことも考えて、あまり少ない人数では行動していないはずだ。鬼畜に襲われる危険度はちゃんと4倍になる
くせに、鬼畜ユニットを倒してレイプを一時的に回避できるチャンスがあまり増えないというのでは、
メリットが弱すぎる。
だからどうせなら仲間をつくるなら十人以上の大所帯を構成すべきなのだ。十人以上なら、
個々の鬼畜ユニットに対して、有効に戦える可能性が格段に上がる。
しかし、仲間を作ったとしても、自分の行動も彼女らにある程度束縛されてしまうだろう。例えば、
一緒になった仲間が鬼畜との徹底抗戦を決意していたら、自分もそれに付き合わされるだろう。
一人だけいやという訳にはいかない。それこそ、裏切り者扱いされそうだ。そもそも千雨は、
人前で自分の意見を言うのが苦手だった。
仲間をつくる意味は、鬼畜に襲われた時に負ける回数を減らすこと――1回の鬼畜遭遇で殺される確率が
50%だとしたら、3回遭遇したらほとんど生存の望みがない。1回襲われてレイプされ、運良く
殺されないで解放されても、2度目の遭遇で殺されるかもしれない――であって基本的にゲーム終盤に
1回襲われてそこでレイプされ、かつ殺されないでゲーム終了となるのが望ましい。仲間を組むということは、
最終的な優勝は目指さないということである。裏切りでもしない限りは。あくまで、死なないこと。
レイプされ、優勝はできないが、生き残ること(貞操教育所送り)なのである。つまり、
自分達のユニットグループが、最後まで残り、そのメンバーがゲームの最後にレイプされることを
目標とされるのだ。一言で言えば優勝放棄、生き延び最優先戦略である(もっとも、
最後に残ったユニットのなかで一番ブスな者が、他のユニットメンバーと同時にレイプされても、
わずかな時間差で優勝となることもありえるだろうが)。
つまり、その趣旨からして、勝てる鬼畜グループ(少人数)は倒そう。だが、勝てなそうな場合は、
降伏しておとなしくレイプされようというのが合っている。鬼畜100人全てを倒してしまおうという
大それた戦略ではないのだ。過剰に徹底抗戦すれば、それだけ鬼畜に銃殺される危険も増える。
仮に徹底抗戦して負けた場合、まずレイプされるが、その後に、反抗の意思強しとして、鬼畜達に、
彼らの後方の安全覚悟のために、念のため抹殺しておこうという気にさせてしまうかもしれない。
さらに、仲間同士でもめごとが起こった場合、ここでも命が危険にさらされるだろう。
チームユニットの中に、最後には仲間を裏切って自分だけ優勝しようなどと考える不埒な
者がいる可能性も当然あるし――女だからレイプや肉便所送りが嫌なのは当然だ、千雨も
その気持ちはわかる――そうでなくても、生き残った(あるいはまだレイプされてない)
生徒が自分達のチームユニットだけになったら、誰を優勝させるかでもめるだろう。
口には出さなくとも疑心暗鬼は広がるだろう。
ここまで考えて千雨は頭が疲れてしまった。ややこしい。想定できるケースが
多岐に渡りすぎている。そして、どの戦略をとっても得られるメリットは不確定だ。
どう、行動しても正攻法では―――
正・攻・法?
そこまで考えて千雨はふと思った。普通の方法では、先が見えている。どう行動したとしても、
結局はかなりの部分を運が左右するのだ。ツキがなければ、このゲームで自分の望む結果を
得るのは難しい。真面目にこのゲームに乗るのは馬鹿馬鹿しいことだ。何か、裏技は?
ここまでは一時間前に和美が出した結論(
>>75)と同じだった。しかし、千雨には、
そこから先のアイディアが出なかった。結局、私は、運に頼りながら、鼠のように
逃げ回るしかないのか・・・・・・
落胆しながら千雨は、のろのろした動作でデイパックを再び開き、武器以外のものを
確認した。すると、黒い袋の中に、長方形の折りたたまれた紙が入っていた。
「あれ、おかしいな。地図はさっき出したし・・・・・」
千雨はその紙を開いて読んでみた。そこには驚愕すべき事実が書かれていた。
「親愛なるちうへ
突然、こんなところに手紙が入っていて、びっくりしたことと思う。
俺の名は久石一馬。専守防衛軍中部方面連隊の准尉として入間基地に勤務している。
今回はV式バトルロワイアルの輸送担当要因の一人として、この島に送られてきた。
俺の任務は女生徒達を島の各地に運ぶこと。そして、俺はある理由から、
君の側に近づき、君をスタート地点まで輸送する役目を買ってでた。
その理由とは、俺が君のFANだからだ。俺のネット上のハンドルは、
アイスワールドと言う。そう、いつも君のホムペのチャットにいつもいる、
あのアイスワールドだ。驚いたろうか?だが、今は取りあえず俺を信じてくれればいい。
俺は君をこのゲームから救ってみせる。俺は空軍のパイロットだ。
隙を見てヘリを動かし、君をのせてどこかに飛んでいく。
タイミングを見計らって、俺は行動する。だからそれまでは通信して
連絡を取り合おう。取りあえず無線LANカードを入れておいた。
君の荷物の中のバイオC1なら、標準のドライバで動作すると思う。
あとは、差し込んでSSIDをchiutan、WEP暗号化キーを64bitでABCDE12345に設定してくれれば、
自動で俺とつながる。俺は胸ポケットにPDAを入れているからそれで連絡が取れる
以上だ。詳しいことは電波で相談しよう
アイスワールドより」
* * * *
そんなこんなで千雨は今、バイオC1のキーボードを叩き、アイスワールドと情報を
やりとりしている。
ちう<そっちの状況はどうですか?v(^_^v)♪
アイス<まだだ。まだ監視がキツイ。だが、ゲーム中盤になれば、ヘリポートががら空きになる
ちう<すまないぴょん。感謝、感謝だよー(´Д⊂グスン
アイス<あ、悪い。上官から点呼される時間だ。またあとで
ちう<(゜∇゜*)(。。*)(゜∇゜*)(。。*)ウンウン。ちう、首長くして待ってるよー(ノ´▽`)ノ
アイス<取りあえず、鬼畜どもには捕まらないように気をつけてよ?
ちう<おけおけ♪(#^ー゜)v
通信を終えて、千雨は一人ほくそえんだ。
「つ・・・付いてる、私は今、最高に付いてるぞー。はははっ!!ネットアイドルやってたことが、
まさかこんな幸運をもたらすとはなっ!あははは、なははは・・・・・・」
千雨は有頂天になっていた。喉から手が出る程欲しかった“裏技”を手に入れたのだ。しかも
クラスの中でたった一人。アイスワールドが本当に軍を出し抜けるのか多少不安だったが、
それでも彼女はゲーム脱出に一番近いところにいたのだった―――
249 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/10 21:37 ID:b6W8I2kq
、、.:.._、
..:.......,,,,,,------、:.`'广 ^^''!`-、:
,/'"゙゙″` " ゙、崖゙'ヽ
,_''`` 林 丶 、′ .`'i、
.,i´ l゙ ..,! 08 ``¬''''''ー-:.、
.ミ 小川と滝 、 丘 ...,ノ茂みと 崖`':‐ぃ、,,,,,、
'i、 06 02 12" ,,i´ 岩場 04 l゙
...__,,,,,,,,,,,,,__ `、 林 / 19.,` .."
,ー` `',! ゙‐ ` .l゙ 畑 ,、"
゚、 ″ 'i、 ,! 陵 .| .
│ 小 l | 廃工場 .j′ .′ 小学校 |
..,i´ .: l゙ | | 防 ..|
` .: ,‐` .{ ヽ 体育館 . |
│ 島 , ,! 林 .| ..,! 空 林 体育倉庫 │
..,/ | | 砂 、" 地 ./ 25 `、
..| :,,,,/ 、 ノ ..: / 壕 "、,,、
250 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/10 21:37 ID:b6W8I2kq
..ヽ、 .,‐′ | 浜 洞 ,! ,ノ 神社 民家群 ゙‐
.``:'―ー‐" ,` 窟│ 、 群 l
.″ ." 帯 _ノ 林 |
/ 牢屋跡 / .,'" 07 林 |
,″ ,` .,! 村の倉庫 ゙l、
,、′ . 丿 .." 03 <
.″ 26 .ィ┴‐丶―‐` 林 :-、
./ 林 、"
,‐ 17 ↓ |
,、‐` ,−、 砂 浜 中学校 →27 .,
、″ 民家 --: --´ `ヽ、..,_ .,,.、--.、 00 民家群 _、.′
│ 、/ `゙^ `':. 軍基地 :..ノ
│ : .,,,,,、-: `゜ `'',、民家群 ,、゛
`"'一-、:,,,,.: ::‐''"`: : ヽ,_ ,.、---::ー'"`
`:〜・´
251 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/10 21:39 ID:b6W8I2kq
※00=鬼畜軍スタートポイント。
※06=裕奈が自機が降下している時に、最後にみたアキラのヘリがいた地点。
※26=エヴァンジェリン現在地点。
※04=綾瀬夕映スタート地点。
※17=椎名桜子玉砕地点。
※08=明日菜・ネギ合流地点。
※07=美砂・円が立て篭もることにした島の倉庫。
※19=超鈴音現在地点。
※03=朝倉和美死亡地点。
※27=宮崎のどかが潜伏していた民家。
※12=古菲死亡地点
※02=明石裕奈現在地点。
※25=長谷川千雨が潜伏している体育倉庫。
※矢印=鬼畜軍団進行路。
252 :
名無しさん:04/04/10 21:41 ID:TATX86FJ
早く削除してください
253 :
名無しさん:04/04/10 21:48 ID:TcCp572U
ネギま!本編がクソ化している。 わけわからんアクション漫画になってしまってた。
254 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/10 21:51 ID:b6W8I2kq
255 :
VNCP ◆MG64yE6TCE :04/04/10 21:57 ID:ky2kcBcw
(ゎ゜〜゜ぉ)<このスレッドを応援します。
256 :
名無しさん:04/04/10 21:58 ID:TATX86FJ
お前の演奏を応援する輩は一人もいないがな
257 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/10 22:03 ID:b6W8I2kq
258 :
○特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/10 22:44 ID:b6W8I2kq
訂正
>>231 × 全身に流れる高圧電流の苦しみに言葉にならない叫び声を上げるザジ。
○ 全身に流れる高圧電流の苦しみに言葉にならない叫び声を上げる古菲。
259 :
◆MG64yE6TCE :04/04/10 22:53 ID:ky2kcBcw
(ゎ・_・ぉ)<
>>258頭痛に悩まされながらリサイタル調整中。譜読みはとっくに終わってるのに、、、厳しい!
260 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/10 23:02 ID:b6W8I2kq
>>259 す、すごい・・・音楽家さんなんですね!
憧れちゃうYO!!ヽ(´∀`)9 ビシ!!
頭痛薬は何使ってますかー?
d(゚Д゚)☆ボクハイブデス☆( ゚Д゚)b
261 :
◆MG64yE6TCE :04/04/10 23:08 ID:ky2kcBcw
(ゎ・_・ぉ)<今日飲んだのはプレコールでした。
262 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/10 23:14 ID:b6W8I2kq
僕の場合、寝る前に水分補給しないと頭痛くなるんDEATH( ̄□ ̄;)!!
だから、寝る前に飲んで、さらに枕元にペットボトルに詰めた水をさらに置いとくヾ(〃^∇^)ノ♪
朝、二度寝しそうになった時、その直前に水を飲みなおさないとダメですからね(T▽T)アハハ!
ああ、欝鬱欝・・・b(^o^)dw(^0^)w
宮崎のどかの通ずきまだ〜?
気になるんだけど〜〜〜〜〜〜〜
?????????
265 :
名無しさん:04/04/12 20:29 ID:Nv7OsNCm
犯されてる描写がねーな
266 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/12 20:32 ID:F87ItTKr
>>266 早く書こうと焦って雑になってません?
別にはやく書こうとか思わなくていいですからね。
普通に面白いからスパンあいても構わない。待ってる。
だから、差し出がましいようですが、焦らないで、推敲してください。
やっぱり読むなら完成度が高いモノを読みたいので。
>>267 ありがとう!2chに来て半年、今までで一番嬉しいレスをもらったよ!!!゜(゚´Д`゚)゜。
女の子に告白されるぐらい嬉しい(笑)
で、ものは相談なんですけど、どの辺の描写が雑に見えた?
2chにいる他のSSの書き手さん達とは違って、僕は批判されることが大好きなんで、
レス単位での細かい批判がいっぱい欲しいんですけど、だめかなー?
結構、普通の人って褒められることが次への原動力になるけど、
僕の場合逆で、叩かれた方が原動力になるんよwww
これ書き始めたのだって、
>>6に「死ね」って言われたから、
上等ジャン、オラー!!って思って始めたことだったしヾ(〃^∇^)ノ♪
だから、遠慮しないで、思ったこと(特にマイナス面を中心に)聞きたいなぁー♥なんて
一応、自分の中で投下した後思ったのは、
千雨編の>>239-
>>245辺りの説明がゴチャゴチャして分かりにくいかな?ってことぐらい。。。
269 :
目黒ゑびす ◆RC04/GZfx2 :04/04/15 21:25 ID:eRqpNdJf
ありがとうじゃねえ
他の板でやれ
270 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/15 23:03 ID:/2Ni1Axt
271 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/15 23:09 ID:/2Ni1Axt
>>269 削除整理板を見ると、占有的利用と言う理由らしいけど、
僕は
>>143でも言ったように、
他 の 人 が タ を 出 し て く る の を 強 く 望 ん で い る わ け で
決して排他的な意図はない。
たまたま、他の人が、ほとんどネタを出してこなかっただけ。
だから目黒さん、せっかくですし、あなたも何かネタを出して、
このスレを盛り上げて下さいな。
272 :
ウンコの王様:04/04/15 23:10 ID:dBfshZQa
人
(__)
( ・∀・) タ?
273 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/15 23:15 ID:/2Ni1Axt
>>272 他 の 人 が ネ タ を 出 し て く る の を 強 く 望 ん で い る わ け で
の間違いだーwww
あちゃー、肝心なところでしくじっちゃ駄目だな、僕v(^_^v)♪
てへっ♥
生水飲んで腹下してビチビチ野グソ垂れてるところを後ろから襲われるような展開キボンヌ。
正直、続きが気になって仕方がない。
正直、続きが気になって仕方がない。
ハァハァ
3−4
「ふーっ、ふーっ・・・」
長瀬楓(女子20番)は単身、鬼畜の集団と対峙していた。息は上がり、肩が上下している。
だが、その目は闘志に満ち溢れていた。
「ちくしょうこのクソ尼!ちょこまかと小賢しいマネしやがって!」
「てめぇ一人が頑張ったところで、所詮俺達にはかなわねーんだよっ!!」
鬼畜達が声を荒げて楓を恫喝する。しかし、楓を包囲しているはずの彼らの表情からは余裕が
消えていた。
「その割には、なかなか手間取っているようでござるな?」
楓はそう言って周囲に散らばった死体を指差した。鬼畜達の顔にうっと動揺の色が広がる。
この1人の女相手に既に7人もの仲間が殺されていた。残された鬼畜の数は、殺された人数と同じ、
7名。時計回りに木内、我孫子、川添、戸田、佐山、橋本、郡司が楓を袋の円になって取り囲ん
でいる。しかし鬼畜達は自分達の方がとらわれの鼠ではないのかという焦りを感じていた。
※鬼畜達と楓の位置関係
木内
郡司
r''´ヽ、 r'''゙゙"゙''ヽ
l″岩 ) `i、木.,l:"
゙'、,__,,r'" | .,|我孫子
楓
r''´ヽ、 川添
l″岩 )
橋本゙'、,__,,r'"
戸田
佐山
「ちくしょう、みんな、やっちまえ!!」
佐山の合図で郡司が岩陰から、我孫子が木の影から、川添・木内が長く伸びた草むらの中から、
一斉射撃を行った。鼓膜が破れそうな激しいイングラムの銃声があたりの空気を割る。
しかし雨のような弾丸の山は、大気を空走しただけだった。
「なにいっ!?・・・ど、どこへ気えやがった!!?」
周囲を見回す鬼畜達。しかし楓の姿はどこにもない。戸田が叫ぶ。
「みんな気をつけろ!またいきなり現れるぞ!!」
むせかえるような薬莢の匂いがあたりに充満する。郡司は岩を背にして両手で銃をかまえ、
戸田が日本刀を構えたまま、佐山の元に走った。
「・・・クソったれめ。あいつ妖怪かよ!」
橋本は舌を打ち鳴らし、2、3歩後ずさりした。途端、背中にむにゅっと二つの柔らかい
ものが当たった。
「後ろでござるよ」
ドスの利いた女の声が聞こえ、振り向くと喉に短剣が当てられていた。
「うぁっ・・・」
橋本が声を上げた瞬間、楓はそのままの表情で右腕をクイと動かした。喉元をズブリと嫌な感触が襲い、
彼の首は掻き切られた。
「うぎゃあああぁぁぁああああああーーーーーーーーーーーー」
「はっ!? 橋本ーーーーーーーっっ!!・・・・・・くそっ!」
楓に気付いた佐山がイングラムを構え直したが、時既に遅かった。楓の左手が宙を切り、
佐山の喉元に手裏剣が突き刺さった。佐山は銃を取り落とし、首を抑えながら仰向けに倒れ、
楓は右手で持った短剣を橋本の首から引き抜いた。血飛沫が楓の顔面にシャワーのように
降りかかる。が、彼女はまばたき一つせず全身でそれを受けた。その様子はさながら、
神話に出てくる鬼神のようであった。
先程から目をほとんどつぶっていた楓がカッと目を見開いた。
「拙者は・・・・・・皆を傷つける者は、絶対に・・・・・・許さないでござる」
「なんだとおおおっ!!」
郡司の銃口が再び火を吹く。ダダダダッと数発の弾丸が楓の顔面に命中した・・・ように見えた。
「や、やったか・・・?」
次の瞬間、楓の姿はポンッと軽い音を立てて爆発し、卵黄色の煙が周囲を覆った。
「ゴ、ゴホッ・・・」
煙にむせながら、鬼畜達が楓のいた場所を凝視した。煙が晴れていく・・・。鬼畜達は沈黙したまま、
お互いの目を見合わせる。そして、再び楓がいたはずの場所を見た。煙が晴れた後には、
小さな木製の人形が落ちていた。その頭の部分には幾つかの穴が開いていた。
「お・・・おい?それ・・・・・・」
「そ、そんな。俺は確かに奴を打ち抜いたのに・・・」
鬼畜達は顔から急速に血の気が失われていった。
「よ、妖術だ!あいつ、妖術を使いやがった!」
「くそぅ!この科学万能の時代に、妖術使いなどと・・・」
「ま、魔法使いがいるって噂は本当だったのかよっ!!」
「そんな呑気なことを言ってる場合じゃねぇぜ!」
鬼畜達は再び身構える。彼らの目は血走り、額から汗が伝い落ちた。
「身代わりの術でござるよ」
我孫子の耳元でぼそっと低い声がした。驚いて顔を上げると、目の前に美しき妖術使いが立っていた。
「うわぁぁああああーーーーっ!!」
我孫子は無我夢中で引き金をしぼった。ガガガガガッ・・・と金属音のような銃声が轟く。が、楓は
瞬間的に左に飛び、我孫子の銃弾は彼の正面にいた川添を直撃した。
ドッ―――
何が起こったか理解できぬまま、草の中に倒れ息絶える川添。
「あ、あ、ああ・・・・・・か、かか・・・かわぞ・・・・・・」
「おやおや、同士討ちでござるか?」
仲間を誤射し撃ち殺した我孫子を、楓が冷淡な調子で嘲った。我孫子は銃を固く握ったまま、
口をパクパクして震えている。
「・・・っの野朗ーーーーっ!」
戸田が楓の背後から日本刀を掲げ振りかぶった。刀は宙を切ったが、わずかな手応えがあり、
数本の切れた髪の毛が舞った。
「はっ、はっ・・・・・・か、かすったぜ・・・」
脂汗を大量に掻きながら、戸田はニヤリと満足気な笑みをうかべた。が、次の瞬間、
激痛が彼の足元を襲った。
「うっ!?う、ああ、あ、あ・・・・・・な、なんだこりゃっ?」
戸田が足を上げると右手の裏に手裏剣に似た刃物が突き刺さっていた。
「まきびしでござるよ、肉を切らせて骨を断つってやつナリね」
トンッ、と岩の上に着地した楓が目を細めながら言った。戸田は慌てて靴に刺さった
まきびしを引き抜いた。引き抜く瞬間再び襲った激痛に、戸田は顔をしかめる。
「はぁっ・・・はぁっ・・・・・・な、なめた真似を・・・・・・」
戸田は虚勢を張ろうとしたが、語尾が裏返ってしまった。劣勢の鬼畜達に、さらに重苦しい
雰囲気が広がる。それもそのはず、わずか20秒あまりの間に、さらに3人の仲間が殺され、
一人が負傷したのだ。
「ふふっ、なかなか致命傷を与えられないようでござるな」
楓はほくそ笑んだ。確かに楓の忍服はあちこち破れ、顔や腕にも小さなかすり傷が付いているが、
いずれも大したダメージを与えるものではなかった。
「くっ―――!」
郡司が銃を楓に向けながら後ずさりして、木内の元に走る。それを見た我孫子も、走って木内達の元に
集合した。集まった3人は震えながら一斉に銃口を、岩の上の楓に向けた。引き金にかけた指が
汗でべとついている。
「あと4人でござるな」
楓が赤ん坊をあやすような猫なで声で彼らに声をかけた。体がすくんで引き金を引けない鬼畜達。
「ば、バケモンだ。こ、こいつ、バケモンじゃねーか・・・・・・」
「・・・ど、どうすりゃいいんだ」
「だ・・・・・・だいたい、なんで弾が当たらねーんだよ・・・・・・?」
「銃弾の動きが見えるなんて動体視力がハンパじゃねぇ」
「しかも、それを生かせる反射速度・・・・・・もはや悪魔としか思えん」
※鬼畜達と楓の位置関係(更新)
木内
郡司 我孫子
r''´ヽ、 r'''゙゙"゙''ヽ
l″岩 ) `i、木.,l:"
゙'、,__,,r'" | .,|
r''´ヽ、 戸田
l″楓 )
゙'、,__,,r'"
楓は口元を緩め笑った。さすがの楓でも、銃弾が放たれてから交わすのは無理なのだ。
実際は、引き金を引く直前の彼らの表情や筋肉の動き、それに風の流れなどを瞬時に計算して動き、
弾が放たれた瞬間には既に射程範囲から外れているのだ。もっともそれとて、常人には
とても真似できない離れ業であり、しかもコンマ1秒以下の出来事なので、鬼畜達の目には
そこまでとらえきれていなかった。
また、彼女は体力温存の為に、必要以上の間合いを取らず、彼らの攻撃をギリギリのところで
交わしている。そのために、時々弾や刀が身体をかすめ、傷を負うこともある。要は、
致命傷にさえならなければ良いのだ。
「ああ、そうそう。そのまきびしには濃縮したヒキガエルの毒が塗ってあったでござるよ。
毒は心筋と中枢神経に作用して、そのままほっとくと・・・」
「・・・・・・なっ!?」
戸田は驚愕の表情を浮かべた。カーッと後頭部が熱くなり、身体が硬直する。
喉がからからに乾ききっていた。
「お、おい・・・・・・た、たた、助けてくれぃっ!」
髪を振り乱し、戸田は楓の元にひざまづいた。後ろを振り返って日本刀を草むらに投げ捨て、
両手を上げて、降伏のポーズを取り、物乞いをするような目で楓を見上げた。
「うーん、どうしたものでござるかな・・・」
楓が手のひらを顎にあて、考える仕草を取る。ほぼ同時に、郡司、木内、我孫子の3人が
楓に背を向け、一目散にかけ出した。三十六計、逃げるにしかず―――
ドン!ドドン!!
逃げる三人の前に楓が煙球を放った。
「うああ・・・」
「が、がはっ・・・・・・」
煙に含まれるCNガスが瞬時に作用し、鬼畜達の皮膚を激しい痛みが襲う。同時に目・鼻・口などの
粘膜がただれ、多量の鼻水と涙がとめどなく出て普通に目を開けていられない―――
「逃がさないでござるよ」
楓はゆっくりと、しかしはっきりした口調で3人に警告する。鬼畜達は、その場にしゃがみこんで、
銃を捨て、咳き込みながら両手を上げ無抵抗の態度をとるしかなかった。楓は安堵のため息をつき、
ゆっくりとしゃがんで岩に手をかけ、そこから飛び降りようとした。が、表情を再び強張らせた。
次の瞬間、楓は岩を蹴って空に飛び上がった。ほぼ同時に、ダダダッとボルトの金属音が聞こえ、
岩肌が閃光を上げた。
「・・・・・・???」
岩の破片が飛び散り、戸田が頭を抱え地面に突っ伏した。他の3人の鬼畜も鼻を啜りながら、
顔を上げた。楓が3人の鬼畜達の元にスタッと降り立つ。楓は鬼のような形相を浮かべ3人を睨む。
3人は脅えた表情で首を横に振った。
「ち、違う!俺達じゃないっ・・・・・・!」
楓は3人が銃を持っていないのを確認し、戸田の方を振り返る。彼は両手で頭を抱え地面に
ふせていた。彼も銃など持っていない―――
(やつらじゃない。すると今のは・・・・・・!?)
楓が顔を上げると、二人の男が木の向こうからウージーを腰だめに構え、こちらを狙っていた。
「ちっ・・・新たな鬼畜でござるかっ!!」
叫びながら再び楓は地を蹴った。カタタタタタ・・・とミシンのような乾いた機械音が空気を
切り裂く。間一髪のところで凶弾を交わした楓は飛びながら地上の男達を確認した。
(一、二・・・。身の程知らずの輩がまた現れたでござるか)
そう思い着地態勢を整えようとした時、大きな影が楓の頭上の月光をさえぎった。
「なっ・・・・・・!」
楓がその影の正体を見極めようとした顔を上げた瞬間、肩口に激痛が走った。第三の男の
ローキックが決まり、楓はそのまま地上に落下していった。
「うあぁあーーーーーーっ!!」
楓は叫び声を上げて地面に仰向けに叩きつけられた。痛む肩を抑え、楓が立ち上がろうとすると、
頭上から大男が迫っていた。
「ごふっ・・・!」
楓のみぞおちにその男の強烈な膝蹴りが決まった。思わず喉から唾液を吐いた楓だったが、
一秒もしないうちに態勢を立て直し、ぱっと後方に飛んで間合いを取った。
「はっ、はっ・・・・・・お主、何者でござるかっ!?」
楓は突然現れたその大男に向かって叫んだ。だが男は楓に構わず、呆然とする郡司達3人の
鬼畜達に顔を向けた。
「う、牛尾さんっ!?それに山下、子安もっ・・・!」
思わぬ救援に安堵の声を上げる郡司。木内、我孫子も安堵の表情を浮かべる。
「お前ら、なんやこの醜態はっ・・・!?たった一人の女相手に何ふぬけた真似さらしとるんや!」
牛尾と呼ばれた男が郡司達を叱咤する。その横で別の二人、山下と子安が、
ウージーの狙いを楓に向けて威嚇している。
「う、牛尾さん。この女、よ、妖術使いなんすよっ!」
「・・・・・・妖術使いだと?」
「ええ、いくら牛尾さんでも一筋縄では・・・・・・あっ」
牛尾が振り返ると彼らの視界から楓の姿が消えていた。再び彼らの間に緊張が走る。
次に彼らが見たのは短剣を牛尾の喉に突き刺そうとする楓の姿だった。
「牛尾さん、あぶなっ・・・・・・!」
だが、その短剣は牛尾の首に刺さる直前のところで止められていた。
「ほう、女。なかなかの動きやな、くノ一か・・・・・・」
「ぬぬう、お主――」
楓は初めて身の危険を感じた。すかさず短剣を放棄して、ぱっと飛びのこうとしたが、
その右手は牛尾にがっちりと取り押さえられていた。楓は左足を上げ、蹴りを男の胴に
叩き込もうとした。が・・・
「ぎゃあぁぁぁぁあああーーーー!?」
楓の蹴りが牛尾に達する前に、牛尾が彼女の右手を捻り一回転させていた。ボキボキっと
骨が折れる音が聞こえ、楓は激痛に身をよじりながら地面にうずくまった。
「素手でわしと勝負しようなんて、百年早いでぇ・・・」
頭の中で野太い声が響く。楓は頭上を見上げた。そして息を飲んだ。
(で、でかい・・・・・・!!)
男は想像した以上の大きさだった。その身長は楓の180cmを余裕で超え、2m以上あった。
それだけではない。身体中にみなぎる筋肉も、他の鬼畜達をはるかに凌駕していた。おそらく
体重も100kgを優に超えているだろう。しかも、その殆どを贅肉や脂肪でなく筋肉が構成して
いる。無駄がなく、格闘家としては申し分ない肉体だった。
もっとも他の鬼畜達も筋肉ということなら、牛尾には及ばないとしても、地上の女性の中では
最強クラスである楓と同じかそれ以上あった。問題はスピードだ。楓や牛尾のすごいところは、
常人には目にも留まらぬ速さで動き回れることなのだ。特に牛尾の場合、これだけの巨体を持ちながら、
楓に匹敵する速度を持っている。それは戦う相手にとって脅威だった。恐らく、楓同様に、なんらかの
特殊訓練を受けた者であろうことは容易に想像がついた。
「はっ……!?」
楓が我に返った時はわずかに遅かった。既に楓は、ウージーを構えた山下の射程内に入っていた。
カタタタタタ・・・と再びミシンのような音がして、マシンガンが咆哮した。楓は飛び上がったが、
右太股に銃弾を受けてしまった。
「くっ・・・・・!」
空中で足をかばいながら態勢を立て直す楓。しかし度重なるダメージでその動きは確実に
にぶっていた。
「見えた!とらえたでっ!」
すかさず牛尾もジャンプし、楓に飛び掛かってきた。楓は枯葉のように身体をひねって
反動をつけ、牛尾の突撃から逃れようとしたが、遅かった。空中で楓は背後からがっしりと
大男に組み敷かれてしまう。牛尾は楓を抱いたまま下方向に速度をつけ、地面直前で彼女から
離れた。楓はそのまま高速で地面に激突した。
ズガァァァァアアアアアアアアン!
「う、うぅっ・・・・・・」
涙をこらえ、よろめきながらも、持てる力を振り絞って立ち上がる楓。地面との激突の瞬間、
なんとか受身を取って、頭からの落下を防いだのだが、左肩を強く打撲してしまった。
だが受身を取らなければ今頃、後頭部打撲による脳座礁を起こし、下手したら頭蓋骨陥没で
即死していたかもしれない。何しろ、落下直前の速度は時速300kmを超えていたのだから。
だが、もうまともに戦うことができる身体でないのは明らかだった。右手首は360度捻られて、
だらりと垂れ下がり、制動が利かない。左肩も今の落下の衝撃で紫色に膨れ上がり、まともに
上げることはできない。さらに、右太股は銃弾の直撃を受け、赤く染まっていた。
(こ、殺される。この、拙者が・・・・・・)
楓は生まれて初めて心の底からの恐怖を感じた。顔を上げると、目の前にあの憎むべき大男が
ニヤニヤと薄気味悪い笑みを浮かべていた。
、、.:.._、
..:.......,,,,,,------、:.`'广 ^^''!`-、:
,/'"゙゙″` " ゙、崖゙'ヽ
,_''`` 林 丶 、′ .`'i、
.,i´ l゙ ..,! 08 ``¬''''''ー-:.、
.ミ 小川と滝 、 丘 ...,ノ茂みと 崖`':‐ぃ、,,,,,、
'i、 02 12" ,,i´ 岩場 04 l゙
...__,,,,,,,,,,,,,__ `、 林 / 19.,` .."
,ー` `',! ゙‐ ` .l゙ 畑 ,、"
゚、 ″ 'i、 ,! 陵 .| .
│ 小 l | 廃工場 .j′ .′ 小学校 |
..,i´ .: l゙ | | 防 ..|
` .: ,‐` .{ ヽ 体育館 . |
│ 島 , ,! 林 .| ..,! 空 林 体育倉庫 │
..,/ | | 砂 、" 地 ./ 25 `、
..| :,,,,/ 、 ノ ..: / 壕 "、,,、
297 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/22 00:25 ID:Cij/cWGv
..ヽ、 .,‐′ | 浜 洞 ,! ,ノ 神社 民家群 ゙‐
.``:'―ー‐" ,` 窟│ 、 群 l
.″ ." 帯 _ノ 林 |
/ 牢屋跡 / .,'" 07 林 |
,″ ,` .,! 村の倉庫 ゙l、
,、′ . 丿 .." →20← 03 <
.″ 26 .ィ┴‐丶―‐` ↑ 林 :-、
./ 林 、"
,‐ 17 ↓ |
,、‐` ,−、 砂 浜 中学校 →27← .,
、″ 民家 --: --´ `ヽ、..,_ .,,.、--.、 00 民家群 _、.′
│ 、/ `゙^ `':. 軍基地 :..ノ
│ : .,,,,,、-: `゜ `'',、民家群 ,、゛
`"'一-、:,,,,.: ::‐''"`: : ヽ,_ ,.、---::ー'"`
`:〜・´
298 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/22 00:27 ID:Cij/cWGv
※00=鬼畜軍スタートポイント。
※26=エヴァンジェリン現在地点。
※04=綾瀬夕映スタート地点。
※17=椎名桜子玉砕地点。
※08=明日菜・ネギ合流地点。
※07=美砂・円が立て篭もることにした島の倉庫。
※19=超鈴音現在地点。
※03=朝倉和美死亡地点。
※27=宮崎のどかが潜伏していた民家。
※12=古菲死亡地点
※02=明石裕奈現在地点。
※25=長谷川千雨が潜伏している体育倉庫。
※20=長瀬楓VS鬼畜軍、激突地点。
※矢印=少女達を追い詰める、鬼畜軍団の進行路。
299 :
インコ坊や:04/04/22 00:29 ID:I7OSyyzZ
五里霧中的に同意
300 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/22 01:45 ID:Cij/cWGv
>>263 のどか編は、少し先になりそうです。
時間軸的に矛盾が生じないように、3章の中には入れますが(≧∀≦)*
>>274 な、なかなか鬼畜ですねぇw
スカ○ロはどれぐらいの範囲までが、許容範囲ですかっ?
(o^v^o)モジャー
食べたりするのはさすがに引くけど、俺は出すとこまではOKかな。>スカトロ
オリジナルやハカロワでは意図的に排除されてったぽいネタだけど
排泄中って完全に無防備でオイシイと思うのだが。
集団食中毒になったグループが
下痢ウンコもらしながら隠れたり逃げ回ったり戦ったりするとミジメで面白いかも(゚∀゚)
302 :
●特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/04/22 02:47 ID:Cij/cWGv
>>301 考えてみりゃ、野戦状態で3日も戦ってるんだから、
荒野で用を足してるはずんだもんね。
個人的にはロープレの主人公が、マップ画面を歩いてて一度もトイレに行かないのが気になる。
DQにもFFにも女性キャラはいると言うのにw
303 :
マロン名無しさん:04/04/22 21:29 ID:XsvGrlub
302>そう言えば、ポケモン世界の店ってぜんぶポケモン関連の物しか売ってないけど、
人間は一体どうやって食料を手に入れているのか…狩り?
304 :
名無しさん:04/04/22 21:38 ID:SIuNBLeK
学校休んで今週中に完結させれ
スカトロは俺が許す。できりゃアキラで見てー
306 :
名無しさん:04/04/27 12:58 ID:H1MnW+ev
302>最高すぎるw
307 :
名無しさん:04/04/28 03:31 ID:8kTaoFjB
バックアタックとかはきっとウンコ中を襲われたんだね
ちょといい?
アク禁?●剥奪?
なんにしろご愁傷様(o^v^o)
早く続き書け
(o^v^o)モジャー
内容的に
>>278-295のそのまま続き、場面変わらずなので、
「3−5」とせず、「3−4−2」とさせていただきます。
3−4−2
「あっ・・・・・離すでござる、離すでござるよっ!」
牛尾に頭を鷲づかみされて、楓は情けない声を上げた。しかし男は意に介せず、楓の身体を
高々と持ち上げた。牛尾は高圧的に要求した。
「戸田の毒を解毒する薬を出せ」
「・・・・・・」
観念した楓は、懐から手作りの血清を取り出し、牛尾に渡した。牛尾はそれを戸田に投げた。
「おい、これはどうやって使うんだ?そのまま飲めばいいのか?」
「・・・注射しないとだめでござる」
「そうか。おい!お前ら戸田を基地まで連れて行ってやれ」
「うぃっす」
木内、我孫子が両側から戸田に肩を貸し、治療を施すために基地へ向かってへ歩き出した。
残った鬼畜は、郡司、山下、子安、そして牛尾の4名となった。
牛尾は戸田一行を見送ると再び楓に視線を戻した。そしてニタリと笑いを浮かべると、
地面に落ちていた日本刀――元々は戸田の武器だった――手に取った。そして楓の首に当てる。
「ひっ」
楓は息を飲んだ。だが、すぐ元の戦士の表情に戻り、決然と言った。
「こ、殺すなら、早く殺すでござるよ」
それは彼女なりの最後のプライドの誇示であった。だが、牛尾は刀を持ち返ると、胸元にズブッ
と差し入れた。そしてそのまま下方向に力を込め、楓の忍装束を真一文字に切り裂いた。
「ひぁああああああっっ」
胸元から下半身まで服をはだけさせられ、さすがの楓も情けない叫び声を上げざるを得ない。
元々胸にサラシを巻いていなかったため、その豊かな乳房は直接外気に晒されてしまった。
―――ズシュッ!
牛尾は刀を再び地面に突き刺した。牛尾が刀を手に取ったのは、楓を殺すためではなく服を切り裂く
ためだったのか。
楓はあらわになった胸元をなんとか男どもの視線から隠したかったが、右の掌は手首の骨を折られて
しまっているため動かない。仕方なく彼女は、痛んだ肩に鞭打って左手で、胸元を閉じようとした。
だが次の瞬間、その手は牛尾のごつごつした右手に掴まれた。
「なっ、なにするでござるか。放すでござる、放すでござるよ!!」
しかし皮肉にも、じたばたすればするほど、はだけた胸の隙間は開いていく。頭と左手を掴んだまま
牛尾はニタニタと歪んだ笑みで、奴隷のささやかな抵抗を楽しんでいた。楓は「こいつの手なんか
握りつぶしてやるなり」と思い、噛み合った牛尾の掌にぎゅっと握力をかけた。だが、打撲したその
左腕ではさほどの握力が出ない・・・
「おいおい、まさかこんな弱い握力でわしの手を握りつぶそうとしてたのか?」
牛尾は楓の横に顔を近づけ、彼女の顔を覗き込みながら言った。楓はその不快な笑みを
キッっと睨みつけた。だが、それは牛尾の嗜虐心を刺激するものでしかなかった。
「ひひひ、お手本を見せてやるよ」
牛尾は組み合った掌に力を込め、楓の掌を握りつぶす。
「あがっ、あがいぁーーーっ! あがっ、あがががががが」
楓は泡を吹き、おかしな悲鳴を上げる。バリバリッとにぶい音がし、各指の骨と同時に
神経組織まで破壊されたようだ。無理もない、牛尾の握力は優に200kgを越えているのだ。
「これで、二つの掌が使えなくなったな。ぐへへ・・・」
牛尾は満足気な顔で舌なめずりをした。楓は顔をひねり、肩口で口元の泡と涙を拭った。
悔しかった。こんな鬼畜どもの前で涙を流したことが情けなかった。もっとも掌を握り潰されて
涙が出ない人間など稀なのだが。
「それにしてもおめぇ、でかい胸してんなぁ?忍びにしとくには勿体ねぇや、へへ」
そう言うや否や、牛尾は楓の背に手を伸ばし、忍装束を下方向に勢いよく引っ張った。前面が
上から下までぱっくりと裂け、肩のところでかろうじて引っかかっていた装束が、ビリリと音をたてて
破れ、全て牛尾に剥ぎ取られてしまった。もはや楓の身体に残されたのは、腰巻―――女子用の和装下着、
フンドシに似たパンティ―――1枚だけになった。郡司が歓喜の声を上げる。
「がははははっ、これがさっきまで俺達を脅かした戦鬼の姿かよっ!」
「ぐ、ぐぅぅ・・・・・・」
牛尾さえいなければこんな奴らなんか訳ないのに。楓は自分の不甲斐なさが口惜しかった。鬼畜側に
まさかこんな猛者がいたなんて。牛尾の存在は彼女にとって致命的な誤算だった。
「いいねぇ、戦場の白いセミヌード!いよっ、最高ッ!」
「夜の無人島にはことさら映えるよなぁ・・・」
「しかも滅多におめにかかれんぞ、こんな巨乳少女には。へへ」
鬼畜達が黄色い声を楓に浴びせる。楓の頬はみるみるうちに桜色に染まった。無理はない、
いくら楓が強いといってもまだ14の女の子なのだ。
「みっ・・・見るなぁっ! あっち向くなりよぉーーーーーーっ!!」
だがそんな言葉に耳を傾ける鬼畜達ではない。久しぶりに見る若い女の半裸姿を、
まばたきするのも惜しいとばかりに鑑賞していた。
羞恥に悶える楓の表情を堪能しつつ、郡司が牛尾に続きを即した。
「これからが本番ですな、俺達に逆らったらどういうことになるか。このあばずれの身体に
叩き込んでやりましょうや」
「おう・・・」
牛尾は両腕を後ろから楓の身体に回し、きつく抱きしめた。というよりも・・・締め付けた。
「うぎゃあ・・・・・・ああ・・・・・・や、やめ・・・・・・らああ」
太い牛尾の腕が楓の乳房を潰す。まるで全方向から30Gの圧力でもかけられているようだ。
30Gと言えば、水深290mの海底の水圧と同じ圧力である。肺がうまく収縮できず、息が止まる。
楓は必死に、背後から締め付ける牛尾に右エルボを叩き込むが、牛尾は一向にひるむ様子を
見せない。メリリッ――楓の胸が嫌な音を立てる。どうやら肋骨にヒビが入ったようだ。
羞恥心で赤く染まっていた楓の顔が、次第に紫色に変色していく。
(し、死ぬ・・・・・・このままじゃ、拙者は・・・・・・)
「ちょっとちょっと、まだ殺さないで下さいよ。牛尾さん」
郡司の一声で、楓を締め付ける圧力が弱まり、楓はそのまま地面に投げ出された。
「ああ、そうだったな。悪い悪い」
牛尾は角刈りの頭を掻きながら郡司の方に向き直った。
「俺達のことも忘れんなよ、牛尾」
「そうだぜ、盛りのついた狼は別にあんただけじゃねぇからな」
牛尾が振り返ると、山下・子安も腕をぶんぶん振り回して準備体操をしている。2人とも、
早く戦いたくてうずうずしていたらしい。
「わかったよ。あとはお前らの好きなようにしろ」
「よっしゃーーー!!」
牛尾の了承に山下・子安・郡司がガッツポーズをする。
「けほっ・・・けほっ・・・」
楓は咳き込みながらも、右肘をついて起き上がり、なんとか立ち上がった。だがその足元は
ふら付き、激しい呼吸で肩が上下している。立ち上がった楓に気付いた鬼畜達が、楓に視線を戻す。
だが4人の様子からはありありとした余裕が見て取れた。その証拠に、先程までと違って警戒の
構えを取る素振りさえない。
(くっ・・・・・・拙者をな、なめでるでござるか)
だがそれも自然と言うものだろう。今の楓の身体の状態では専制攻撃を仕掛けるのは無謀なこと
だ。左腕は打撲により損傷し(
>>295)肘から下を弱弱しく持ち上げるだけでも肩に負担がかかる。
拳も破壊されており(
>>314)、実質パンチを放つのは不可能だ。右肩は正常に回るが手首の骨が
折られ(
>>293)、左手同様に指は全く動かすことが出来ない。
右足は太腿にウージーの連打を食らい(
>>294)、動脈本流への直撃は免れたものの、動かす度に
ズキズキと痛む。出血も止まっていない。膝を打ち抜かれ半月板が破壊されたクー(
>>64 >>145)とは違い、
二足歩行は可能だったが、それでもびっこを引くような歩き方しか出来ない。その右足を地に着けて
軸にし左足で蹴りを放つというのも、冷静に考えれば負傷した右足への負担が無駄に大きすぎる。
今の楓が出来そうな有効な攻撃法は、右エルボか体当たりぐらいのものだ。
「さて、第二ラウンドといこうぜ、九ノ一の姉ちゃんよ。殺された仲間の分まで、この郡司様が
仇を討ってやるぜ」
指をパキポキと鳴らしながら郡司が楓に迫ってきていた。一度は楓に降伏して命乞いをした郡司
だったが、今や完全に立場が逆転していた。
「しょ、正気でござるか?牛尾はともかく、他のザコ鬼畜ごときが拙者に勝てるとでも思うなりか?」
楓は心にもない強がりを言い、同時に右腕で赤く充血した乳首を男達の視線から隠した。だが、
年不相応の大きさの乳房は一本の腕で完全に覆い隠すことはできない。
「ククク。さすがのお前も、とうとうハッタリを言うようになったか」
郡司は嬉しそうに舌なめずりをする。後ろの二人に向き直った。
「山下、子安。もうこの際銃はいらん。素手だけでやってやろうぜ!余裕だろ?」
「ふっ・・・それもそうだな」
―――ダダダダダダッ、ダダダダッ、ダダダダダダダダダダダダダッ!
山下はウージーを天に向け、残っていた弾を撃ちつくした。子安もそれに倣う。
「おいおい、無駄使いすんなや」
牛尾が二人を注意する。しかし、その目は笑っていた。
「まぁまぁ牛尾さん。弾丸なんて本部に戻ればいくらでも補給できるんですから」
「今はゲームを楽しもうぜ?」
「お、おう・・・・・・」
子安は弾倉が空になった短機関銃を大げさに腕を振って投げ捨てた。ノリノリなもん
である。この中では一番知的そうな山下も、残忍な笑みを浮かべてウージーをぽんと放った。
(ったく、こいつら。自分の銃はもっと大事に扱えっちゅうに・・・・・・)
そんな彼らの振る舞いに、実は軍人である牛尾は若干の不満を覚えた。が、結局黙っていた。
(ま、こいつら民間人やしな。戦闘員としてのプロ意識を持てっちゅうのは土台無理な話か――)
「・・・・・・・・・」
鬼畜達が武器を使用しない。このことは楓に束の間の安堵をもたらした。だが、同時にそれは
それだけ楓が追い詰められているということを示していた。
「半裸で丸腰の女一匹に、サブマシンガンで応戦したら末代までの笑いモンだからな」
「ひひひ。装備一式が入った装束は牛尾さんが取り上げちゃってるしなぁ」
「飛び道具が使えない忍者なんて恐るるに足らねぇよな」
「男の強さってもんを、その肢体に思い知らせてやるぜ」
楓は三人の鬼畜と向き合いながらじりっと後退った。凶悪無比の牛尾にはおよばないが、
郡司達もBR法推進委員会の体力テストに合格し、バトルレイプの100人に選ばれた強者だ。
武器を失い、高速の跳躍もできない今、素手対素手でのぶつかり合いは楓に不利だった。
しかも相手は3人である。
危うし、楓! 負けるな、楓! 3−Aの未来は君の頑張りにかかっている!!
>>303 ワラタw
あの世界ってポケモン以外の動物(家畜とか)出てこないから、
ポケモン食べるしかないんじゃない?
でも、ミュウシリーズはまずそうだなぁ(*^_^*)
>>304 厳しすぎですw
>>305 ストーリーは実はかなり大まかにしか考えてないので、
柔軟な変更はいくらでも可能。
問題は僕自身の技法がそれに追いつくだけの水準があるか、ですね(汗
>>307 バックアタックって、ファイナルファンタジーの戦闘中で時々出るやつ?
>>308 ええ、いいと思います。何でも。
323 :
マロン名無しさん:04/05/04 12:39 ID:rz6VNU+v
逆にケンタロスやカモネギなんてのはうまそうだw
実は「食用ポケモン」の烙印押されてたりして…
324 :
名無しさん:04/05/04 15:30 ID:8JF+U2im
クラブやキングラーは、高級(?)
ドククラゲなんかは、プロの毒抜き職人がいるのか?w
325 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/05/04 18:05 ID:TBmklzqh
食いしん坊ポケモンと言えばやっぱりカビゴン。
ttp://www.ismusic.ne.jp/pixie/zukan/kabigon.htm >自分の体重が460kgなのに、1日に400kgも食べる。食べたものはどこへいくのかきになるところ。
>リンゴなどのほか、食べられそうなものなら、何でも食べ、イバラの草なども食べることを確認(かくにん)。
>頑丈(がんじょう)な胃袋(いぶくろ)は、食べ物がカビが生えてようが、くさってようがこわれない。
~~~~~~~~~~~~~~~~
↑
こ、これはまさか・・・洒落なんですか、オーキド博士?
>>323 カモネギ・・・ネギま!には「ネギ」と「カモ」がいるけど、赤松先生もしや・・・ポケモンマスター!?
>>324 カビゴンなら特技の「眠る」で毒も治せるんだよね^−^ えっへん
でも2ターン動けんのが痛い…。_| ̄|○
326 :
マロン名無しさん:04/05/04 18:51 ID:rz6VNU+v
う〜ん…ポケモン世界の住人たちの食生活は想像しがたいなぁ。
ある家庭の食卓の会話↓
母「ご飯よ〜」
子供「今日のご飯なに?」
母「オニドリルの丸焼きと、マダツボミのサラダよ(ハート)」
子供「わ〜い!」
……………(汗
それでこの子供が使ってるポケモンがオニドリルやマダツボミだったりしたら、
大変な矛盾が……
327 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/05/04 19:18 ID:TBmklzqh
吹いたw
マダツボミのサラダって・・・嫌過ぎ(笑
食虫植物だから胃(あんのか?)の中にビードルとかキャタピーが
入っていそうだ。おええー(T▽T)
328 :
ポア:04/05/04 19:36 ID:0SF0725s
お母さん 「今日はポッポの照り焼きとナゾノクサの和え物よ〜」
子供A 「やった〜!早く食べてぇ!!」
子供B 「お腹減った〜!早く早くぅ!……あれっ!僕のポッポとナゾノクサは?」
お母さん 「ギクッ…さあ?散歩でも行ったんじ…
子供B 「ああ、この照り焼きポッポ、僕の首輪着けてる!!まさかっ!!」
お母さん 「まあイイじゃない。焼いちゃったんだし…」
子供A 「ポッポ冷やす?もう無理だろうけど…」
子供B 「酷いよお母さん!!ポッポ〜!生き返ってくれ〜」
お母さん 「ごめんよ。今度ピジョン捕まえてきてあげるからさ」
子供B 「エッ!本当?!ならいいや」
子供A 「(こいつらいったい…)」
お母さん 「んじゃ食べましょう。せーの」
子供A・B「いっただっきマ〜ス!」
むしゃむしゃむしゃ…………
子供A 「おっいし〜!」
♪チャンチャン♪
>>328 改変してみた。「ポケモンな食卓〜ジムリーダー編〜」
サトシ 「カスミ、タケシ、ご飯出来たよ〜」
カスミ 「へ〜!サトシが料理なんてめっずらしー!雨でも降るんじゃないかしら」
タケシ 「まぁまぁ……せっかくサトシがその気になったんだから、ありがたく頂戴しようや」
サトシ 「そうだよ…カスミ、食いたくないんなら、食わなくてもいいんだぞ?}
カスミ 「わ、わかった。わかりました。食べりゃいーんでしょ、食べりゃあ」
サトシ (・・・ったくカスミの奴、素直じゃないなぁ・・・まぁいつものことだけど)
カスミ 「ムグッ!? 何、この味?ちょっとサトシあんた、スープに何入れたのよ!」
サトシ 「ああ、ちょっとスターミーを大匙一杯…」
カスミ 「スターミーですって?どこで捕まえたのよ!この辺にはスターミーなんていないはずよ!?」
サトシ 「え・・・・・・っとそれは、その・・・・・・ど、どこだったっけピカチュウ?」
冷や汗かきながらピカチュウに振るサトシ。
ピカチュウ「ピーッ、カーッ、チュウゥ・・・・・・(消え入りそうな鳴き声)」
困った顔のピカチュウ。
330 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/05/04 20:36 ID:TBmklzqh
カスミ 「あれ、私のモンスターボールが無い!サトシあんた・・・・・・(怒」
サトシ 「えーっと、その、あの・・・・・・食材がなかったもんだから、つい、ね?・・・はは、なはなは」
サトシ、カスミから目を逸らす。
カスミ 「あのねーっ!今日私、ハナダジムで試合があんのよっ!?負けたらどう責任取ってくれんのよっ!」
タケシ 「お、落ち着けカスミ。そん時はニビジムのジムリーダー譲ってやるから」
カスミ 「いらないわよ!あんな泥臭いジムのリーダーなんてっ」
タケシ 「そ、そんな・・・・・・」
年下の言葉に反論も出来ず落ち込むタケシ。←いつものことですね〜(笑い
カスミ 「もういいわ!サトシ、タケシ、あんた達とは絶好よ!元々、自転車のために一緒に旅してきた
だけだしね、ふんっ!」
サトシ 「お、おいちょっと待てよ、カスミ。」
カスミは走って行ってしまった。
サトシ 「冗談だったのに・・・実はスープのスターミーはメタモンの変身で、本物はちゃんと生きて・・・」
タケシ 「ニビジムは泥臭い・・・・・・」
サトシ 「な、なぁ。タケシ、どうしたらいいと思う?」
タケシ 「泥臭い・・・」
サトシ (駄目だ。タケシはいざとなった時頼りにならないんだから)
以上、サトシはおっちょこちょい、カスミは早とちり、タケシはいい年して情けないという
3バカトリオの平凡な食卓でしたw
331 :
名無しさん:04/05/04 20:52 ID:FQcfsxDd
カスミ 「あれ、私の処女膜が無い!サトシあんた・・・・・・(怒」
サトシ 「えーっと、その、あの・・・・・・たまってたもんだから、つい、ね?・・・はは、なはなは」
サトシ、カスミから目を逸らす。
カスミ 「あのねーっ!今日まで私、守ってきたのにどう責任取ってくれんのよっ!」
タケシ 「お、落ち着けカスミ。ニビジムのジムリーダー譲ってやるから」
カスミ 「いらないわよ!あんな泥臭いジムのリーダーなんてっ」
タケシ 「そ、そんな・・・・・・」
年下の言葉に反論も出来ず落ち込むタケシ。←いつものことですね〜(笑い
カスミ 「もういいわ!サトシ、タケシ、あんた達とは絶好よ!元々、自転車のために一緒に旅してきた
だけだしね、ふんっ!」
サトシ 「お、おいちょっと待てよ、カスミ。」
カスミは走って行ってしまった。
サトシ 「冗談だったのに・・・実は・・・」
タケシ 「ニビジムは泥臭い・・・・・・」
サトシ 「な、なぁ。タケシ、どうしたらいいと思う?」
タケシ 「泥臭い・・・」
サトシ (駄目だ。タケシはいざとなった時頼りにならないんだから)
以上、サトシはおっちょこちょい、カスミは早とちり、タケシはいい年して情けないという
3バカトリオの平凡な食卓でしたw
333 :
特厨非FAN ◆AntiT24WoA :04/05/05 19:59 ID:rHfG48a0
>>331 エロ過ぎですよ先生〜♪
しかし年下のサトシに先に童貞捨てられて、ますます年長者としてのタケシのメンツが・・・(笑
>>332 そのスレの子、カナーリ萌えるね♥
334 :
ふんが:04/05/10 22:34 ID:9wl+rPEg
続きは〜?
335 :
ふんが:04/05/10 23:17 ID:9wl+rPEg
続きはわわん?
もちつけ
337 :
名無しさん:04/05/11 16:06 ID:5ff0HwuZ
続きを
もちつけ
339 :
名無しさん:04/05/14 01:43 ID:6rdm15Za
つづきおそすぎ
やるきあんのか?
341 :
名無しさん:04/05/14 01:52 ID:6rdm15Za
ほんまそれ
しりとりしようか?
リンゴ
↓(ご)
343 :
名無しさん:04/05/14 02:05 ID:6rdm15Za
ゴリラ
344 :
名無しさん:04/05/14 02:06 ID:InY2j+Ac
↓
ラッパ
↓
パイパン
↓(ん)
346 :
名無しさん:04/05/14 02:15 ID:6rdm15Za
↓
パンダ
↓
347 :
名無しさん:04/05/14 02:20 ID:InY2j+Ac
↓
だからさーグダグダ言ってないで一回飛んでみればいいんじゃな
↓
348 :
名無しさん:04/05/14 20:27 ID:kykZFjrw
↓
なかなかうまく行かないんだYO!(よ)
↓
よお、なんか
comic4サーバ、おかしくなってる?9:30頃まで正常だったのに
↓
(に)
350 :
名無しさん:04/05/15 22:47 ID:Imae3jy9
兄ちゃんら学校休みやからゆうて2CHばっかりしとったらアホんなるで
↓
(で)
351 :
[MAKEdog]tora ◆9eTigeR8aA :04/05/15 22:49 ID:DWzxyv7Q
でつ
(つ)