田勢康弘の週刊ニュース新書 10/07/03 ★1まーご

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324ワールド名無しサテライト
母国の内乱を逃れ来日して40年、その間世界各国を転々としながらも、少なくともこの国で団塊ジュニアと呼ばれるモラトリアム族よりは昔から日本を見て、肌で感じて来た。「政治的選択とはより少な
い悪を選ぶことだ」という政治学の定説が、世界のあらゆる国において正しいのと同様、日本においても正しい事を知った。少なくとも現在2010年の時点で「大人」といえる40代以上の日本人は、彼
らの政治的選択からそのことを理解していると言って良いだろう。問題は30代以下である。この世代は日本が世界に誇る様々な文化、文明から遠ざかり世間の大人達からは「若者の〜離れ」と言われてい
る世代である。そのひとつに「選挙離れ」がある。彼らは決して投票に行かないのではない。投票所へ足を運びながら、あえて白票を投じて帰って来るのである。この行動にこそ何事にも不自由することな
く育った彼らの特徴が最も良く表れている。選べと言われて選ばないのだ。パンとトルティーヤを出されて、コメが食いたいから要らないと言うのである。人間いちどでも飢えた経験があれば、草でも虫で
も感謝して戴くものである。日本人と呼ばれるに値する人々はこのように食べ物を粗末にはしなかったはずだ。初めて日本を訪れ、人も物も大切にする礼儀正しい日本人に感銘を受けた私からみると、彼ら
のほうが「日本人離れ」して行っているように思う。その最たるものが、白票より更に過激な選択といえる「自殺的投票」である。彼らは都議選を含めれば3回続けて、外国系勢力の政党に票を投じてしま
ったのだ。確かに彼らはすぐ上の大人達と比べると不遇の世代といわれることもある。もちろん個人の現況は彼ら自身の責任であるが、時代の不運も多少は手伝ったのかもしれない。そんな自己の境遇に不
満を持つ者達が社会に責任を求め、社会をより良くしようと努力を始めるならまだ良い。しかし彼らはそうではなかった。「こんな国なら壊れてしまえ」とばかりに民主党に票を投じたのだ。他人を巻き添
えに自殺を図ったようなものである。私の知る、日本人と呼ばれるに値する人々は少なくともこのような事をしない道徳心は持ち合わせていたし、命の大切さを理解できない人間が例外的な集団ではなく
「若者一般」である国など日本以外には見た事がない。いったい日本人はどうなってしまったのか。日本はどうなってしまうのか。日本のおかげで私の母国にも学校が出来た。貧しい子もみな最低限の教育
を受けられるようになった。その日本の若者からいま、最低限の道徳心が失われている。日本はいま一度、自分の国の教育を考え直し、再び世界から信頼される日本に戻ってほしいと願っている。