公明党の井上義久幹事長は30日の記者会見で、安倍晋三首相が8月にも
発表する「戦後70年談話」について「与党とも協議する機会が当然あるだろう」
と述べ、談話の作成過程で与党協議を行うべきだとの考えを示した。公明党は
新たな談話が中韓両国の反発を招くことを懸念しており、過去の談話の表現を
踏襲することに否定的な首相をけん制する狙いがありそうだ。
首相は29日の衆院予算委員会で「談話は内閣の責任で発出する」と述べた。
これに対し井上氏は「戦後70年に改めて談話を出すのだから、政府・与党で
コンセンサスがなければならない」と強調。談話の作成過程で公明党の主張に
配慮するよう求めた。
首相は1995年の村山富市首相談話など歴代内閣の立場を「全体として
引き継ぐ」とする一方で、「植民地支配と侵略」「心からのおわび」などの
表現は踏襲しない考えを示している。公明党は変更に慎重な立場で、井上氏は
「歴代内閣の基本的な方針を受け継ぐと言っているので、しっかり踏まえた
談話になるのは当然だと思っている」と語った。
菅義偉官房長官は30日の記者会見で、与党協議に関し「談話の発表に
当たっては、与党の理解を得ていくのは重要だと考えている」と述べるにとどめた。
毎日新聞【高本耕太】
http://mainichi.jp/select/news/20150131k0000m010102000c.html