厚生労働省は26日、外国人が働きながら技能を学ぶ外国人技能実習制度の
対象職種を介護分野に広げる方針を決めた。一定の日本語能力や介護に関する
知識があることを要件とし、2015年度の実施を目指す。昨年10月から
議論してきた検討会が報告書をまとめた。
介護は、製造業や農業など従来の技能実習と異なり、初めての対人サービス
となるため、日本語の能力は不可欠として固有の要件を設けた。日本語能力
試験の「N3」(日常的な日本語をある程度理解できる)程度を基本とし、
入国時はそのレベルに達していなくてもよい。専門用語や方言については実習
機関で研修すべきだとした。
実習生を受け入れる介護施設については、設立から3年以上の施設に限り、
一対一の業務となる訪問介護サービスは除いた。実習生の指導は、原則として
介護福祉士が担当する。
現行の制度では「職員50人以下で3人」としている実習生の受け入れ人数に
ついて、介護分野に固有の枠を規定。小規模施設の場合、直接の指導が困難に
なる可能性があることから、職員30人以下の場合はその10%を限度として
受け入れが可能とした。
国内の介護人材を巡っては慢性的な人手不足を背景に、政府は昨年6月に
閣議決定した成長戦略「日本再興戦略」で、技能実習制度に介護分野を追加するか
どうか検討すると決めていた。今回の追加について厚労省は「相手国への技能
移転が目的」と強調している。
介護分野の外国人労働者は、08年度から経済連携協定(EPA)に基づき
インドネシアなどから受け入れてきた。しかし原則4年間で介護福祉士の試験に
合格しないと帰国しなければならず、働いているのは約1000人にとどまって
いる。【金秀蓮】毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20150127k0000m040079000c.html