安倍晋三首相が4月下旬から5月上旬にかけての大型連休中に訪米し、オバマ大統領と会談する方向で調整を進めていることが分かった。
訪米に際し、今年が戦後70年の節目であることを踏まえ、ハワイ・真珠湾を日本の首相として初めて訪問することも検討。太平洋戦争の
引き金となった真珠湾攻撃の舞台で「不戦の誓い」を行い、自らが掲げる「積極的平和主義」に対する国際社会の理解を得る狙いがある。
複数の政府関係者によると、首相は首都ワシントンでオバマ大統領と会談し、アジア太平洋地域の平和と安定に向け、日米同盟をさらに強化
する方針を確認する考え。今年前半までにとりまとめる日米防衛協力の指針(ガイドライン)改定や、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)
妥結に向け、協力関係強化を打ち出したい意向で、米側と調整を進めている。
さらに、政府は訪米に合わせ、ワシントン以外の米国内の複数の地域への訪問を検討しており、訪問地としてハワイ・オアフ島が浮上している。
1941年12月の真珠湾攻撃では、米太平洋艦隊基地に対する旧日本海軍による攻撃により、米側は戦艦などが撃沈され、乗組員ら2000人
以上が死亡。日本側も60人以上が戦死した。政府筋は「日米は同盟国として強固の関係を保っており、米側の過去へのわだかまりも薄らいで
いる」と指摘。「首相が戦没者を慰霊することで、国際平和構築への意欲を示すことができるのでは」と話している。
ハワイ以外の訪問地としてはサンフランシスコも候補に挙がっている。サンフランシスコでは51年9月に米国などとの対日講和条約や
日米安全保障条約の署名が行われており、現在はIT(情報技術)などハイテク産業の集積地となっている。
首相が訪米を通じて「平和」を強調するのは、中韓両国が展開している首相の歴史認識に対する批判を払拭(ふっしょく)する狙いもある。
そのため、首相は訪米中に演説し、国際平和構築に向けた日本の貢献をアピールすることも検討している。
ソース(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20150114k0000m010106000c.html 写真=安倍晋三首相
http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/select/images/20150114k0000m010115000p_size5.jpg