"地域住民、先導し避難か 大川小検証委が震災当日分析"
東日本大震災の津波で宮城県石巻市立大川小の児童・教職員計84人が死亡、行方不明となった問題で、
第三者の事故検証委員会は20日、津波が来た際、地域住民が先導して児童を避難させた可能性が
あったことを新たに明らかにした。
これまでの調査に基づき、同日の5回目の会合で公表した「事実情報に関する取りまとめ案」で示した。
検証委が震災当日の児童らの行動を分析するのは初めて。
同案では「地域住民による『避難します』という声掛けがあったとの証言がある」と指摘。
「移動では地域のお年寄りが先頭を歩き、その後に児童が続いた」とした。市教育委員会のこれまでの説明では、
避難の際の地域住民との関わりは明らかになっていなかった。
一方、校庭に集まった児童に教職員から避難などの指示がなかった点など市や学校側の危機感の薄さを
うかがわせる証言も盛り込んだが、学校の対応に関する細かい分析にはまだ至っていない。
検証委はこれまでに生存児童や教職員計7人を含む関係者延べ143人から聞き取り調査をした。
近く事実情報の検証を正式に取りまとめ、11月3日にはノンフィクション作家の柳田邦男氏ら
有識者5人から公開ヒアリングを実施する。
2013/10/20 23:25
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG20029_Q3A021C1CR8000/