◆防災指針 募集意見ほとんど反映されず
原子力発電所の事故に備えた防災指針を見直している、国の
原子力規制委員会は、ヨウ素剤の事前配布や、住民が避難を
始める新たな放射線量の基準などを正式に決めました。
防災指針の見直しについては、「放射線量の基準を下げるべきだ」などの
意見が国民から3000件余り寄せられましたが、指針へはほとんど
反映されませんでした。
原子力規制委員会は、去年10月に決定した新たな防災指針を見直して、
原発からおおむね5キロ以内では、甲状腺の被ばくを抑えるヨウ素剤を
家庭に事前に配ったうえで、放射性物質の放出前に避難することや、
5キロから30キロの範囲では、測った放射線量が1時間当たり
500マイクロシーベルトに達した地域から避難することを、新たに
盛り込みました。
防災指針の見直しについて、先月末から2週間、国民の意見を募集した結果、
「ヨウ素剤を事前に配る範囲が狭すぎる」「放射線量の基準を下げるべきだ」など、
合わせて3155件が寄せられました。
これに対して、規制委員会は「原発事故の教訓を踏まえ、適切な検討を行った」
として、指針へはほとんど反映させず、見直しはほぼ原案どおりに決定しました。
原発の30キロ圏内の自治体は、来月18日までに地域防災計画の見直しを
迫られますが、指針の作業が1か月ほど遅れたため、自治体からは、
避難先や避難の方法が決められないといった意見が出ています。
NHK 2013年2月27日 動画あり
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130227/t10015823961000.html