◆NYタイムズ“中国からサイバー攻撃”
アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズは、去年10月に中国の温家宝首相の
親族がばく大な資産を蓄えていると伝えたころから、中国からのサイバー攻撃を
受けてすべての従業員のパスワードが抜き取られたと伝え、「温首相を巡る
記事の取材源を探ろうとしたもので、中国の軍が関与している可能性がある」
と主張しています。
ニューヨーク・タイムズが30日、ウェブサイトに掲載した記事によりますと、
去年10月から今月まで、中国を発信源とするサイバー攻撃を受け、一時、
社内のネットワークに不正に侵入されました。
そして、すべての従業員のパスワードが抜き取られたほか、53人のパソコンが
不正にアクセスされたということです。
サイバー攻撃が始まったのは、ニューヨーク・タイムズが「中国の温家宝首相の
親族が1000億円以上に上るばく大な資産を蓄えている」という記事をまとめる
作業をしていた時期で、とりわけ、記事を書いた上海支局長のメールのやり取りが
集中的に狙われたということです。
ニューヨーク・タイムズは「取材源を探るのが主な狙いだったようだが、取材に
関わる情報は漏えいしていない」と説明しています。
また、温首相の記事を掲載する前、中国当局から「代償を払うことになる」と
警告されていたことも明らかにし、サイバー攻撃について、「記事に対する
報復で、中国の軍が関わっている可能性がある」と主張しています。
NHK 2013年 1月 31日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130131/t10015201321000.html