◆iPS初の臨床研究申請…理研倫理委に
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代
プロジェクトリーダーらの研究チームは26日までに、様々な臓器や器官の
細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)から作った網膜の細胞を、
視力が低下した加齢黄斑変性の患者に移植する臨床研究の実施を
同研究所の倫理委員会に申請した。
iPS細胞を用いた臨床研究の申請は国内初で、実施されれば、
世界で初めてとなる可能性がある。
患者自身の皮膚細胞から作製したiPS細胞を培養して網膜の細胞に
変えておき、患者の網膜中心部と取り換える。移植手術は神戸市内の
先端医療センター病院で行う予定で、同病院の倫理委員会にも申請を行う。
各施設の倫理委は、動物実験の結果などをもとに移植の安全性や効果を検討。
倫理委が承認した段階で、同研究所が厚生労働省に審査を申請する。
厚労省が実施を認めれば、早ければ来年度にも移植が実施される。
◇加齢黄斑変性
網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見えにくくなる病気で失明の
原因となっている。日本では高齢化と生活の欧米化などにより近年
著しく増加している。
読売新聞 2012/10/26
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20121026-OYT8T01086.htm