橋下徹大阪市長が率いる国政政党「日本維新の会」は二日、今井雅人(比例東海、民主党に離党届)、谷畑孝(比例近畿、自民党に離党届)の両衆院議員の入党を正式に決めた。
所属する国会議員は九人になったが、橋下氏ら党幹部も国会議員も今のところ全て男性。公約の「維新八策」にも女性の社会進出や子育てを支援する政策はほとんど盛り込まれていない。
組織的にも政策的にも「女性の視点」はほぼゼロといえる。 (金杉貴雄)
「この会合の欠点は女性がいないことだ。日本を復活させるために人口減少に手を打たないといけないが、女性の能力を発揮しながら、子どもを育てる観点が(維新八策に)十分入っていない」
鳴り物入りで九月九日に行われた維新の会の第一回公開討論会。有識者として出席した北岡伸一政策研究大学院大教授(政治外交史)は維新の会の課題をこう指摘した。
討論会の参加者は、橋下氏ら党幹部、国会議員、東国原英夫前宮崎県知事ら首長経験者、有識者を含め全員男性。その後に開催された二、三回目の討論会でも、女性が加わることはなかった。
北岡氏が指摘する通り、維新の会の「男目線」は顕著だ。公約の「八策」には、憲法改正や統治機構改革、新自由主義的な経済政策がずらりと並ぶ半面、少子化対策の記述はない。
唯一、雇用政策の項目の中で「外国人人材、女性労働力(→保育政策の充実へ)の活用」として、労働力としての女性の活用を唱えているが、子育てや子ども、家庭への支援という視点はない。
公開討論会でも、北岡氏が少子化対策と女性の能力活用のための施策を質問したが、松浪健太衆院議員が「若者心理が変わらないと、子どもをつくる気にならない。
政治がタブーに手を突っ込まないとマインド(心理)の転換が起きない」と抽象的に答えただけ。議論はすぐに医療の規制緩和や統治機構改革に移り、維新の会の「女性」「子ども」への関心のなさが目立った。
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