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カルト問題に詳しい恵泉女学園大の川島堅二学長兼教授(宗教学)は「この女性が被
害に遭ったのは、強引な勧誘を繰り返して『反社会的カルト』として問題視されている
団体です。表向きには支援をうたいつつ、信者の勧誘を行うカルト団体と被災者との
間でトラブルが相次いでいます」と説明する。
被災地に入り込んでいるのは、この団体だけではない。入会者とのトラブルが絶えな
い別の自己啓発セミナーは、正体を隠してNPO団体を設立している。「避難所に整体
師やアロマセラピストなどとして潜り込んで、ひそかに勧誘活動を展開している」(川
島氏)
オウム真理教を改称し、松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(57)の教義を受け継ぐ
「アレフ」も、震災を悪用して信者獲得を図っている。
「教団のホームページで『修行で、放射線被害は乗り越えられる!』と宣伝。福島
第1原発事故に不安を抱く人々の心理を突く形で、積極的な布教活動を行っている」
(公安関係者)
公安調査庁によると、こうした工作活動で今年に入って約80人を新たに獲得、信徒
を約1300人にまで伸ばしている。
カルト問題に詳しい宗教学者の島田裕巳氏は「経済情勢や家族関係の悪化、犯罪の増
加など不安要素を並べ立てて、洗脳するのが常套手段です。『今の世の中は間違ってい
て正しい自分たちだけが救われる』という主張を展開する彼らにとって、大規模な事故
や災害は人々の不安につけ込む格好の材料になる」と注意喚起する。
被災者だけではなく「現状に不満を抱えた若い世代や震災ボランティアに参加する若
者も狙われがちです。問題意識を持ちながらも世間慣れしていない人が多く、心の隙間
につけ込まれやすい」(島田氏)。
カルトが仕掛ける巧妙な罠。怪しさ、うさん臭さを感じたら、耳を貸さず、徹底して
遠ざけることだ。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120629/dms1206291536016-n1.htm