光で着脱自在のゲル 阪大チーム開発 手術時の止血剤など応用も
2012.1.4 06:59
振動させるとくっつき、紫外線を照射すると分離、可視光と振動で再びくっつく。
光で着脱自在のこんなゼリー状物質(ゲル)を大阪大の原田明教授(高分子科学)の
チームが開発、3日付の英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。
チームの山口浩靖准教授は「手術時の一時的な臓器の固定剤、止血剤などの医療面の
ほか、何度も使えるコーティング剤や水中で使える接着剤など産業への応用が考えられる」
としている。
チームは、直径約1ナノメートルのドーナツ形の物質「アルファ−シクロデキストリン(CD)」を
含むゲルと、アルファ−CDの穴にはまる物質「アゾベンゼン」を含むゲルを作製して検証した。
http://sankei.jp.msn.com/science/news/120104/scn12010407050000-n1.htm 切った貼ったは、光を当てるだけのゼリー状物質
手を触れることなく、光を当てるだけで、接着したり、離れたりするゼリー状の物質の開発に
大阪大理学研究科の原田明教授らが成功した。
プラスチック加工などへの応用が期待される。4日の科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」
電子版に発表する。
染料などに使われる物質、アゾベンゼンと、ブドウ糖がリング状につながったオリゴ糖の性質を
利用。アゾベンゼンは、可視光を当てるとまっすぐに伸び、水溶液中でオリゴ糖内に取り込まれ、
紫外線を当てると折れ曲がって飛び出ることが知られている。
原田教授らはアゾベンゼンを「鍵」、オリゴ糖を「鍵穴」とする2種類のゼリー状物質を合成。
それぞれを水中でいったん接着させた後、紫外線を当てるとオリゴ糖の鍵穴からアゾベンゼンの
鍵が抜けて、バラバラになった。紫外線よりも波長の長い可視光線をあてると、鍵が鍵穴に入った
ことを確認した。
(2012年1月4日07時40分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120104-OYT1T00016.htm