出張扱いで娯楽旅行、区長給与返還怠る…大阪市
大阪市内の区長が、地域団体主催の娯楽性の強い旅行に公務で同行したとして、
旅行時の給与を返還させるよう同市公正職務審査委員会が平松邦夫市長に勧告
していたにもかかわらず、市が期限の今年3月までに対処していないことがわかった。
市は1年以上前に勧告を受けた別の補助金返還措置も取っていなかったことが
判明したばかり。
2007年度から3年間で少なくとも124回、旭区を除く23区の歴代区長が、
各区にある自治会組織「地域振興会」などの招待を受け、出張扱いで参加。
山梨県の河口湖オルゴールの森見学や甲州ブドウ狩り(07年度、6区長)、
岐阜県の白川郷散策や高山ラーメンの試食(08年度、13区長)、大分県の
由布院温泉旅行(同、東淀川区長)など観光や娯楽要素が強く、
委員会が昨年9月、「区長の裁量権を逸脱している」として、6か月以内に、
旅行時の区長給与を自主返還させるよう勧告していた。
同市市民局は対応の遅れを「(勧告以外の件も)調べているため」と説明するが、
市民団体「見張り番」(大阪市)の松浦米子代表世話人は「怠慢すぎる。
勧告が骨抜きにならないよう、平松市長が指導力を発揮してほしい」としている。
委員会は弁護士ら3人の外部委員からなる市長の付属機関。昨年3月には、
振興会へ市が支出した約3900万円の補助金などについて「目的外使用の
疑いがある」として、振興会側に自主返還させるよう市に勧告したが、「調査中」
としてまだ応じていない。
(2011年5月17日12時22分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110517-OYT1T00120.htm