政府は9日の持ち回り閣議で、外国人献金問題で辞任した前原誠司氏の後任外
相に松本剛明副外相(51)をあてることを決定した。松本氏は皇居での認証式を経て
外相に就任した。また、菅直人首相は松本氏の後任の副外相に、民主党の高橋
千秋参院議員(54)を充てる人事も内定した。高橋氏の認証式は10日に
予定されている。
松本外相は9日夜、外務省で開いた就任会見で「民主党外交をしっかりと
軌道に乗せることが、後を引き受けた私の責務だ」と述べ、前原氏と同様、
日米同盟関係の深化や経済外交の推進を主要外交課題に掲げた。環太平洋パー
トナーシップ協定(TPP)に関して「アジア太平洋地域における大変大きな
経済連携の形になる可能性が高い」と指摘。「しっかり議論の俎上(そじょう)
に載せ、日本のためになるかを十分吟味し判断する」と述べ、前向きに取り組む
考えを示した。
また、松本外相は会見で、就任後初の外遊として、13〜16日の日程で
英仏両国を訪問することも発表した。14日からパリで開かれる主要国(G8)
外相会議に出席する。
菅首相は認証式に先立ち松本氏を官邸に呼び、外相起用を正式に伝えた後、
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題でこじれている日米関係の修復に
取り組むことなどを、約1時間にわたって指示した。【田中成之、西田進一郎】
毎日新聞
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110310ddm002010071000c.html