暴力団、露天商入会狙いホームレスと偽養子縁組
北海道苫小牧市を拠点にする暴力団飯島会系木村会幹部らが露天商団体に入会する
ため、ホームレスらと偽装養子縁組をしていたとして、道警が組員ら7人を電磁的公正証書
原本不実記録容疑で逮捕していたことが、捜査関係者への取材でわかった。
露天商団体への加入を目的とした組織的な偽装養子縁組が発覚するのは全国的に異例。
道警は2010年11月に同会の関連施設を捜索しており、資金源の実態解明を進めている。
起訴状などによると、逮捕されたのは、42〜64歳の木村会の幹部ら4人と、45〜61歳の
ホームレスの男ら3人。幹部らは苫小牧市内のハローワークやJR駅前などにいたホームレス
ら3人に「生活の面倒を見る」などと声をかけ、木村会の組事務所などに住まわせたり仕事の
面倒を見たりする見返りに、偽の養子縁組を持ちかけたとされる。
仲介役の幹部(64)を除く3組の偽養子縁組届が10年1〜2月、苫小牧市役所に提出され、
ホームレスらの名字に改姓した幹部ら3人は、露天商団体「北海道街商協同組合」(本部・
札幌市)に入会を申請した。同組合が申請書や顔写真などを道警に照会したところ、1人が
木村会幹部(59)とわかり、犯行が発覚した。
暴力団排除をうたっている街商組合の組合員は、露店への出店が許可されやすいため、
木村会幹部らは名前を変えて加入しようとしたとみられる。7人は同容疑などで逮捕、起訴
され、札幌地裁苫小牧支部で全員が有罪判決を受け、一部が控訴している。
道警への照会で組員と分かった幹部を除く2人は、木村会関係者と分からなかったため、
街商組合は入会を認めたが、道警からの指摘で12月に除名した。
(2011年1月1日17時56分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110101-OYT1T00482.htm http://www.yomiuri.co.jp/photo/20110101-532625-1-L.jpg