『うなぎパイ本舗』所得隠し 名古屋国税局指摘
2010年10月26日 朝刊
浜名湖土産として知られる「うなぎパイ」を製造する「うなぎパイ本舗」(浜松市中区)が
架空経費を計上し、法人所得を少なく見せかけたとして、名古屋国税局から二〇〇八年
三月期までの三年間に約二億五千万円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。
親会社の老舗菓子店「春華堂」(同)が指示し、本舗が隠した所得は春華堂の所得に移転。
確実な利益確保を春華堂が狙ったとみられる。
国税当局は「本舗から春華堂への実態のない経費の支払いが不正な利益供与にあたる」と
判断、本舗に重加算税を含めて一億円余を追徴課税したもようだ。本舗は修正申告している。
関係者によると本舗はうなぎパイを値引きして春華堂に売ったよう装ったほか、実態のない
商標権使用料を春華堂に支払ったよう見せかけていた。経理担当者は毎月、取引があった
ように偽の伝票を作成していたという。
春華堂はうなぎパイの製造と販売を分離、製造部門の子会社「うなぎパイ本舗」を
一九六六年に新設した。
春華堂、うなぎパイ本舗は取材に「意図的な税逃れではない。国税当局とは見解の相違は
あったが、指摘に従った」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010102602000020.html