柴野元衆院議員、来週にも再逮捕 未公開株で詐欺容疑
2010.10.9 01:45
今年7月の参院選比例代表に自民党から出馬、落選した元衆院議員、柴野多伊三容疑者(59)が
社長を務めるバイオ燃料開発会社「日本中油」(東京都港区)の架空増資事件で、柴野容疑者が、
事業実体がないにもかかわらず海外市場に上場すると偽り、数億円分の未公開株を個人投資家らに
販売していたことが8日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は来週にも、詐欺容疑で柴野
容疑者らを再逮捕する方針。
日本中油の会社概要によると、同社は落葉低木の「ジャトロファ」から抽出されるバイオ燃料の
開発と投資を中心に事業を展開。産経新聞が入手した同社の「資本計画」では、平成21年9月の
シンガポールの新興市場への上場を企図し、第三者割当増資などを経て、上場時には株価が
40万円程度になるなどと試算していた。
関係者によると、柴野容疑者はこうした「資本計画」をもとに、同5月ごろから、東京都内の投資
コンサルタント会社を通じ、個人投資家会員らに株式上場後に株を取得できる「株式権利」を
1株1万〜8万円で販売。計画が遅れてくると「限定○株」「早い者勝ち!」などと投資家をあおった
うえで、「これからのエネルギーはジャトロファが中心。来年4月までにはシンガポール市場に必ず
上場する。1株5万にも10万にもなる」と株の購入を勧め、数億円分の未公開株を販売していた。
このうち、柴野容疑者側には投資コンサルタント会社から約4億円が渡っていたという。
しかし、特捜部の捜査で同社には事業実体がなかったことが判明。特捜部は、柴野容疑者が当初
から上場する見込みがないことを認識したうえで未公開株を販売していたとみて調べを進めている。
特捜部は8日、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の罪で、柴野容疑者と同社元役員の
清水大作容疑者(40)を起訴した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101009/crm1010090146001-n1.htm