800人が話す未知の言語 コロ語、インド北東部で発見
2010年10月8日11時0分
チベットに近いインド北東部で、これまで知られていなかった新しい言語が見つかった。
コロ語と呼ばれる言語で話者は約800人。世界各地で言語が失われつつあるなか、
「新発見」は珍しい。米ナショナルジオグラフィック協会が発表した。
協会のチームがインドのアルナチャルプラデシュ州の農村地帯で、研究が進んでいない
アカ語とミジ語と呼ばれる現地の言葉を聴き、録音したところ、異なる特徴を持つ言語の
存在に気づいた。
この言語は「コロ」という小村で話されている。現地でアカ語を話す人は、この言語を
アカ語の方言と考えているが、チームが音や語彙(ごい)の特徴を調べたところ、
「山」をアカ語で「ピュ」というのに対し、この言葉は「ンゴ」というなど語彙が異なるほか、
音も「英語と日本語ほど違う」(チームのデビッド・ハリソンさん)ことがわかった。
コロの言葉は「チベット・ビルマ語族」に属するが、この語族の約400の言語のいずれにも
近いものがなく、チームは別の言語とした。
協会によると、世界で約7千の言語が話されているが、半分が絶滅の危機にある。
コロ語の場合も、話す人も20歳未満の青少年が少なく、書き残されたものがないため、
絶滅する可能性があるという。
同州は中国とインドが国境を巡り争っている地域。立ち入りが難しく、言語学的な研究は
あまりしていなかった。
http://www.asahi.com/international/update/1008/TKY201010080117.html コロ語を話す人たち=クリス・レニエ氏撮影、米ナショナルジオグラフィック協会提供
http://www.asahicom.jp/international/update/1008/images/TKY201010080120.jpg