脳の一部の大きさに異常=自閉症、解明に期待―東大
時事通信 9月18日(土)5時10分配信
人に合わせた行動が難しいなどの特徴がある自閉症の患者は、脳の
「下前頭回(かぜんとうかい)」の一部の体積が小さかったり、特定の
ホルモンの働きが低く、脳の「扁桃体(へんとうたい)」と呼ばれる部分
が大きかったりすることが分かった。
東京大大学院医学系研究科の山末英典准教授らが18日までに米
生物学的精神医学会誌の電子版に発表した。
自閉症やそれに似た発達障害は、症状の種類や程度が幅広いが、
遺伝性が高い場合、脳で働く遺伝子の異常による機能障害が原因と
考えられる。研究成果は発症メカニズムの解明と治療法の開発に
役立つと期待される。
山末准教授らが日本人の自閉症患者13人の脳を磁気共鳴画像診断
装置(MRI)で測定したところ、大脳の前頭前野の最も後ろにある「下前頭
回弁蓋部」の体積が通常より小さかった。特に右側部分が小さいほど、
他人の行動をまねて学習する際などの障害が重かった。
また、自閉症患者は、他人の感情を理解し、信頼関係を築く際に働く
ホルモン「オキシトシン」の働きが低く、このオキシトシンを受け取る
たんぱく質が多い「扁桃体」の体積が大きい傾向があった。
山末准教授らは、オキシトシンをスプレーで鼻に噴霧し、治療効果が
あるか検証する臨床試験を行っているという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100918-00000016-jij-soci