「新生GM」再起1年、再上場間近 商品競争力に課題
ttp://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY201007100352.html ttp://www.asahi.com/business/topics/economy/images/TKY201007100353.jpg 米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)が法的整理から脱し、「新生GM」として再起を図ってから10日で1年。規模の拡大から
利益の追求にかじを切り、短期間で再上場が視野に入ってきた。ただ、技術開発の遅れが今後の成長に影を落としている。
GMの販売店に客足が戻りつつある。米連邦破産法の適用申請から4カ月後の昨年10月、GMの米新車販売台数は1年9カ月ぶりに
前年同月比プラスになった。今年に入ってからは6カ月連続で前年を超えている。「拡大路線と手を切り、売れない車種やブランドを整理した。
この結果、販売奨励金を効率的に使えるようになった」。GM幹部は好調の理由をこう説明する。
マサチューセッツ工科大院のマイケル・クスマノ教授は「法的整理から1カ月で抜け出したため、『倒産』というマイナスイメージはほとんどなく、
債務を削減してコスト競争力がついた。破産法申請は正解だった」とみる。
GMは米・カナダ政府などから計500億ドル(約4兆4千億円)超の支援を受け、法的整理を通じて債務の70%近くを削減。今年4月には、
公的資金のうちGM株に転換されなかった分を返済した。
今年1〜3月期の純損益は8億6500万ドル(約760億円)の黒字。経営破綻(はたん)前の「旧GM」を含めると、黒字は2007年4〜6月期以来
約3年ぶりだ。エドワード・ウィテイカー最高経営責任者(CEO)は6月末の投資家向け説明会で「GMは1年前とはまったく違う会社になった。
経営は一変し、何より利益を出せるようになった」と再生の手応えを語った。
収益力が高まれば、再上場も近づく。GMはこれまで年内を示唆してきたが、8月に上場するとの観測も流れている。上場を果たせば、
GM株の計7割以上を保有する米・カナダ政府が一部を売却し、GMが公的管理から抜け出す道筋がみえてくる。
(続く)