児童ポルノ:根絶へネットブロッキング 「官」による検閲になりかねぬ−−山田健太氏

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1Ψ:2010/06/14(月) 10:50:01 ID:b/quFH2p0
◇山田健太氏(専修大准教授・言論法)

 日本社会全体に安心・安全のためであれば、個人の表現の自由やプライバシーの制限はやむを得ないとする考え方が強まる中で、
インターネットについても同様にサイトへのアクセスログなどの犯罪捜査への利用は仕方がないとする意識が広がりつつある。
しかし、憲法が保障する通信の秘密や表現の自由の優越的な地位を考えると、国家による介入は最も注意しなければならない。そうすると、
いまのブロッキング導入論には▽青少年保護という価値が表現の自由の例外となり得るのか▽名誉棄損やプライバシー侵害はなぜ権利侵害の例外とならないのか−−など憲法論に立った議論が、あまりに軽視されていないか。
ブロッキングは表現の自由や通信の秘密の侵害につながる規制でありながら、
児童ポルノサイトのアドレスリストづくりには警察の影響下にある民間団体がかかわるという。独立性や中立性、信頼性の欠如を示している。「官」による検閲になりかねない。
一方、日本では、犯罪捜査の検挙率や刑事事件の有罪率は極めて高いうえ、性犯罪の発生率は欧米に比べて低い。
そもそも表現の自由が規制される場合、明確で厳格な基準が求められる。そのことに照らしても合憲であるとの説得力のある説明もされていない。
根本的な議論がないまま、なし崩し的に制限されるのはおかしい。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100614ddm012040031000c.html
2Ψ

 ▼高井 伸夫先生
 
  弁護士、高井・岡芹法律事務所会長。

  1937年生まれ。61年東京大学法学部卒業。
  63年弁護士登録(第一東京弁護士会)。

  一貫して人事・労務問題を専門とし、リストラ問題等でも、
  多数の案件に関与。

  99年には上海に、06年には北京にも各事務所を開設


 ▼宮里 邦雄先生

  弁護士、東京共同法律事務所代表。
  
  1939年生まれ。63年東京大学法学部卒業。
  65年弁護士登録(東京弁護士会)。

  労働者・労働組合の代理人として数多くの労働事件を担当。
  02年より日本労働弁護団会長。

  04年より07年まで東京大学法科大学院客員教授(労働法)


 ▼千種 秀夫先生

  1932年生まれ。53年東京大学法学部卒業。
  
  67年最高裁判所調査官、83年東京地方裁判所判事、
  86年法務省民事局長、89年東京高等裁判所判事、

  92年最高裁判所事務総長。
  93年最高裁判所判事、02年定年退官、同年弁護士登録(第一東京弁護士会)。

  02年桐蔭横浜大学特任教授、04年同大学院法務研究科研究科長、
  07年日本法律家協会会長、
  08年桐蔭横浜大学名誉教授並びに法科大学院名誉院長