金総書記、今月末にも訪中か 党幹部、北京入りし調整
ttp://www.asahi.com/international/update/0418/TKY201004170363.html 【北京=峯村健司】北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が今月末にも訪中する公算が大きくなった。
中朝関係筋が17日、警護を担当する最高責任者である朝鮮労働党幹部が4月上旬に北京を訪れていたことを明らかにした。
金総書記の訪中の日程や会談の内容について最終調整したとみられる。訪中は中国側が要請したもので、実現すれば2006年1月以来4年ぶり。
北朝鮮は食糧不足が顕著となっており、5月にはさらに深刻化する。昨年末のデノミネーション(通貨呼称単位の変更)の失敗も
経済の悪化に追い打ちをかけている。このため食糧を含む経済援助を中国側に求める見通し。
また、中国が提案した北朝鮮の核問題をめぐる6者協議の予備会合についても協議するものとみられる。
今月8日、空路で北京入りしたこの幹部は、金総書記と家族を警護する護衛総局のほか、国家安全保衛部、人民保安部を統括している。
金総書記の日程管理や生活物資の調達にも携わる「側近中の側近」(北朝鮮筋)とされる。
中朝関係筋によると、中国共産党対外連絡部との間で金総書記の訪中の時期、具体的な日程や視察する場所などについて話し合った。
00年以降、過去4回の金総書記の訪中でも、約2週間〜10日前に警護責任者が事前協議に北京を訪れているという。
一行には、金総書記の通訳を務める朝鮮労働党国際部のキム・ソンナム副部長も同行した。中国留学の経験を持つキム副部長は
中国共産党とのパイプが太い。これまで故金日成(キム・イルソン)主席や金総書記の訪中に同行、中国の指導者との会談で通訳を務めてきた。
予定される首脳会談についての協議に加わったという。
ただ、金総書記は慢性腎不全を患っており、病状をふまえて最終判断するものとみられる。さらに北朝鮮側は警備上の理由から秘密訪問を希望。
外国メディアの注目を嫌って時期をずらす可能性もある。過去の訪問では北朝鮮の要請で、事前に日程を公表せず、
帰国後に国営メディアを通じて発表してきた。