NTT東日本が東京都文京区千駄木三に建設中のコンピューターサーバービルをめぐり「建築基準法違反で、周辺環境が悪化する」
として、近隣住民ら二十一人が二十日、同社を相手取り、建築差し止めを求める訴えを東京地裁に起こした。
NTTは二月から、同所の約四千四百平方メートルの敷地にある「駒込第二ビル」(三階建て)に隣接し、高さ約三十七メートル、
延べ床面積約九千百平方メートルのコンピューターサーバービルを「増築工事」として建設している。
地上七階、地下二階だが、高さは十二階建てマンションに相当し、地下も六階に相当する。
訴状によると、コンピューターサーバービルは駒込第二ビルとは建物の構造、外観がまったく異なる別個の建物の「新築」に当たると主張。
予定地は容積率が300%であるのに対し、隣接ビルと合わせた増築にしたことで、約400%になっていると指摘している。
また二十八階建ての文京シビックセンター(区役所)の二倍近い一万キロワットの電気が供給されるとして、
電磁波の漏えいや百台以上の空調室外機から発生する低周波による健康被害を懸念。
設備についてNTTからの説明が不十分としている。
原告らは会見で「谷根千(やねせん)と呼ばれ、観光客が集まる地域に窓がほとんどない工場のような巨大ビルはそぐわない。
NTTはわれわれの質問に答えていないのに、工事協定も結ばずに着工を強行するなど不誠実だ」と訴えた。
NTT東日本の話 訴状が届き次第、事実を確認し、適切に対処してまいります。
東京新聞 2010年4月20日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010042002000201.html