J&J、コンタクト価格広告に不掲載要求か 公取委調査 3月30日12時5分
使い捨てのコンタクトレンズをめぐり、医療品製造・販売の世界最大手ジョンソン・エンド・
ジョンソン(J&J)の日本法人(東京都千代田区)が、国内の販売会社の広告に価格を記載
しないようにさせたのは、取引先を不当に拘束する条件つきの取引にあたる疑いがあると
して、公正取引委員会は30日、独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで、同社の
関係先約10カ所の立ち入り検査に乗り出した。
コンタクトレンズ販売では、量販店が激しい価格競争を展開。2007年度で約1700億円の
市場規模があり、8割超を使い捨てタイプの商品が占めている。J&Jは、使い捨てタイプの
「アキュビュー」シリーズなどの人気商品を持ち、市場占有率が5割超に達している。
関係者によると、J&J側は09年秋ごろ以降、使い捨てタイプの「ワンデー アキュビュー
モイスト」などの人気商品について、価格の維持を狙い、他店と安売り競争している量販店に
対し、雑誌などの広告にコンタクトレンズの価格を掲載しないように求めていたとされる。
また、取扱量の多い量販店に対し、J&J側は、卸売価格を優遇していたが、広告に価格を
掲載した場合はこうした優遇措置の取りやめを示唆したという。
J&Jのコンタクトレンズ部門の広報担当者は「事実関係を確認しており、現段階では詳細は
申し上げられない。(公取委の)調査には全面的に協力する」としている。
J&Jをめぐっては、使い捨てコンタクトレンズのインターネットでの販売を一律に認めない
方針をとっていたのは、独禁法違反の疑いがあるとして、公取委は02年12月にも同社に
警告している。
公取委が公表している指針によると、「メーカーが小売業者に対して、価格を明示した広告を
行うことを禁止すること」は、価格が維持される恐れがあり、原則として不公正な取引方法に
該当し、違法になるとしている。
http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY201003300225.html ジョンソン&ジョンソンに立ち入り=価格維持のため、広告規制−公取委
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010033000380