ダム38か所「見切り発車」、国の満額補助前提
政府のダム見直し方針に基づき、国土交通省が建設の是非を再検証
するよう求めている30道府県の「補助ダム」58か所のうち、23府県が
38か所の事業費を、国の満額補助を前提として新年度予算案に計上
していることが、読売新聞の調べでわかった。
補助ダムは、八ッ場(やんば)ダム(群馬)など「国直轄ダム」と異なり、
都道府県が国の補助金を受けて建設する。前原国交相が昨年12月に
現地視察して直接、再検証を促した内海(香川)を始め浅川(長野)、
路木(熊本)など5県5か所は本体工事費を計上している。
国交省は新年度予算案で補助ダムに投じる国費を今年度当初の86%
に抑え、3月末に個所付けを公表するが、香川は「地元住民や産業界
から早期完成を求める多くの要望がある」(真鍋武紀知事)などと内海
ダムの満額補助に期待する。
浅川ダムも、村井仁知事が「流域住民の生命と財産を守るため」と必要
性を強調。国が補助を大幅にカットすれば、各地で工事遅延や計画
見直しなど混乱が予想される。「(33億円の)補助金が減額されれば執行
を留保せざるを得ない」(大阪)、「補助打ち切りは想定できない。県独自
に代替財源を確保するのは難しい」(群馬)と戸惑いも広がる。
国交省は夏頃に作成する治水対策の新基準に基づき、各知事に再検証
するよう求めている。ただ、本紙調査では、再検証に「応じる」と回答した
のはほぼ半数の15県25か所にとどまった。
(2010年3月9日03時04分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100308-OYT1T01260.htm?from=main5