「脱税王だ」「総理の資格なし」。自民党は12日の衆院予算委員会で
鳩山由紀夫首相を執拗(しつよう)に攻め立てた。母からの資金提供を
「全く知らなかった」とする首相の発言を否定するかのように、弟の邦夫元
総務相(自民党)の証言が登場。色をなして反論した首相が興奮のあまり、
失言する場面もあった。
■与謝野氏が「秘話」披露
「邦夫さんがぼやくんですよ」。自民党の与謝野馨元財務相がこう切り出した。
「うちの兄貴はしょっちゅう、おっかさんの所へ行って『子分に配るカネが
必要だ』とお金をもらっていた」
与謝野氏は首相の偽装献金事件で、邦夫氏から聞いたという話を衆院
予算委で披露した。母からの巨額の資金提供について「天地神明に誓って
知らない」と繰り返してきた首相発言を覆すのが狙いだ。
与謝野氏の質問に、首相は声を震わせて反論した。「全くの作り話です。
こういう話をされると、私はもう、兄弟と言っても信じられない話になりますが、
母に尋ねていただいても結構ですし……」
母の参考人招致になりかねないとみた民主党議員から、「冷静に冷静に」
の声が上がり、首相は「わかりました。すいません」と一呼吸置くと、国内の
震災支援への寄付を母に求めたことは「何度かある」と明かした。
首相への資金提供は2002〜09年に計12億6千万円。首相は贈与と
みなし、08年までの贈与税約5億7500万円を昨年末に納付した。ただ、
資金提供について首相は先月21日の国会答弁でも「全く知らない」と強調
し、「もし違うという事実が出てきたら、当然(議員)バッジをつけている資格は
ない」と言い切った。カネで困っていると母に言ったことも「一切ない」と答弁し
てきた。 asahi.com
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