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恵まれた家庭育ちで勉強嫌い、来日目的は物見遊山、ゲーム感覚やスリルを求めて犯罪を実行
――。在日華人の犯罪事情に詳しい広東省出身の姜傑(チアン・チエ)さん(46)は、最近の一部
留学生の特徴をそう話す。
警視庁の警察官だった坂東忠信さんは、堪能な中国語を生かし、通訳もできる捜査員として
中国人容疑者約1400人を取り調べた。留学生の犯罪では万引きを多く扱った。現行犯逮捕でも
大勢が否認した。逮捕された中国人の多くに「反省しない、友情を重んじる、家族思い」などの
共通点を感じたという。「考え方や行動様式が日本人とまるで違うことを知り、接し方を考えるべき
だ」と話す。
警察庁によると、08年に刑法犯で検挙された中国人2764人のうち、就学と留学の在留資格を
持つ者は4分の1の706人で、10年前の1.5倍だった。
姜さんは、中国人留学生に日本の法制度や刑罰を教えなければ犯罪は増えるという。接した
中国人の多くが「日本ではどんな犯罪でも初犯なら実刑はない」「警察官は絶対に発砲しない」
などと誤った口コミ情報を信じていた。
〈正規滞在者の犯罪〉 08年に刑法犯で警察に検挙された来日外国人を在留資格別にみると、
留学や就学など正規の在留資格を持つ「正規滞在者」は6534人で、資格のない「不法滞在者」
の614人を大きく上回った。10年前の6割増だ。不法滞在者は5割減った。刑法犯全体に占める
正規滞在者の割合は75.8%から91.4%に伸びている。中国人は、08年の検挙人数2764人
のうち9割の2492人が正規滞在者だった。うち留学と就学は計約28%を占めた。
http://www.asahi.com/special/kajin/TKY201002010286.html