国の「事業仕分け」で廃止の判定が出された事業のひとつに「農道整備事業」
というものがあります。三重県では松阪市の「ビーフロード」や熊野市の
「みかん地区」の農道が、まさに建設の最中。地元では反発の声が上がっています。
行政刷新会議が鳴り物入りで行った「事業仕分け」。「廃止」と判定された事業の
中にはこの地方の人々の生活を直撃するものもあった。それはまさに建設中の
農道を整備する事業が廃止の結論に。阿波曽町の自治会長は「中止になるとは
夢にも思わなかった。地域を発展させるにはこれがないと」と困惑している。
住みやすい農村を目指し、農産物の流通をスムーズにするための農道の整備。
三重県では2012年度までに9つの地区でおよそ320億円を投じて進めてきた事業だ。
費用の半分を国、残りの半分を自治体が負担してきた。その多くが完成しているが、
松阪市周辺で整備中の道路がピンチにさらされている。特産、松阪牛にちなんだ
その名も「ビーフロード」だ。県の担当者は「全体の7割出来上がっている。
ここまで進んでいる事業を中断となったら影響が大きい」と話す。畜産農家は
「なんのためにしたんや」などと怒りを見せている。「ビーフロード」は幹線道路の
渋滞解消など「一般道」としての役割も期待されていた。仕分けでは「必要なら
自治体が整備すればよい」などの意見からあっさり「廃止」の判定が下された。
松阪市の市長も憤りを隠せない。山中松阪市長は「地域の実情に応じて配慮
無いまま切り捨てるやり方がテロリズム的」だという。ミカンの名産地・熊野市の
「金山みかん地区」の農道もピンチだ。ミカン畑周辺は整備されていない道が
多く農家の人々は長年苦労してきたという。ミカン農家は「狭い道をミカン積んで
走った。でこぼこ道でミカンこぼれるし、畑も道路として提供してる潰したわけ
ですから無くなったら不便」と話す。三重県は、今年度分の予算でできる工事は
進めるとしているが、来年度は国からの予算が配分されない可能性があるという
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