新日石など3社、イラク油田開発で月内にも基本契約
イラク南部の巨大油田「ナシリヤ油田」の権益獲得を巡り、石油元売り
大手の新日本石油など日本企業3社が、イラク政府と月内にも基本契約
を結ぶ見通しとなったことが17日、分かった。早ければ22日に最終的な
詰めの交渉に入る。
日本側の3社はほかに、石油開発大手の国際石油開発帝石とプラント
大手の日揮だ。交渉では、原油の買い取り価格が焦点となる。日本側
の提案は、油田の開発資金を国際協力銀行がイラク政府に融資し、
イラク政府がこの債務を原油の売却代金で返済する枠組みだ。
また、原油の輸入量を確保するため、場合によっては2年の契約期間を
延長できるようにすることや、開発が計画通り進まなかった場合の損失
負担なども交渉課題となる。
イラクが交渉に引き込んでいたイタリア企業もナシリヤ油田の開発交渉
から事実上撤退しているとされ、日本側では「条件でよほどの対立がない
限り、契約にこぎ着けられる」とみている。
基本契約の後、日本企業の首脳がイラク入りして最終契約に調印する
運びとなっている。日本が開発を予定する鉱区は将来的に、最大で日量
60万バレルの産出が見込まれる。
日本の原油消費量の十数%を賄うもので、自主開発油田としては過去
最大規模になり、日本のエネルギー安全保障上、大きな転機になりそうだ。
(2009年11月18日03時00分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091118-OYT1T00105.htm?from=main1